おっさんが願うもの

猫の手

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王都への旅路 〜ドルキア砦〜

おっさん、打ち明ける

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 さわさわと体を弄られる感触に、くすぐったくて、ふふっと笑い身を捩った。
 コロンと横向きになり、再び浅い眠りに落ちる。
 だが、しばらくすると再び背中をさわさわと弄られて、今度はうっすらと目を開けた。
 視線を動かして、弄ってくるものがなんなのか確認し、それがロイの尻尾だと気付く。
 ムクっと体を起こし、自分の隣でパタパタと揺れる尻尾をじっと見つめる。
 そのフサフサな尻尾に無償に触れたくなった。
 そっと手を伸ばして、フワッと毛先に触れると、逃げるようにパサッと向きを変える。それを追いかけて触れるが、またパサッと向きを変えた。何度か同じことを繰り返すが、触れるとすぐに逃げられた。
 どうしてもギュッとしたくて、思い切って両腕でその尻尾を包んで抱きしめてみた。そのモフモフな毛並みに、気持ちよくて顔を押し付ける。
「うわ!」
 途端にロイが起きた。
 バッと尻尾を自分から奪い返すと、真っ赤な顔をして自分を見てくる。
「な、何すんだ」
 自分から守るように尻尾を抱きしめる姿がすごく可愛くて、思わず笑った。


 すでに朝食の時間はとっくに終わり、騎士や兵士たちが慌ただしく仕事をしている。
 特に騎士達は、帰還に向けて準備を始めており、馬車の整備や馬の蹄、馬具の点検作業に追われていた。
「おはようございます」
 ロイと2人で歩いていると、後ろからルーカスに声をかけられた。
「オズワルド様がまだですが、もう皆さま揃っておいでですよ」
 そう言われてそのまま、会議室に向かう。
「おはよう」
 ルーカスの言う通り、オズワルド以外がすでに勢揃いしており、口々に挨拶を交わす。
「昨日は大変だったな、ロイ」
 グレイがロイの肩をポンと叩き、同情するような目を向ける。
「全くだ」
 ロイが昨日のセシルの姿を思い出し、ウゲーと吐くような仕草をする。
「それにしても、ショーヘーの魔法は面白いな」
 ローガンがクスクスと笑う。
「面白い、ですか?」
「そっスね。火魔法を叩き落とす人、初めて見たっスよ」
 アイザックも楽しそうに笑った。
 そこで、ん?と気付く。
 そのシーンはセシルを殴る前だ。それに気付いて、みるみると羞恥心が膨れ上がる。
「どうした?」
 ロイが赤面して小さくなった自分の顔を覗き込む。
「全部、見てたの、か?」
 その言葉にディーがニヤッと笑う。
「見てましたよ。火魔法を叩き落とす所もセシルを殴り飛ばす所も」
「そ、そっか…」
「俺の男に手ぇ出したなっていうセリフもちゃんと聞こえてましたから、安心してください」
 目の前にいる全員が揶揄いと生暖かい眼差しを向けてきて、全身を真っ赤に染めてもっと小さくなった。
「カッコよかったっスよ、ショーヘーさん!」
 唯一、アイザックだけが揶揄いではなく、本心で称賛しているのが口調でわかり、それが一番恥ずかしかった。
「くそぉ…」
 火照った顔を両手でグリグリと摩りながら、何とか平常心を取り戻そうとした。
「おはよーさん」
 そこにオズワルドが入ってくる。
「お、ショーヘー、昨日はカッコよかったなー。良かったなーロイ。俺の男にーなんて言われてよ。男冥利に尽きるわなー」
 ワハハとオズワルドが自分に止めを刺した。恥ずかしすぎて、今すぐにこの場から逃げたくなった。
「あの!あいつ、どうするんですか?」
 そんなわけにもいかず、とりあえず話題を変えようとセシルの今後を聞く。
「そっスねー。まあ獣士団はこれでやっとクビに出来るっス」
 アイザックがホッとした表情を見せた。
「でも、貴族だろう?」
「それについては、私が」
 ディーがニコリと笑った。
「彼に話したいこともあるので、行きましょうか」
 すぐに全員で地下牢へと向かった。
 外はとても良い天気だが、地下牢はとても暗く、ジメジメしていた。
 3人はそれぞれの牢屋でただ黙って座っていた。
 セシルは暴れているかとも思ったが、意外に大人しく、自分の取り巻きの2人同様に、ゾロゾロと地下へ降りてきた面々を見ても、フンと視線を逸らして床に座っているだけだった。 
 アイザックが3人が見える位置まで行くと
「セシル・シギアーノ、お前はクビ」
 すごく軽い感じでクビを宣告する。その口調がすごく嬉しそうだった。
 取り巻き2人がその言葉に慌てて鉄格子の所まで来て、すがるような目でアイザックを見るが、
「お前たちもな」
 そう言われてそのままガックリと項垂れた。
 もっと、ギャーギャーと騒ぐかと思っていたので、意外に大人しく受け入れたことに逆に驚く。
「クビになんて、出来るわけないじゃん。僕のパパはシギアーノ侯爵だよ」
 ボソッとセシルが言う。だが、前よりも覇気がない。
 ロイに睨まれて、体が萎縮してしまっているらしい。
「お前、何がしたかったんだ?」
 ロイが静かに聞いた。
「…あんたとSEXしたかったんだよ」
 その言葉にムッとした。
「英雄を自分のものにしたら、箔がつくじゃん? 一度寝たら、きっとすぐに僕の虜になっちゃうし。そこの慰み者のおっさんなんて捨てて…」
 その瞬間、ロイの怒気がセシルを襲った。爆発した怒気が魔力に乗ってセシルを貫く。
 その魔力にセシルの取り巻き2人は牢屋の奥の方へ逃げ出して小さく蹲り、セシルも恐怖にガタガタと震えた。
 慌ててグレイとローガンがロイを押さえつける。
「ロイ、落ち着け」
 自分がそう言うと、ロイはフーッと息を吐きながら魔力を抑えていく。
 自分の一言でロイが怒りを抑えたことに、ローガンがホッとしたのと同時に驚く。
 自分が慰み者と侮辱されたことで、ロイの怒りが一瞬で爆発した。
 抑えてもまだプスプスと燻っている状態に苦笑し、ロイを抑えた2人に変わって、自分がロイを抑える。
 ロイの隣に立って、その手を握ると、ギュッと握り返された。
 何とか落ち着いたロイに微笑みかけ、ガタガタと震えるセシルを見た。
 
 箔がつくとか、そういう理由でロイを襲ったことに脱力した。もっと他に、父親にロイを堕とせとか言われているのかと思っていたが、そうではなかった。
 単純に、こいつは思考が子供なんだ、と思った。
 我儘な子供のまま大人になり、父親の権力を盾にすれば我儘がまかり通ることを覚え、それを実行してきた。
 今回も、ロイを好きとかそういう理由じゃなく、英雄だからただ欲しかっただけ。
 人をおもちゃみたいに扱おうとするその思考に腹が立つ。今回はロイだったが、きっと今までにも被害にあった人がたくさんいるんだろう思った。 
 再びセシルに対して怒りが湧き起こるが、それと同時に憐れみのような感情も溢れてくる。
「今回は本当にクビっすよ」
「は?だから出来るわけ…」
 顔を上げて上官であるアイザックを見て、その後ろにいるディーが視界に入り、言葉をつぐんだ。
「権力には弱いようですね。後は私が説明しましょう」
 ディーが前に出る。
「貴方はね、王都へ移送中の大切な証人を守るという任を放棄した」
「ほ、放棄なんて」
「部屋に閉じ込めて、警護しなかったでしょう?」
 セシルが鍵をかけて閉じ込めたことがバレていることに、言葉を詰まらせた。
「ショーヘイさんの護衛任務は、王命なんですよ」
「そ、そんなこと、僕が知ってるわけ…」
 王命という言葉を聞いて、一瞬で青ざめる。
「教えるわけないでしょ、貴方は一団員に過ぎないんだから」
 ディーが冷たく言い放つ。
「例え王命じゃなかったとしても、上官命令に逆らうという行為がもはや救いようがない」
「あ…」
「わかりましたか?自分の立場が」
「でも…パパが…」
「こればかりは侯爵ももうどうしようも出来ませんよ。貴方がやった行動に関しては私という証人もいますしね」
 ディーがフンと鼻で笑った。
「それとね…」
 ディーが一段と低い声で呟くように話す。
「一番許せないのは、友人であるロイを襲ったことですよ。さらにその伴侶となるショーヘイさんを侮辱した」
「…え…」
 伴侶と言われてセシルの視線が自分へ移る。
「そんな…そんなこと、僕は知らな…」
「知らなかったで済むとでも?」
 セシルが視線を床に落とす。
「それでもパパが…」
「ああ、そのパパですけどね…」
 ディーがスッとしゃがむと、鉄格子へ近づき、ボソボソっとセシルにしか聞こえないように何かを話した。
 その瞬間、セシルがバッと顔を上げて、今度こそ本当に顔面蒼白になった。
 何を言ったのかは、その場いた全員がわからない。だが、王族であるディーが言った言葉が決定的な何かである、というのは全員が察した。そして、敢えて誰も何も言わない。
「アイザック、後は任せます」
 ディーが立ち上がってニッコリと微笑むが、全員がその笑顔の裏にある黒い影を見て、何も言わなかった。


 再び会議室へ戻り、セシルの件が片付いたことに全員がため息のような安堵の息を吐く。
「これでやっと平和になるっスよー」
 アイザックが嬉しそうに言う。
 その後、アイザックが3人の退団手続きやら、ここからの追放処分のためにオズワルドたちと話し始め、他は明日の出発のために各々準備を再開する。
「いろいろ迷惑かけたな」
 ロイがアイザックに言うと、
「逆にこっちからお礼言いたいっスよ。ロイ様が来てくれてほんと良かった」
 と笑顔で言われた。
 そして、自分をニコニコしながら見ると、
「そういえば、いつ結婚したっスか?」
 そう聞かれて、ボンッと一気に赤面した。
「結婚はまだですよ。ついね、話の流れで」
 ディーが笑い出しそうになるのを堪えながらそう言うので、ディーを赤い顔のまま睨む。
「まだ未婚なら、同じ部屋に泊まらせるわけにはいかないな」
 ローガンも揶揄い半分で言うと、
「えー!もう公認ってことでいいじゃん!」
 ロイが抗議の声を上げる。
「周りへ示しがつかんしなー」
 と話しつつも、あと1日、ロイと2人で貴賓室へ泊まり、警護も不要ということにすぐに決まった。




 その後解散して、各自明日の出発に向けて準備に入る。
 ディーはアイザックとオズワルドと共にセシルたち3人の退団手続きやその他の報告書を作るために離れ、ロイとグレイと3人で、今後も乗っていくランドール家の馬車の整備に向かった。
 自分は今後も世話になる3頭の馬に餌をやったり、ブラッシングをしてあげる。
 何故か3頭とも自分に頭を擦り付けて擦り寄ってくるので、平等に顔を撫ぜてやると3頭とも嬉しそうにブルブルと嘶いた。
 午後は、騎士団のアシュリーや他にも指導してもらえると聞きつけた者たちが大勢訓練場に集まり、ディーの魔法訓練を受けた。
 講義から始まり、基本的な火魔法から水、雷と練習が続いていく。
 想像した通り優しくはなく、かなりのスパルタで休もうものならゲキが飛び、魔力が枯渇した者からどんどんリタイアして行った。
「最後にデモンストレーションお願いします」
 と言われて、ディーが指定した炎の雨を降らせる。
 自分も魔力を大量消費出来るので好都合だと思って派手にやったが、またやり過ぎだと怒られた。




 夕食を終え、部屋に戻る。
 ロイは自分と同室になったことでずっとご機嫌で、昼前に怒りを爆発させたことなどとっくに忘れているかのようだった。

「ん…あ…はぁ…」
 チャプチャプとお湯が揺れる。
 バスタブの中でロイに背後から抱きしめられ、体を揺すられる。
 お湯の中でロイのペニスを受け入れて、中を抉るように突き上げられ、喘ぎが止まらない。
「あ、あぁ…」
 背後から回された手が乳首を擦り、先端を引っ掻くように指先で弄りながら、もう片方の手で陰嚢ごとペニスをゆるゆると扱かれて、快感でどうにかなりそうだった。
「ショーヘー、気持ちいい?」
「ん…あぁ…いいよ…んぁ」
 腰を上へ突き上げるようにグングンと動かされ、バスタブのお湯がバシャバシャと大きく揺れ波打って溢れていく。
「俺も気持ちいいよ…」
 耳元で囁かれ舐められると、さらにゾクゾクと快感が背筋を這い上がる。
「あぁ!あ!も、だめ!」
 お湯の揺れが激しくなって、叫ぶ。
「熱い!のぼせる!!」
 自分の言葉にロイが笑うと、一気に追い上げられた。
 腰を掴まれて下に引き下げる動きと、下から突き上げる動きを連動させ、何度も深く突き上げられる。
「あ!あ!あー!!」
 その奥まで届くロイのペニスに、あっという間に追い上げられ、絶頂を迎えた。
「ック…」
 イッた瞬間ギュゥッと締まるアナルに、ロイも中へ精液を放つ。
 そのままクタッとロイの胸へ背中を預け、ハァハァと荒い呼吸を整える。
「可愛い、ショーヘー」
 SEXのせいかお湯のせいか、ピンク色に染まった頬にキスをする。
「…熱い…のぼせる…」
 そう呟くと、ロイがごめんごめん、とアナルからペニスを引き抜き、クリーン魔法をかけつつ、体を拭いて、寝夜着を着せてくれる。
 ロイの至れり尽くせりの行動が恥ずかしいのだが、熱くてのぼせ気味の体がだるくて、ボーッとする頭で動かせない。
「のぼせちゃったか」
 クタッとしている自分を姫抱きにしてベッドまで運んでくれたが、それに対して文句も言えず、されるがまま運ばれた。
 冷たいタオルを額に当てられて、その気持ち良さにハーッと息をはく。
「風呂で、もうやらない」
 そう文句を言うと、ロイがハハッと笑いながら、頭を撫でた。
「ショーヘー」
 見えないが、ロイが自分を見下ろしているのがわかる。
「んー?」
「嬉しかったよ。お前が俺のために怒ってくれて。
 俺の男って叫ばれてさ、俺、すげー嬉しかった。ゾクゾクした」
 頭を撫でるロイの手から、その思いが伝わってくる。
 あの時は本当に頭に来ていた。
 怒りで理性なんて吹っ飛んでいて、いつもなら恥ずかしいと思って言えないことが、すんなりと出てきた。
 あれは本心だった。
「ロイ」
 目元を冷えたタオルで隠したまま、ロイを呼ぶ。
「ん?」
 隣で横になり、肘を枕に自分の頭を撫でていたロイが返事をする。
「俺さ…、セシルがお前を襲う計画してたの、知ってた」
「…そうか」
「偶然聞いて、知ってたけど、お前に言わなかった」
「うん」
 ロイが相槌を打つだけで、何も言わない。
「俺、お前を試したんだ」
 ロイの手が止まる。
「セシルに誘われて、お前があいつを抱くのか、それとも無視するのか。試したんだ」
 自分の中で渦巻く醜い嫉妬や独占欲を剥き出しにして、我慢することが出来なかった。
 ロイが絶対に無視すると、自分を選ぶという確信が欲しかった。
 これは完全な自分のエゴだ。
 その結果、ロイだけじゃない、いろんな人に迷惑をかけた。夜中に自分をおいかけて走り回った騎士、叩き起こされたオズワルド達、部屋も破壊されて。あの3人だって、自分に怪我を負わされることもなかったかもしれない。
「ロイが、俺を選ぶのか、知りたくて…」
 涙が出てくる。
「あいつに、慰み者って侮辱されて…悔しくて…見返したくて…」
 目元のタオルを目に押し付けて、涙をタオルに吸わせる。
「ごめん、ロイ」
 最後に謝った。
 ロイに注意しろと言っておけば良かったと、事が終わった後にものすごく後悔した。
 だから、今打ち明けた。
 本当に狡いと思う。ロイが自分のものだと認識するためだけに、言わなかった。セシルの企みを利用した。
 ただの我儘じゃないか、と。
 ロイの指が自分の唇に触れた。ビクッと体が震える。
 そのままツッと唇を滑る。そして衣擦れの音がして、ロイの唇が重ねられた。
「愛してる」
 唇が離れ、低いで声で言われた。
「何度でも試せばいい。それでショーヘーの気が済むなら、何度でも」
 ゆっくりとタオルを取られた。
「俺は絶対お前を選ぶよ」
 涙が溜まった目を見つめられて言われ、嬉しくてますます涙が溢れ出す。
 慌ててタオルを奪い返すと目元に戻した。
「泣くほど俺が好き?」
 クスッと笑いながら聞かれる。
「前に言ったろ?ショーヘーの傷付いた心も、恐怖も、全部丸ごと愛するって」
 ロイの手が再びタオルを取る。
「ショーへーの嫉妬も、独占欲も、怒りも、全部まるごと俺のものだ」
 ロイの手が寝夜着の上から体をなぞる。
「この体も俺のものだ」
 その言葉と声にゾクっと鳥肌が立つ。
「俺もお前のものだよ。だから何度でも試していいよ」
 そう言って再びキスをする。
「ん…」
 舌を絡ませ、キスで思いを確かめ合うように、長くじっくりとお互いの唇を味わう。
「ロイ、好きだよ。愛してる」
「ああ、俺も愛してる」
 何度も愛を囁き合い、抱きしめ合った。




「みんなにも悪いことしちゃったな…」
 ロイの肩に頭を預けて、抱きしめられながら横になる。
「いーのいーの。それはお前が気にすることじゃねーよ。
 結果としてあのガキを退団させられたわけだし。アイザックなんて踊り出しそうなくらい喜んでたじゃん」
「そうかな…」
「昔から団員同士の色恋沙汰はあったからな。レイプこそないが、寝取った取られただのはあったよ」
「へぇ…」
 そうは言うが、どうしても罪悪感が残る。
 そんな自分に、ロイがニヤリと笑った。
「じゃぁ、お詫びしてもらおうかな」
 突然ギュッと抱きしめられて、耳元に口を寄せる。
「今度、俺の前でオナニーして見せて…」
「!!」
 そう囁かれ、その内容にガバッと起き上がる。
「な、何言って!」
「悪いと思ってるんだろ?」
 ニヤニヤするロイに、顔を真っ赤にする。
「む、無理無理無理」
「なんで、お詫びしたいんだろ?」
「それと、オナ…は関係ないだろ!」
 ロイの言い方にワナワナと震える。
「今度見せてねー」
 ワハハと笑うロイに、口をグッと結ぶと、もー知らん!とバフッと背中を向けて横になった。
 しばらくロイは笑っていたが、背後から自分を抱きしめるように、ロイも横になり、その暖かさにゆっくりと眠りについた。






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