俺たちは魔法が使えるだけの普通の男子ですが？

グレンの話

申し出

「え？」

本当に突然だった
初めて会った人にそんなこと言われびっくりした

アキちゃんに言われた時は必死で分からなかったけど
よくよく聞いてみればドキッとする言葉
しかも、かっこいいと思ったその人に言われていた

「駿、いきなり言われてもわかんないよ？」
「あぁ、自己紹介しないとな、俺は風戸駿かざとしゅん、アキの友達」

駿…シュンさんか…素敵な名前…

「グレンのこと話たら家に迎えたいんだって」
「で、でも、僕、妖怪だよ？普通の猫じゃない…」
「それも聞いてる、知ってて迎えたいんだ」

わかってて迎えたい？僕なんかを？

「でも、家族の人もいるでしょ…？」
「俺は一人暮らしだよ、アキと同じマンションの同じフロア」
「で、でも…」

戸惑った、願ってもない申し出に

「風戸くんなら任せられるし、いつでも会えるよ」
「あぁ、だからもう一度聞くな？」

もうドキドキが止まらなかった

「うちに来ないか？」
「……はい」

幸せすぎた、怖いくらいに


★☆★