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湊の話
届いた思い
しおりを挟む一緒に暮らしたい……?え……?
今、そう言った?
僕と暮らしたいって言った?
「ずっと思ってた、一緒に暮らせたら楽しいだろうなって、好きな人と毎日一緒に居れたらって……湊と過ごせたらって」
ちょっと待って!竜也何言ってるの!?
好きな人って!?僕とって……!?
嘘でしょう!?冗談でしょう!!
「オーディションの時からずっと好きだった、けど言えなかった、距離置かれたらとか考えたら耐えられなかった、今のままで近くに居れればいいって思ってた」
……同じこと思ってたんだ…
そう思ったら胸がキュンとした
「でも、やっと湊の気持ちが知れたのに、その日のうちに言い合いになって……俺は自分が最低だと思った」
僕の気持ち……?
「湊も俺の事好きでいてくれたんだろ?」
「ちょっと待って!なんで知って……!?」
「今日の朝、迎えに行って寝顔見てたら抱きしめられて言われた」
「寝言言ってないって言ってたじゃん!」
「湊が焦ってたから聞かれたくないのかと思ったし泣いてたから」
恥ずかしい……!全部聞かれてた……!しかも抱きしめ……まさか……
「他に何かした……?」
「キスされた」
「っ……どこに……?」
そう聞くと、竜也は自分の唇を指さした
まさか……夢と現実がリンクしてるとは思わなかった……
「好きだったの?違うの?どっちなんだ?」
「……好きでした……オーディションの時からずっと……」
改めて口にするのが恥ずかしかった
「告白することも考えたけど……関係が壊れるのが怖くて言えなかった……」
「なんだ…俺と同じだったのか……」
そう言いながら微笑む竜也がまたかっこいいし可愛いしで目が合わせられない
「なんで目合わせてくれないんだよ?」
「その……恥ずかしくて……」
「もう、ちゃんと見て」
そう言い顎クイされ、顔を近づけられてしまえば目が逸らせなくなった
「俺は集中すると周り見えないし、自分のことすら気づけない性格だけど、これだけは言える」
鼓動が早くなるのを感じる
「湊のことだけはちゃんと見てる、大好きだし、愛してる」
そんなこと言われたら……
「俺と付き合って」
目から涙伝って行った
「泣かないで……答え教えて?」
そんなの分かりきってることなのに
「僕も大好き、愛して……」
言い終わる前に口付けられた
柔らかい唇が何度も触れるだけの優しいキスをしてきた
唇が離れると強く抱きしめられた
「絶対に離さないからな?逃げるなよ?」
「うん、逃げないよ」
離れない……離れたくない……今までで一番愛した人だもん……
欲しかった言葉をくれた人だもん……
「愛してるよ、竜也……」
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