他に好きな人がいると貴方はおっしゃいましたが、そのお相手……実は変装した私なんですよね

広畝 K

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他に好きな人がいると貴方はおっしゃいましたが、そのお相手……実は変装した私なんですよね

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「君を愛していることに代わりないが、気になる人ができた……」

 ふーん。まあ、聞かせて頂きましょう。

 ここ最近の動向を見聞きした限りでは、そのような素振りは少しも無かったのですけれどね。

「私にプライベートは無いのか?」

 あるわけないじゃないですか。

 私が婚約者になったのが運の尽きだと思って下さい。

 さあ、話をどうぞ。

 ふむふむ、最近よく見られている感覚があって?

 その方を見たら眼鏡を掛けた妙齢の女性がいて、何だか分からないけど恋をしているかも知れない。

 ……。

 それってもしかして、こういう格好してませんでした?

「あ! まさしくそれだ! あれ? ということは?」

 貴方が気になっていたのは、つまり私だったということですね。

 良かったじゃないですか、婚約を破棄することにならなくて。

 私の別の一面も知れて。

「いや、仮にも令嬢が婚約者を尾け回しているのはどうかと思うよ」

 正論パンチは止めて下さい。
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