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王都編 〜歴史〜
120.おっさん、甘える
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キースが図書室から種族についての本を持ってきてくれて、とりあえずペラペラとページを捲る。
「こんなにいるんだ…」
この世界についてロマに説明してもらった時、種族は百を軽く超えると教えてもらった。
実際に本には百以上の種族が姿絵と共に書かれており、身体的特徴はもちろん、住んでいる地域や生活習慣なども詳しく書かれていた。
基本的に各種族の純血はもうこの世界には存在していない。
誰しもが何かしらの種族の血が混ざっている。
一見人族に見えるが、両親は獣人であったり、その逆も然り。
純粋な種族が存在していないため、自分は○○族です、と言うことも難しいのだという。
ロイは白狼族と呼ばれる種族だが、母親は人族だ。その尻尾がなければ人族にしか見えない。だが、ロイの父親は白狼族の集落出身のため、白狼族と名乗る。
同じように、たとえ見た目が違っても、オーク族の集落出身であればオーク族だと名乗るのだそうだ。
見た目ではなく、出身地。
今は自分が、もしくは両親が、祖先がどこの出身かで種族名を言う場合がほとんどだった。
ただ、ここまで種族が入り乱れてしまうと、自分が何族であるか、というのを気にしない者も多く、かつ周囲に他人の種族を気にする者もほとんどいない。
先祖に○○族がいたんだね、くらいの認識しかない。
他にも希少種と呼ばれる種族も存在しており、竜族も白狼族も、その希少種の一つだった。
その特徴が現れれば、その身体的能力は凡人の数倍から数十倍。将来が約束されたようなものなのだそうだ。
「ロイって希少種なんだ…」
「ギルはもっと希少種だぞ。竜族の血が濃く出たのは、この国ではギルとミネルヴァだけだし、他国にも数人しかいねえ」
「竜の純血種はそもそも個体数が少なかったと言われているので、その子孫も少ないのでしょうね」
「白狼族もおそらくこの世に200人もいねえだろうな」
「へぇ~」
マジマジとロイの綺麗な顔を見る。
「ロイはものすごく美人だよな」
「美人って…」
ロイが目に見えて顔を赤くする。
美人だと褒められるといつも照れていて、思わず笑った。
「ロイ様は他にもエルフの血が入っているんでしょうね」
「だな。エルフは美人が多い。その灰色の目はエルフの特徴だ」
ロマもそう言っていたな、と思った。
白狼族で美人。だからロイは子供の頃に狙われ、攫われた。
一概に希少種だからすごいと喜べないと、複雑な気持ちになった。
夜9時を過ぎ、キースとオスカーが自室に下がった後、寝るまでの間に読もうと思い、一度本を置いた。
大きく伸びをすると、風呂に入ろうと立ち上がる。
「風呂か?あがるまでここにいるから」
「…ああ…うん…」
あれ?と思ってしまった。
2人きりなのにベタベタしてこない。
てっきり一緒に入る、とか言うと思ってたのに。
「じゃぁ、入ってくる」
何故か後ろ髪を引かれる思いでバスルームに向かった。
湯船に入り、あ“ーと思わず声が出る。両手足を投げ出して、温かいお湯に全身を浸からせると、今日一日の出来事をついつい反復してしまった。
シュウの話を聞いて、俺とは全然違うタイプだと思ったが、根本的な考え方は似ている所も多いと思った。
そして、ギルバートがシュウを甘やかす話。
膝に座らせて、撫でて、キスして。
トロトロになるまで。
眉間に皺を寄せ、小難しい顔をしたシュウが、ギルバートの膝の上で次第に甘い表情へ変わっていくのを想像してしまう。
抱きしめられて、優しくキスされて、体を撫でられ、全身を絆されて…。
思わず、自分がされているのを想像してしまい、その妄想の相手がギルバートであると気付き、ハッとして青ざめた。
「違うだろ」
俺がそうされたいのは。
ロイとディーに置き換えて再び妄想する。
ロイの、ディーの顔、唇、指。
膝の上でトロトロになるまで甘やかされる。
よしよし、と頭を撫でられて、甘いキスを落とされて。
「はぁ…」
妄想しうっとりしてしまった。
人に甘えるなんて、いつからしてないんだろう。
子供の時は当然親に甘えていた。
大人になってからは、彼女に甘え…てない。
甘やかすことはあっても、自分が甘えることはなかった。
「あ、れ?」
甘やかされたい、甘えたいんだろうか、と妄想からいっぺんし、真顔で考えてしまった。
顔の半分まで湯船に浸けてぶくぶくと息を出すと、ザバリと立ち上がる。
このまま考えているとのぼせてしまいそうだ。
バスタブ脇のタオルを取ると、ワシャワシャと頭を拭き、体を拭く。
そしてふとバスルームの壁に備え付けられた全身鏡に映った自分の体を見た。
騎士達のようにガッチリと盛り上がった筋肉はない。
腹もロイやディーのようにかっちりとシックスパックに分かれてはいない。うっすら分かれている程度。
思わず腹の肉を摘んだ。
プニッと簡単に摘めてしまって、筋肉ではなく脂肪だと、顔を顰めた。
「ん?」
そして鏡に映った自分の胸に目がいった。
「こんな形してたっけ…?」
乳首をマジマジと見つめ、直接上からも見てみる。
自分で胸に乳首に触れて確認する。
「ん~?」
やっぱり形が変わっている。以前よりもほんの少しだが大きくなっているような気がする。
慌てて全身をもっとよく見てみた。
「嘘…だろ」
脇腹から腰、尻まで手を滑らせて流れを確認するが、前よりも肉がついたような気がした。
「太った…?」
確かにここ最近、散歩くらいしか運動らしい運動はしていない。
腹も余裕で摘めたし、この腰周りの脂肪は太ったせいだ、と思う。思いたい。
「まさか…」
ガックリと項垂れながら、まさかな考えが脳をよぎる。
男に抱かれるようになったから、体が丸くなってきている。
女性は男性とSEXしてホルモンの影響で体が丸くなると聞いたことがある。
もしかして、男もそういう現象が起こるんだろうか、とその可能性を認めたくなくて、太ったんだ、太ったせいだ、と必死に思い込もうとした。
鍛えなければ。と決意を新たにする。
寝夜着を着てリヴィングに戻ると、ロイが置いてあった種族の本を読んでいた。
「長風呂だなぁ」
戻ってきた俺に顔をあげて笑う。
「あー、うん。風呂好きだし…」
適当に返事をしつつ、小キッチンにある水をコップに注いで一気に飲み干した。
色々考えてしまって長風呂になってしまった。もう俺の癖みたいなものだ。
振り返ってロイを見ると、ソファの上で長い足を組み、その膝に本を乗せてページを捲っている。
その姿がカッコいいと思ってしまって、頬を一瞬染めた。
そして、膝をじっと見つめ、先ほどの思考が蘇ってしまう。
「~~」
なんとも言えない微妙な感覚に気持ちがザワザワする。
座りたい。
そう思ってしまった。
素直になるべきか、男の、39歳のちっぽけなプライドを守るべきか。
口を真横に結んで葛藤する。
だが、ロイが本を閉じてテーブルの上に置くのを見た途端、体が動いていた。
ソファから立ちあがろうとしたロイに近付くと、トンと肩を押して再び座らせる。
「? ショーヘー?」
キョトンと見上げてくるロイを見下ろして、口をムギュッと結んだまま赤くなる。
そして、ストンとロイの膝に座った。
「!?」
ロイが驚くのが伝わってくる。
足を閉じロイの膝に対して横向きに座る。
ただし、全身を緊張で固くしたままで、自分の膝の上でギュッと手を握って体を縮こませていた。
「ショーヘー?何して…」
ロイが膝に座って真横を向いたままの翔平を見る。そして、その耳が真っ赤に染まっているのを見て、思わず吹き出した。
笑いながら翔平の肩を抱き寄せて、尻の位置をずらさせると、抱きしめる。
翔平の頭を寄せると腕や足を撫でた。
撫でられるとピクピクと翔平の体が跳ねるが、次第に力が抜けていく。
「甘えたいのか?」
そう聞くと、ますます赤くなった翔平がチラリと視線をロイに向け、フイッと顔を背けた。
クソ可愛い。
甘えたいのに素直じゃない翔平にロイがほくそ笑む。
俺は葛藤からの結果を出す前に、体が動いてしまったことに焦っていた。まだ気持ちが追いつかずに、恥ずかしさだけが全身を襲う。
「よしよし」
ロイの手が言葉と共に俺の頭を撫でると、気絶しそうなほどの恥ずかしさが襲った。
「可愛いなぁ、ショーヘーは」
ロイが体勢を変え、足の間に翔平の尻を落とし、少し斜めに持ち替えて姫抱きのように抱える。
そして、チュッチュッと額や頬にキスの雨を降らせた。
「ん…」
キスされ、体を撫でられて、どんどん力が抜けていく。
自分からロイの肩に頭を預け、完全に力を抜いて全身を預けた。
気持ちい
キスされ、撫でられて、うっとりと思考が溶けていくのを感じた。
「好きだよ」
額を寄せて囁かれ、背中を優しくさすられるとますます蕩けていく。
ペロリと頬から口の端を舐められ、自分から口を開けて舌を少し出した。
ペロとその舌の表面を軽く舐められ、ゾクッと快感が走った。
「ぁ…」
もっとして欲しくて、顔を自らすり寄せた。
「舐めて欲しい?」
「…舐めて…」
トロンとした表情で翔平が答え、再び舌を舐め、唇を舐める。
そして舌を絡め取った。
ジュル、クチュと音を立てて舌を絡ませ合うだけで、脳天を突き抜けるような痺れにも似た刺激が襲ってくる。
唇が離れると、再びすりすりと顔を寄せてはっきりと甘えてきた。
気持ちい。
甘えるっていいな…。
ロイの手に頭を、背中を、腕を、全身を撫でられて、気持ち良過ぎて思考が停止する。
完全に弛緩した体が、フワフワと浮いて漂っているようで、その気持ちよさにトロトロになった。
ロイがそのまま姫だきに抱え立ち上がっても、トロトロに溶けてしまった翔平は気付かなかった。
静かに歩いて寝室のドアを開ける。
本当はこのまま翔平を抱きたい。
全身舐め尽くして、もっとトロトロになるまで甘やかして、貪り尽くしたい。
その衝動を抑えながら、翔平をベッドに下ろす。
目を閉じてうっとりした表情の翔平が掴んでいたロイの服をそっと離させる。
「ロイ…」
薄目を開けてロイを見る。
「そばにいて…」
うっすら目を潤ませて訴える翔平に苦笑しながら、寝やすいように騎士服を脱ぐと、翔平の隣に滑り込んだ。
「ここにいるから」
翔平を抱きしめて、再び頭や背中を撫で、キスをする。
「ロイ…好きだよ…」
最後にそう呟いてロイにすり寄ると、そのまま眠りについた。
早朝、陽がのぼりかけてほんのりと明るくなってきた時間に目を覚ました。
モゾモゾと温かい布団の中で動き、いつベッドに入ったっけ、と欠伸をした。
寝る前の行動を思い出し、すぐに赤面した。
自分からロイの膝に座って甘えるという行動に、恥ずかしくなった。
39歳にもなって、何やってんだ、俺。
そう思い1人悶絶する。
だが、昨日の甘えたことを思い出すとジワジワと快感のような甘美な疼きが全身を包み込む。
気持ち良かったと、すごく恥ずかしいが嬉しいとも思った。
「起きたのか」
不意に隣からロイの声がする。
「あぁ、おはよう…」
「ってまだ4時じゃねーか」
ムクッと上半身を起こしたロイが時計を見て呟く。
「二度寝だ二度寝」
バフッと再び横になり、俺を抱きしめてきた。
「お前も寝ろ」
抱きしめられて温かい腕の中に包まれながらクスクスと笑う。
その胸元に顔を寄せると、昨日のようにロイに甘えるような仕草をした。
ロイからいい匂いがする。
スンスンと匂いを嗅ぎながら、体を寄せ、鼻先をロイの胸へくっつける。
目を閉じると徐々に眠りに落ちて行った。
だが、しばらくしてからもぞもぞと背中側の手が動く。
「ロイ…?」
うつらうつらしていた状態で、薄く目を開けると、ガバリとロイが起き上がり、俺の上にロイが乗ってきた。
「やっぱ無理」
そのまま寝夜着の中に手を入れられ、肌を弄られる。
「朝っぱらから…」
呆れたように呟くと、その口を塞がれた。
昨日と違って性急な口づけに、舌を絡め取られて貪るように吸われる。
何度もキスをかわし、口の中の性感帯を煽られると熱い息が漏れる。
寝夜着に侵入したロイの手が乳首に触れると、ピクンと反応を返した。
そのまま指でクリクリと弄られると、ジクジクとした快感が這い上がってくる。
「あ…ぁ」
ロイの頭が胸元に下がると、寝夜着を捲られて露わになった胸元に舌が触れ、乳首に吸いつかれた。
舌でつつかれ、転がされて、ビクビクと腰が跳ねるように動き、徐々に下半身に熱が集中していく。
「ん…ん」
口元を手で押さえて喘ぎを押し殺すが、ロイがわざと声を出させようと、強めに乳首を吸い上げた。
「あ、ん」
それでも声を抑えようとする俺の顔を見上げてくる。
「声、我慢するなよ」
そう言われたが、それでも我慢してしまうのは、もう性分としか言いようがない。
「は、恥ずかしいんだよ」
顔を真っ赤にして言う俺にロイが笑うと、舌先で乳首を舐めた。
「ん、や、そこ」
「何? 乳首感じる?」
チロチロと掠めるように舌を動かしたかと思えば、弾くように舐められる。
「んぅ、ん、ち、乳首、お前の、せいだ」
舌で指でクリクリと弄られながら、必死に話す。
「何が?」
「か、形が」
「形?」
必死に話そうとしているのに、ロイが乳首責めを止めてくれない。
「だから!」
乳首をしゃぶるロイの頭を掴むと、顔を上に向けさせる。
「乳首!大きくなってきてんだよ!お前のせいだろ!」
一瞬ポカンとしたが、ロイが視線を乳首に落とし、マジマジと見つめた。
そして人差し指でクリクリと捏ねるように回した。
「いいじゃん、ピンク色で可愛くて」
そして再びしゃぶりつく。
「ひゃん」
変な声が出た。
「かーわい」
ロイが笑い、乳首を弄りながら器用にズボンを下着ごと脱がされた。
「もうこっちもトロトロだ」
乳首への刺激に、先端から蜜が溢れ濡れていた。
ロイの指がその蜜を塗りつけるようにペニスを撫で、陰嚢をこねられ、アナルへ指を這わせた。
そこはもう挿入を予感してキュンキュンと収縮を繰り返していた。
乳首から顔を離して起き上がると、布団を剥ぎ取り、大きく足を開かされた。
「うわ、エッロ」
ピクピクと反応してトロリと蜜をこぼすペニスと、ひくつくアナルを見て嬉しそうに笑う。
舌舐めずりしたロイが翔平のペニスを躊躇なくしゃぶり、アナルに指を2本挿入し、中をほぐし始める。
「ひぅん!」
食いしばった口から、声をあげ、チカチカと目の前が点滅したように快感が駆け抜けた。
指が動くたびに、中から快感がとめどなく襲ってくる。
徐々にアナルがほぐされてその入口が柔らかくなると、ロイがペニスから口を離して、ゴソゴソと己のペニスを取り出す。
「ショーヘー、見ろよ」
自分の手をペニスに添えて、翔平に突き出す。
「もうこんなにガッチガチ」
その反り返った大きなペニスを見せつけられて、思わず、顔を両手で覆った。
「見せんな!んなもん!」
「ひでー。俺の大事な息子なのにー」
笑いながら覆い被さってくる。
とちゅッとペニスの鈴口とアナルがキスすると、グプと中に挿入された。
「~~!ん!」
入ってくるロイの熱さに体を震わせる。
「ふぅん、ん、あ」
足を大きく広げ、抱えられて、ロイが上半身を倒すと、より挿入が深くなる。
その圧迫感と快感にふぅふぅと息を吐いた。
「ショーヘーの中、すごい。
熱くて、うねって、締め付けてくる」
言葉で責められて、恥ずかしくてますます俺は口を閉じた。
その代わりに、快感の涙が溢れる。
とちゅ、とちゅ、と優しい突き上げをされると、ゾクゾクと快感が下半身を襲い、中の前立腺を擦り上げられると、強い射精感が込み上げてきた。
「ここ、気持ちいよな」
とん、と中で前立腺を突かれて、ビクンと体で返事をした。
「ここと、乳首と、ペニスと」
中のいい所を狙って突き上げられながら、ペニスを扱かれ、さらに舌で乳首を舐められた。
「んあ!あ!」
同時に愛撫され、意識が飛びそうになるほどの快感が突き抜ける。
「あ!らめ!」
口に溜まった唾液を飲み込む暇もないほど快感に襲われて、呂律がおかしくなった。
「あ”、あ、んぅ!」
突き上げが強くなり、乳首を口に含まれ、ジュルゥと吸い上げられた瞬間、ロイの手の中で大きくペニスが弾け飛んだ。
その瞬間、腸壁が大きくうねり、ロイをぎゅうぎゅうに締め付ける。
「あぁ、すげぇ…、ショーヘー、イク」
ビューッと音を立てるようにロイが翔平の中に射精する。
翔平を強く抱きしめ、腰がビクビクと跳ねながら、最後の一滴まで注ぎ込んだ。
「はぁ…気持ち良かった…」
挿入したまま翔平を抱きしめて呟くロイの頭を叩く。
「ショーヘー、サイコー」
叩かれてもエヘヘヘヘと笑うロイに呆れながら、体をずらす。
「ん…ロイ…、抜いて…」
「ん~、もうちょっと…」
余韻に浸り、顔を翔平の胸に押し付けてくるロイの頭を引き剥がす。
ぬぽんと音を立てて、引き抜かれるが、その時でさえゾワっと快感が走ってしまい、なんとか堪えた。
「もう一回、ダメ?」
「ダメ」
「どうしても?」
「無理」
「あとちょっとだけ」
「ちょっとってなんだよ」
似たような会話を繰り返しながら、クリーンをかける。
自分の腹を汚してしまった精液が消え、お腹の中に注がれたロイのものも消えていくのを感じたが、少しだけ勿体無いと感じてしまい、ハッと我に返った。
勿体無いってなんだ。
お腹に手を当てながら、真っ赤に染まった。
「いい眺め」
ロイも自分でクリーンをかけながら、仰向けで横たわる俺の体を見下ろしてニヤニヤした。
慌てて前を隠しながら下着とズボンを身につける。
「朝っぱら盛りやがって…」
きちんと着込んでバフッとベッドに横になると、ロイもその隣に横になった。
「いいじゃん。恋人なんだし」
そう言いながらギュッと抱きしめられた。
恋人という言葉に照れながら、俺もその胸に顔をすり寄せた。
「またよしよししてやろうか?」
そう言われ頭を撫でられた。
「…ん、して」
素直にそう言い、顔をロイの胸に押し付け、その匂いを思い切り吸い込む。
パタパタとロイの尻尾が嬉しそうに揺れる音が聞こえる。
耳まで真っ赤にして、甘えてくる翔平が可愛くて仕方がない。
ギュッと抱きしめて頭を背中を優しく撫でた。
いつもの起きる時間まであと1時間。
横向きで抱き合い、ロイの腕の中で少しだけ眠りについた。
甘えるのも悪くない。
心からそう思った。
「こんなにいるんだ…」
この世界についてロマに説明してもらった時、種族は百を軽く超えると教えてもらった。
実際に本には百以上の種族が姿絵と共に書かれており、身体的特徴はもちろん、住んでいる地域や生活習慣なども詳しく書かれていた。
基本的に各種族の純血はもうこの世界には存在していない。
誰しもが何かしらの種族の血が混ざっている。
一見人族に見えるが、両親は獣人であったり、その逆も然り。
純粋な種族が存在していないため、自分は○○族です、と言うことも難しいのだという。
ロイは白狼族と呼ばれる種族だが、母親は人族だ。その尻尾がなければ人族にしか見えない。だが、ロイの父親は白狼族の集落出身のため、白狼族と名乗る。
同じように、たとえ見た目が違っても、オーク族の集落出身であればオーク族だと名乗るのだそうだ。
見た目ではなく、出身地。
今は自分が、もしくは両親が、祖先がどこの出身かで種族名を言う場合がほとんどだった。
ただ、ここまで種族が入り乱れてしまうと、自分が何族であるか、というのを気にしない者も多く、かつ周囲に他人の種族を気にする者もほとんどいない。
先祖に○○族がいたんだね、くらいの認識しかない。
他にも希少種と呼ばれる種族も存在しており、竜族も白狼族も、その希少種の一つだった。
その特徴が現れれば、その身体的能力は凡人の数倍から数十倍。将来が約束されたようなものなのだそうだ。
「ロイって希少種なんだ…」
「ギルはもっと希少種だぞ。竜族の血が濃く出たのは、この国ではギルとミネルヴァだけだし、他国にも数人しかいねえ」
「竜の純血種はそもそも個体数が少なかったと言われているので、その子孫も少ないのでしょうね」
「白狼族もおそらくこの世に200人もいねえだろうな」
「へぇ~」
マジマジとロイの綺麗な顔を見る。
「ロイはものすごく美人だよな」
「美人って…」
ロイが目に見えて顔を赤くする。
美人だと褒められるといつも照れていて、思わず笑った。
「ロイ様は他にもエルフの血が入っているんでしょうね」
「だな。エルフは美人が多い。その灰色の目はエルフの特徴だ」
ロマもそう言っていたな、と思った。
白狼族で美人。だからロイは子供の頃に狙われ、攫われた。
一概に希少種だからすごいと喜べないと、複雑な気持ちになった。
夜9時を過ぎ、キースとオスカーが自室に下がった後、寝るまでの間に読もうと思い、一度本を置いた。
大きく伸びをすると、風呂に入ろうと立ち上がる。
「風呂か?あがるまでここにいるから」
「…ああ…うん…」
あれ?と思ってしまった。
2人きりなのにベタベタしてこない。
てっきり一緒に入る、とか言うと思ってたのに。
「じゃぁ、入ってくる」
何故か後ろ髪を引かれる思いでバスルームに向かった。
湯船に入り、あ“ーと思わず声が出る。両手足を投げ出して、温かいお湯に全身を浸からせると、今日一日の出来事をついつい反復してしまった。
シュウの話を聞いて、俺とは全然違うタイプだと思ったが、根本的な考え方は似ている所も多いと思った。
そして、ギルバートがシュウを甘やかす話。
膝に座らせて、撫でて、キスして。
トロトロになるまで。
眉間に皺を寄せ、小難しい顔をしたシュウが、ギルバートの膝の上で次第に甘い表情へ変わっていくのを想像してしまう。
抱きしめられて、優しくキスされて、体を撫でられ、全身を絆されて…。
思わず、自分がされているのを想像してしまい、その妄想の相手がギルバートであると気付き、ハッとして青ざめた。
「違うだろ」
俺がそうされたいのは。
ロイとディーに置き換えて再び妄想する。
ロイの、ディーの顔、唇、指。
膝の上でトロトロになるまで甘やかされる。
よしよし、と頭を撫でられて、甘いキスを落とされて。
「はぁ…」
妄想しうっとりしてしまった。
人に甘えるなんて、いつからしてないんだろう。
子供の時は当然親に甘えていた。
大人になってからは、彼女に甘え…てない。
甘やかすことはあっても、自分が甘えることはなかった。
「あ、れ?」
甘やかされたい、甘えたいんだろうか、と妄想からいっぺんし、真顔で考えてしまった。
顔の半分まで湯船に浸けてぶくぶくと息を出すと、ザバリと立ち上がる。
このまま考えているとのぼせてしまいそうだ。
バスタブ脇のタオルを取ると、ワシャワシャと頭を拭き、体を拭く。
そしてふとバスルームの壁に備え付けられた全身鏡に映った自分の体を見た。
騎士達のようにガッチリと盛り上がった筋肉はない。
腹もロイやディーのようにかっちりとシックスパックに分かれてはいない。うっすら分かれている程度。
思わず腹の肉を摘んだ。
プニッと簡単に摘めてしまって、筋肉ではなく脂肪だと、顔を顰めた。
「ん?」
そして鏡に映った自分の胸に目がいった。
「こんな形してたっけ…?」
乳首をマジマジと見つめ、直接上からも見てみる。
自分で胸に乳首に触れて確認する。
「ん~?」
やっぱり形が変わっている。以前よりもほんの少しだが大きくなっているような気がする。
慌てて全身をもっとよく見てみた。
「嘘…だろ」
脇腹から腰、尻まで手を滑らせて流れを確認するが、前よりも肉がついたような気がした。
「太った…?」
確かにここ最近、散歩くらいしか運動らしい運動はしていない。
腹も余裕で摘めたし、この腰周りの脂肪は太ったせいだ、と思う。思いたい。
「まさか…」
ガックリと項垂れながら、まさかな考えが脳をよぎる。
男に抱かれるようになったから、体が丸くなってきている。
女性は男性とSEXしてホルモンの影響で体が丸くなると聞いたことがある。
もしかして、男もそういう現象が起こるんだろうか、とその可能性を認めたくなくて、太ったんだ、太ったせいだ、と必死に思い込もうとした。
鍛えなければ。と決意を新たにする。
寝夜着を着てリヴィングに戻ると、ロイが置いてあった種族の本を読んでいた。
「長風呂だなぁ」
戻ってきた俺に顔をあげて笑う。
「あー、うん。風呂好きだし…」
適当に返事をしつつ、小キッチンにある水をコップに注いで一気に飲み干した。
色々考えてしまって長風呂になってしまった。もう俺の癖みたいなものだ。
振り返ってロイを見ると、ソファの上で長い足を組み、その膝に本を乗せてページを捲っている。
その姿がカッコいいと思ってしまって、頬を一瞬染めた。
そして、膝をじっと見つめ、先ほどの思考が蘇ってしまう。
「~~」
なんとも言えない微妙な感覚に気持ちがザワザワする。
座りたい。
そう思ってしまった。
素直になるべきか、男の、39歳のちっぽけなプライドを守るべきか。
口を真横に結んで葛藤する。
だが、ロイが本を閉じてテーブルの上に置くのを見た途端、体が動いていた。
ソファから立ちあがろうとしたロイに近付くと、トンと肩を押して再び座らせる。
「? ショーヘー?」
キョトンと見上げてくるロイを見下ろして、口をムギュッと結んだまま赤くなる。
そして、ストンとロイの膝に座った。
「!?」
ロイが驚くのが伝わってくる。
足を閉じロイの膝に対して横向きに座る。
ただし、全身を緊張で固くしたままで、自分の膝の上でギュッと手を握って体を縮こませていた。
「ショーヘー?何して…」
ロイが膝に座って真横を向いたままの翔平を見る。そして、その耳が真っ赤に染まっているのを見て、思わず吹き出した。
笑いながら翔平の肩を抱き寄せて、尻の位置をずらさせると、抱きしめる。
翔平の頭を寄せると腕や足を撫でた。
撫でられるとピクピクと翔平の体が跳ねるが、次第に力が抜けていく。
「甘えたいのか?」
そう聞くと、ますます赤くなった翔平がチラリと視線をロイに向け、フイッと顔を背けた。
クソ可愛い。
甘えたいのに素直じゃない翔平にロイがほくそ笑む。
俺は葛藤からの結果を出す前に、体が動いてしまったことに焦っていた。まだ気持ちが追いつかずに、恥ずかしさだけが全身を襲う。
「よしよし」
ロイの手が言葉と共に俺の頭を撫でると、気絶しそうなほどの恥ずかしさが襲った。
「可愛いなぁ、ショーヘーは」
ロイが体勢を変え、足の間に翔平の尻を落とし、少し斜めに持ち替えて姫抱きのように抱える。
そして、チュッチュッと額や頬にキスの雨を降らせた。
「ん…」
キスされ、体を撫でられて、どんどん力が抜けていく。
自分からロイの肩に頭を預け、完全に力を抜いて全身を預けた。
気持ちい
キスされ、撫でられて、うっとりと思考が溶けていくのを感じた。
「好きだよ」
額を寄せて囁かれ、背中を優しくさすられるとますます蕩けていく。
ペロリと頬から口の端を舐められ、自分から口を開けて舌を少し出した。
ペロとその舌の表面を軽く舐められ、ゾクッと快感が走った。
「ぁ…」
もっとして欲しくて、顔を自らすり寄せた。
「舐めて欲しい?」
「…舐めて…」
トロンとした表情で翔平が答え、再び舌を舐め、唇を舐める。
そして舌を絡め取った。
ジュル、クチュと音を立てて舌を絡ませ合うだけで、脳天を突き抜けるような痺れにも似た刺激が襲ってくる。
唇が離れると、再びすりすりと顔を寄せてはっきりと甘えてきた。
気持ちい。
甘えるっていいな…。
ロイの手に頭を、背中を、腕を、全身を撫でられて、気持ち良過ぎて思考が停止する。
完全に弛緩した体が、フワフワと浮いて漂っているようで、その気持ちよさにトロトロになった。
ロイがそのまま姫だきに抱え立ち上がっても、トロトロに溶けてしまった翔平は気付かなかった。
静かに歩いて寝室のドアを開ける。
本当はこのまま翔平を抱きたい。
全身舐め尽くして、もっとトロトロになるまで甘やかして、貪り尽くしたい。
その衝動を抑えながら、翔平をベッドに下ろす。
目を閉じてうっとりした表情の翔平が掴んでいたロイの服をそっと離させる。
「ロイ…」
薄目を開けてロイを見る。
「そばにいて…」
うっすら目を潤ませて訴える翔平に苦笑しながら、寝やすいように騎士服を脱ぐと、翔平の隣に滑り込んだ。
「ここにいるから」
翔平を抱きしめて、再び頭や背中を撫で、キスをする。
「ロイ…好きだよ…」
最後にそう呟いてロイにすり寄ると、そのまま眠りについた。
早朝、陽がのぼりかけてほんのりと明るくなってきた時間に目を覚ました。
モゾモゾと温かい布団の中で動き、いつベッドに入ったっけ、と欠伸をした。
寝る前の行動を思い出し、すぐに赤面した。
自分からロイの膝に座って甘えるという行動に、恥ずかしくなった。
39歳にもなって、何やってんだ、俺。
そう思い1人悶絶する。
だが、昨日の甘えたことを思い出すとジワジワと快感のような甘美な疼きが全身を包み込む。
気持ち良かったと、すごく恥ずかしいが嬉しいとも思った。
「起きたのか」
不意に隣からロイの声がする。
「あぁ、おはよう…」
「ってまだ4時じゃねーか」
ムクッと上半身を起こしたロイが時計を見て呟く。
「二度寝だ二度寝」
バフッと再び横になり、俺を抱きしめてきた。
「お前も寝ろ」
抱きしめられて温かい腕の中に包まれながらクスクスと笑う。
その胸元に顔を寄せると、昨日のようにロイに甘えるような仕草をした。
ロイからいい匂いがする。
スンスンと匂いを嗅ぎながら、体を寄せ、鼻先をロイの胸へくっつける。
目を閉じると徐々に眠りに落ちて行った。
だが、しばらくしてからもぞもぞと背中側の手が動く。
「ロイ…?」
うつらうつらしていた状態で、薄く目を開けると、ガバリとロイが起き上がり、俺の上にロイが乗ってきた。
「やっぱ無理」
そのまま寝夜着の中に手を入れられ、肌を弄られる。
「朝っぱらから…」
呆れたように呟くと、その口を塞がれた。
昨日と違って性急な口づけに、舌を絡め取られて貪るように吸われる。
何度もキスをかわし、口の中の性感帯を煽られると熱い息が漏れる。
寝夜着に侵入したロイの手が乳首に触れると、ピクンと反応を返した。
そのまま指でクリクリと弄られると、ジクジクとした快感が這い上がってくる。
「あ…ぁ」
ロイの頭が胸元に下がると、寝夜着を捲られて露わになった胸元に舌が触れ、乳首に吸いつかれた。
舌でつつかれ、転がされて、ビクビクと腰が跳ねるように動き、徐々に下半身に熱が集中していく。
「ん…ん」
口元を手で押さえて喘ぎを押し殺すが、ロイがわざと声を出させようと、強めに乳首を吸い上げた。
「あ、ん」
それでも声を抑えようとする俺の顔を見上げてくる。
「声、我慢するなよ」
そう言われたが、それでも我慢してしまうのは、もう性分としか言いようがない。
「は、恥ずかしいんだよ」
顔を真っ赤にして言う俺にロイが笑うと、舌先で乳首を舐めた。
「ん、や、そこ」
「何? 乳首感じる?」
チロチロと掠めるように舌を動かしたかと思えば、弾くように舐められる。
「んぅ、ん、ち、乳首、お前の、せいだ」
舌で指でクリクリと弄られながら、必死に話す。
「何が?」
「か、形が」
「形?」
必死に話そうとしているのに、ロイが乳首責めを止めてくれない。
「だから!」
乳首をしゃぶるロイの頭を掴むと、顔を上に向けさせる。
「乳首!大きくなってきてんだよ!お前のせいだろ!」
一瞬ポカンとしたが、ロイが視線を乳首に落とし、マジマジと見つめた。
そして人差し指でクリクリと捏ねるように回した。
「いいじゃん、ピンク色で可愛くて」
そして再びしゃぶりつく。
「ひゃん」
変な声が出た。
「かーわい」
ロイが笑い、乳首を弄りながら器用にズボンを下着ごと脱がされた。
「もうこっちもトロトロだ」
乳首への刺激に、先端から蜜が溢れ濡れていた。
ロイの指がその蜜を塗りつけるようにペニスを撫で、陰嚢をこねられ、アナルへ指を這わせた。
そこはもう挿入を予感してキュンキュンと収縮を繰り返していた。
乳首から顔を離して起き上がると、布団を剥ぎ取り、大きく足を開かされた。
「うわ、エッロ」
ピクピクと反応してトロリと蜜をこぼすペニスと、ひくつくアナルを見て嬉しそうに笑う。
舌舐めずりしたロイが翔平のペニスを躊躇なくしゃぶり、アナルに指を2本挿入し、中をほぐし始める。
「ひぅん!」
食いしばった口から、声をあげ、チカチカと目の前が点滅したように快感が駆け抜けた。
指が動くたびに、中から快感がとめどなく襲ってくる。
徐々にアナルがほぐされてその入口が柔らかくなると、ロイがペニスから口を離して、ゴソゴソと己のペニスを取り出す。
「ショーヘー、見ろよ」
自分の手をペニスに添えて、翔平に突き出す。
「もうこんなにガッチガチ」
その反り返った大きなペニスを見せつけられて、思わず、顔を両手で覆った。
「見せんな!んなもん!」
「ひでー。俺の大事な息子なのにー」
笑いながら覆い被さってくる。
とちゅッとペニスの鈴口とアナルがキスすると、グプと中に挿入された。
「~~!ん!」
入ってくるロイの熱さに体を震わせる。
「ふぅん、ん、あ」
足を大きく広げ、抱えられて、ロイが上半身を倒すと、より挿入が深くなる。
その圧迫感と快感にふぅふぅと息を吐いた。
「ショーヘーの中、すごい。
熱くて、うねって、締め付けてくる」
言葉で責められて、恥ずかしくてますます俺は口を閉じた。
その代わりに、快感の涙が溢れる。
とちゅ、とちゅ、と優しい突き上げをされると、ゾクゾクと快感が下半身を襲い、中の前立腺を擦り上げられると、強い射精感が込み上げてきた。
「ここ、気持ちいよな」
とん、と中で前立腺を突かれて、ビクンと体で返事をした。
「ここと、乳首と、ペニスと」
中のいい所を狙って突き上げられながら、ペニスを扱かれ、さらに舌で乳首を舐められた。
「んあ!あ!」
同時に愛撫され、意識が飛びそうになるほどの快感が突き抜ける。
「あ!らめ!」
口に溜まった唾液を飲み込む暇もないほど快感に襲われて、呂律がおかしくなった。
「あ”、あ、んぅ!」
突き上げが強くなり、乳首を口に含まれ、ジュルゥと吸い上げられた瞬間、ロイの手の中で大きくペニスが弾け飛んだ。
その瞬間、腸壁が大きくうねり、ロイをぎゅうぎゅうに締め付ける。
「あぁ、すげぇ…、ショーヘー、イク」
ビューッと音を立てるようにロイが翔平の中に射精する。
翔平を強く抱きしめ、腰がビクビクと跳ねながら、最後の一滴まで注ぎ込んだ。
「はぁ…気持ち良かった…」
挿入したまま翔平を抱きしめて呟くロイの頭を叩く。
「ショーヘー、サイコー」
叩かれてもエヘヘヘヘと笑うロイに呆れながら、体をずらす。
「ん…ロイ…、抜いて…」
「ん~、もうちょっと…」
余韻に浸り、顔を翔平の胸に押し付けてくるロイの頭を引き剥がす。
ぬぽんと音を立てて、引き抜かれるが、その時でさえゾワっと快感が走ってしまい、なんとか堪えた。
「もう一回、ダメ?」
「ダメ」
「どうしても?」
「無理」
「あとちょっとだけ」
「ちょっとってなんだよ」
似たような会話を繰り返しながら、クリーンをかける。
自分の腹を汚してしまった精液が消え、お腹の中に注がれたロイのものも消えていくのを感じたが、少しだけ勿体無いと感じてしまい、ハッと我に返った。
勿体無いってなんだ。
お腹に手を当てながら、真っ赤に染まった。
「いい眺め」
ロイも自分でクリーンをかけながら、仰向けで横たわる俺の体を見下ろしてニヤニヤした。
慌てて前を隠しながら下着とズボンを身につける。
「朝っぱら盛りやがって…」
きちんと着込んでバフッとベッドに横になると、ロイもその隣に横になった。
「いいじゃん。恋人なんだし」
そう言いながらギュッと抱きしめられた。
恋人という言葉に照れながら、俺もその胸に顔をすり寄せた。
「またよしよししてやろうか?」
そう言われ頭を撫でられた。
「…ん、して」
素直にそう言い、顔をロイの胸に押し付け、その匂いを思い切り吸い込む。
パタパタとロイの尻尾が嬉しそうに揺れる音が聞こえる。
耳まで真っ赤にして、甘えてくる翔平が可愛くて仕方がない。
ギュッと抱きしめて頭を背中を優しく撫でた。
いつもの起きる時間まであと1時間。
横向きで抱き合い、ロイの腕の中で少しだけ眠りについた。
甘えるのも悪くない。
心からそう思った。
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