51 / 55
51P《大和の風》
しおりを挟む
こうして佐由良が伊莒弗の元に預けられてから、1週間が立っていた。
「佐由良姉さま~!!」
「こら、姉さまは僕と遊ぶんだぞ!」
佐由良は伊莒弗の元に来て、初めて彼の子供達と対面した。
2人とも男の子で、兄の目は8歳で、弟の布都久留は6歳になっていた。
2人ともいきなり父親の伊莒弗から佐由良を紹介されたが、特に不信に思う事も全く無かった。
むしろ新しい姉が出来た事に喜び、今ではすっかり佐由良に懐いてしまっていた。
ただそんな状況下でも佐由良自身、いつまでもここに居る訳にはいかず、瑞歯別皇子との面会を希望した。
だが皇子は佐由良との面会を頑なに拒んでいた。
そして佐由良が2人の義理の弟達の相手をしている所へ、伊莒弗がやって来た。
「こらお前達、姉さまに話しがあるから、向こうで遊んでなさい」
2人の兄弟は「はぁーい!」と言って、どこかに遊びに行ってしまった。
「佐由良、今回はとんだ災難にあったな。瑞歯別皇子はかなりご立腹のようだ。雄朝津間皇子との話にも応じてないらしい」
そんな話しを聞いても、彼女はなんの表情も変えなかった。
「もう良いんです。元々私の方から皇子と離れようとしていたので。
皇子はいずれ他の皇族か有力な豪族の姫を娶らないといけない人でしたから」
「お前は皇子の事を好いていたのだな」
佐由良は思わず刻々と頷いた。
「佐由良、前にも話したが。私は自分自身の為に麻日売を諦めた。
きっと麻日売も今のお前と同じように、とても苦しんだはずさ。だからお前にも麻日売と同じような思いはさせたくない」
(お父様……)
「それに、皇子はお前の気持ちは知らないんだろ」
「でも私は采女の立場で有りますし」
彼女は悲しそうに俯いた。
「佐由良、お前だって妃になれない事は無いんだぞ。私のいる物部と吉備の血を引く娘なんだから」
「あの人はご自身の立場をとても良く理解されています。であれば、同じ皇族の姫かもっと他の力のある豪族の姫を妃にしたいはずです」
(それに皇子には他に女性が……あの宴で一緒にいられると言う事は、きっと皇族の姫なんだわ)
「それだって、皇子から直接聞いた訳では無いのだろ」
彼女は思わず口を閉ざしてしまった。
「佐由良、ではもっと素直になりなさい。お前にだって幸せになる権利がある。亡くなった麻日売の為にも。
皇子としっかりと向き合ってみるんだ。それでも皇子に拒まれるようなら、その時はここで私と一緒に暮らしたら良いさ」
佐由良は伊莒弗の言葉を聞いて思わず勇気が湧いて来た。
「分かりました、お父様。私やれるだけの事をやってみます!」
「あぁ、それでこそ私の娘だ」
それから物部伊莒弗は続けて彼女に言った。
瑞歯別皇子の他にもう1つ気がかりな事がある。
「それと佐由良、雄朝津間皇子の件はどうするんだ?」
(そうだ、雄朝津間皇子からも逃げる訳には行かない)
「雄朝津間皇子は私から見ても、とても優しく素敵な皇子です。
でも私が好きなのは瑞歯別皇子ですし、雄朝津間皇子は私よりももっと素敵な女性が現れると思います」
「うん、佐由良それで良い」
伊莒弗も佐由良の考えに賛成した。
「それで、実はだな。今日その雄朝津間皇子がお前に会いにここに来るそうだ」
「え、雄朝津間皇子が!」
「きっとこの間の、お前を妃にしたいって話しの事だろう」
(雄朝津間皇子がここに……)
「分かりました、お父様。
私雄朝津間皇子にちゃんと自分の気持ちを話します」
こうして佐由良は、雄朝津間皇子と会う事になった。
そして暫くして、雄朝津間皇子が佐由良の元にやって来た。
雄朝津間皇子に会うと、彼は思いの外穏やかそうにしていた。
「佐由良久しぶり」
「雄朝津間皇子、お久しぶりです」
彼女も笑顔で答えた。
「てっきり、もっと暗い感じかと思っていたけど。何か元気そうだね」
「はい、お陰様で」
佐由良は皇子にそう答えた。彼が普段通りに話してくるので、彼女も内心とても安心した。
それから2人は、伊莒弗の配慮で彼の家を出て少し行った所で話す事にした。
「ここは初めて来たけど、とても居心地が良さそうだ」
雄朝津間皇子は周りの景色を見回した。
「はい、私も本当にそう思います。
ここは私にとっても大事な所になりました」
そんな佐由良を雄朝津間皇子はとても愛おしいそうに見ていた。
そして暫くして、皇子が口を開いた。
「じゃあ、今日は単刀直入に言う。この間兄上の前で言った君を妃にしたいって話し、あれは本当だ」
(雄朝津間皇子……)
「君を絶対に幸せにする。どうか俺の妃になって貰えないか」
(雄朝津間皇子、もうその答えはもう出てるの。)
「雄朝津間皇子、皇子は私からみてもとても素敵な方です。私には勿体無いくらいに。でも、ごめんなさい。私は皇子の妃にはなれません。私が好きなのは瑞歯別皇子なんです」
その瞬間、一瞬の沈黙があった。
そんな彼女の返事を聞いて、彼は答えた。
「はぁー、やっぱり佐由良の心は決まってたんだね。今日最初に会った時そうじゃないかと思ったよ」
「雄朝津間皇子?」
「それでもやっぱり、自分の気持ちを君に言っておきたかったんだ」
「皇子、私なんかの為に。本当にごめんなさい」
佐由良は深々と頭を下げた。
「別に良いよ、覚悟はしてたから。それより佐由良顔を上げてくれる」
そう皇子に言われて、佐由良は顔を上げた。
「それなら、何が何でも兄様を諦めないでよ。約束だ」
「はい、皇子」
それを聞いた雄朝津間皇子は微笑んだ。
「じゃあ、俺は行くね」
そう言って、雄朝津間皇子はその場を離れて行った。
「佐由良姉さま~!!」
「こら、姉さまは僕と遊ぶんだぞ!」
佐由良は伊莒弗の元に来て、初めて彼の子供達と対面した。
2人とも男の子で、兄の目は8歳で、弟の布都久留は6歳になっていた。
2人ともいきなり父親の伊莒弗から佐由良を紹介されたが、特に不信に思う事も全く無かった。
むしろ新しい姉が出来た事に喜び、今ではすっかり佐由良に懐いてしまっていた。
ただそんな状況下でも佐由良自身、いつまでもここに居る訳にはいかず、瑞歯別皇子との面会を希望した。
だが皇子は佐由良との面会を頑なに拒んでいた。
そして佐由良が2人の義理の弟達の相手をしている所へ、伊莒弗がやって来た。
「こらお前達、姉さまに話しがあるから、向こうで遊んでなさい」
2人の兄弟は「はぁーい!」と言って、どこかに遊びに行ってしまった。
「佐由良、今回はとんだ災難にあったな。瑞歯別皇子はかなりご立腹のようだ。雄朝津間皇子との話にも応じてないらしい」
そんな話しを聞いても、彼女はなんの表情も変えなかった。
「もう良いんです。元々私の方から皇子と離れようとしていたので。
皇子はいずれ他の皇族か有力な豪族の姫を娶らないといけない人でしたから」
「お前は皇子の事を好いていたのだな」
佐由良は思わず刻々と頷いた。
「佐由良、前にも話したが。私は自分自身の為に麻日売を諦めた。
きっと麻日売も今のお前と同じように、とても苦しんだはずさ。だからお前にも麻日売と同じような思いはさせたくない」
(お父様……)
「それに、皇子はお前の気持ちは知らないんだろ」
「でも私は采女の立場で有りますし」
彼女は悲しそうに俯いた。
「佐由良、お前だって妃になれない事は無いんだぞ。私のいる物部と吉備の血を引く娘なんだから」
「あの人はご自身の立場をとても良く理解されています。であれば、同じ皇族の姫かもっと他の力のある豪族の姫を妃にしたいはずです」
(それに皇子には他に女性が……あの宴で一緒にいられると言う事は、きっと皇族の姫なんだわ)
「それだって、皇子から直接聞いた訳では無いのだろ」
彼女は思わず口を閉ざしてしまった。
「佐由良、ではもっと素直になりなさい。お前にだって幸せになる権利がある。亡くなった麻日売の為にも。
皇子としっかりと向き合ってみるんだ。それでも皇子に拒まれるようなら、その時はここで私と一緒に暮らしたら良いさ」
佐由良は伊莒弗の言葉を聞いて思わず勇気が湧いて来た。
「分かりました、お父様。私やれるだけの事をやってみます!」
「あぁ、それでこそ私の娘だ」
それから物部伊莒弗は続けて彼女に言った。
瑞歯別皇子の他にもう1つ気がかりな事がある。
「それと佐由良、雄朝津間皇子の件はどうするんだ?」
(そうだ、雄朝津間皇子からも逃げる訳には行かない)
「雄朝津間皇子は私から見ても、とても優しく素敵な皇子です。
でも私が好きなのは瑞歯別皇子ですし、雄朝津間皇子は私よりももっと素敵な女性が現れると思います」
「うん、佐由良それで良い」
伊莒弗も佐由良の考えに賛成した。
「それで、実はだな。今日その雄朝津間皇子がお前に会いにここに来るそうだ」
「え、雄朝津間皇子が!」
「きっとこの間の、お前を妃にしたいって話しの事だろう」
(雄朝津間皇子がここに……)
「分かりました、お父様。
私雄朝津間皇子にちゃんと自分の気持ちを話します」
こうして佐由良は、雄朝津間皇子と会う事になった。
そして暫くして、雄朝津間皇子が佐由良の元にやって来た。
雄朝津間皇子に会うと、彼は思いの外穏やかそうにしていた。
「佐由良久しぶり」
「雄朝津間皇子、お久しぶりです」
彼女も笑顔で答えた。
「てっきり、もっと暗い感じかと思っていたけど。何か元気そうだね」
「はい、お陰様で」
佐由良は皇子にそう答えた。彼が普段通りに話してくるので、彼女も内心とても安心した。
それから2人は、伊莒弗の配慮で彼の家を出て少し行った所で話す事にした。
「ここは初めて来たけど、とても居心地が良さそうだ」
雄朝津間皇子は周りの景色を見回した。
「はい、私も本当にそう思います。
ここは私にとっても大事な所になりました」
そんな佐由良を雄朝津間皇子はとても愛おしいそうに見ていた。
そして暫くして、皇子が口を開いた。
「じゃあ、今日は単刀直入に言う。この間兄上の前で言った君を妃にしたいって話し、あれは本当だ」
(雄朝津間皇子……)
「君を絶対に幸せにする。どうか俺の妃になって貰えないか」
(雄朝津間皇子、もうその答えはもう出てるの。)
「雄朝津間皇子、皇子は私からみてもとても素敵な方です。私には勿体無いくらいに。でも、ごめんなさい。私は皇子の妃にはなれません。私が好きなのは瑞歯別皇子なんです」
その瞬間、一瞬の沈黙があった。
そんな彼女の返事を聞いて、彼は答えた。
「はぁー、やっぱり佐由良の心は決まってたんだね。今日最初に会った時そうじゃないかと思ったよ」
「雄朝津間皇子?」
「それでもやっぱり、自分の気持ちを君に言っておきたかったんだ」
「皇子、私なんかの為に。本当にごめんなさい」
佐由良は深々と頭を下げた。
「別に良いよ、覚悟はしてたから。それより佐由良顔を上げてくれる」
そう皇子に言われて、佐由良は顔を上げた。
「それなら、何が何でも兄様を諦めないでよ。約束だ」
「はい、皇子」
それを聞いた雄朝津間皇子は微笑んだ。
「じゃあ、俺は行くね」
そう言って、雄朝津間皇子はその場を離れて行った。
0
お気に入りに追加
58
あなたにおすすめの小説
夢幻の飛鳥2~うつし世の結びつき~
藍原 由麗
歴史・時代
稚沙と椋毘登の2人は、彼女の提案で歌垣に参加するため海石榴市を訪れる。
そしてその歌垣の後、2人で歩いていた時である。
椋毘登が稚沙に、彼が以前から時々見ていた不思議な夢の話をする。
その夢の中では、毎回見知らぬ一人の青年が現れ、自身に何かを訴えかけてくるとのこと。
だが椋毘登は稚沙に、このことは気にするなと言ってくる。
そして椋毘登が稚沙にそんな話をしている時である。2人の前に突然、蘇我のもう一人の実力者である境部臣摩理勢が現れた。
蘇我一族内での権力闘争や、仏教建立の行方。そして椋毘登が見た夢の真相とは?
大王に仕える女官の少女と、蘇我一族の青年のその後の物語……
「夢幻の飛鳥~いにしえの記憶」の続編になる、日本和風ファンタジー!
※また前作同様に、話をスムーズに進める為、もう少し先の年代に近い生活感や、物を使用しております。
※ 法興寺→飛鳥寺の名前に変更しました。両方とも同じ寺の名前です。
陸のくじら侍 -元禄の竜-
陸 理明
歴史・時代
元禄時代、江戸に「くじら侍」と呼ばれた男がいた。かつて武士であるにも関わらず鯨漁に没頭し、そして誰も知らない理由で江戸に流れてきた赤銅色の大男――権藤伊佐馬という。海の巨獣との命を削る凄絶な戦いの果てに会得した正確無比な投げ銛術と、苛烈なまでの剛剣の使い手でもある伊佐馬は、南町奉行所の戦闘狂の美貌の同心・青碕伯之進とともに江戸の悪を討ちつつ、日がな一日ずっと釣りをして生きていくだけの暮らしを続けていた……
毛利隆元 ~総領の甚六~
秋山風介
歴史・時代
えー、名将・毛利元就の目下の悩みは、イマイチしまりのない長男・隆元クンでございました──。
父や弟へのコンプレックスにまみれた男が、いかにして自分の才覚を知り、毛利家の命運をかけた『厳島の戦い』を主導するに至ったのかを描く意欲作。
史実を捨てたり拾ったりしながら、なるべくポップに書いておりますので、歴史苦手だなーって方も読んでいただけると嬉しいです。

夢占
水無月麻葉
歴史・時代
時は平安時代の終わり。
伊豆国の小豪族の家に生まれた四歳の夜叉王姫は、高熱に浮かされて、無数の人間の顔が蠢く闇の中、家族みんなが黄金の龍の背中に乗ってどこかへ向かう不思議な夢を見た。
目が覚めて、夢の話をすると、父は吉夢だと喜び、江ノ島神社に行って夢解きをした。
夢解きの内容は、夜叉王の一族が「七代に渡り権力を握り、国を動かす」というものだった。
父は、夜叉王の吉夢にちなんで新しい家紋を「三鱗」とし、家中の者に披露した。
ほどなくして、夜叉王の家族は、夢解きのとおり、鎌倉時代に向けて、歴史の表舞台へと駆け上がる。
夜叉王自身は若くして、政略結婚により武蔵国の大豪族に嫁ぐことになったが、思わぬ幸せをそこで手に入れる。
しかし、運命の奔流は容赦なく彼女をのみこんでゆくのだった。

葉桜よ、もう一度 【完結】
五月雨輝
歴史・時代
【第9回歴史・時代小説大賞特別賞受賞作】北の小藩の青年藩士、黒須新九郎は、女中のりよに密かに心を惹かれながら、真面目に職務をこなす日々を送っていた。だが、ある日突然、新九郎は藩の産物を横領して抜け売りしたとの無実の嫌疑をかけられ、切腹寸前にまで追い込まれてしまう。新九郎は自らの嫌疑を晴らすべく奔走するが、それは藩を大きく揺るがす巨大な陰謀と哀しい恋の始まりであった。
謀略と裏切り、友情と恋情が交錯し、武士の道と人の想いの狭間で新九郎は疾走する。
雨降る朔日
ゆきか
キャラ文芸
母が云いました。祭礼の後に降る雨は、子供たちを憐れむ蛇神様の涙だと。
せめて一夜の話し相手となりましょう。
御物語り候へ。
---------
珠白は、たおやかなる峰々の慈愛に恵まれ豊かな雨の降りそそぐ、農業と医学の国。
薬師の少年、霜辻朔夜は、ひと雨ごとに冬が近付く季節の薬草園の六畳間で、蛇神の悲しい物語に耳を傾けます。
白の霊峰、氷室の祭礼、身代わりの少年たち。
心優しい少年が人ならざるものたちの抱えた思いに寄り添い慰撫する中で成長してゆく物語です。
創作「Galleria60.08」のシリーズ作品となります。
2024.11.25〜12.8 この物語の世界を体験する展示を、箱の中のお店(名古屋)で開催します。
絵:ゆきか
題字:渡邊野乃香
大和の風を感じて3~泡沫の恋衣~【大和3部作シリーズ第3弾】
藍原 由麗
歴史・時代
豪族葛城の韓媛(からひめ)には1人の幼馴染みの青年がいた。名は大泊瀬皇子(おおはつせのおうじ)と言い、彼は大和の皇子である。
そして大泊瀬皇子が12歳、韓媛が10歳の時だった。
大泊瀬皇子が冗談のようにして、将来自分の妃にしたいと彼女に言ってくる。
しかしまだ恋に疎かった彼女は、その話しをあっさり断ってしまう。
そしてそれ以降、どういう訳か2人が会う事は無くなってしまった。
一方大和では、瑞歯別大王(みずはわけのおおきみ)が即位6年目にして急に崩御してしまう。
その為、弟の雄朝津間皇子(おあさづまのおうじ)が家臣や彼の妃である忍坂姫(おしさかのひめ)の必死の説得を受けて、次の新たな大王として即位する事となった。
雄朝津間皇子が新たな大王となってから、さらに21年の年月が流れていった。
大王となった雄朝津間大王(おあさづまのおおきみ)の第1皇子である木梨軽皇子(きなしのかるのおうじ)が、同母の妹の軽大娘皇女(かるのおおいらつめ)と道ならぬ恋に落ちてしまい、これが大和内で大問題となっていた。
そんな問題が起こっている中、大泊瀬皇子が 4年ぶりに韓媛のいる葛城の元に訪ねてくる。
また韓媛は、父である葛城円(かつらぎのつぶら)から娘が14歳になった事もあり、護身用も兼ねて1本の短剣を渡された。父親からこの剣は【災いごとを断ち切る剣】という言い伝えがある事を聞かされる。
そしてこの剣を譲り受けて以降から、大和内では様々な問題や災難が起こり始める。
韓媛はこの【災いごとを断ち切る剣】を手にして、その様々な災いごとに立ち向かっていく事となった。
~それは儚くも美しい、泡沫の恋をまとって~
前作『大和の風を感じて2~花の舞姫~』から27年後を舞台にした、日本古代ファンタジーの、大和3部作第3弾。
《この小説では、テーマにそった物があります。》
★運命に導く勾玉の首飾り★
大和の風を感じて~運命に導かれた少女~
【大和3部作シリーズ第1弾】
★見えないものを映す鏡★
大和の風を感じて2〜花の舞姫〜
【大和3部作シリーズ第2弾】
★災いごとを断ち切る剣★
大和の風を感じて3〜泡沫の恋衣〜
【大和3部作シリーズ第3弾】
※小説を書く上で、歴史とは少し異なる箇所が出てくると思います。何とぞご理解下さい。(>_<")
☆ご連絡とお詫び☆
2021年10月19日現在
今まで大王や皇子の妻を后と表記してましたが、これを后と妃に別けようと思います。
◎后→大王の正室でかつ皇女(一部の例外を除いて)
◎妃→第2位の妻もしくは、皇女以外の妻(豪族出身)
※小説内の会話は原則、妃にしたいと思います。
これから少しずつ訂正していきます。
ご迷惑をお掛けして、申し訳ありません。m(_ _)m
シンメトリーの翼 〜天帝異聞奇譚〜
長月京子
恋愛
学院には立ち入りを禁じられた場所があり、鬼が棲んでいるという噂がある。
朱里(あかり)はクラスメートと共に、禁じられた場所へ向かった。
禁じられた場所へ向かう途中、朱里は端正な容姿の男と出会う。
――君が望むのなら、私は全身全霊をかけて護る。
不思議な言葉を残して立ち去った男。
その日を境に、朱里の周りで、説明のつかない不思議な出来事が起こり始める。
※本文中のルビは読み方ではなく、意味合いの場合があります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる