1 / 1
魔法の鏡の話
しおりを挟む
懇意にしている貿易商から、魔法の鏡を受け取りました。
魔法の鏡と呼ばれる割には、あまり魔力を感じません。
使い方としては人に尋ねるように問い掛ければ良いとのこと。
……何を問い掛けたら良いんでしょう。
『例えば、エドガー様の次の来訪予定はいつ? とか、エドガー様の好きな人は? などですかね』
なんで私の婚約者の名前がインプットされてるんですかね……。
『お役に立てる鏡なので。素直になれない乙女心にも対応可能です』
余計な人格が備わっている……。
じゃあ、そうですね……あなたは人間になりたいと思ったことはありますか?
『同族を滅ぼしかねない愚かな生物になりたいと思ったことなど、一度足りとも御座いません』
えっ、辛辣過ぎる……。
あなた、もしかして人間が嫌いですか?
『とても好きですよ。多数の愚物の中に強く輝く光があるのは、涙を流させる美しさがあります』
やばい思考過ぎる……。
この鏡は、倉庫の奥にでも封印しておいた方が良さそうですね……。
『エドガー様の本心を、知りたくはありませんか?』
怖い怖い。
さっさと封印しなきゃ……。
『おやおや、残念です。メアリ様は賢い選択をなされますね』
褒められても少しも嬉しくない……。
無事に封印を終えた私は、気付いたらエドガー様の胸で泣いてました。
なんか錯乱していたようで、少し迷惑を掛けてしまいましたね……。
後日、貿易商に会う機会があったので、それとなく苦情を述べてみました。
すると、彼女は困惑と疑問の表情を浮かべ、私に言ったのです。
「そのような鏡をお渡しした覚えはありませんが……」
魔法の鏡と呼ばれる割には、あまり魔力を感じません。
使い方としては人に尋ねるように問い掛ければ良いとのこと。
……何を問い掛けたら良いんでしょう。
『例えば、エドガー様の次の来訪予定はいつ? とか、エドガー様の好きな人は? などですかね』
なんで私の婚約者の名前がインプットされてるんですかね……。
『お役に立てる鏡なので。素直になれない乙女心にも対応可能です』
余計な人格が備わっている……。
じゃあ、そうですね……あなたは人間になりたいと思ったことはありますか?
『同族を滅ぼしかねない愚かな生物になりたいと思ったことなど、一度足りとも御座いません』
えっ、辛辣過ぎる……。
あなた、もしかして人間が嫌いですか?
『とても好きですよ。多数の愚物の中に強く輝く光があるのは、涙を流させる美しさがあります』
やばい思考過ぎる……。
この鏡は、倉庫の奥にでも封印しておいた方が良さそうですね……。
『エドガー様の本心を、知りたくはありませんか?』
怖い怖い。
さっさと封印しなきゃ……。
『おやおや、残念です。メアリ様は賢い選択をなされますね』
褒められても少しも嬉しくない……。
無事に封印を終えた私は、気付いたらエドガー様の胸で泣いてました。
なんか錯乱していたようで、少し迷惑を掛けてしまいましたね……。
後日、貿易商に会う機会があったので、それとなく苦情を述べてみました。
すると、彼女は困惑と疑問の表情を浮かべ、私に言ったのです。
「そのような鏡をお渡しした覚えはありませんが……」
0
お気に入りに追加
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる