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猪突猛進
しおりを挟むってことで早くもイザベラ様のお家へお茶しに来ました。
え?父の計画ぶっ壊し企画ははどうなったかって?
そりゃあカタリーナ様にご協力頂いて優秀な人材を送ってもらいました。パッパッパー!なんでも調べることに殊更優れているそうですっ!情報って大事ーー!!
え?なんかテンションがいつもと違うって?そりゃあ
「もぉう!アル様ったらぁ!ローズそんな事言われたら照れちゃう!」
「存分に照れてよ、照れた顔がとても可愛いのがローズなんだから」
「やぁだぁ!これ以上アル様のこと好きになったら……、ローズどうしていいかわかんなぁい♡」
イザベラ様の家でとんだ茶番劇を見せられているのである。
ローズというのはイザベラ様の妹だそうだ。確かにキツめの印象のイザベラ様に比べたらロリ系のローズさんは可愛いんだろうが私には無理だ。
そしてなんと驚くべきことにアル様と呼ばれた男、イザベラ様の婚約者なんだそうです。は゛ぁぁ!?
「撤回のての字もありませんね。やはりイザベラ様が1番可愛いです」
つか無理。あのお花畑具合が無理。それ可愛いって言っている男はあれだろ?自分の思い通りにさせたいから甘い言葉で甘やかすんだろ?うん無理だ。
イザベラ様を見ると酷く冷めた目線をイチャイチャとくっ付いている2人に刺すように見つめていた。
「イザベラ様、もういっそあの方の婚約者は妹さんに変わってもらったら如何でしょう」
あんなにラブラブなんですから、と付け加えるとすぅぅと無表情になり
「そりゃあそうよね、なぜ私が我慢しなければならないのかしら。勝手でごめんなさいマリアンヌ様、日を改めてまた招待してもいいかしら?」
もちろんですと固く握手をして屋敷に帰った。
私はイザベラと言います。
正直言って婚約者と妹の茶番をマジマジと見たことはありませんでしたが、あんなに醜いものだと思いもしませんでした。
見ていたつもりで見ていませんでした。
なんででしょうね。マリアンヌ様に「イザベラ様は可愛いです」と言われて思わずそんなずないと言いましたが亡き祖父以外に言われたことがなかったので本当はとても嬉しかったのです。
けれど両親にも愛されている妹のことを見ればマリアンヌ様もきっと妹の方を可愛いって言うんだろうなって思っていたのに良い意味でぶち壊してくれました。
えぇ、思わずこりゃないわーと令嬢あるまじき言葉で言いそうになりました。言いたかったですけど、こりゃあないわー。
アル様ことアルフレッド様のことは別に普通です。
最初から妹贔屓でした。
私の好きな人はアルフレッド様のお兄様、ロアン様です。
ですが本人に好きな人がいると実際に聞いたことがあります。それはヴィオラ様です。
殿下の婚約者に決まった時それはそれは落ち込んで心配になる程でした。一時は酒にも溺れていた時もあるくらい本気で愛しておられました。
えぇえぇ、本当に報われないですよね。
ヴィオラ様はとても神秘的なお方です。少し癖のある黒髪にアメジストのように輝いている紫の瞳は女の私でも惹かれます。
殿下と不仲になっているようだと聞いて社交の場で実際冷めているところを見て、いい気味と思った罰でしょうか。
妹贔屓のアルフレッド様と婚約を親同士で結ばれてしまいました。
罰だと甘んじて受け入れましたが我が家へ婿入りするのなら妹でも構いませんよね。
私には溺愛してくれた亡き祖父の遺産がありますし独身も貴族にとっては悪いんでしょうけど貴族籍を抜ければ良いですよね。
平民の暮らしを知っているマリアンヌ様に教えてもらって1人で生きることにたった今決めました。
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