俺たちは魔法が使えるだけの普通の男子ですが？

暁の話

気づかなかったこと

「それにしてもユキちゃんって嫉妬深い人なんだね」

「え？」

幸也の手作りの美味しいご飯を食べていれば、そんな言葉が出てきて顔を上げた

「じゃなかったらこんな呪い掛けない」

「呪いじゃないから、グレンくんが大人しい猫ならしないよ」

「ちょっと待て、幸也が嫉妬？」

今までそんなこと…

「何？嫉妬しないと思ってた？」

「だってそんな様子見せたこと…」

「見せてきたつもりだったんだけど？」

「アキちゃん鈍感だなぁ、昨日だってあれだけ僕とやり合ってたのに」

そう言いながらグレンは笑ってた

「今まで数え切れないくらい嫉妬してきたよ？小さい時からずっと」

知らなかった、そんな時からずっと思ってくれてたことを

「そうだったんだ…」

「うん、引いた？」

「そんなことない！」

引くわけない、引くどころか嬉しかった、俺ばかりだと思ってたから

「なら良かった」

そう言い微笑んでくれた

「そんなことより、呪い解いてよ」

ご飯を食べ終わったグレンがまた言ってる

「ダメ、解いたら襲うでしょう」

「意地悪！」

「でも、まぁ…」

コーヒーの入ったカップをテーブルに置き

「3人でまたヤるときには解いてあげるよ」

幸也が言えばグレンもニヤッと笑い

「楽しみだね、暁」

「よろしくね、アキちゃん」

「え…えぇーーーーー！？」

俺の新しい生活は色づくどころか、前途多難になりそうだ