おっさんが願うもの

猫の手

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閑話 〜各設定紹介〜

閑話 〜おっさんと・・〜

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【おっさんと尻尾】

 俺は動物が好きだ。
 動物というか、もふもふが好きだ。
 柔らかい毛の中に顔を埋めて包まれたいという願望がある。
 子供の頃、父親の同僚だというお宅にお邪魔した時に、グレート・ピレニーズという白い大型犬と出会った。
 両親がその飼い主夫婦と話をしている間、俺はその犬と遊んだ。
 遊んで遊んで遊び疲れて、俺はその犬によりかかり、白いもふもふの毛に包まれて寝てしまったらしい。
 その時の写真を大人になってから見せてもらったが、犬の腹に顔を押し付けるようにして寝ている小さい頃の自分の姿を見て、俺がもふもふ好きなのはこのせいか、と納得してしまった。


 俺の前で白い尻尾が左右に揺れている。
 前を歩くロイの尻尾だ。
 狼だというその尻尾は真っ白で長くふさふさしてる。動かさずに黙っていれば、ロイの膝裏まで長さがある。
 硬そうに見えるが毛の一本一本が柔らかくてふわふわしている。触るとモフッとした感触がとても気持ちが良い。
 
 隣に座った時、ロイの尻尾を引き寄せてたまに撫でる。
 ロイも気持ち良さそうにして、もっとして欲しいかのようにパタパタと揺れる。
 この尻尾の動きは無意識のようで、意識して止めようと思えば出来るが、集中が切れるとすぐに勝手に動き出すらしい。

 ロイの尻尾を思い切り愛でたい。
 撫でまわして、顔を押し付けてもふりたいのだが、なかなかそれは出来ない。握られたり抑え込まれるのを嫌がるせいだ。
 だから、俺はいつもロイが眠っている時、優しく静かにそっとその尻尾を抱きしめて、顔を押し付けている。
 そのふわふわな毛の感触が俺を癒してくれた。

「ショーヘーは俺の尻尾好きだな」
「ああ。好きだ。かなり」
 膝に乗せた白い尻尾を撫でながらうっとりする。
「尻尾だけ?」
「…全部好きだよ」
 何言わすんだ、と顔を顰めながら答えるが、尻尾が跳ねてバサバサと俺の顔に当てられた。
 好き、と言われて無意識に尻尾で喜びを表している。
「俺もショーヘーが好きー」
 えへへと笑い、尻尾が俺の膝から逃げて行く。体勢を変えたからだ。
「ちょっと…」
 ロイにのしかかられて、尻尾が遠い位置に行ってしまったことに残念がる。
「後でたくさん触っていいから。今はこっちを可愛がって」
 そう言いながら押し倒されて腰のあたりにグリグリと股間のものを押し付けられた。すでに固くなっているそれに苦笑した。
 甘いキスを繰り返し、ロイを俺の中に受け入れる。
 突き上げられ、嬌声を上げながらも、ふとロイの背後で揺れる尻尾が目に入った。
 尻尾がいつもよりも膨らんで揺れているのを見て、思わずふふッと笑ってしまった。
「何?」
「いや…尻尾がwww」
 クスクスと笑いなら答えると、ロイが赤くなった。そして恥ずかしさを誤魔化すように中を深く激しく突き上げてくる。
「あっ、あぁ!あ!」
 その突き上げに再び目を瞑って快感に耐えつつも、そのまま絶頂まで追い上げられた。
 甘い疼きが続き、その余韻に浸りながらも目を開けると、ロイが数度抉るように突き上げた瞬間、その尻尾がブワッと更に膨らみ、ピンッと真っ直ぐに伸びた。次の瞬間腹の中に感じる熱さに喘いだ。
「ふ…ふふ…」
 射精後、尻尾が縮み力を失くして降ろされるのを見て笑いが込み上げてきた。
 なるべく声を抑えようとしたが、閉じた口から笑い声が漏れてしまった。
「なんだよ」
 はぁと荒い呼吸をしながらロイがムッとした感じで聞いてくる。
「いや…ごめ…www」
 笑う俺にロイが顔を顰めつつ、それでもチュッチュッと俺にキスを落としていく。
「ロイ、可愛い。お前の尻尾、ちょー可愛い」
 クスクス笑いながらロイの顔を両手で包むと自分から口付ける。
「え」
 まだ俺の中にいるロイが力を取り戻していくのを感じた。
「ちょ」
「煽ったショーヘーが悪い。もっかいな」
 ロイが破顔し、その満面の笑顔が見える視界の隅に、白い尻尾がパタパタと揺れているのが見えた。


「ロイ、あっち向いて」
 SEXが終わった後、ロイに正面から抱きしめられていたが、その体をグイグイ押して背中を向けさせる。
「尻尾ちょーだい」
 背中を向けたロイと俺の間に尻尾を持ってくるとそっと優しく抱きしめ顔を寄せた。
「はぁ…もふもふ…たまんねー」
 尻尾がちょうど顔に当たる位置まで体をずらすとすりすりと顔を押し付ける。
「尻尾フェチかよ…」
 尻尾から伝わる感触にロイが呆れるように呟いた。
「ロイの尻尾限定だよ」
 尻尾にすりすりしながら答えるが、ロイの返事が無く、不思議に思ってロイを方を見ると、その肩や首、耳が真っ赤に染まっていることに気付いた。


 なんだよ、可愛いなぁ…。


 ロイの反応にニマニマ笑うと、尻尾を離して体を寄せる。
 ロイと俺の間に尻尾をはさんだ状態で、ロイを背後から抱きしめて背中に顔を押し付けた。
「好きだよ、ロイ」
 はさまれた尻尾がブワッとその毛を逆立てるのを肌で感じ、クスクスと笑った。









【おっさんと髪】

 ディーは大抵ポニーテールだ。
 真っ直ぐストレートの銀髪を手櫛でササッと簡単にまとめると、細い紐で結い上げる。
 何度も見てきた光景だが、いつ見ても器用だな、と思っていた。
 きっちりと櫛を使ってギチギチに縛るわけではないので、オールバックというわけでもなく、緩く垂れ下がった前髪や横髪が、なんとなく色気がある。
 縛った髪は肩甲骨のあたりの長さで、解くと背中のちょうど半分あたりの長さになる。
 稀に解いたままの時や、ハーフアップの時もあるので、綺麗な顔と相まって女性かと思ってしまうほど美しかった。

 その日の朝も器用にポニーテールに結い上げるディーを見つめていた。
「なんです?いい男だって惚れ直しましたか?」
 ディーが俺の視線に気づいて微笑む。
 その笑顔に赤面しつつ目を逸らした。
「いや、器用だなと思ってさ。
 っていうか、なんで髪伸ばしてんの?」
「なんで…?」
 伸ばしている理由を聞かれてディーが数秒考えた。
「いや…特に意味は…」
「そういや、ロイも最初は長かったよな」
 ロイも今のディーと同じくらいの長さだったことを思い出す。
「ロイはただ切りに行くのが面倒だっただけですよ」
「ディーも面倒くさいとか?」
「あれと一緒にしないでくださいよ」
 すごく仲が良くて親友で兄弟みたいなのに、何故か似てるとか行動が一緒とか言うと怒る。
「邪魔だと思わない?」
「思わないですよ。似合いませんか?」
「いや、似合ってる」
 そう言われるとディーの短髪というのが全く想像出来ないし、想像すると違和感がすごいと思った。
「俺のいた世界じゃさ、男は大抵短髪だったから。
 長い奴もいたけど稀だな」
 この世界の男性は半々で、元の世界よりも明らかに長髪人口は多い。
「そうなんですね。ショーヘイさんもずっと短髪?」
「ああ。伸ばしたことない」
 そう言いながら、伸びてきた前髪を気にする。
「伸ばしてみたらどうですか?きっと似合うと思いますよ」
「そうかなぁ。伸ばしたことないから長髪の俺が想像出来んわ」
 言いながら笑った。




 銀糸のような綺麗な髪が俺の首筋にサラリと落ちてくる。
 そのまま胸を伝って髪が乳首を掠めて行き、ピクリと反応を返した。
 ディーに組み敷かれ、上から深いキスをかわしている最中も、ディーの髪が俺の頬や耳に触れて、ゾクリと快感が走った。
 背後からディーを受け入れて中を突かれながらその快感に嬌声を上げていると、背中にサワリとディーの髪が触れた。
 ディーが動く度に、髪が背中をなぞり、ゾクゾクと電流のような快感が駆け抜けて行く。
「あっ、あ、か…髪…」
 グチュッグチュッと音を立てながら中を抉られて嬌声を上げる。
「髪?」
「髪が…背中に、あっ」
 またサワリと髪が背中に触れた。
 翔平に言われて、腰を動かす度に自分の髪がその背中の上を這っていることに気付いた。
「…髪にも感じてるんですか?」
 グンッと奥を押し広げるようにわざと大きく揺すると、髪の先が翔平の背中をなぞった。
「んぁ!あ!んぅ、く、くすぐったい!」
「くすぐったいだけ?」
 同じように中を突き上げながら、わざと髪が背中に触れるように体を倒す。
「ん!」
 くすぐったいのか、感じているのか、わけがわからなくなり、口を閉じた。
 ディーがそんな翔平に微笑むと上半身を起こして体勢を変えた。
 挿入したまま翔平の片足を担ぎ上げ、うつ伏せから横向きにさせられた翔平に見せつけるように、汗ばんだ顔に張り付いた長い髪を片手でかきあげる。
 その色っぽい仕草を見て、ゾクゾクと快感が走り、中のディーを締め付けた。
 ディーの舌が抱えた翔平の足の膝横をゆっくりと舐めあげながら、腰をゆすり始めると、翔平が悲鳴のような嬌声をあげた。
 そのまま互いに絶頂を迎えるまで揺さぶられた。



「髪、気になる…」
 ディーが俺の上に重なり、互いに荒い息を吐きながら絶頂の余韻に浸っている最中に言った。
「邪魔ですか?」
「邪魔、というか…」
 さわさわと髪が触れてくすぐったいというのももちろんあるが、時折り落ちてきた髪が敏感になった肌に触れて、それすらも感じてしまうのがたまらなく恥ずかしいのだ。
「じゃぁ、きっちり結ってお団子頭でSEXしましょうか」
 上から顔を覗き込まれて目を見ながら言われ、思わずお団子頭で全裸のディーの姿を想像してしまった。
「っぶ!ぶぁっはっはっは!!」
 あまりにも変な姿に大口をあげて笑ってしまった。
「あ…」
 ディーの顔が目の前で歪む。
「え?」
 まだ挿入されたままのディーがムクムクと大きくなるのがわかった。
「笑うから…中がうねって…」
 ディーが真っ赤になりながらも、軽く腰をゆする。
「ぁ…ん」
 グチュンと濡れた音が聴覚を刺激した。
「もう一回いいですよね?」
 いい、と了承する前に腰が揺れ始めて、奥をノックされる。
「んぁ…、お、お団子頭にwww」
 中を擦られ快感が再び押し寄せる中、笑いながら軽口を言うと、ディーが笑う。
 そしてその動きに合わせるように、銀糸の髪が落ちてくる。
 その髪を一房手に取ると、愛しむようにその髪に口付けた。







【おっさんと尻尾 その2】

 読んでいた本から顔を上げると、ティーカップを手にとって口をつける。
 そのまま両手でカップを包み込むと肘をテーブルにつき、じっとある箇所を見つめた。
 視線の先で白くて小さな綿毛のような尻尾がピコピコと揺れている。

 前の世界のバニーガールがつけていた尻尾は、丸くてフワッとしているものだった。実際に見たことはないが、写真や映像ではそんなものだったと記憶している。
 だが、実際のウサギの尻尾というのは丸くなく、雫を逆向きにした形なんだと始めて知った。
 そんなにもこもこしているわけでもないが、ふわふわだ、と思う。

 聖女宛の贈り物の箱を開けて、背中を向けて腰を曲げているキースのお尻をじっと見つめる。
 その小さい尻尾がぴこぴこと揺れる度に、可愛いな、と思ってしまった。
「どうかしましたか?」
 俺の視線に気付いたのか、キースが背筋を伸ばして振り返るが、お尻はこちらに向けたままだ。
「あ、いや…」
 ドキッとしつつキースの顔を見つめ、すぐにまたお尻の尻尾に視線を落とす。
「尻尾が珍しいですか?」
 俺が尻尾を見ていることにすぐに気付き聞かれた。
「ごめん…」
 じっとお尻を見ていたことに気付かれて赤面しつつ視線を逸らした。
「珍しいというか、見慣れなくてさ」
 ロイや他の獣人達の長い尻尾はよく目にしていたので、今はもうほとんど気にならなくなってきているが、ウサギの尻尾のような小さいのは初めてだった。
「ショーヘイさんの前の世界では獣人はいないんでしたもんね」
「人族だけの世界だからな」
 苦笑しながらお茶を飲む。
「ロイもそうだけど、尻尾にもちゃんと感覚があるんだろ?それがどんなものか想像出来なくて」
 俺に言われて、キースも自分の尻尾を見て、手でふにふにと摘んだ。
「まぁ、感覚はありますよね。当然ですが…。あるのが普通なので、どんな感覚かと言われると説明出来ませんが…」
「そうだよね」
 あははと笑いながら言いつつ、その自分で自分の尻尾をふにふにしてるキースに照れてしまった。
「触って…みますか?」
「え…」
 キースに言われ、そういえば初めて会った時もそのウサ耳を触らせてもらったことを思い出した。
「いや…それは…」
 悪い、と思いつつも触りたい衝動がムクムクと湧き起こる。獣人の尻尾はロイのものしか触ったことがない。
「いいですよ」
 キースが笑いながら俺に近寄ると、クルッと俺に背中を向けた。
「…ごめん…ありがと…」
 恐る恐るキースの小さなウサ尻尾に手を伸ばした。


 ふに


 手にその柔らかな感触が伝わると、はっきり言って驚いた。
 もっとふわふわしているものだと思ったのだが、実際に触れてみるとかなり弾力があった。


 ふにふにふにふに


 横から、上下から、指先で、手で包み込むようにその尻尾の感触を確かめる。
 その尻尾に夢中になってしまった。
 まるで、ものすごくフカフカの柔らかいが弾力のある毛糸玉を触っているような感触と、時折り手の中でピクピクと震える感触に手が止まらない。
 思わず頬擦りしたくなるが、それはあまりにも変態チックで止めた。
「ありがとう」
 その尻尾に満足して手を離すとキースに礼を言った。
「羨ましい。俺もそんなの欲しい」
 素直に感想を言うと、キースが笑いだす。
「欲しいなんて言われたのは初めてです」
 あははと笑うキースに俺も笑う。
「もしショーヘイさんが獣人で、何か耳か尻尾があったら、ロイ様もディーゼル様も理性がいくつあっても足りませんね」
「何それ、どういう意味だよ」
「言葉通りですよ」
 笑うキースに苦笑する。
「じゃぁ、きっとアランもいつも理性ぶっ飛んでんだろうな。そんな気持ちいい尻尾と耳だし」
 嫌味のつもりで言い返したのだが、キースが一瞬で顔を赤く染めた。
 その様子が、まさに図星だと言っていた。
「なんだぁ? アランはお前の耳と尻尾が大好きか」
 ニヤニヤしながら言うとますます赤くなり、何も言えなくなっていた。
「まぁでも、キースの耳と尻尾だからだろうけどな」
 止めを刺すとキースはさらに無言になり、首もそのウサ耳も真っ赤に染めた。





 アランの指がキースのウサ耳を優しく撫でる。
 コチョコチョとくすぐるように撫でながら、耳の穴まで指を入れてその形を確かめるようになぞっていくと、キースの背筋をゾクゾクと快感が走り抜けた。
「あ…アラン様…」
 ピンク色に染めた頬と潤んだ目でアランを見つめると、アランもその表情だけで下半身に熱が集中して行く。
 優しく耳を撫でながらキスをすると、ウサ耳が垂れて小さく震えだす。
「はぁ…キース…」
 ゆっくりと執事服を脱がせながらキスを落とし、じっくりとその体を味わうと、快感に濡れたウサ耳が垂れてフルフルと小さく震えていた。
 キースをうつ伏せにして腰を上げさせると、その尻に生えている小さな尻尾がプルプルと震えていた。それを見るだけでもゾクゾクした快感が襲うが、アランはその尻尾に顔を寄せ、尻尾の生え際に舌を這わせる。
「んぅ!あ!」
 途端に小さな尻尾がピコンと跳ねて立ち上がり、プルプルと小さく痙攣する。
 アランが尻尾を舐め、そのまま舌を下げて、会陰部からアナルを舐めると、さらに尻尾が立ち上がって震えた。
 アナルを舌で責めながら、手で蜜をこぼすペニスを扱き、時折り、尻尾や付け根に舌を這わせる。
「あ…あぁ…」
 充分にアナルが濡れると、アランがゆっくりと負担をかけないように挿入し、腰を使い始めると、ウサ耳も尻尾も湧き起こる快感に合わせて小さく震えた。
 中を突き上げながら、アランの手が尻尾を優しく揉みしだき、その付け根を指先でトントンと叩いた。
「んあ!あぁ!あ!」
 尻尾の付け根から直接腰に響くような快感にキースの嬌声が止まらない。
「アランさまぁ!」
 中を抉るように突き上げられ、尻尾をトントンされ、その快感にキースは大きく痙攣した。
 絶頂を迎える瞬間、ウサ耳と尻尾がピンッと真っ直ぐ立ち上がり細かく震えた。
 アランが体勢を変えてキースを正面から抱きしめると、そのウサ耳をしゃぶる。
「キース…可愛いな…。お前のこの耳も…尻尾も…大好きだ…」


 キースの耳と尻尾だから


 ウサ耳を舐められ、尻尾を優しく揉まれ、翔平の言葉を思い出していた。

 
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