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2人は蘇我馬子達がいる部屋につくと、彼らの邪魔にならないよう注意しながら、食べ終わった須恵器の皿や高坏を2人は下げていく。
そしてその代わりに、彼らにお酒や菓子を差し出した。
「うん、お前は、この間会った娘だな?」
蘇我馬子は稚沙の存在に気が付いたようで、彼女にふと声をかけた。
「はい、先日はその、ご迷惑をおかけして、本当に済みませんでした……」
稚沙は何と言ったら良いのか分からず、片付けをしながら、そう馬子に答える。
「あの時のことは、私はそこまで気にしてない。あれは単なる椋毘登の勘違いだっただけだからな」
蘇我馬子はそう言って、酒をクイッと口に持っていく。彼もどうやら今日は少し酔っているようだ。
(一体犯人はいつやってくるの?)
稚沙は馬子達に持ってきた菓子とお酒を差し出したので、空の器を一旦外に出すことにした。
そして古麻とは一旦ここを出て、外で待機しようと考える。
それで古麻にそのことを伝えようとした所、彼女は部屋の中で、馬子と一緒に酒を飲んでいた男の1人に絡まれていた。
「お客人様、どうかお戯れご遠慮下さい」
「まぁ、まぁ、お前も一杯酒を飲んでいかないか?」
こういった宴の場では、度々おこることである。なので女官の娘たちはそのつど上手くかわすようにしていた。
(ここは、私が間に入って止めさせよう。いつ馬子を狙った人達がくるかも分からないし)
「申し訳ありません。彼女はお酒が飲めないもので。なので私が代わりに一杯ご一緒させていただきます」
稚沙は少し笑いかけながら、相手の男にそう話した。
「ふん、お前みたいな色気のない子供と酒なぞ交わせるか!ヒ、ヒクッ……」
これがいつもの稚沙の立ち位置だ。女官の中では、美人と評判の高い古麻と違い、彼女はどうしてもこども扱いされがちである。
そして相手の男も酷く酔っているようだったので、さっと古麻はその男から離れることが出来た。
古麻は稚沙の耳元で「稚沙、有り難うね」と小さい声で囁いた。
そして他の男達も皆だいぶ酔いつぶれていた。そのため、そろそろお開きになるかと思ったその矢先である。
いきなり何人もの人がこの部屋に向かって走ってくる音がした。
そしてその者達は、勢いよく稚沙達のいる部屋の中に入ってきた。
入ってきたのは6人組の男達で、皆一斉に刀を抜いた。
どうやらこの者達こそが、蘇我馬子の暗殺計画の犯人なのだろう。
だがそんな彼らを見て、古麻が一言口にした。
「伊久呂、どうしてあなたが?」
どうやらこの男達の中には、古麻の恋人もいたようだ。
「蘇我馬子、俺達は貴様を殺しにきた。他の者達は命が惜しければ大人しくしていろ!」
(ま、まずい。早くこの状況を伝えないと……)
稚沙は比較的入り口近くにいたので、その男達に気付かれないようにしながら、そっと入り口に移動した。
そして彼女は勇気を振り絞って、可能な限り大きな声を出して助けを求めた。
「だ、誰かー!たすけてーー!!!」
それを聞いた男達は、驚いて一斉に稚沙を見る。
「そこの女、よくも叫びやがったな!!」
男の1人が慌てて稚沙の前にやってきた。
そしてその男は刀を握り直し、稚沙に斬りかかりにくる。
そしてその代わりに、彼らにお酒や菓子を差し出した。
「うん、お前は、この間会った娘だな?」
蘇我馬子は稚沙の存在に気が付いたようで、彼女にふと声をかけた。
「はい、先日はその、ご迷惑をおかけして、本当に済みませんでした……」
稚沙は何と言ったら良いのか分からず、片付けをしながら、そう馬子に答える。
「あの時のことは、私はそこまで気にしてない。あれは単なる椋毘登の勘違いだっただけだからな」
蘇我馬子はそう言って、酒をクイッと口に持っていく。彼もどうやら今日は少し酔っているようだ。
(一体犯人はいつやってくるの?)
稚沙は馬子達に持ってきた菓子とお酒を差し出したので、空の器を一旦外に出すことにした。
そして古麻とは一旦ここを出て、外で待機しようと考える。
それで古麻にそのことを伝えようとした所、彼女は部屋の中で、馬子と一緒に酒を飲んでいた男の1人に絡まれていた。
「お客人様、どうかお戯れご遠慮下さい」
「まぁ、まぁ、お前も一杯酒を飲んでいかないか?」
こういった宴の場では、度々おこることである。なので女官の娘たちはそのつど上手くかわすようにしていた。
(ここは、私が間に入って止めさせよう。いつ馬子を狙った人達がくるかも分からないし)
「申し訳ありません。彼女はお酒が飲めないもので。なので私が代わりに一杯ご一緒させていただきます」
稚沙は少し笑いかけながら、相手の男にそう話した。
「ふん、お前みたいな色気のない子供と酒なぞ交わせるか!ヒ、ヒクッ……」
これがいつもの稚沙の立ち位置だ。女官の中では、美人と評判の高い古麻と違い、彼女はどうしてもこども扱いされがちである。
そして相手の男も酷く酔っているようだったので、さっと古麻はその男から離れることが出来た。
古麻は稚沙の耳元で「稚沙、有り難うね」と小さい声で囁いた。
そして他の男達も皆だいぶ酔いつぶれていた。そのため、そろそろお開きになるかと思ったその矢先である。
いきなり何人もの人がこの部屋に向かって走ってくる音がした。
そしてその者達は、勢いよく稚沙達のいる部屋の中に入ってきた。
入ってきたのは6人組の男達で、皆一斉に刀を抜いた。
どうやらこの者達こそが、蘇我馬子の暗殺計画の犯人なのだろう。
だがそんな彼らを見て、古麻が一言口にした。
「伊久呂、どうしてあなたが?」
どうやらこの男達の中には、古麻の恋人もいたようだ。
「蘇我馬子、俺達は貴様を殺しにきた。他の者達は命が惜しければ大人しくしていろ!」
(ま、まずい。早くこの状況を伝えないと……)
稚沙は比較的入り口近くにいたので、その男達に気付かれないようにしながら、そっと入り口に移動した。
そして彼女は勇気を振り絞って、可能な限り大きな声を出して助けを求めた。
「だ、誰かー!たすけてーー!!!」
それを聞いた男達は、驚いて一斉に稚沙を見る。
「そこの女、よくも叫びやがったな!!」
男の1人が慌てて稚沙の前にやってきた。
そしてその男は刀を握り直し、稚沙に斬りかかりにくる。
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