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プロローグ

復活の怪獣

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 どの山よりも巨大な怪獣は、気配に気づいて破壊活動を止めた。
 薄暗く淀んだ複眼で、もう一体の怪獣、ゴリアスを見る。その目はまるでゴリアスを敵と認識してないようにも感じられ、異様な不気味さを放っていた。
「随分好き勝手してくれたな! だが、もう終わりだ! 自分のしたことを後悔するんだな!」
 五島蘭がそう言い放つと、拳を掌に打ち付ける音が辺りに響いた。それは戦闘開始を意味する合図だ。
『蘭! 待て!』
 ふいにゴリアスが話しかけて来て、声が頭の中に響く。
『こいつには、意思が感じられない……。まるで、なんて言ったらいいんだ? 誰かによって、作られたような……』
「分かる。意思や感情が全く感じられなくて、ロボットや人形みたいなものなんだ……」
「どういうことだよ? それって……」
 宝田秀人ゴリアスの言葉を聞いて、蘭もどうしていいのか分からず戸惑う。
 ゴリアスと対峙しているのにも関わらず、まるでどこか他人事のように、物を見ている感じが伝わって来た。
「蘭、落ち着いて、とにかく様子を見よう、相手の出方を見てからだ……」
 秀人の言葉を聞いて蘭は少し冷静になり、二人と一体は睨むように見つめる。
 巨大不明生物は、睨まれているのが嫌になったのか、羽を大きく羽ばたかせ、その場から浮き始める。
「待て! こいつ! 逃げるな!」
 蘭と秀人が足を動かすと、ゴリアスの体も走り出した。しかし、僅差で巨大不明生物は飛んで行ってしまう。
(また怪獣と戦うのか……!)
 蘭と秀人、二人の心の中にはまた怪獣と戦う恐怖心。そして自分たちで、その怪獣を倒す使命感を感じていた。
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