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分身した異性の私と結婚する話

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 ごきげんよう! 頭が良すぎて婚約相手が間抜けばかりに見えてしまう私ですわ!

 ということで今回、私自身が婚約相手を製作することにしました!

 錬金術の権威である私に不可能は無い、そういうことですわね!

「いや、だからって自分自身を複製するのは頭がおかしいと思うよ?」

 黙らっしゃい!

 自分自身に説教されるほど腹立つことはありませんわ!

 しかも異性なら猶更に!!

「異性にしたのは君だろうに」

 それはそうですわ。

 私は女性ですから、異性を造らなければ王国法の結婚義務から解放されませんもの。

 かといって、信用ならない異性と結婚するつもりは、私にはありませんし。

 ならば自分の異性を造れば良い、そういう結論になります。

「結婚相手の頭を弄れば良かったんじゃないの?」

 そんなの、倫理的に許されるわけがないじゃないですか。

 相手のご家族にも迷惑を掛けますし、そもそも法で許されておりませんよ。

「うーん、この倫理観。別の人と結婚したい」

 別にそうしたかったらそうしても良いですわよ?

 複製を作るだけなので。

「私が結婚しなければ、別個体の私が犠牲になるってことか……」

 そういうことですわね。

 ちなみに、そう言って逃げ出した14人は別の方と幸せに暮らしているそうですわ

「頭がおかしい」

 黙らっしゃい!!
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