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第2獣
怪獣2-2
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そう言えば、どこの病棟、病室に居るのとか父親以外にも誰かと一緒なのか? 等を聞いていなかったことを思い出して、スマホを取り出して、操作する。
無料通話アプリを開いて、母親にメッセージを送る。すぐに返事は帰ってきて、文面を読んだ。
「蘭、親父さんは、4階東病棟の405号室に入院しているってさ」
「わざわざ聞いてくれたのか?」
蘭の問いに秀人は頷く。
「ゴリアス……。秀人、心配かけちゃってごめんね。本当にありがとう!」
蘭は深々と頭を下げた。
蘭と秀人の乗った車は、北大学病院一般外来玄関前に到着した。車のドアが開くと真っ先に蘭が飛び出て、北大学病院に入って行った。余程、父親である恭平博士のことが心配なのだろう。車の中で秀人から無事だと言われても、実際に自分の目で見てみないことは、本当に無事なのかも分からない。
秀人は車を出してくれたボランティアの人に礼を言うと、蘭の後を追いかけた。その途中、何人かのけが人とすれ違う。
蘭は病室へ行くためにエレベーターのスイッチを押して、待っていた。そこに秀人が少し遅れてやって来る。
「蘭。少しは落ち着きなよ、お父さんなら大丈夫だから」
「そりゃ、分かっているけど。不安でしょうがないだろ!」
エレベーターが到着すると、すぐに中に入り、病室のある階のスイッチを押した。
入口近くにある、階数を表示する表示灯が変わって行く。蘭はそれを見ながら今にも、床を踏み抜きそうな勢いで、そわそわしていた。ようやく目的の階に到着する。
ドアが開くのと同時に、真っ先に飛び出した。
近くには、他の入院患者やナースが居て、いきなり飛び出してきた蘭に目を丸くしていた。
秀人が、慌てて蘭を追いかける。
壁に着けられた入院患者を表す札を見て探しながら、蘭は恭平博士の病室を探し、ようやく目的の病室を見つけた。病室の扉は締まっており、蘭は勢いよく扉を開けた。
「親父! 大丈夫なのか!?」
病室に居た、全員の視線が蘭に集中する。
病室には骨折した足を吊るして、ベッドの上に寝ている恭平博士と、秀人の両親である修造と恵美子、蘭の母親である妃奈子が集まっていた。
「蘭……、そんなに慌てて来たのかい……」
入院着を着た、恭平博士は蘭の姿に面食らう。
「そうだよ……、だって心配だったんだから……」
蘭はゆっくりと恭平博士のベッドに近づくと、手を握って泣いた。恭平博士は蘭の頭に手を伸ばしてゆっくりと撫でる。それが合図になったのか、蘭は人目をはばからずに泣いた。
かなり心配していたのだ、それに連れられて修造は泣いた。
「あなた、もらい泣きしているの」
「そうだよ……、恵美子……。感動的じゃないか。父親の無事をずっと案じていてその思いが全部溢れたんだから、もらい泣きするじゃないか……」
情熱的だが、同時に涙もろい。それが秀人の父親である修造だ。
その様子を見ながら秀人は病室の入り口で立っていた。入るタイミングを逃したのではない、蘭の様子を見て入るのを止めたのだ。
『どうして入らないんだ?』
秀人の行動を疑問に感じ、ゴリアスが聞いてくる。
「今はそんな感じじゃないよ、蘭がが落ち着くまで待っていようよ……」
秀人の気持ちをゴリアスは察した、秀人とゴリアスは蘭が病院に来るまで、どれだけ心配していたのかを知っている。知っているからこそ、蘭の気持ちを邪魔したくないのだ。とにかく今は、蘭の気持ちが落ち着くまでここで待っているしかない。
『本当に考えているんだな』
「うん。考えているからこそだよ……」
本当にお互いのを思っている、気持ちを吐露した時や普段の接し方。ここまで相手を理解していないと、こうはならないだろう。そこには蘭と秀人が今まで付き合ってきた年月や経験が積みあがって出来たものだと、ゴリアスは感じ、人間という生物はここまで素晴らしい関係になるのかと、感心する。
無料通話アプリを開いて、母親にメッセージを送る。すぐに返事は帰ってきて、文面を読んだ。
「蘭、親父さんは、4階東病棟の405号室に入院しているってさ」
「わざわざ聞いてくれたのか?」
蘭の問いに秀人は頷く。
「ゴリアス……。秀人、心配かけちゃってごめんね。本当にありがとう!」
蘭は深々と頭を下げた。
蘭と秀人の乗った車は、北大学病院一般外来玄関前に到着した。車のドアが開くと真っ先に蘭が飛び出て、北大学病院に入って行った。余程、父親である恭平博士のことが心配なのだろう。車の中で秀人から無事だと言われても、実際に自分の目で見てみないことは、本当に無事なのかも分からない。
秀人は車を出してくれたボランティアの人に礼を言うと、蘭の後を追いかけた。その途中、何人かのけが人とすれ違う。
蘭は病室へ行くためにエレベーターのスイッチを押して、待っていた。そこに秀人が少し遅れてやって来る。
「蘭。少しは落ち着きなよ、お父さんなら大丈夫だから」
「そりゃ、分かっているけど。不安でしょうがないだろ!」
エレベーターが到着すると、すぐに中に入り、病室のある階のスイッチを押した。
入口近くにある、階数を表示する表示灯が変わって行く。蘭はそれを見ながら今にも、床を踏み抜きそうな勢いで、そわそわしていた。ようやく目的の階に到着する。
ドアが開くのと同時に、真っ先に飛び出した。
近くには、他の入院患者やナースが居て、いきなり飛び出してきた蘭に目を丸くしていた。
秀人が、慌てて蘭を追いかける。
壁に着けられた入院患者を表す札を見て探しながら、蘭は恭平博士の病室を探し、ようやく目的の病室を見つけた。病室の扉は締まっており、蘭は勢いよく扉を開けた。
「親父! 大丈夫なのか!?」
病室に居た、全員の視線が蘭に集中する。
病室には骨折した足を吊るして、ベッドの上に寝ている恭平博士と、秀人の両親である修造と恵美子、蘭の母親である妃奈子が集まっていた。
「蘭……、そんなに慌てて来たのかい……」
入院着を着た、恭平博士は蘭の姿に面食らう。
「そうだよ……、だって心配だったんだから……」
蘭はゆっくりと恭平博士のベッドに近づくと、手を握って泣いた。恭平博士は蘭の頭に手を伸ばしてゆっくりと撫でる。それが合図になったのか、蘭は人目をはばからずに泣いた。
かなり心配していたのだ、それに連れられて修造は泣いた。
「あなた、もらい泣きしているの」
「そうだよ……、恵美子……。感動的じゃないか。父親の無事をずっと案じていてその思いが全部溢れたんだから、もらい泣きするじゃないか……」
情熱的だが、同時に涙もろい。それが秀人の父親である修造だ。
その様子を見ながら秀人は病室の入り口で立っていた。入るタイミングを逃したのではない、蘭の様子を見て入るのを止めたのだ。
『どうして入らないんだ?』
秀人の行動を疑問に感じ、ゴリアスが聞いてくる。
「今はそんな感じじゃないよ、蘭がが落ち着くまで待っていようよ……」
秀人の気持ちをゴリアスは察した、秀人とゴリアスは蘭が病院に来るまで、どれだけ心配していたのかを知っている。知っているからこそ、蘭の気持ちを邪魔したくないのだ。とにかく今は、蘭の気持ちが落ち着くまでここで待っているしかない。
『本当に考えているんだな』
「うん。考えているからこそだよ……」
本当にお互いのを思っている、気持ちを吐露した時や普段の接し方。ここまで相手を理解していないと、こうはならないだろう。そこには蘭と秀人が今まで付き合ってきた年月や経験が積みあがって出来たものだと、ゴリアスは感じ、人間という生物はここまで素晴らしい関係になるのかと、感心する。
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