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婚約破棄されて国外追放されたけれども、まあ別に良いかなって話

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「四大属性の魔法を扱えない君は、王妃に相応しくない」

 そう言って王太子は私を婚約破棄したわけですが、良いんですかね?

 私の魔法は確かにどの属性にも当てはまりません。

 ですが、初代国母が使用したとされる『豊穣』の特性を持った魔法を使えるんですよね。

 植物の病気を治したり成長を促進させたりする、一見地味めの魔法です。

 使いようによっては枯れた大地を再び緑溢れる土地にすることもできるという、規模の大きい魔法でもあります。

 それを見越して国王様は私を抜擢したと言っておられたのですが、あの馬鹿王子、さては話を聞いていなかったのかも知れません。

 まあ、もう過ぎたことです。

 愛想も尽きていましたし、丁度良い感じ。

 貴族位を剥奪された私たち家族は、馬車に乗って隣国へと向かってのんびりとぶらり旅です。

 国王様も重病でベッドから出られないようですし、王妃様は亡くなられていますし、この国に未来は無いでしょう。
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