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王都への旅路 〜指輪の男〜
おっさん、ピアスを開ける
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4人分の防寒具を買いに、ホテルを出る。
流石に馬車移動はせずに、徒歩での移動となるが、やはりロイたち3人は目立つ。出かける前に、久しぶりの認識阻害の魔法をかけた。
念の為、と自分にも魔法をかけられ、髪色を水色に変えられた。
「…またアニメキャラ…」
鏡を見て、綺麗に染まった髪をいじる。
「じゃー行きましょうか」
財布を握るディーが先陣を切る。
今日は6人の騎士は休息となり、前のように4人だけでの行動となった。
「ショーヘーとデートしたいよぉ」
ロイがしくしくと泣き真似をして訴えるが、そんなロイを放っておいて、さっさと商店が立ち並ぶメインストリートへと向かう。
衣料品店に入って、それぞれのコートや帽子、手袋などの防寒着を選んでいく。
「ショーヘー、これ着てこれ!」
ロイが自分へと持ってくる服がどれもこれも可愛いとしか言いようがないものばかりで、辟易する。
「こんなん着れるか」
「絶対似合うのにー」
とすごすごと引き下がるが、再び、これこれと持ってくる。
そこにグレイも参戦し、いーんじゃないかと言われてしまったので、グレイにも言われたら仕方がないと、そのコートを羽織った。
「似合うよ」
「ああ、似合うな」
2人に言われるが、自分ではそうは思えない。
フードと襟、手首と裾部分、前ボタンの所にも白いファーがついた、ローブタイプのクリーム色のコートに、うわぁと顔を顰める。
ロイとグレイは騎士服に合わせた黒のゴツいコートなのに、なんで自分はこんな可愛いらしいコートなのか。
別に男が着てもおかしくはないデザインだと理解は出来るのだが、どうしてもロイとグレイが着るコートに比べると可愛らしい形に見えてしまう。
「ディー、俺のも選んでくれよー」
ロイとグレイには任せられないと、かと言ってこの世界の一般的なコートがわからずにディーに助けを求めた。
「ああ、可愛いですよ。似合ってます。それでいいんじゃないですか?」
ディーは自分のコートを選ぶのに夢中でチラッと自分を見ただけで、助けてくれなかった。
「俺もお前達と同じのにする」
そういってコートを脱ぐと、ロイと色違いのコートを見つけると、それを羽織って、落ち着く。
「うん。これにする」
「えー…」
ロイががっくりと項垂れる。
「ショーヘーはこれがいいのに…」
「だから、なんで俺がそっちを着なきゃならんのだ。別にこれでもいいだろうが」
「だって似合うから」
とロイとグレイに即答された。
その言葉にカチンと来る。
「こういうの、ジュリアさんが着たら、さぞかし似合うだろうーなー」
そうグレイを見てニヤッとすると、グレイの顔が瞬時に赤くなった。
「プレゼントしてやれよー」
自分のその言葉に、グレイがじっとコートを見始める。きっとこのコートを着たジュリアを妄想しているのだろう、と考えてイヒヒヒと笑った。
ロイにも、店内にあった犬耳や兎耳がついたものやヒラヒラのレースがついたデザインの帽子を被せて、似合う似合うと笑い、2人に仕返しした。
ようやっと必要な防寒具が揃い、ディーが会計を済ませるのを外で待つ。そして、大荷物を抱えてグレイが出てくると、4人でそれぞれの荷物を持ち、街の散策に繰り出した。
商店の中を見て歩き、屋台で美味そうな串焼きやスイーツを食べ歩き、一時の楽しい時間を満喫した。
ホテルに戻る途中、グレイが宝飾店のショーウィンドウの前で立ち止まり、じっと中を覗き込んだ。
「ほほう、ジュリアさんに贈るんですかな」
「ジュリアならこの色じゃないか」
両脇から顔を覗かせてショーウィンドウに並ぶイヤリングを見るグレイをロイと2人で揶揄う。
「お前ら」
「プレゼントすればいいじゃん」
小突かれそうになって、ロイがヒョイとかわしながら言う。
「……今は荷物になるから王都で買う」
グレイが素直に答え、自分を向き直ると、
「その時は、付き合えショーヘー」
「俺は別にいいけどさ、どうせなら一緒に買いに行けよ。デートしろ、デート」
と、ニマニマとほくそ笑むと、グレイがムスッと口を結んで顔を赤くした。
ほんとに、大きい体して純情なんだから、とついついお節介を焼きたくなってしまう。
「なぁ、ショーヘー、俺らもなんか買う?」
「へ?」
「これなんてどうだ?」
そうロイが指差した先にピアスがあった。
じっとロイの耳を見ると、そういえば、ロイもピアスを開けていると、今更ながら気付く。
「俺、ピアス開けてないし」
「開ければいいじゃん」
「んー」
ピアスを開けようかと思ったのは学生の頃の話で、結局開けることはなく終わったし、社会人になってからは一度も考えたことなんてなかった。
この年になってピアスかー、と少し戸惑う。
「決まりな」
と勝手に決めてしまった。1人店に入って行き、しばらく待つと小さな袋を抱えて出てくる。
ホテルに戻り部屋に入ると早速ピアスを開けることになった。
「じっとしてろよ」
右の耳たぶを掴まれて緊張する。
「痛くすんなよ」
初めてのピアスにガチガチに緊張して、注射する前の子供のように固まってしまう。
「ガキじゃねーんだから」
ロイが笑いながら一瞬で針をプツっと刺した。
「いて」
「痛くないだろ、このくらい」
ほんの少しだけ滲んだ血を拭き取り、買ったピアスを付けた。
「いいぞ」
「え?左は?」
「右だけでいいんだよ」
そう言われて、なんで片側だけ?と不思議に思ったが、とりあえず部屋に備え付けの鏡の前に立つ。
右耳がよく見えるように首を傾けて確認する。
ロイが選んだのは、結局一番最初に見たショーウィンドウに飾られていたピアスだった。
細い3センチくらいの三角錐の先が下に向いた飾りが付いている。その三角錐にいくつかキラキラしたダイヤのような小さな石が嵌め込まれていた。
なんかロイの髪色に似てる。
ピアスの色を見てそう思った。
白っぽく見えるが、光の当たり具合によっては銀色にも金色にも見える。
色々な角度から見たり、首を振ったりして似合うかどうかを確認する。
「似合ってる」
そう言われて、鏡越しにロイと視線があった。
「あ」
ロイの左耳に、同じピアスがいつの間にかつけられていた。
だから片耳だけだったのか、と思った。
鏡の前で、耳を寄せて並ぶと、対になったピアスが揺れる。
「うん、いいな」
ロイが本当に嬉しそうに笑う。
その綺麗な笑顔に赤面した。
「ありがと、ロイ」
ポソっと呟くように言った自分にロイがますます微笑むと、自分に頬に口付ける。そのまま唇を重ね、長めにキスをかわした。
夕食は宿の食堂で全員でとる。
遮音魔法をかけて、明日からの行程の打ち合わせもかねていた。
「ショーヘーさん、ピアス」
「あ、うん…」
めざとくアシュリーが見つけて話しかけてくる。
「すごく似合ってます」
「ありがとう…」
と言いつつ顔が赤くなる。その自分の反応にアシュリーが不思議そうな顔をしたが、イーサンがアシュリーの腕をつつき、ロイを見ろと合図した。
「あー…」
アシュリーが何故か赤くなった。
「お、早速付けたのか」
グレイが揶揄いも含めて褒めてくれる。ディーも同じようにニヤニヤしながら生暖かい目を向けてきた。
お揃いのピアスをつけるという行為が、こんなにも恥ずかしいことだと思わなかった。
「ロイ様ー、ショーヘーさんとラブラブっスねー」
アイザックのロイへの言葉にさらに赤面してしまった。
「右耳…良いですね」
ウィルが静かな口調で声をかけてきた。
「ロイ様は当然左耳ですか」
優しい穏やかな口調に、赤面するよりもほんわかしてしまう。
この人の話し方、なんか落ち着く。
と恥ずかしさが少し軽減された。
「右耳だとなんかあるんですか?」
そう聞き返すと、ウィルが少しだけ驚いた顔で、ご存じないんですか?と聞いてきた。
「右耳だけにつける場合は、守ってくれる人がいる、という意味があるんですよ。逆に左耳だけは、守るべき人がいる、という意味です」
へー、と聞いていたが、その言葉を飲み込んで考えるうちに、みるみるうちに顔が赤くなった。
「それに、それはペアピアスですよ。
ロイ様から贈られたのでしょう?愛されてますね」
ウィルが優しげな表情で微笑む。
1人が両耳につける普通のピアスしか知らなかったので、1対のピアスを2人でつけるペアピアスというものに、赤面しつつも嬉しいと思ってしまった。
元の世界でもこういうピアスがあったのかは知らないが、まるで結婚指輪のようなピアスに、年甲斐もなくドキドキしてしまった。
そっと右耳のピアスに触れる。
ロイの左耳にも対にになったピアスが光る。
じんわりと、心が満たされて行くのを感じた。
夕食の席で、ベネット領までの行程の再確認をした。
これから山間部に入り山を登って行くにつれて雪になるだろうという予想していた。
平地との標高差もかなりあるので、温度差から体調を崩しやすくなる。
今、この平地では20度前後で過ごしやすい温度だが、峠付近では2、3度くらいしかなく、夜になればマイナスになると言われた。
「なるべく早く峠を抜けて、一気に下りましょう」
ディーが地図を見ながら説明してくれた。
山の麓の街まで3日。上がって行くのに時間がかかり、麓から境界線の峠頂上4日目で到着し、その日のうちに下れるところまで一気に行くという予定に決まる。
麓の街で天候などの情報を仕入れ、最終チェックをしてから、峠越えに入る。
山道の随所に避難所のような小屋が設置されているので、4日間はいずれかの小屋に泊まることになる。
天候が荒れれば足留めを食らうので、水も食料も多めに準備するが、もしかしたら麓まで引き返す、ということもあり得るとも言われた。
この峠を越えるのが王都までの1番の近道ではあるが、状況を見て越えられないようであれば、さらに時間はかかるが迂回してコークス領から回り込む行程も説明された。
最初から峠越えをせずに、迂回すれば良いのだろうが、あえてこのルートを選んだのは、最短であるということと、例の指輪の男の存在があったからだ。
エンダで聞いた、コークス領内の街シーグで男性が攫われた話。それが指輪の男によるものかはわからないが、その可能性があることを考えて、コークス領はなるべく避けることにしたのだ。
天候不順でどうしても峠越えが出来ない場合は仕方なくコークス領に向かうが、そうなるとさらに行程は伸びて倍近くになる。
こればかりは天に祈るしか方法がない。
ここで、改めて新しく護衛に加わった6人に指輪の男の情報を話した。
まずはここ数日の6人の様子を見て信用出来ると判断し、翔平がとある事件の証人というのは嘘で、本当はジュノーであり、保護するために王都へ向かっていることを告げた。
指輪の男の知る限りの風貌を伝え、早い段階から翔平を狙って動いていたこと。
翔平の顔写真入りの社員証を持っており、顔がバレていること。
などなどを全員で情報共有する。
「ショーヘーさん、ジュノーだったんですね…」
アシュリーが呟くように言った。
ドルキアで出身地がわからないと言ったのは、怪我の後遺症ではなく、この世界の人でなかったからだ、と理解した。
「なんか色々と変だとは思いましたよ」
虎耳をピクピクさせながらクリフが笑う。
「いつ、こちらの世界に?」
アーロンに聞かれて、考える。
「えっと…、もうすぐ3ヶ月になるか…な?」
指折り数えて、そろそろ3ヶ月を迎える頃だと気付いた。色々ありすぎて、もう1年近く旅をしてきたような気もするが、数えてみると、まだそれしか経っていないんだと、改めて思った。
どうりで髪も伸びるわけだ、と目にかかる前髪を気にした。
そして、明日の出発時間を決めて、各自部屋に戻った。
部屋に戻って、広げていた荷物を鞄に詰めて明日の準備を早々に終わらせる。
「ロイ、これ、本当にありがとう」
ベッドでまだ荷物と格闘しているロイの背中に向かって言った。右手でクルクルとピアスの飾りを触る。
中身を押し込めるようにしながら鞄を閉めて金具をバチッと止めながら、やっと出来た、とフゥと息を吐くロイに笑う。
スッとロイが立ち上がり、自分の正面に立って、その右耳のピアスに触れる。
「本当に似合ってる」
そのままゆっくりとキスされた。
「その…、このピアスの意味、聞いてさ…」
唇を離した後、赤くなりながら照れる。
「これで誰が見たって、ショーヘーは俺のものだってわかる」
いつものニカッとした笑顔を見せた。
その言葉で、ああそうか、そういう意味もあるのか、と改めて思った。逆を言えば、ロイも自分のものだとわかるということだ。
周囲に、自分たちは恋人同士であると認識させるには、いい印になる。
「今はピアスだけでごめんな。王都で、ちゃんとしたもの、贈るから」
そう言われて、ますます照れて赤くなった。
ちゃんとしたもの…、それって、ゆ、指輪、とかなんだろうか…。
そう考えて、どんどん熱くなった。
「なんか、照れる」
熱くなった顔を誤魔化すように自分も笑った。
「一緒に風呂入る?」
おもむろにそう言われ、眉を寄せる。
「風呂でしないぞ」
「わかってるってw」
この間、のぼせてしまったことも記憶に新しい。
そのまま手を引かれて浴室に向かう。
ドルキア砦よりもやや大きめの猫足のバスタブは2人で入るには充分な大きさだ。
水を火魔法で温め、良い香りのするオイルをお湯に入れる。オイルに混ざって、赤い花弁がお湯に広がった。
「なんかエロい」
いい香りに、とそう呟くと、ロイが後ろから自分の服に手をかけつつ、クリーン魔法をかけた。
2人で向かい合った体制でお湯に浸かる。
「あーきもちー…」
少し温めのお湯がゆっくりと体を温めていく。
両手で濡れた前髪をかきあげると、右耳のピアスが揺れた。そのまま首をのけぞらせて上を見上げる。
ロイがそんな自分をじっと自分を見つめてニヤリと笑う。
「なんだよ」
「いや、エロいなと思って」
温められてほんのりピンク色になった肌を舐るように見られて、ますますピンク色が濃くなる。
苦笑いしながら、指鉄砲でお湯をロイの顔にかけた。
「お返しだ」
ジャブジャブとお湯をかけあって、笑いながらお互い頭からずぶ濡れになった。
ふと腕を掴まれて引き寄せられると、耳元で、
「ベッド、行く?」
と囁かれ、その低くていい声にゾクッと快感が走った。
黙って小さく頷くと、濡れた体を適当に拭いただけで、早急にベッドへ連れて行かれた。
「ショーヘー…」
指を絡ませてベッドに腕を縫い付けられて、ゆっくりとロイの顔が近付く。
右耳を舐められて、ピアスが揺れた。
「ぁ…」
唇が重なり、舌を絡め取られると、深いキスを何度も繰り返す。
「ん…ん…」
ロイとのキスは気持ちがいい。
口の中の性感帯もしっかり抑えられ、刺激されるとピクピクと反応してしまう。
「愛してる…俺のショーヘー」
そっと、ロイの指が乳首へ触れる。
それだけで、下半身が疼いた。
指先でぷっくりと存在を主張し始めた乳首の先端をカリカリと引っ掻き、舌で口内や耳、首すじを嬲られると、快感に息が上がっていく。
「ぁ…ロイ…」
快感で潤んだ瞳をロイに向けると、再び深いキスをされ、ふとロイが離れて自分の腕を引っ張り、ベッドに座らせた。
「…?」
「自分で、して見せて」
ニコッとロイが笑い、その言葉にドカンと羞恥心が脳を貫いた。
「む、む、無理」
「約束したじゃん、お詫びに見せてっくれるって」
ドルキアで、セシルのハニートラップを知っていて教えなかったことへのお詫びとして、オナニーを見せろと言われたことを思い出す。
「し、してない!あれはお前が勝手に」
「ふーん…」
それでもロイはニヤニヤしている。
そして、向かい合って座った状態で少しだけロイが近寄ると、
「じゃあ、抱き潰すことになるけど、それでも、いい?」
ニヤリと笑う。その目は笑っていない。本気でそうするつもりだと思った。
「オナニーを見せるのと、明日立てなくなるくらいヤラレるの、どっちがいい?」
グッと口を結ぶ。
自分にとって、究極の選択だった。
「昨日、お預けくらったし、俺としてはどっちもしたいんだけど」
「わ、わかった!見せる!見せるから!」
どっちも、と言われて思わずまだマシな方を選ぶが、言った後に泣きそうなくらい羞恥心が襲ってくる。
「こんの…、変態!!」
悔し紛れに、そう叫んだ。
それでも、ロイは楽しそうに嬉しそうに笑っていた。
背中に枕を何個も重ね、よしかかってロイに向かって足を開く。
「ん…ぁ…」
自分の指でアナルをほぐしていく。
入口を撫で、つつき、ゆるゆると強弱をつけてアナルの周囲の筋肉を緩めていく。
それだけで、ペニスがピクピクと跳ねて、鈴口から蜜が次々と溢れ出す。
「ローション、垂らすよ」
じっくりと自分の痴態を眺めているロイが、ペニスに向けて小瓶を傾けると、トロリとローションがペニスにかかり、竿を伝ってアナルへ流れていく。
「指、入れて」
は、は、と短い呼吸を繰り返しながら、必死に快感に耐える。
言われた通り、中指をアナルへ挿入した。
「んぁ…あ」
途端に背筋に走る快感に喘ぎを漏らした。
「動かして」
ローションで滑りが良くなったアナルに中指を入れ、ゆっくりと抽送を繰り返す。
「あ、あん、あ」
自分の指でアナルを犯し、ガクガクと腰を揺らす。
「好きにいじって。俺しか見てないから」
その言葉に、頭の奥がじんじんと痺れた。
人差し指を添えて、2本に増やすと、自分でグッと奥まで挿入した。
「んあぁ!」
途端に襲ってくる快感に声が我慢出来ない。
2本の指で中を広げ、抽送を繰り返して腸壁を擦り上げる。
「気持ちいい?」
ロイが手に持った小瓶からさらにローションを垂らし、アナルを濡らしていく。グプグプと音立て、自分でさらに深くアナルを犯した。
「あ…ロイ…も、無理…」
グチュグチュとアナルを犯し、頭がおかしくなりそうな快感に、ボロボロと涙をこぼした。
「ぉ、ねが、もう」
ふえっと泣き始めた自分に、ロイがごくりと唾を飲み込むと、うっとりとその痴態を堪能した。
だが、もう限界だと悟り、瞼にキスを落とし、
「可愛いよ…ショーヘー」
そう呟く。
開かれた足を抱え、背もたれにしていた枕から引っ張り下ろすと、手を添えてアナルから指を引き抜かせた。
代わりに自分のペニスの先端を入口に当てた。
「あ…」
クプッと音を立てて、少しだけ挿入すると、そのまま一気に奥まで貫いた。
「あ!!あ“ーー!!!」
その瞬間、ビュッと自分のペニスから精液が放たれた。
ビクビクと体を痙攣させ、その衝撃に頭が真っ白になった。
イッている最中にもロイが奥を突き上げ、ピュッピュっと何度も精液が放たれる。
「ひあ!あ!あぅ!」
突き上げに合わせて悲鳴に近い喘ぎがあがる。
それでも、ロイの突き上げは止まらない。
「あ、あ!」
ズンズンと奥を突き上げられて、射精が終わったのに、絶頂のような快感が襲ってくる。
「ショーヘー…ん!」
一際大きく突き上げると、その奥に精液を放った。ガクガクと腰が揺れて、射精の余韻がロイを襲う。
「はぁ…」
射精が終わっても、その快感の余韻に浸り、足を抱えたまま、ゆるゆると浅い抽送を繰り返した。
そしてゆっくりと引き抜き、グタッとしている自分に覆い被さると、深いキスをしてきた。
ねっとりと舌を絡ませて、再び指で乳首を弄び始める。
「あ、ん…」
舌を吸い上げ、口内を蹂躙する。
「あ…ロイ…」
「可愛かった…、また見せて」
「…見せる、かよ…ん」
ロイがパクリと乳首を口に含むと、乳首を舌で転がす。
乳首を愛撫しながら、自分が放ち胸や腹に飛び散った精液を指でなぞる。そして、その精液を指に絡めたまま、自分のペニスを包み込むと、ゆっくりと上下に扱き出した。
「ん…、ロイ、もぅ無理」
「まだ、できるよ」
クスッと笑って、乳首を吸い上げながら、陰嚢とペニスを揉みしだく。
そのまま片足を持ち上げられると、背後から赤く熟れたアナルにゆっくりと挿入した。
すっかり力を取り戻していたロイのペニスがみっちりと中に納められ、再び始まる快感に体が震えた。
背後から揺さぶられ、それに合わせてペニスを扱かれて、舌で脇や背中を嬲られる。
果てしなく続く快感を、ただロイに与えられるまま貪る。
何度も体位を変え、ロイを受け入れる。体内に精液を注がれて、その熱さに何度も意識が飛びかけた。
「ロイ…もう…、無理…」
何度も、そう言った。
しかし、ロイはその律動を止めない。
このままだと本当に抱き潰される。
「これで最後にするから」
「うぁ!ああ!あ!」
腰を掴まれ、背後からガンガン腰を使われて、シーツを握りしめた。
右耳のピアスが律動にあわせて揺れる。
そして、数度目のロイの精液をその奥で受け止める。
「んぅ!ん…」
最後の一滴まで中に出され、荒い息のまま、ぐったりとベッドに倒れ込んだ。
ロイもはぁと息を吐いてペニスをアナルから引き抜き、ドサッとベッドに倒れた。
「あー…すげー良かった…」
あからさまに感想を言うロイに顔を顰める。
「お前な…俺の体力考えろよ…10歳近く年上なんだぞ…」
そう文句を言うが、ロイはニコニコと自分を抱きしめてくる。
「だって、我慢できねーもん」
「自重しろ」
「むーりー」
楽しそうに笑うロイを見たら怒れない。
「ショーヘーも気持ちーだろ?」
「…まぁ…そりゃーな…」
他の男に抱かれた経験がないから、なんとも言えないが、多分ロイはかなりSEX上手だと思う。
短い期間で、ここまで自分の体が開発されてしまったことが何よりの証拠だ。
ロイとのSEXに溺れているのは確かだ。
だから、あまり強くロイを怒れない。
「ショーヘーだから、何度でもしたい。1日中、SEXしててもいい」
「は?」
「閉じ込めて、俺しか見えなくなるように、何度もイかせて鳴かせまくって…」
慌ててロイの口を塞いだ。
いつか、本当にやられそうで怖い。
「愛してるよ、ほんとに。心の底から愛してる」
そっと口を塞いだ手を避けられて、顔を近づけて囁かれた。
「…狡いな…」
そう言われたら、許すしかない。
赤面しながら、自分からキスをした。
「俺も、愛してるよ、ロイ」
お返しに囁くと、ロイの顔が赤くなり、嬉しそうに微笑んだ。
ああ、この笑顔に弱い。
そう思いつつ、見つめ合い、笑った。
クリーン魔法を掛け合い、そのまま寝夜着を着ることもせずに、裸で抱き合って眠った。
その耳に、愛の証であるピアスが揺れる。
流石に馬車移動はせずに、徒歩での移動となるが、やはりロイたち3人は目立つ。出かける前に、久しぶりの認識阻害の魔法をかけた。
念の為、と自分にも魔法をかけられ、髪色を水色に変えられた。
「…またアニメキャラ…」
鏡を見て、綺麗に染まった髪をいじる。
「じゃー行きましょうか」
財布を握るディーが先陣を切る。
今日は6人の騎士は休息となり、前のように4人だけでの行動となった。
「ショーヘーとデートしたいよぉ」
ロイがしくしくと泣き真似をして訴えるが、そんなロイを放っておいて、さっさと商店が立ち並ぶメインストリートへと向かう。
衣料品店に入って、それぞれのコートや帽子、手袋などの防寒着を選んでいく。
「ショーヘー、これ着てこれ!」
ロイが自分へと持ってくる服がどれもこれも可愛いとしか言いようがないものばかりで、辟易する。
「こんなん着れるか」
「絶対似合うのにー」
とすごすごと引き下がるが、再び、これこれと持ってくる。
そこにグレイも参戦し、いーんじゃないかと言われてしまったので、グレイにも言われたら仕方がないと、そのコートを羽織った。
「似合うよ」
「ああ、似合うな」
2人に言われるが、自分ではそうは思えない。
フードと襟、手首と裾部分、前ボタンの所にも白いファーがついた、ローブタイプのクリーム色のコートに、うわぁと顔を顰める。
ロイとグレイは騎士服に合わせた黒のゴツいコートなのに、なんで自分はこんな可愛いらしいコートなのか。
別に男が着てもおかしくはないデザインだと理解は出来るのだが、どうしてもロイとグレイが着るコートに比べると可愛らしい形に見えてしまう。
「ディー、俺のも選んでくれよー」
ロイとグレイには任せられないと、かと言ってこの世界の一般的なコートがわからずにディーに助けを求めた。
「ああ、可愛いですよ。似合ってます。それでいいんじゃないですか?」
ディーは自分のコートを選ぶのに夢中でチラッと自分を見ただけで、助けてくれなかった。
「俺もお前達と同じのにする」
そういってコートを脱ぐと、ロイと色違いのコートを見つけると、それを羽織って、落ち着く。
「うん。これにする」
「えー…」
ロイががっくりと項垂れる。
「ショーヘーはこれがいいのに…」
「だから、なんで俺がそっちを着なきゃならんのだ。別にこれでもいいだろうが」
「だって似合うから」
とロイとグレイに即答された。
その言葉にカチンと来る。
「こういうの、ジュリアさんが着たら、さぞかし似合うだろうーなー」
そうグレイを見てニヤッとすると、グレイの顔が瞬時に赤くなった。
「プレゼントしてやれよー」
自分のその言葉に、グレイがじっとコートを見始める。きっとこのコートを着たジュリアを妄想しているのだろう、と考えてイヒヒヒと笑った。
ロイにも、店内にあった犬耳や兎耳がついたものやヒラヒラのレースがついたデザインの帽子を被せて、似合う似合うと笑い、2人に仕返しした。
ようやっと必要な防寒具が揃い、ディーが会計を済ませるのを外で待つ。そして、大荷物を抱えてグレイが出てくると、4人でそれぞれの荷物を持ち、街の散策に繰り出した。
商店の中を見て歩き、屋台で美味そうな串焼きやスイーツを食べ歩き、一時の楽しい時間を満喫した。
ホテルに戻る途中、グレイが宝飾店のショーウィンドウの前で立ち止まり、じっと中を覗き込んだ。
「ほほう、ジュリアさんに贈るんですかな」
「ジュリアならこの色じゃないか」
両脇から顔を覗かせてショーウィンドウに並ぶイヤリングを見るグレイをロイと2人で揶揄う。
「お前ら」
「プレゼントすればいいじゃん」
小突かれそうになって、ロイがヒョイとかわしながら言う。
「……今は荷物になるから王都で買う」
グレイが素直に答え、自分を向き直ると、
「その時は、付き合えショーヘー」
「俺は別にいいけどさ、どうせなら一緒に買いに行けよ。デートしろ、デート」
と、ニマニマとほくそ笑むと、グレイがムスッと口を結んで顔を赤くした。
ほんとに、大きい体して純情なんだから、とついついお節介を焼きたくなってしまう。
「なぁ、ショーヘー、俺らもなんか買う?」
「へ?」
「これなんてどうだ?」
そうロイが指差した先にピアスがあった。
じっとロイの耳を見ると、そういえば、ロイもピアスを開けていると、今更ながら気付く。
「俺、ピアス開けてないし」
「開ければいいじゃん」
「んー」
ピアスを開けようかと思ったのは学生の頃の話で、結局開けることはなく終わったし、社会人になってからは一度も考えたことなんてなかった。
この年になってピアスかー、と少し戸惑う。
「決まりな」
と勝手に決めてしまった。1人店に入って行き、しばらく待つと小さな袋を抱えて出てくる。
ホテルに戻り部屋に入ると早速ピアスを開けることになった。
「じっとしてろよ」
右の耳たぶを掴まれて緊張する。
「痛くすんなよ」
初めてのピアスにガチガチに緊張して、注射する前の子供のように固まってしまう。
「ガキじゃねーんだから」
ロイが笑いながら一瞬で針をプツっと刺した。
「いて」
「痛くないだろ、このくらい」
ほんの少しだけ滲んだ血を拭き取り、買ったピアスを付けた。
「いいぞ」
「え?左は?」
「右だけでいいんだよ」
そう言われて、なんで片側だけ?と不思議に思ったが、とりあえず部屋に備え付けの鏡の前に立つ。
右耳がよく見えるように首を傾けて確認する。
ロイが選んだのは、結局一番最初に見たショーウィンドウに飾られていたピアスだった。
細い3センチくらいの三角錐の先が下に向いた飾りが付いている。その三角錐にいくつかキラキラしたダイヤのような小さな石が嵌め込まれていた。
なんかロイの髪色に似てる。
ピアスの色を見てそう思った。
白っぽく見えるが、光の当たり具合によっては銀色にも金色にも見える。
色々な角度から見たり、首を振ったりして似合うかどうかを確認する。
「似合ってる」
そう言われて、鏡越しにロイと視線があった。
「あ」
ロイの左耳に、同じピアスがいつの間にかつけられていた。
だから片耳だけだったのか、と思った。
鏡の前で、耳を寄せて並ぶと、対になったピアスが揺れる。
「うん、いいな」
ロイが本当に嬉しそうに笑う。
その綺麗な笑顔に赤面した。
「ありがと、ロイ」
ポソっと呟くように言った自分にロイがますます微笑むと、自分に頬に口付ける。そのまま唇を重ね、長めにキスをかわした。
夕食は宿の食堂で全員でとる。
遮音魔法をかけて、明日からの行程の打ち合わせもかねていた。
「ショーヘーさん、ピアス」
「あ、うん…」
めざとくアシュリーが見つけて話しかけてくる。
「すごく似合ってます」
「ありがとう…」
と言いつつ顔が赤くなる。その自分の反応にアシュリーが不思議そうな顔をしたが、イーサンがアシュリーの腕をつつき、ロイを見ろと合図した。
「あー…」
アシュリーが何故か赤くなった。
「お、早速付けたのか」
グレイが揶揄いも含めて褒めてくれる。ディーも同じようにニヤニヤしながら生暖かい目を向けてきた。
お揃いのピアスをつけるという行為が、こんなにも恥ずかしいことだと思わなかった。
「ロイ様ー、ショーヘーさんとラブラブっスねー」
アイザックのロイへの言葉にさらに赤面してしまった。
「右耳…良いですね」
ウィルが静かな口調で声をかけてきた。
「ロイ様は当然左耳ですか」
優しい穏やかな口調に、赤面するよりもほんわかしてしまう。
この人の話し方、なんか落ち着く。
と恥ずかしさが少し軽減された。
「右耳だとなんかあるんですか?」
そう聞き返すと、ウィルが少しだけ驚いた顔で、ご存じないんですか?と聞いてきた。
「右耳だけにつける場合は、守ってくれる人がいる、という意味があるんですよ。逆に左耳だけは、守るべき人がいる、という意味です」
へー、と聞いていたが、その言葉を飲み込んで考えるうちに、みるみるうちに顔が赤くなった。
「それに、それはペアピアスですよ。
ロイ様から贈られたのでしょう?愛されてますね」
ウィルが優しげな表情で微笑む。
1人が両耳につける普通のピアスしか知らなかったので、1対のピアスを2人でつけるペアピアスというものに、赤面しつつも嬉しいと思ってしまった。
元の世界でもこういうピアスがあったのかは知らないが、まるで結婚指輪のようなピアスに、年甲斐もなくドキドキしてしまった。
そっと右耳のピアスに触れる。
ロイの左耳にも対にになったピアスが光る。
じんわりと、心が満たされて行くのを感じた。
夕食の席で、ベネット領までの行程の再確認をした。
これから山間部に入り山を登って行くにつれて雪になるだろうという予想していた。
平地との標高差もかなりあるので、温度差から体調を崩しやすくなる。
今、この平地では20度前後で過ごしやすい温度だが、峠付近では2、3度くらいしかなく、夜になればマイナスになると言われた。
「なるべく早く峠を抜けて、一気に下りましょう」
ディーが地図を見ながら説明してくれた。
山の麓の街まで3日。上がって行くのに時間がかかり、麓から境界線の峠頂上4日目で到着し、その日のうちに下れるところまで一気に行くという予定に決まる。
麓の街で天候などの情報を仕入れ、最終チェックをしてから、峠越えに入る。
山道の随所に避難所のような小屋が設置されているので、4日間はいずれかの小屋に泊まることになる。
天候が荒れれば足留めを食らうので、水も食料も多めに準備するが、もしかしたら麓まで引き返す、ということもあり得るとも言われた。
この峠を越えるのが王都までの1番の近道ではあるが、状況を見て越えられないようであれば、さらに時間はかかるが迂回してコークス領から回り込む行程も説明された。
最初から峠越えをせずに、迂回すれば良いのだろうが、あえてこのルートを選んだのは、最短であるということと、例の指輪の男の存在があったからだ。
エンダで聞いた、コークス領内の街シーグで男性が攫われた話。それが指輪の男によるものかはわからないが、その可能性があることを考えて、コークス領はなるべく避けることにしたのだ。
天候不順でどうしても峠越えが出来ない場合は仕方なくコークス領に向かうが、そうなるとさらに行程は伸びて倍近くになる。
こればかりは天に祈るしか方法がない。
ここで、改めて新しく護衛に加わった6人に指輪の男の情報を話した。
まずはここ数日の6人の様子を見て信用出来ると判断し、翔平がとある事件の証人というのは嘘で、本当はジュノーであり、保護するために王都へ向かっていることを告げた。
指輪の男の知る限りの風貌を伝え、早い段階から翔平を狙って動いていたこと。
翔平の顔写真入りの社員証を持っており、顔がバレていること。
などなどを全員で情報共有する。
「ショーヘーさん、ジュノーだったんですね…」
アシュリーが呟くように言った。
ドルキアで出身地がわからないと言ったのは、怪我の後遺症ではなく、この世界の人でなかったからだ、と理解した。
「なんか色々と変だとは思いましたよ」
虎耳をピクピクさせながらクリフが笑う。
「いつ、こちらの世界に?」
アーロンに聞かれて、考える。
「えっと…、もうすぐ3ヶ月になるか…な?」
指折り数えて、そろそろ3ヶ月を迎える頃だと気付いた。色々ありすぎて、もう1年近く旅をしてきたような気もするが、数えてみると、まだそれしか経っていないんだと、改めて思った。
どうりで髪も伸びるわけだ、と目にかかる前髪を気にした。
そして、明日の出発時間を決めて、各自部屋に戻った。
部屋に戻って、広げていた荷物を鞄に詰めて明日の準備を早々に終わらせる。
「ロイ、これ、本当にありがとう」
ベッドでまだ荷物と格闘しているロイの背中に向かって言った。右手でクルクルとピアスの飾りを触る。
中身を押し込めるようにしながら鞄を閉めて金具をバチッと止めながら、やっと出来た、とフゥと息を吐くロイに笑う。
スッとロイが立ち上がり、自分の正面に立って、その右耳のピアスに触れる。
「本当に似合ってる」
そのままゆっくりとキスされた。
「その…、このピアスの意味、聞いてさ…」
唇を離した後、赤くなりながら照れる。
「これで誰が見たって、ショーヘーは俺のものだってわかる」
いつものニカッとした笑顔を見せた。
その言葉で、ああそうか、そういう意味もあるのか、と改めて思った。逆を言えば、ロイも自分のものだとわかるということだ。
周囲に、自分たちは恋人同士であると認識させるには、いい印になる。
「今はピアスだけでごめんな。王都で、ちゃんとしたもの、贈るから」
そう言われて、ますます照れて赤くなった。
ちゃんとしたもの…、それって、ゆ、指輪、とかなんだろうか…。
そう考えて、どんどん熱くなった。
「なんか、照れる」
熱くなった顔を誤魔化すように自分も笑った。
「一緒に風呂入る?」
おもむろにそう言われ、眉を寄せる。
「風呂でしないぞ」
「わかってるってw」
この間、のぼせてしまったことも記憶に新しい。
そのまま手を引かれて浴室に向かう。
ドルキア砦よりもやや大きめの猫足のバスタブは2人で入るには充分な大きさだ。
水を火魔法で温め、良い香りのするオイルをお湯に入れる。オイルに混ざって、赤い花弁がお湯に広がった。
「なんかエロい」
いい香りに、とそう呟くと、ロイが後ろから自分の服に手をかけつつ、クリーン魔法をかけた。
2人で向かい合った体制でお湯に浸かる。
「あーきもちー…」
少し温めのお湯がゆっくりと体を温めていく。
両手で濡れた前髪をかきあげると、右耳のピアスが揺れた。そのまま首をのけぞらせて上を見上げる。
ロイがそんな自分をじっと自分を見つめてニヤリと笑う。
「なんだよ」
「いや、エロいなと思って」
温められてほんのりピンク色になった肌を舐るように見られて、ますますピンク色が濃くなる。
苦笑いしながら、指鉄砲でお湯をロイの顔にかけた。
「お返しだ」
ジャブジャブとお湯をかけあって、笑いながらお互い頭からずぶ濡れになった。
ふと腕を掴まれて引き寄せられると、耳元で、
「ベッド、行く?」
と囁かれ、その低くていい声にゾクッと快感が走った。
黙って小さく頷くと、濡れた体を適当に拭いただけで、早急にベッドへ連れて行かれた。
「ショーヘー…」
指を絡ませてベッドに腕を縫い付けられて、ゆっくりとロイの顔が近付く。
右耳を舐められて、ピアスが揺れた。
「ぁ…」
唇が重なり、舌を絡め取られると、深いキスを何度も繰り返す。
「ん…ん…」
ロイとのキスは気持ちがいい。
口の中の性感帯もしっかり抑えられ、刺激されるとピクピクと反応してしまう。
「愛してる…俺のショーヘー」
そっと、ロイの指が乳首へ触れる。
それだけで、下半身が疼いた。
指先でぷっくりと存在を主張し始めた乳首の先端をカリカリと引っ掻き、舌で口内や耳、首すじを嬲られると、快感に息が上がっていく。
「ぁ…ロイ…」
快感で潤んだ瞳をロイに向けると、再び深いキスをされ、ふとロイが離れて自分の腕を引っ張り、ベッドに座らせた。
「…?」
「自分で、して見せて」
ニコッとロイが笑い、その言葉にドカンと羞恥心が脳を貫いた。
「む、む、無理」
「約束したじゃん、お詫びに見せてっくれるって」
ドルキアで、セシルのハニートラップを知っていて教えなかったことへのお詫びとして、オナニーを見せろと言われたことを思い出す。
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ニヤリと笑う。その目は笑っていない。本気でそうするつもりだと思った。
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グッと口を結ぶ。
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「昨日、お預けくらったし、俺としてはどっちもしたいんだけど」
「わ、わかった!見せる!見せるから!」
どっちも、と言われて思わずまだマシな方を選ぶが、言った後に泣きそうなくらい羞恥心が襲ってくる。
「こんの…、変態!!」
悔し紛れに、そう叫んだ。
それでも、ロイは楽しそうに嬉しそうに笑っていた。
背中に枕を何個も重ね、よしかかってロイに向かって足を開く。
「ん…ぁ…」
自分の指でアナルをほぐしていく。
入口を撫で、つつき、ゆるゆると強弱をつけてアナルの周囲の筋肉を緩めていく。
それだけで、ペニスがピクピクと跳ねて、鈴口から蜜が次々と溢れ出す。
「ローション、垂らすよ」
じっくりと自分の痴態を眺めているロイが、ペニスに向けて小瓶を傾けると、トロリとローションがペニスにかかり、竿を伝ってアナルへ流れていく。
「指、入れて」
は、は、と短い呼吸を繰り返しながら、必死に快感に耐える。
言われた通り、中指をアナルへ挿入した。
「んぁ…あ」
途端に背筋に走る快感に喘ぎを漏らした。
「動かして」
ローションで滑りが良くなったアナルに中指を入れ、ゆっくりと抽送を繰り返す。
「あ、あん、あ」
自分の指でアナルを犯し、ガクガクと腰を揺らす。
「好きにいじって。俺しか見てないから」
その言葉に、頭の奥がじんじんと痺れた。
人差し指を添えて、2本に増やすと、自分でグッと奥まで挿入した。
「んあぁ!」
途端に襲ってくる快感に声が我慢出来ない。
2本の指で中を広げ、抽送を繰り返して腸壁を擦り上げる。
「気持ちいい?」
ロイが手に持った小瓶からさらにローションを垂らし、アナルを濡らしていく。グプグプと音立て、自分でさらに深くアナルを犯した。
「あ…ロイ…も、無理…」
グチュグチュとアナルを犯し、頭がおかしくなりそうな快感に、ボロボロと涙をこぼした。
「ぉ、ねが、もう」
ふえっと泣き始めた自分に、ロイがごくりと唾を飲み込むと、うっとりとその痴態を堪能した。
だが、もう限界だと悟り、瞼にキスを落とし、
「可愛いよ…ショーヘー」
そう呟く。
開かれた足を抱え、背もたれにしていた枕から引っ張り下ろすと、手を添えてアナルから指を引き抜かせた。
代わりに自分のペニスの先端を入口に当てた。
「あ…」
クプッと音を立てて、少しだけ挿入すると、そのまま一気に奥まで貫いた。
「あ!!あ“ーー!!!」
その瞬間、ビュッと自分のペニスから精液が放たれた。
ビクビクと体を痙攣させ、その衝撃に頭が真っ白になった。
イッている最中にもロイが奥を突き上げ、ピュッピュっと何度も精液が放たれる。
「ひあ!あ!あぅ!」
突き上げに合わせて悲鳴に近い喘ぎがあがる。
それでも、ロイの突き上げは止まらない。
「あ、あ!」
ズンズンと奥を突き上げられて、射精が終わったのに、絶頂のような快感が襲ってくる。
「ショーヘー…ん!」
一際大きく突き上げると、その奥に精液を放った。ガクガクと腰が揺れて、射精の余韻がロイを襲う。
「はぁ…」
射精が終わっても、その快感の余韻に浸り、足を抱えたまま、ゆるゆると浅い抽送を繰り返した。
そしてゆっくりと引き抜き、グタッとしている自分に覆い被さると、深いキスをしてきた。
ねっとりと舌を絡ませて、再び指で乳首を弄び始める。
「あ、ん…」
舌を吸い上げ、口内を蹂躙する。
「あ…ロイ…」
「可愛かった…、また見せて」
「…見せる、かよ…ん」
ロイがパクリと乳首を口に含むと、乳首を舌で転がす。
乳首を愛撫しながら、自分が放ち胸や腹に飛び散った精液を指でなぞる。そして、その精液を指に絡めたまま、自分のペニスを包み込むと、ゆっくりと上下に扱き出した。
「ん…、ロイ、もぅ無理」
「まだ、できるよ」
クスッと笑って、乳首を吸い上げながら、陰嚢とペニスを揉みしだく。
そのまま片足を持ち上げられると、背後から赤く熟れたアナルにゆっくりと挿入した。
すっかり力を取り戻していたロイのペニスがみっちりと中に納められ、再び始まる快感に体が震えた。
背後から揺さぶられ、それに合わせてペニスを扱かれて、舌で脇や背中を嬲られる。
果てしなく続く快感を、ただロイに与えられるまま貪る。
何度も体位を変え、ロイを受け入れる。体内に精液を注がれて、その熱さに何度も意識が飛びかけた。
「ロイ…もう…、無理…」
何度も、そう言った。
しかし、ロイはその律動を止めない。
このままだと本当に抱き潰される。
「これで最後にするから」
「うぁ!ああ!あ!」
腰を掴まれ、背後からガンガン腰を使われて、シーツを握りしめた。
右耳のピアスが律動にあわせて揺れる。
そして、数度目のロイの精液をその奥で受け止める。
「んぅ!ん…」
最後の一滴まで中に出され、荒い息のまま、ぐったりとベッドに倒れ込んだ。
ロイもはぁと息を吐いてペニスをアナルから引き抜き、ドサッとベッドに倒れた。
「あー…すげー良かった…」
あからさまに感想を言うロイに顔を顰める。
「お前な…俺の体力考えろよ…10歳近く年上なんだぞ…」
そう文句を言うが、ロイはニコニコと自分を抱きしめてくる。
「だって、我慢できねーもん」
「自重しろ」
「むーりー」
楽しそうに笑うロイを見たら怒れない。
「ショーヘーも気持ちーだろ?」
「…まぁ…そりゃーな…」
他の男に抱かれた経験がないから、なんとも言えないが、多分ロイはかなりSEX上手だと思う。
短い期間で、ここまで自分の体が開発されてしまったことが何よりの証拠だ。
ロイとのSEXに溺れているのは確かだ。
だから、あまり強くロイを怒れない。
「ショーヘーだから、何度でもしたい。1日中、SEXしててもいい」
「は?」
「閉じ込めて、俺しか見えなくなるように、何度もイかせて鳴かせまくって…」
慌ててロイの口を塞いだ。
いつか、本当にやられそうで怖い。
「愛してるよ、ほんとに。心の底から愛してる」
そっと口を塞いだ手を避けられて、顔を近づけて囁かれた。
「…狡いな…」
そう言われたら、許すしかない。
赤面しながら、自分からキスをした。
「俺も、愛してるよ、ロイ」
お返しに囁くと、ロイの顔が赤くなり、嬉しそうに微笑んだ。
ああ、この笑顔に弱い。
そう思いつつ、見つめ合い、笑った。
クリーン魔法を掛け合い、そのまま寝夜着を着ることもせずに、裸で抱き合って眠った。
その耳に、愛の証であるピアスが揺れる。
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