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その後稚沙の休憩を待ってから、2人は近くの野原にやってきた。
そしてその場に座ると、椋毘登は彼女に包みを広げて見せる。
するとそこには、確かに蘇らしきものが確認できた。
「わぁ、これが蘇なんだ。じゃあ頂きます!」
稚沙は蘇をつまむと、そのまま口に入れてみる。すると少し牛乳のような味がして、少し粘り気もあるようだ。
だが何回かかんでいると、口の中で溶けるようにして無くなっていく。
「へぇ、変わった食感ね。確かに牛乳のような味もあるけど、味がきゅーと絞られたような……」
「まぁ、蘇ってのは、そういう食べ物さ」
椋毘登も稚沙に続いて、蘇を口に持っていく。
それから2人は、椋毘登が持ってきた蘇をあっという間に平らげてしまった。
その後2人は何となく周りの野原の景色を眺めていた。今日は何とものどかな日だなと2人は思う。
「前回の糠手姫皇女の事件からまだ1ヶ月ちょっとしか経ってない。でもこうしてると、まるでもっと昔にあったような気がしてくるから不思議」
「あぁ、本当にそうだな。それなりに気持ちは落ち着いたけど、やっぱり良い思い出にはならないからな」
そういって彼は、ふと稚沙の背中に手を回して、自身に引き寄せてくる。
(もしかしたら椋毘登は、あの時のことを思いだしてるのかも?)
そう思った稚沙は、特に抵抗する事なく、彼の自由にさせることにした。
それに彼女自身、彼にそうされることが全然嫌には感じられず、むしろずっとこうしていたいとさえ思った。
(やっぱり、そろそろ自分の気持ちを打ち明けてみても良いのかな?)
これが稚沙のここ最近の悩みだった。
いかにして椋毘登に自分の気持ちを打ち明けるかという。
彼の場合、相手が誰であろうとその気持ちに応じる事はしないだろう。稚沙はその可能性が高いと思っていた。
だがこのまま伝えなければ、厩戸皇子との時と同じだ。だから今回は正直にいってみようと思ったのだ。
(よし、ここは当たってぶつかるのみ!)
稚沙はそう思い立つと、そっと椋毘登から離れる。そしていきなりその場で大きく深呼吸をした。
「稚沙、一体どうしたんだ?」
椋毘登は側にいた彼女が、自分からいきなり離れたので、少し不安に思う。
「ねぇ、椋毘登。実はあなたに話したいことがあるの」
稚沙は真っ直ぐ彼を見てそういった。
「話し?あぁ、それなら俺も丁度話したい事があって……」
しかしそんな彼の声を遮って、彼女は自身の気持ちをいった。
「私、椋毘登の事が好き、大好きなの!椋毘登にそんな気がなくても良い……でもどうしてもいっておきたくて!!」
稚沙はこれまで、何度も頭の中で考えていた言葉を、そのまま彼にぶつける。
(もうこのまま彼から玉砕されてもかまわない。それでも私は椋毘登が好き!)
そして彼女は恐る恐る椋毘登の顔を見る。
すると彼は完全に放心状態となっており、何も言葉を発しようとはしない。
(あれ、ちょっと思ってた反応と違う……)
そしてその場に座ると、椋毘登は彼女に包みを広げて見せる。
するとそこには、確かに蘇らしきものが確認できた。
「わぁ、これが蘇なんだ。じゃあ頂きます!」
稚沙は蘇をつまむと、そのまま口に入れてみる。すると少し牛乳のような味がして、少し粘り気もあるようだ。
だが何回かかんでいると、口の中で溶けるようにして無くなっていく。
「へぇ、変わった食感ね。確かに牛乳のような味もあるけど、味がきゅーと絞られたような……」
「まぁ、蘇ってのは、そういう食べ物さ」
椋毘登も稚沙に続いて、蘇を口に持っていく。
それから2人は、椋毘登が持ってきた蘇をあっという間に平らげてしまった。
その後2人は何となく周りの野原の景色を眺めていた。今日は何とものどかな日だなと2人は思う。
「前回の糠手姫皇女の事件からまだ1ヶ月ちょっとしか経ってない。でもこうしてると、まるでもっと昔にあったような気がしてくるから不思議」
「あぁ、本当にそうだな。それなりに気持ちは落ち着いたけど、やっぱり良い思い出にはならないからな」
そういって彼は、ふと稚沙の背中に手を回して、自身に引き寄せてくる。
(もしかしたら椋毘登は、あの時のことを思いだしてるのかも?)
そう思った稚沙は、特に抵抗する事なく、彼の自由にさせることにした。
それに彼女自身、彼にそうされることが全然嫌には感じられず、むしろずっとこうしていたいとさえ思った。
(やっぱり、そろそろ自分の気持ちを打ち明けてみても良いのかな?)
これが稚沙のここ最近の悩みだった。
いかにして椋毘登に自分の気持ちを打ち明けるかという。
彼の場合、相手が誰であろうとその気持ちに応じる事はしないだろう。稚沙はその可能性が高いと思っていた。
だがこのまま伝えなければ、厩戸皇子との時と同じだ。だから今回は正直にいってみようと思ったのだ。
(よし、ここは当たってぶつかるのみ!)
稚沙はそう思い立つと、そっと椋毘登から離れる。そしていきなりその場で大きく深呼吸をした。
「稚沙、一体どうしたんだ?」
椋毘登は側にいた彼女が、自分からいきなり離れたので、少し不安に思う。
「ねぇ、椋毘登。実はあなたに話したいことがあるの」
稚沙は真っ直ぐ彼を見てそういった。
「話し?あぁ、それなら俺も丁度話したい事があって……」
しかしそんな彼の声を遮って、彼女は自身の気持ちをいった。
「私、椋毘登の事が好き、大好きなの!椋毘登にそんな気がなくても良い……でもどうしてもいっておきたくて!!」
稚沙はこれまで、何度も頭の中で考えていた言葉を、そのまま彼にぶつける。
(もうこのまま彼から玉砕されてもかまわない。それでも私は椋毘登が好き!)
そして彼女は恐る恐る椋毘登の顔を見る。
すると彼は完全に放心状態となっており、何も言葉を発しようとはしない。
(あれ、ちょっと思ってた反応と違う……)
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