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王都編 〜赤い月〜
153.おっさん、賭けに出る
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地面に膝をつき、がっくりと首を垂れる。
俺のすぐ前で数ヶ月前と今の状況が同じなことに、体が震えた。
「ショーヘイさん!」
ディーが俺に駆け寄り、自分の怪我を治そうとせず、へたり込んだままの俺の肩に触れてヒールをかける。
騎士達が、俺たちを取り囲むようにゆっくりと集まってきた。
「ギルさん、あれは…?」
ギルバートにオスカーが近寄ると、ロイを拘束した黒い物について聞いた。
「あれは、魔力を吸収するアーティファクトでね」
「王宮の宝物庫から持って来たんじゃが…。正解じゃったの…」
レイブンが深いため息をつく。
「この枷がある以上、魔法は使えません。今のロイは、魔法が使えないただの白狼族です」
ディーが続けて説明する。
ディーもまた、以前このアーティファクトに拘束された時のロイの姿を思い出し、顔を顰める。
「じゃぁ、後はこのまま月が沈むまで待てばいいのね」
ジャニスがこれで終わると笑った。
「まだ終わってない!」
そのジャニスの言葉に俺が叫ぶ。
「え?」
俯いていたロイの顔がバッと正面を向き、俺を見た瞬間ニヤァと顔を歪ませて笑うと、長い舌を突き出し舌なめずりをした。
その表情を間近で見た俺もディーも背筋にゾッと悪寒が走る。
「早く拘束し…」
ディーが言い終える間もなく、ロイが後ろ手に拘束されたまま脚力だけで跳躍した。
「ロイ!!」
囲んだ騎士達を飛び越え、後方に逃げたロイが地面に着地した瞬間、俺を見つめたまま腕に力を入れたのがわかった。
あの時と同じ。
一瞬でロイが何をしようとしているのかがわかった。
「ロイを止めろ!!腕を引き千切る気だ!!」
ディーが叫ぶ。
俊足のギルバートとレイン、アビゲイル、ジャニスが、ディーの言葉を聞き終える前にロイに向かって突進し、ロイを止めるために、再び剣を向ける。
ディーもまた長剣を構え、ロイに向かって行った。
だが、魔法が使えなくなっても、その体術は健在で、5人の連撃をするするとかわしてしまう。
4時間以上戦い続け、流石に5人の体力も落ち、スピードが格段に落ちていた。だが、ロイはリミッターが外れた状態で、体力が落ちるどころか、闘争本能が大量のアドレナリンを垂れ流してその動きが衰えることはなかった。
5人の連携した剣による攻撃をかわし、周囲の騎士達の遠隔魔法攻撃をも簡単に避けてしまうロイに、誰しもが “バケモノ“ という言葉を頭に浮かべていた。
楽しい。
面白い。
嬉しい。
ロイの感情が翔平に流れ込んでくる。
その本能が喜びを示し、ずっと笑っている。
実際に、ロイの口から笑い声が聞こえていた。
いつものようにニカッと子供のように笑うロイではなく、興奮を抑えきれずだらしなく口を開け舌を突き出し、涎を撒き散らしながら笑う姿は、まさに本能に支配された魔獣そのものだった。
止めろ。
もう…止めてくれ…。
必死に心の中で懇願した。
ロイが攻撃をかわしながら、両腕に力を込め続ける。
わざとなのか、上腕部分に刃を受け入れ、魔法弾を傷付いた上腕で受け止める。
肉が抉れ、骨が剥き出しになっても、ロイは笑いながら自らの腕を落とすために動いた。
「やめ…」
ロイの姿があの時と重なる。
俺を助ける為に自ら腕を引き千切ろうとしたロイ。
そのロイが、今は俺を襲い、奪うために腕を失おうとしている。
地面についた両手をギュッと握り締め、その指で土を抉った。
一か八か…。
やってみよう。
同じ状況でも、俺はあの時とは違う。
何も出来ないわけじゃない。
「ロイ!!!」
一気に魔力を爆発させ、全身に強化魔法をかけて前に飛び出す。
「ショーヘイさん!!」
キースが俺を止めようと手を伸ばしたが、その指先があと数センチ足りなかった。そばにいた騎士達も俺を押さえ込もうと腕を伸ばすが、俺の動きの方が早く、誰も俺を捕まえることが出来なかった。
自分でもあり得ないくらいの速さでロイへ突進し、それに気付いた騎士達が咄嗟に向かってくる俺に攻撃が当たらないように無理矢理魔法弾や刃の軌道を変えたため、数人がバランスを崩した。
それを見逃さなかったロイが体勢を崩した騎士達に蹴りを入れ遠くへ弾き飛ばす。
それでも俺は進むのを止めなかった。
真っ直ぐロイの元へ走り、体当たりするようにその千切れそうな腕ごと抱きしめる。
タックルするようにロイに飛びつき、ロイもその重みにバランスを崩して後ろに倒れそうになるが、一歩後ろに引いた足に力を込めて倒れ込むのを防いだ。
「グルルルル…」
間近で俺の匂いに反応したロイが歓喜の唸り声を上げた。
いい匂い。
食べたい。
食らいたい!
ロイの中で本能が叫ぶ。
その本能のまま、大きな口を開けると、俺の肩に思い切り食らいついた。
「う”!」
伸びた犬歯が俺の肩に食い込み、そのままメリメリと深く突き刺さる。
それでも俺はロイの体から腕を離さず、腕に力を込めてしがみつく。
「ショーヘイさん!!!」
ディーが叫び、俺とロイを引き剥がそうとして刃をロイの背中に振り下ろす。
だがロイが俺の肩に歯を突き立てたまま、クルッと向きを変え、刃の先に俺の体を向けて盾にした。
「!」
ディーが振り下ろした剣を寸止めする。
「ショーヘイさん!!」
ディーが悲痛な声で叫ぶ。
その直後、俺はヒールを使った。
怪我をした者全てを治すため、広範囲にヒールを展開し、食いつかれた自分の肩も、ロイの両腕も、全てにヒールを使う。
ロイが口を離し、己の腕が治っていくことにニヤァと笑い、その長い舌で俺の首や頬、顔をべろりと舐めた。
涎を擦り付けるように、ベロベロと舐め続ける間、俺は後ろ手の黒い枷に触れる。
その瞬間、黒い枷がパキンと割れ、欠片が地面に落ちつつ霧散して消え去った。
その俺の行動が理解できず、騎士達が呆然と俺を見つめる。
両腕が自由になり、魔力も復活したロイが、俺をその腕で抱きしめる。
「グルルルル…」
唸り声を上げながら涎を垂らし、背中に回した腕に力を入れて密着させ、顔を寄せ、鼻を押し付けるように俺の匂いを嗅ぎ、恍惚とした表情を浮かべる。
体が密着した状態では、誰も手出しが出来ない。
全員が俺とロイを取り囲み、何とか俺を引き剥がそうと、頭の中でその方法を考えていた。
「ロイ…」
俺はロイの頭を撫で、そのまま両手ではさんで俺の方へ向けるとじっと目を見つめる。
ロイの顔が嬉しそうに歪む。
舌がだらしなく垂れ下がり、はぁはぁと熱い息を吐き出しながらも、俺の目を見つめ返した。
「ロイ。そこにいるんだろ」
静かに問いかける。
じっと目を見つめ、その目の奥にいる理性に語りかける。
「戻ってこい」
ロイの舌がべろりと俺の頬を舐める。
だが、構わずに目を見続けた。
「俺を愛しているなら、戻ってこい」
ピクリとロイの体が反応した。
ロイの表情が僅かに変化する。
「自分を取り戻せ。その体を本能から奪い返せ」
ロイの目の奥で、何かが揺らめいた。
「…ショ……へー…」
大きく開けられていた口がゆっくり閉じ、唸り声ではなく、言葉が聞き取れた。
あの時、ロイがディーを見た時、理性が動いたのを感じた。
自分の半身のような存在であるディーの声を聞き、その姿を目にとめた時、ほんの一瞬だけ理性が本能を上回った。
そう、感じた。
赤い月がピーク時からその影響が薄くなってきていることもあるだろう。
だが、大切な人を守りたいという想いもまた本能だ。
ディーの声と姿がきっかけになって、理性が力を取り戻し始めたと気付いた。
「ロイ、戻って来なさい。ショーヘイ君のために」
ギルバートが、騎士達が翔平の意図に気付き声をかけ、ロイの内側に隠れた理性に向かって叫び始める。
「戻って来い!ロイ!!」
「ロイ!戻れ」
「ロイ!」
周囲にいた騎士達が口々にロイの名を呼び、戻れ、取り戻せと叫ぶ。
ディーが、ゆっくりとロイに近付き、その肩に触れる。
「ロイ。約束しましたよね?
2人でショーヘイさんを幸せにするって。3人で幸せになろうって」
ディーが親友に微笑みかける。
「…ディ…」
ロイの目がディーを見る。
「ロイ…愛してる…」
俺もロイに微笑みかけ、そのままゆっくりとロイの頭を引き寄せ、抱きしめた。
たっぷりと愛情を含ませた魔力をロイに注ぎ込んだ。
「グルル…グゥ…」
ロイが唸り声を上げ、ガクガクと体が痙攣を始めた。
今まさにロイの中で本能と理性がせめぎ合いを始めたのが伝わってくる。
「ガアアァァ…アア…」
ガックリと膝を地面につき、体を痙攣させたまま夜空を見上げる。
そこにもう赤い月はなく、森の向こう側にその頭がかろうじて見えるだけになっていた。
ロイの目の色が、金色から灰色へ、また金色へ、目まぐるしく変わりだし、盛り上がっていた筋肉も収縮し、爪の形も変化しつつあった。
あともう少し。
もう一押しすれば。
震えるロイの体を抱きしめながら、覚悟を決めた。
「ディー…」
ロイを抱きしめながら、ディーを見る。
ディーが首を傾げ近寄ると、ディーだけに聞こえるようにそっと告げた。
「え…」
それを聞いたディーが目に見えて驚愕の表情を見せた。
「そんなこと…」
「多分、必要なことだと思うから。
…頼むよ」
真剣にディーを見て言い、頼み込んだ。
「…わかりました…」
ディーが項垂れるように肩を落とすと、ロイの腕を取って肩に回す。
それを見たギルバートもディーを手伝い、両脇からロイを抱える。
「何をしようとしているんですか?」
ギルバートが離れた俺に聞いてきた。
俺はその質問に薄く微笑みながら、答える。
ロイと寝ます。
そう小さな声で言った。
午前4時36分。
月が沈むまで残り32分。
ロイを天幕まで運んでもらい、床に寝かせる。その間もロイが唸り声を上げ、激しく体を痙攣させていた。
背中を丸めて床に転がり、何度もビクビクと体が跳ねる。身体中から汗を吹き出し、その中で必死に本能を押さえ込もうと理性が戦っているのがわかった。
「ショーヘイさん…」
キースが心配そうに、何とか止めさせようと懇願するような目で俺を見る。
「大丈夫だよ」
そんなキースの肩をぽんと叩いて微笑む。
「何かあったら、合図してください」
ディーが俺の手を強く握る。
それに黙って頷くと、ディーとキースが静かに天幕を出て行った。
すぐに、俺は天幕全体を包み込むように遮音魔法と、念の為に結界で外側を覆った。
これからやることが失敗して、ロイが暴れ出しても外に出れないようにするためだ。
苦しみながら唸り続けるロイを見下ろして、俺は自分の服に手をかけて脱いだ。
全裸になると、そっとロイに近寄り、その足に触れる。
ビクッとロイの体が大きく跳ね、俺から逃げるように背中を丸めた。
「ロイ…」
その体に上から覆い被さると、自分の体重でロイを抑え込み、その頭を手で掴んで固定して唇を重ねる。
角度を変え、何度も何度も唇を貪るように重ね、唇を舐め、舌を奪い取るように絡めて吸う。
チュル、ジュル、とわざと濡れた音を立ててロイを煽りつつ、ロイがいつも俺にするように、唇から頬を、耳を舐めた。
「ガァ…ア…」
ロイの体がガクガクと跳ねる。
ロイの中で生殖本能が鎌首をもたげて前面に出てこようして暴れているのが手に取るようにわかる。
だが、同じように理性がその本能を抑え込み、ロイの手が床に食い込み、敷かれたインナーマットを引き裂く。
「グルル…」
ロイが唸り、俺からの愛撫に必死に耐え震えていた。
「ショ…へー…止め…」
ロイの目が金色のままだが、理性が本能を抑え込んで言葉をその口から発した。
理性が勝とうとしている状況に、俺はさらに煽る。
ロイの耳を舌と唇で愛撫しながら、ロイの胸を撫で、乳首をクリクリと指で撫でた。
「グゥゥ」
再び獣のような声を上げたロイに、再び本能が前にでて来たことを確認すると、ロイの耳から頬、唇を舐め、顎、首筋とキスをする。
そのままロイの下半身まで体を下げると、履いていたズボンを下着ごと脱がした。
ドゥルンと、抑えがなくなった怒張し筋張ったペニスが天を向き、その鈴口から蜜を溢していた。
そして躊躇わずに口に含む。
「グウウウゥゥ!」
ロイの体がビクビク跳ね、口に含み、手で数度扱いただけで俺の口の中に射精した。
上顎に叩きつけられるように放たれた精液を口に溜め、ペニスから口を離した後、それを手に吐き出す。
ロイの雄の匂いに俺も当てられ、熱い吐息を吐いた。
手に取った精液を自らアナルに持って行き、ゆっくりと入口に塗り付け、少しでも解すように中にも塗り込める。
濡らすには全く足りないが、ないよりはマシだ。そう考えながら、入口を解し、ロイに跨った。
「ロイ…、いいか。そのまま本能と戦え。押さえ込むんだ」
ロイを見下ろしてそう言いつつ、射精後も張り詰めたままのペニスを掴むと、アナルに添える。
「んぅ…」
プチュッと音を立てて先端を飲み込み、ゆっくり、慎重にロイを受け入れて行く。
「あ…」
アナルが広がり、腸壁を押し開いていくペニスに顔を顰めながらも、そこから湧き出てくる快感も同時に感じていた。
「グルルル…」
ロイが唸り、ガリガリと床を何度も引っ掻き、地面を抉る。
「耐えろ、ロイ。本能を抑えろ」
言いながら、腰を揺する。
ロイの鈴口から漏れる蜜が腸壁を濡らして行く。動く度に溢れる蜜に、ペニスの出入りをスムーズにした。
「んぅ、ん、あ」
俺の口からも喘ぎが漏れる。
今まで何度も受け入れて来たアナルが、ロイのペニスを素直に受け入れる。
「ガアァ!アアァ!ア“!」
ロイの中の本能が暴れ、今にも俺を犯そうと体が跳ねる。
その体の痙攣に俺の体も揺すられ、腸壁を抉られるように擦られる。
「あ!あ”ぁ!」
ゾクゾクと背筋を快感が走り、大きく喘いだ。
その嬌声を聞いたロイの本能が一気にその体を支配する。
床を引っ掻いていた手が俺の腰を掴み握り込むと、その爪が俺の皮膚を貫き腰肉にめり込んだ。
腰に何本も血の筋が流れ落ちる。
「ヒグッ!」
激痛が走り、快感が吹き飛ぶ。
「あ“!」
痛みに対しての声が上がるが、腰を掴んだ手が離れる事はなく、そのまま本能の赴くままに下から突き上げられた。
「あ”!あぅ!ん“!」
前立前を擦られ奥を突き上げられる快感と、腰に食い込んだ爪の痛みがごちゃ混ぜになり、口から悲鳴が漏れた。
俺を下から突き上げながら、腹筋だけで状態を起こすと、腰から手を離し、両腕で腰を引き寄せるように抱え込むと、そのまま仰向けに組み伏せられた。
その間も律動は止まらず、奥を何度も抉るようにペニスを打ち付けられた。
「んう、ぐっ、ん」
両足を大きく広げられ、あまりに激しく突き上げられたせいで、濡れ足りないアナルが切れ、出血した。
「ガアアァァ!アアァ!」
ロイが本能のまま快楽を貪り、その口から獣の咆哮を上げ、涎が滴り落ちる。
「ロ、イ!抑えろ!」
突き上げられながら、苦痛に顔を歪ませて訴える。
だが、ロイは大きく口を開けて舌を突き出すと俺の首すじをベロォと舐めた。
そのまま味を確かめるように何度も首すじや頬を舐め、腰の律動がどんどん激しくなる。
「うあ”…あ」
中を突き上げられる度に濡れた音が響くが、それは血によって濡れた音だった。
必死にロイを受け入れようとするが、苦痛が俺を襲った。
やっぱり…、無理か…。
ユリアが言った ”記憶遺伝“ のことを思い出し、赤い月の時に起こった衝撃的な記憶を、もっと強烈な記憶で上書きしようと考えた。
ロイが本能を抑え込みながら俺を抱くことができれば、上書きできるかもしれないと思ったのだ。
抑え込むのが容易なことではないのは、先ほどまでの戦闘を見ればわかる。
だからこそ、その本能に、欲望に勝つ、勝ったという事実が必要だと思った。
ロイが俺の中で暴れまくる。
俺のことを気遣いもせず、ただ自分の欲望だけをぶつける姿に涙が出てきた。
ロイの舌が俺の顔を舐め涙をも味わう。その表情は快楽に染まり、恍惚としていた。
そして、一際大きく口を開いた瞬間、俺の肩に牙を突き立てた。
「ギャァ!!」
あまりの衝撃と激痛に悲鳴を上げた。
そのままギリギリと肩の肉を抉るように歯を食い込ませ、さらに俺の中を奥まで抉った。
「ぁ…」
中にロイの熱が放たれる。
腹の中が熱くなり、大量の精液が注ぎ込まれたのを感じた。
結局、俺は救えなかった。
何も出来なかった。
魔法が使えるようになっても、大勢の人を癒しても、愛した男1人救えない。
ロイが肩から口を離し、血に濡れた口を嬉しそうに舌で舐めとるのをじっと下から見上げる。
ロイ…。
グルルルと唸り声を上げて本能のまま俺を貪ったロイがうっとりと俺を見下ろす。
それでも俺は。
肩の痛みも忘れて、両腕を上げた。
その手でロイの両頬に触れる。
「ロイ…愛してる」
そのままロイの顔を引き寄せて唇を重ねた。
「好きだよ、ロイ」
心の中でヒールを唱え、俺自身の傷を治しつつ、その魔力で俺もロイも包み込む。金色の粒がキラキラと舞い踊り、俺たちを覆った。
「俺は…お前のものだ。俺の体も、心も、全部お前にやるよ」
ロイの頬を撫でながら微笑んだ。
「全部。お前に捧げる…」
ニッコリと満面の笑顔で両腕をロイの首に絡ませると、力強く抱きしめた。
午前5時5分。
月が完全に沈む、3分前だった。
「ふ…ぅ…うぅ…」
抱きしめたロイの口から嗚咽が漏れる。
「ロイ…?」
腕を緩めて頭を床につけると、俺の顔にぼたぼたと涙が降ってくる。
ロイが大粒の涙を溢し、雨のように降らせていた。
「ショーへー…。ごめん…」
ロイの気配が、魔力が正常に戻ったことがわかった。
「聞こえてた…。ずっと聞こえてたし、見えてた…」
泣きながらロイが話す。
体を起こして床に座り直す。ロイもその場に座り、鼻を啜って涙を拭った。
天幕の中を見渡し、時計を見つける。
午前5時7分。
月が沈むまであと1分。
かなり薄まってはいるが、まだ赤い月の影響の中のはずだった。
ギリギリでその影響下から脱したことになる。
一体何がきっかけだったのだろう、と首を捻るが、ロイが正常に戻ったことが何より嬉しくて、考えるのを止めた。
「ロイ」
泣いているロイに抱きつく。
「ショーへー…ショーへー」
ロイも俺を抱きしめ、すりすりと顔を俺に寄せる。
「ごめん…、本当にごめん」
ロイが泣きながら謝る。
そんなロイの頬を手ではさむと、俺から口付けた。
「ロイ…」
謝るロイが愛おしくて、再びぎゅっと抱きしめると、隙間がないほど体を密着させキスをした。
舌を絡ませ合い、お互いに何度も舐め、口内の性感帯を煽る。
「ん…ん…」
ゾクゾクと先ほどは少ししか感じなかった快感が襲ってくる。
触れた箇所が熱くなり、ロイのペニスが大きく膨れ俺の太ももを押し上げているのがわかった。
「ごめ…」
ロイがまた謝る。
その謝罪が今までのことに対してなのか、それともまた興奮してペニスを勃起させたことに対するものなのか、と破顔した。
「ロイ…、来いよ」
ロイの首に回した両腕に力を込め、自分側に引き倒すと、ロイがゆっくりと俺を押し倒した。
ロイが俺のペニスをしゃぶり、ジュブジュブと卑猥な音を立てる。
そのロイの唾液と、俺のペニスから溢れる蜜が竿を、陰嚢を伝い、アナルまで流れ落ちると、ロイの指に絡まりアナルの中を濡らして行く。
「あぁ、ん…」
アナルを2本の指で解され、クパァと入口を何度も開かされ、充分に解れたことを確認すると、ペニスから口を離して俺の足を担ぎ上げた。
「ショーへー…」
アナルにロイの怒張したペニスが触れ、ゆっくりと挿入される。
「んぁ…あ…」
ヌプププと音を立てて腸壁を広げられ、そこから全身に伝わる快感に体を震わせた。
「あぁ…ロイ…」
ロイの亀頭部分が前立腺にぶつかると、電流のような快感が背筋を貫いた。
「あ、そこ…」
パチュパチュとロイの腰が軽く動き、俺の気持ちが良い部分を狙って突き上げてくる。
「ショーへー…」
上半身を倒し、ゆさゆさと腰をゆすりながら俺の唇と舐め、指で乳首をいじめ出す。
「あ、あぅ、あ」
口も、乳首も、アナルも、ロイが与えてくれる快感が全て気持ち良くて、喘ぎが止まらなかった。
「中に出すよ」
「ん、いい、よ」
ロイも我慢できないのか、一度腰を引くと、一気に奥まで挿入すると、それから連続で激しく奥を突き上げられ、同時にペニスを扱かれた。
「あ、イ、イく」
「俺も」
言葉で合図し、そのままほぼ同時に絶頂を迎えた。
互いに重なったまま荒い呼吸を繰り返し、甘いキスを何度も繰り返す。
「みんなに…、報告しないと…。待ってると思うし…」
流石にいつまでもこの状況はマズい。
「そうだな…」
ロイも頷き体を起こして、クリーンをかけて身支度を始める。
「なんかさ…、いろいろ考えなきゃ…」
ブツブツと独り言のように呟く。
「理性が勝ったのは…、結局何が原因?
ただ赤い月の影響が切れたから?
俺がやったことって…失敗?成功したのか…?」
服を着ながらブツブツブツブツひたすら呟く。考えなくてはならないことが山ほどある。
「なぁ、ロイ…」
ふと先に服を着たはずのロイに声をかける。そして、服を着た後、その場で床に転がり気絶しているロイに気付いた。
「ああ…そっか…。そりゃそうだよな…」
本能のまま行動し、とっくに体力は尽きているはずだ。今まで動けたのが不思議なくらいだと思った。
「行かなきゃ…」
外で待っている皆に報告を、と立ち上がりかけ、そのままパタッと倒れる。
「はは…俺も、限界か…」
ヒールだなんだと、魔力を使いすぎて俺も限界をとっくに超えていたと、今更気付いた。さらに最後のSEXは余計だったと自虐的に笑った。
そして、そのまま瞼を閉じて気絶した。
午前5時28分。
月が沈んで20分が経過したが、天幕から2人が出てこない。
流石に心配になってくる。
「いいですよね?」
キースが周りに集まる騎士達に確認する。
「まさか2人とも死んで…」
レイブンがボソッと言い、ディーに脇腹を思い切り殴られた。
「縁起でもないこと言わないでください!」
ディーが怒鳴り、ズカズカと天幕に近付き、2人の名前を呼びながらそっと入口の幕を開ける。
そして、倒れている2人を発見した。
「ショーヘイさん!!」
「ロイ!!」
すぐにキースが翔平とロイの状態を確認する。
「まぁ…当然ですよね…。あれだけ魔力を使えば…。
ロイ様も本能が赴くまま体を酷使したんですから」
ふぅと息を吐きながら、2人がただ眠っているだけだと、後ろの騎士達に言った。
それを聞いた全員がホッと胸を撫で下ろす。
「しばらくは目覚めませんね」
ディーが苦笑した。
「あー…やれやれ。終わったのぉ…」
レイブンがコキコキと首を鳴らして笑う。
「色々後処理もありますが、まずは休息しましょう」
ギルバートも肩の力を抜く。
「眠たいわぁ…」
ジャニスが大きな欠伸をし、それにつられて周りにいた騎士達も大口を開けて欠伸をした。
誰も負傷はしていない。
全て翔平がヒールで治療済みだ。
だが、消費した魔力と体力はヒールでは戻らず、休息が必要だった。
交代で警戒にあたりつつ、昼近くまで眠り、充分な休息を取る。
王宮の執務室で待機していたサイファー、アラン、ユリア、ロマ、それぞれの官舎に戻っていた魔導士団と獣士団、エイベルとグレイにも、全て終わり、翔平もロイも無事だと報告された。
負傷者0。
魔力枯渇者14名。
建物などの物的被害0。
歩く災害が暴れたにしては、大事に至ることもなく、平穏な日常が戻ってくることになった。
白狼族の赤い月の衝動に関しては、公国の記録に残されることになった。
さらに、世界中に散らばる200名弱の白狼族にもロイが衝動に打ち勝ったことが伝えられ、本能から身を守る方法や、周囲の対応方法などが、今後検討されることになった。
白狼族という優秀な種族を増やすという目的もあるが、悲劇を招きかねない赤い月に怯えないよう、白狼族に呼びかけた。
この先数百年の時を経て、サンドラーク公国に、白狼族のみで構成された特殊部隊が作られることになるが、これはまた別の話である。
俺のすぐ前で数ヶ月前と今の状況が同じなことに、体が震えた。
「ショーヘイさん!」
ディーが俺に駆け寄り、自分の怪我を治そうとせず、へたり込んだままの俺の肩に触れてヒールをかける。
騎士達が、俺たちを取り囲むようにゆっくりと集まってきた。
「ギルさん、あれは…?」
ギルバートにオスカーが近寄ると、ロイを拘束した黒い物について聞いた。
「あれは、魔力を吸収するアーティファクトでね」
「王宮の宝物庫から持って来たんじゃが…。正解じゃったの…」
レイブンが深いため息をつく。
「この枷がある以上、魔法は使えません。今のロイは、魔法が使えないただの白狼族です」
ディーが続けて説明する。
ディーもまた、以前このアーティファクトに拘束された時のロイの姿を思い出し、顔を顰める。
「じゃぁ、後はこのまま月が沈むまで待てばいいのね」
ジャニスがこれで終わると笑った。
「まだ終わってない!」
そのジャニスの言葉に俺が叫ぶ。
「え?」
俯いていたロイの顔がバッと正面を向き、俺を見た瞬間ニヤァと顔を歪ませて笑うと、長い舌を突き出し舌なめずりをした。
その表情を間近で見た俺もディーも背筋にゾッと悪寒が走る。
「早く拘束し…」
ディーが言い終える間もなく、ロイが後ろ手に拘束されたまま脚力だけで跳躍した。
「ロイ!!」
囲んだ騎士達を飛び越え、後方に逃げたロイが地面に着地した瞬間、俺を見つめたまま腕に力を入れたのがわかった。
あの時と同じ。
一瞬でロイが何をしようとしているのかがわかった。
「ロイを止めろ!!腕を引き千切る気だ!!」
ディーが叫ぶ。
俊足のギルバートとレイン、アビゲイル、ジャニスが、ディーの言葉を聞き終える前にロイに向かって突進し、ロイを止めるために、再び剣を向ける。
ディーもまた長剣を構え、ロイに向かって行った。
だが、魔法が使えなくなっても、その体術は健在で、5人の連撃をするするとかわしてしまう。
4時間以上戦い続け、流石に5人の体力も落ち、スピードが格段に落ちていた。だが、ロイはリミッターが外れた状態で、体力が落ちるどころか、闘争本能が大量のアドレナリンを垂れ流してその動きが衰えることはなかった。
5人の連携した剣による攻撃をかわし、周囲の騎士達の遠隔魔法攻撃をも簡単に避けてしまうロイに、誰しもが “バケモノ“ という言葉を頭に浮かべていた。
楽しい。
面白い。
嬉しい。
ロイの感情が翔平に流れ込んでくる。
その本能が喜びを示し、ずっと笑っている。
実際に、ロイの口から笑い声が聞こえていた。
いつものようにニカッと子供のように笑うロイではなく、興奮を抑えきれずだらしなく口を開け舌を突き出し、涎を撒き散らしながら笑う姿は、まさに本能に支配された魔獣そのものだった。
止めろ。
もう…止めてくれ…。
必死に心の中で懇願した。
ロイが攻撃をかわしながら、両腕に力を込め続ける。
わざとなのか、上腕部分に刃を受け入れ、魔法弾を傷付いた上腕で受け止める。
肉が抉れ、骨が剥き出しになっても、ロイは笑いながら自らの腕を落とすために動いた。
「やめ…」
ロイの姿があの時と重なる。
俺を助ける為に自ら腕を引き千切ろうとしたロイ。
そのロイが、今は俺を襲い、奪うために腕を失おうとしている。
地面についた両手をギュッと握り締め、その指で土を抉った。
一か八か…。
やってみよう。
同じ状況でも、俺はあの時とは違う。
何も出来ないわけじゃない。
「ロイ!!!」
一気に魔力を爆発させ、全身に強化魔法をかけて前に飛び出す。
「ショーヘイさん!!」
キースが俺を止めようと手を伸ばしたが、その指先があと数センチ足りなかった。そばにいた騎士達も俺を押さえ込もうと腕を伸ばすが、俺の動きの方が早く、誰も俺を捕まえることが出来なかった。
自分でもあり得ないくらいの速さでロイへ突進し、それに気付いた騎士達が咄嗟に向かってくる俺に攻撃が当たらないように無理矢理魔法弾や刃の軌道を変えたため、数人がバランスを崩した。
それを見逃さなかったロイが体勢を崩した騎士達に蹴りを入れ遠くへ弾き飛ばす。
それでも俺は進むのを止めなかった。
真っ直ぐロイの元へ走り、体当たりするようにその千切れそうな腕ごと抱きしめる。
タックルするようにロイに飛びつき、ロイもその重みにバランスを崩して後ろに倒れそうになるが、一歩後ろに引いた足に力を込めて倒れ込むのを防いだ。
「グルルルル…」
間近で俺の匂いに反応したロイが歓喜の唸り声を上げた。
いい匂い。
食べたい。
食らいたい!
ロイの中で本能が叫ぶ。
その本能のまま、大きな口を開けると、俺の肩に思い切り食らいついた。
「う”!」
伸びた犬歯が俺の肩に食い込み、そのままメリメリと深く突き刺さる。
それでも俺はロイの体から腕を離さず、腕に力を込めてしがみつく。
「ショーヘイさん!!!」
ディーが叫び、俺とロイを引き剥がそうとして刃をロイの背中に振り下ろす。
だがロイが俺の肩に歯を突き立てたまま、クルッと向きを変え、刃の先に俺の体を向けて盾にした。
「!」
ディーが振り下ろした剣を寸止めする。
「ショーヘイさん!!」
ディーが悲痛な声で叫ぶ。
その直後、俺はヒールを使った。
怪我をした者全てを治すため、広範囲にヒールを展開し、食いつかれた自分の肩も、ロイの両腕も、全てにヒールを使う。
ロイが口を離し、己の腕が治っていくことにニヤァと笑い、その長い舌で俺の首や頬、顔をべろりと舐めた。
涎を擦り付けるように、ベロベロと舐め続ける間、俺は後ろ手の黒い枷に触れる。
その瞬間、黒い枷がパキンと割れ、欠片が地面に落ちつつ霧散して消え去った。
その俺の行動が理解できず、騎士達が呆然と俺を見つめる。
両腕が自由になり、魔力も復活したロイが、俺をその腕で抱きしめる。
「グルルルル…」
唸り声を上げながら涎を垂らし、背中に回した腕に力を入れて密着させ、顔を寄せ、鼻を押し付けるように俺の匂いを嗅ぎ、恍惚とした表情を浮かべる。
体が密着した状態では、誰も手出しが出来ない。
全員が俺とロイを取り囲み、何とか俺を引き剥がそうと、頭の中でその方法を考えていた。
「ロイ…」
俺はロイの頭を撫で、そのまま両手ではさんで俺の方へ向けるとじっと目を見つめる。
ロイの顔が嬉しそうに歪む。
舌がだらしなく垂れ下がり、はぁはぁと熱い息を吐き出しながらも、俺の目を見つめ返した。
「ロイ。そこにいるんだろ」
静かに問いかける。
じっと目を見つめ、その目の奥にいる理性に語りかける。
「戻ってこい」
ロイの舌がべろりと俺の頬を舐める。
だが、構わずに目を見続けた。
「俺を愛しているなら、戻ってこい」
ピクリとロイの体が反応した。
ロイの表情が僅かに変化する。
「自分を取り戻せ。その体を本能から奪い返せ」
ロイの目の奥で、何かが揺らめいた。
「…ショ……へー…」
大きく開けられていた口がゆっくり閉じ、唸り声ではなく、言葉が聞き取れた。
あの時、ロイがディーを見た時、理性が動いたのを感じた。
自分の半身のような存在であるディーの声を聞き、その姿を目にとめた時、ほんの一瞬だけ理性が本能を上回った。
そう、感じた。
赤い月がピーク時からその影響が薄くなってきていることもあるだろう。
だが、大切な人を守りたいという想いもまた本能だ。
ディーの声と姿がきっかけになって、理性が力を取り戻し始めたと気付いた。
「ロイ、戻って来なさい。ショーヘイ君のために」
ギルバートが、騎士達が翔平の意図に気付き声をかけ、ロイの内側に隠れた理性に向かって叫び始める。
「戻って来い!ロイ!!」
「ロイ!戻れ」
「ロイ!」
周囲にいた騎士達が口々にロイの名を呼び、戻れ、取り戻せと叫ぶ。
ディーが、ゆっくりとロイに近付き、その肩に触れる。
「ロイ。約束しましたよね?
2人でショーヘイさんを幸せにするって。3人で幸せになろうって」
ディーが親友に微笑みかける。
「…ディ…」
ロイの目がディーを見る。
「ロイ…愛してる…」
俺もロイに微笑みかけ、そのままゆっくりとロイの頭を引き寄せ、抱きしめた。
たっぷりと愛情を含ませた魔力をロイに注ぎ込んだ。
「グルル…グゥ…」
ロイが唸り声を上げ、ガクガクと体が痙攣を始めた。
今まさにロイの中で本能と理性がせめぎ合いを始めたのが伝わってくる。
「ガアアァァ…アア…」
ガックリと膝を地面につき、体を痙攣させたまま夜空を見上げる。
そこにもう赤い月はなく、森の向こう側にその頭がかろうじて見えるだけになっていた。
ロイの目の色が、金色から灰色へ、また金色へ、目まぐるしく変わりだし、盛り上がっていた筋肉も収縮し、爪の形も変化しつつあった。
あともう少し。
もう一押しすれば。
震えるロイの体を抱きしめながら、覚悟を決めた。
「ディー…」
ロイを抱きしめながら、ディーを見る。
ディーが首を傾げ近寄ると、ディーだけに聞こえるようにそっと告げた。
「え…」
それを聞いたディーが目に見えて驚愕の表情を見せた。
「そんなこと…」
「多分、必要なことだと思うから。
…頼むよ」
真剣にディーを見て言い、頼み込んだ。
「…わかりました…」
ディーが項垂れるように肩を落とすと、ロイの腕を取って肩に回す。
それを見たギルバートもディーを手伝い、両脇からロイを抱える。
「何をしようとしているんですか?」
ギルバートが離れた俺に聞いてきた。
俺はその質問に薄く微笑みながら、答える。
ロイと寝ます。
そう小さな声で言った。
午前4時36分。
月が沈むまで残り32分。
ロイを天幕まで運んでもらい、床に寝かせる。その間もロイが唸り声を上げ、激しく体を痙攣させていた。
背中を丸めて床に転がり、何度もビクビクと体が跳ねる。身体中から汗を吹き出し、その中で必死に本能を押さえ込もうと理性が戦っているのがわかった。
「ショーヘイさん…」
キースが心配そうに、何とか止めさせようと懇願するような目で俺を見る。
「大丈夫だよ」
そんなキースの肩をぽんと叩いて微笑む。
「何かあったら、合図してください」
ディーが俺の手を強く握る。
それに黙って頷くと、ディーとキースが静かに天幕を出て行った。
すぐに、俺は天幕全体を包み込むように遮音魔法と、念の為に結界で外側を覆った。
これからやることが失敗して、ロイが暴れ出しても外に出れないようにするためだ。
苦しみながら唸り続けるロイを見下ろして、俺は自分の服に手をかけて脱いだ。
全裸になると、そっとロイに近寄り、その足に触れる。
ビクッとロイの体が大きく跳ね、俺から逃げるように背中を丸めた。
「ロイ…」
その体に上から覆い被さると、自分の体重でロイを抑え込み、その頭を手で掴んで固定して唇を重ねる。
角度を変え、何度も何度も唇を貪るように重ね、唇を舐め、舌を奪い取るように絡めて吸う。
チュル、ジュル、とわざと濡れた音を立ててロイを煽りつつ、ロイがいつも俺にするように、唇から頬を、耳を舐めた。
「ガァ…ア…」
ロイの体がガクガクと跳ねる。
ロイの中で生殖本能が鎌首をもたげて前面に出てこようして暴れているのが手に取るようにわかる。
だが、同じように理性がその本能を抑え込み、ロイの手が床に食い込み、敷かれたインナーマットを引き裂く。
「グルル…」
ロイが唸り、俺からの愛撫に必死に耐え震えていた。
「ショ…へー…止め…」
ロイの目が金色のままだが、理性が本能を抑え込んで言葉をその口から発した。
理性が勝とうとしている状況に、俺はさらに煽る。
ロイの耳を舌と唇で愛撫しながら、ロイの胸を撫で、乳首をクリクリと指で撫でた。
「グゥゥ」
再び獣のような声を上げたロイに、再び本能が前にでて来たことを確認すると、ロイの耳から頬、唇を舐め、顎、首筋とキスをする。
そのままロイの下半身まで体を下げると、履いていたズボンを下着ごと脱がした。
ドゥルンと、抑えがなくなった怒張し筋張ったペニスが天を向き、その鈴口から蜜を溢していた。
そして躊躇わずに口に含む。
「グウウウゥゥ!」
ロイの体がビクビク跳ね、口に含み、手で数度扱いただけで俺の口の中に射精した。
上顎に叩きつけられるように放たれた精液を口に溜め、ペニスから口を離した後、それを手に吐き出す。
ロイの雄の匂いに俺も当てられ、熱い吐息を吐いた。
手に取った精液を自らアナルに持って行き、ゆっくりと入口に塗り付け、少しでも解すように中にも塗り込める。
濡らすには全く足りないが、ないよりはマシだ。そう考えながら、入口を解し、ロイに跨った。
「ロイ…、いいか。そのまま本能と戦え。押さえ込むんだ」
ロイを見下ろしてそう言いつつ、射精後も張り詰めたままのペニスを掴むと、アナルに添える。
「んぅ…」
プチュッと音を立てて先端を飲み込み、ゆっくり、慎重にロイを受け入れて行く。
「あ…」
アナルが広がり、腸壁を押し開いていくペニスに顔を顰めながらも、そこから湧き出てくる快感も同時に感じていた。
「グルルル…」
ロイが唸り、ガリガリと床を何度も引っ掻き、地面を抉る。
「耐えろ、ロイ。本能を抑えろ」
言いながら、腰を揺する。
ロイの鈴口から漏れる蜜が腸壁を濡らして行く。動く度に溢れる蜜に、ペニスの出入りをスムーズにした。
「んぅ、ん、あ」
俺の口からも喘ぎが漏れる。
今まで何度も受け入れて来たアナルが、ロイのペニスを素直に受け入れる。
「ガアァ!アアァ!ア“!」
ロイの中の本能が暴れ、今にも俺を犯そうと体が跳ねる。
その体の痙攣に俺の体も揺すられ、腸壁を抉られるように擦られる。
「あ!あ”ぁ!」
ゾクゾクと背筋を快感が走り、大きく喘いだ。
その嬌声を聞いたロイの本能が一気にその体を支配する。
床を引っ掻いていた手が俺の腰を掴み握り込むと、その爪が俺の皮膚を貫き腰肉にめり込んだ。
腰に何本も血の筋が流れ落ちる。
「ヒグッ!」
激痛が走り、快感が吹き飛ぶ。
「あ“!」
痛みに対しての声が上がるが、腰を掴んだ手が離れる事はなく、そのまま本能の赴くままに下から突き上げられた。
「あ”!あぅ!ん“!」
前立前を擦られ奥を突き上げられる快感と、腰に食い込んだ爪の痛みがごちゃ混ぜになり、口から悲鳴が漏れた。
俺を下から突き上げながら、腹筋だけで状態を起こすと、腰から手を離し、両腕で腰を引き寄せるように抱え込むと、そのまま仰向けに組み伏せられた。
その間も律動は止まらず、奥を何度も抉るようにペニスを打ち付けられた。
「んう、ぐっ、ん」
両足を大きく広げられ、あまりに激しく突き上げられたせいで、濡れ足りないアナルが切れ、出血した。
「ガアアァァ!アアァ!」
ロイが本能のまま快楽を貪り、その口から獣の咆哮を上げ、涎が滴り落ちる。
「ロ、イ!抑えろ!」
突き上げられながら、苦痛に顔を歪ませて訴える。
だが、ロイは大きく口を開けて舌を突き出すと俺の首すじをベロォと舐めた。
そのまま味を確かめるように何度も首すじや頬を舐め、腰の律動がどんどん激しくなる。
「うあ”…あ」
中を突き上げられる度に濡れた音が響くが、それは血によって濡れた音だった。
必死にロイを受け入れようとするが、苦痛が俺を襲った。
やっぱり…、無理か…。
ユリアが言った ”記憶遺伝“ のことを思い出し、赤い月の時に起こった衝撃的な記憶を、もっと強烈な記憶で上書きしようと考えた。
ロイが本能を抑え込みながら俺を抱くことができれば、上書きできるかもしれないと思ったのだ。
抑え込むのが容易なことではないのは、先ほどまでの戦闘を見ればわかる。
だからこそ、その本能に、欲望に勝つ、勝ったという事実が必要だと思った。
ロイが俺の中で暴れまくる。
俺のことを気遣いもせず、ただ自分の欲望だけをぶつける姿に涙が出てきた。
ロイの舌が俺の顔を舐め涙をも味わう。その表情は快楽に染まり、恍惚としていた。
そして、一際大きく口を開いた瞬間、俺の肩に牙を突き立てた。
「ギャァ!!」
あまりの衝撃と激痛に悲鳴を上げた。
そのままギリギリと肩の肉を抉るように歯を食い込ませ、さらに俺の中を奥まで抉った。
「ぁ…」
中にロイの熱が放たれる。
腹の中が熱くなり、大量の精液が注ぎ込まれたのを感じた。
結局、俺は救えなかった。
何も出来なかった。
魔法が使えるようになっても、大勢の人を癒しても、愛した男1人救えない。
ロイが肩から口を離し、血に濡れた口を嬉しそうに舌で舐めとるのをじっと下から見上げる。
ロイ…。
グルルルと唸り声を上げて本能のまま俺を貪ったロイがうっとりと俺を見下ろす。
それでも俺は。
肩の痛みも忘れて、両腕を上げた。
その手でロイの両頬に触れる。
「ロイ…愛してる」
そのままロイの顔を引き寄せて唇を重ねた。
「好きだよ、ロイ」
心の中でヒールを唱え、俺自身の傷を治しつつ、その魔力で俺もロイも包み込む。金色の粒がキラキラと舞い踊り、俺たちを覆った。
「俺は…お前のものだ。俺の体も、心も、全部お前にやるよ」
ロイの頬を撫でながら微笑んだ。
「全部。お前に捧げる…」
ニッコリと満面の笑顔で両腕をロイの首に絡ませると、力強く抱きしめた。
午前5時5分。
月が完全に沈む、3分前だった。
「ふ…ぅ…うぅ…」
抱きしめたロイの口から嗚咽が漏れる。
「ロイ…?」
腕を緩めて頭を床につけると、俺の顔にぼたぼたと涙が降ってくる。
ロイが大粒の涙を溢し、雨のように降らせていた。
「ショーへー…。ごめん…」
ロイの気配が、魔力が正常に戻ったことがわかった。
「聞こえてた…。ずっと聞こえてたし、見えてた…」
泣きながらロイが話す。
体を起こして床に座り直す。ロイもその場に座り、鼻を啜って涙を拭った。
天幕の中を見渡し、時計を見つける。
午前5時7分。
月が沈むまであと1分。
かなり薄まってはいるが、まだ赤い月の影響の中のはずだった。
ギリギリでその影響下から脱したことになる。
一体何がきっかけだったのだろう、と首を捻るが、ロイが正常に戻ったことが何より嬉しくて、考えるのを止めた。
「ロイ」
泣いているロイに抱きつく。
「ショーへー…ショーへー」
ロイも俺を抱きしめ、すりすりと顔を俺に寄せる。
「ごめん…、本当にごめん」
ロイが泣きながら謝る。
そんなロイの頬を手ではさむと、俺から口付けた。
「ロイ…」
謝るロイが愛おしくて、再びぎゅっと抱きしめると、隙間がないほど体を密着させキスをした。
舌を絡ませ合い、お互いに何度も舐め、口内の性感帯を煽る。
「ん…ん…」
ゾクゾクと先ほどは少ししか感じなかった快感が襲ってくる。
触れた箇所が熱くなり、ロイのペニスが大きく膨れ俺の太ももを押し上げているのがわかった。
「ごめ…」
ロイがまた謝る。
その謝罪が今までのことに対してなのか、それともまた興奮してペニスを勃起させたことに対するものなのか、と破顔した。
「ロイ…、来いよ」
ロイの首に回した両腕に力を込め、自分側に引き倒すと、ロイがゆっくりと俺を押し倒した。
ロイが俺のペニスをしゃぶり、ジュブジュブと卑猥な音を立てる。
そのロイの唾液と、俺のペニスから溢れる蜜が竿を、陰嚢を伝い、アナルまで流れ落ちると、ロイの指に絡まりアナルの中を濡らして行く。
「あぁ、ん…」
アナルを2本の指で解され、クパァと入口を何度も開かされ、充分に解れたことを確認すると、ペニスから口を離して俺の足を担ぎ上げた。
「ショーへー…」
アナルにロイの怒張したペニスが触れ、ゆっくりと挿入される。
「んぁ…あ…」
ヌプププと音を立てて腸壁を広げられ、そこから全身に伝わる快感に体を震わせた。
「あぁ…ロイ…」
ロイの亀頭部分が前立腺にぶつかると、電流のような快感が背筋を貫いた。
「あ、そこ…」
パチュパチュとロイの腰が軽く動き、俺の気持ちが良い部分を狙って突き上げてくる。
「ショーへー…」
上半身を倒し、ゆさゆさと腰をゆすりながら俺の唇と舐め、指で乳首をいじめ出す。
「あ、あぅ、あ」
口も、乳首も、アナルも、ロイが与えてくれる快感が全て気持ち良くて、喘ぎが止まらなかった。
「中に出すよ」
「ん、いい、よ」
ロイも我慢できないのか、一度腰を引くと、一気に奥まで挿入すると、それから連続で激しく奥を突き上げられ、同時にペニスを扱かれた。
「あ、イ、イく」
「俺も」
言葉で合図し、そのままほぼ同時に絶頂を迎えた。
互いに重なったまま荒い呼吸を繰り返し、甘いキスを何度も繰り返す。
「みんなに…、報告しないと…。待ってると思うし…」
流石にいつまでもこの状況はマズい。
「そうだな…」
ロイも頷き体を起こして、クリーンをかけて身支度を始める。
「なんかさ…、いろいろ考えなきゃ…」
ブツブツと独り言のように呟く。
「理性が勝ったのは…、結局何が原因?
ただ赤い月の影響が切れたから?
俺がやったことって…失敗?成功したのか…?」
服を着ながらブツブツブツブツひたすら呟く。考えなくてはならないことが山ほどある。
「なぁ、ロイ…」
ふと先に服を着たはずのロイに声をかける。そして、服を着た後、その場で床に転がり気絶しているロイに気付いた。
「ああ…そっか…。そりゃそうだよな…」
本能のまま行動し、とっくに体力は尽きているはずだ。今まで動けたのが不思議なくらいだと思った。
「行かなきゃ…」
外で待っている皆に報告を、と立ち上がりかけ、そのままパタッと倒れる。
「はは…俺も、限界か…」
ヒールだなんだと、魔力を使いすぎて俺も限界をとっくに超えていたと、今更気付いた。さらに最後のSEXは余計だったと自虐的に笑った。
そして、そのまま瞼を閉じて気絶した。
午前5時28分。
月が沈んで20分が経過したが、天幕から2人が出てこない。
流石に心配になってくる。
「いいですよね?」
キースが周りに集まる騎士達に確認する。
「まさか2人とも死んで…」
レイブンがボソッと言い、ディーに脇腹を思い切り殴られた。
「縁起でもないこと言わないでください!」
ディーが怒鳴り、ズカズカと天幕に近付き、2人の名前を呼びながらそっと入口の幕を開ける。
そして、倒れている2人を発見した。
「ショーヘイさん!!」
「ロイ!!」
すぐにキースが翔平とロイの状態を確認する。
「まぁ…当然ですよね…。あれだけ魔力を使えば…。
ロイ様も本能が赴くまま体を酷使したんですから」
ふぅと息を吐きながら、2人がただ眠っているだけだと、後ろの騎士達に言った。
それを聞いた全員がホッと胸を撫で下ろす。
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誰も負傷はしていない。
全て翔平がヒールで治療済みだ。
だが、消費した魔力と体力はヒールでは戻らず、休息が必要だった。
交代で警戒にあたりつつ、昼近くまで眠り、充分な休息を取る。
王宮の執務室で待機していたサイファー、アラン、ユリア、ロマ、それぞれの官舎に戻っていた魔導士団と獣士団、エイベルとグレイにも、全て終わり、翔平もロイも無事だと報告された。
負傷者0。
魔力枯渇者14名。
建物などの物的被害0。
歩く災害が暴れたにしては、大事に至ることもなく、平穏な日常が戻ってくることになった。
白狼族の赤い月の衝動に関しては、公国の記録に残されることになった。
さらに、世界中に散らばる200名弱の白狼族にもロイが衝動に打ち勝ったことが伝えられ、本能から身を守る方法や、周囲の対応方法などが、今後検討されることになった。
白狼族という優秀な種族を増やすという目的もあるが、悲劇を招きかねない赤い月に怯えないよう、白狼族に呼びかけた。
この先数百年の時を経て、サンドラーク公国に、白狼族のみで構成された特殊部隊が作られることになるが、これはまた別の話である。
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