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#01 絶好のチャンス
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「はあぁ~…」
深夜のひとりぼっちの部屋に大きなため息が響いた。
画面の暗くなったパソコンに映る間抜けな顔は涼音とは似ても似つかないものだった。
涼音の声の主、通称中の人である中野 涼はとある問題に直面していた。
「個人VTuberってここまで交友関係無いもんなの…」
問題とは配信者同士の交友関係についてだった。
事務所に所属しているVTuberだと先輩後輩、同期と言った交友関係も自然と生まれてくるものなのだろうが、個人VTuberとして活動している涼音には同期も、先輩も後輩も存在しなかった。
そのうえ中の人である涼は極度の人見知り。自分から個人VTuberに話しかけに行くという最もシンプルな方法は彼にとって以ての外だった。
「うー…これじゃあ永遠にぼっち配信だ…」
配信者友達がいなければコラボ配信は勿論、チーム戦での大会参加すら出来ないであろう。
デビュー当時は早めに友達作らないとな~と考えていたものの先延ばしにして早2ヶ月。チャットで「コラボとかしないんですか?」という内容を見かけることも最近多くなってきた。
何か良い方法があるはずだと思った涼はTwitterで何かをもくもくと調べ始めたのだった。
────
『VTuberさん・配信者さん大会参加者募集!』
「これだ!!!」
エゴサーチで偶然見つけたツイートに思わず声を上げて喜ぶ。
個人・企業所属など問いませんと書かれたFPSゲームの大会開催のお知らせツイート。
とりあえず友達を一人でも増やさなければと勢いに任せ参加希望の主旨の文章をDMに送る。
メッセージが送信されたのを見て、安堵のため息が溢れた。
「やーば…」
大会へのエントリーをしてしまったという事実に高揚感を感じながらベッドにぼふりと倒れ込む。
俺でも参加出来るかなと少しの不安も抱いたが、それに数倍勝る高揚感に思わず頬が緩む。
エゴサに夢中で気が付かなかったがふと時計を見るともう日が昇る頃になろうとしていた。とりあえず一度落ち着くために寝ようとベッドに入った涼だったが遠足前日の子供のように胸がどきどきしてなかなか寝付けないのだった。
なおその日の昼頃、大会出場決定のメッセージが届いた通知音で目を覚ました涼がすごい声を出してベッドから転げ落ちたのは言うまでもない。
深夜のひとりぼっちの部屋に大きなため息が響いた。
画面の暗くなったパソコンに映る間抜けな顔は涼音とは似ても似つかないものだった。
涼音の声の主、通称中の人である中野 涼はとある問題に直面していた。
「個人VTuberってここまで交友関係無いもんなの…」
問題とは配信者同士の交友関係についてだった。
事務所に所属しているVTuberだと先輩後輩、同期と言った交友関係も自然と生まれてくるものなのだろうが、個人VTuberとして活動している涼音には同期も、先輩も後輩も存在しなかった。
そのうえ中の人である涼は極度の人見知り。自分から個人VTuberに話しかけに行くという最もシンプルな方法は彼にとって以ての外だった。
「うー…これじゃあ永遠にぼっち配信だ…」
配信者友達がいなければコラボ配信は勿論、チーム戦での大会参加すら出来ないであろう。
デビュー当時は早めに友達作らないとな~と考えていたものの先延ばしにして早2ヶ月。チャットで「コラボとかしないんですか?」という内容を見かけることも最近多くなってきた。
何か良い方法があるはずだと思った涼はTwitterで何かをもくもくと調べ始めたのだった。
────
『VTuberさん・配信者さん大会参加者募集!』
「これだ!!!」
エゴサーチで偶然見つけたツイートに思わず声を上げて喜ぶ。
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とりあえず友達を一人でも増やさなければと勢いに任せ参加希望の主旨の文章をDMに送る。
メッセージが送信されたのを見て、安堵のため息が溢れた。
「やーば…」
大会へのエントリーをしてしまったという事実に高揚感を感じながらベッドにぼふりと倒れ込む。
俺でも参加出来るかなと少しの不安も抱いたが、それに数倍勝る高揚感に思わず頬が緩む。
エゴサに夢中で気が付かなかったがふと時計を見るともう日が昇る頃になろうとしていた。とりあえず一度落ち着くために寝ようとベッドに入った涼だったが遠足前日の子供のように胸がどきどきしてなかなか寝付けないのだった。
なおその日の昼頃、大会出場決定のメッセージが届いた通知音で目を覚ました涼がすごい声を出してベッドから転げ落ちたのは言うまでもない。
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