大和の風を感じて2〜花の舞姫〜【大和3部作シリーズ第2弾】

藍原 由麗

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「じゃあ、まずは会ってみる事から始めましょう」

  百師木姫ももしきのひめ忍坂姫おしさかのひめにそう言った。

「そうね。まずは会わないと何も始まらないわ。でもそれ以前に大王や皇子はこの件、了承するの?」

  そこに関しては忍坂姫にはどうする事も出来ない。

  また自分達が知らないだけで、雄朝津間皇子おあさづまのおうじの妃を誰にするか、もう既に決められてる可能性だってある。

「まぁ、そこはお父様に頑張ってもらいましょう!娘の嫁ぎ先が掛かってるのだから」

  百師木姫も何だかとても楽しそうだと、忍坂姫は自分の母親を見て思った。

(まぁ、その段階を突破しないと何も始まらないし……)




  その後その話しを聞いた稚野毛皇子わかぬけのおうじは、早速大王にこの話しを持っていった。


  それから暫くして大王から返事が帰って来て、意外にも大王もこの婚約の件を了承したとの事だった。

  さらに2人の意思を尊重し、まずは会ってみる所から始める形で良いとも言ってくれた。

(下手したら強制的に嫁がされるかとも心配してたけど、思いのほか大王はお優しいのね)

  忍坂姫は、そんな瑞歯別大王みずはわけのおおきみの心遣いにとても感謝した。


  そしてこれから、着々とその準備が勧められる事になった。
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