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王都への旅路 〜旅の準備〜
20.おっさん、ショックを受ける
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夜20時を過ぎた頃、すっかり食堂も食事ではなく飲みの客の方が多くなり、わいわいと賑わっていた。
ロイとグレイが戻った後食堂で合流した。2人ともすっかり別の旅の装いになっていた。村人の服よりもずっと似合う。
「ショーヘー…」
ロイがすかさず自分を見つけて隣に座ると横から抱きついてきた。そしてグリグリと頭を押し付け顔を押し付け、鼻を押し付けて匂いをクンクンと嗅いでくる。
「酒臭!」
そう言って、腕でグイッと押し返すが、それでもグリグリと擦り寄ってくる。
「ショーヘーが足りないー、補充させてー」
「俺は栄養剤か!」
思わず突っ込む。
「あー、うっとーしー」
グイグイとロイを引き剥がすべく悪戦苦闘する。
自分とロイがジタバタとしている中、ディーは完全に無視して話を進める。
「どうでした?」
「色々わかったぜ~」
グレイも少々ほろ酔いで、少しだけ赤い顔をしていた。
情報収集のために酒場を何軒かはしごしてきたらしい。
店員に人数分のお茶を頼み、飲み物が到着した後、報告が始まる。
もちろん遮音した状態でだ。
「ジュノーの噂に関してだが、あらかた予想してた通りだな。すでにその存在が現れたことは広まってる」
「まとめると、現れた場所や性別、容姿は全くバレてねーな。こっちから情報流さなくても、勝手に憶測で広まってる感じだわ」
ロイも自分に抱きつきながら話に参加する。
「なるほど」
「ただ、王都に向かってるという話はかなりの数の噂があった」
「転移魔法陣が破壊されたことは公表されてねーみてーだし、もう王都で保護されたって話もあったな」
ようやっとロイが自分を離す。
「注意すべきは、すでに他国の間者が多数入り込んでるってことだな。酒場にいた門兵に聞いたんだが、ここ数日で他国からの商人や旅人がやたら増えたそうだ」
「予想通りですか」
「んだんだ。ということで、このまま王都に真っ直ぐ向かうのはかなり危険っつーことで、やっぱり海な」
ロイはどうしても海に行きたいようだ。海、海とウキウキしている。
「伝達魔鳥も、一羽も戻ってこないので、ロイが予測した通りになりましたね」
「そのうち1羽だけ戻ってきて、どこそこの魔法陣が無事って情報が入って来るぜ」
「でしょうね」
しばし間があいて、
「ロイの希望通り海に向かいますか」
とため息混じりに言う。
ロイとグレイが、やった!とハイタッチを交わす。そんな2人に盛大なため息を吐いていた。
「最後にもう一つ、スペンサーらしき情報が」
グレイが神妙な面持ちになる。
酒場で情報収集する前に、治療院で話を聞くと、数日前に右肘から先を無くした黒づくめの男が現れたそうだ。
怪我の原因については何も言わず、右腕の再生を依頼してきたそうだが、その腕は完全に消滅しており、再生出来なかったと。
「あー、それ、スペンサーだわ。ショーヘーの魔力で腕が蒸発したの見た」
ロイが答える。
自分でやった記憶がないので、いまいちピンと来ない。
「で、こっからが重要」
グレイが声を落とす。
「奴の雇い主、王都にいる貴族の誰かってこと。治療中にずっとぶつぶつと言っていたらしんだが、聞こえてきた単語を繋げると、そういうことらしい。スペンサー自身、王都からロイの家に向かっているから、間違いなく誰かのお抱えだろうな」
「まあ、あいつが単独でジュノーを狙うわきゃねーし、裏で誰かが糸を引いてんだろうけどよ、この国の貴族とはね」
ロイが呆れたように言い、最後に、
「これだからお貴族様は嫌なんだよ…」
舌打ちをして独り言のように小さい声で呟くのを聞いて、過去に何かあったんだと思った。
「首謀者の件は私が。伝達魔鳥も使えないので今すぐどうこう出来るわけではありませんが」
首謀者よりも王家の一員であるディーの方が確実に立場が上だ。なんか色々としがらみや何かがあるんだろうな、と黙って聞いていた。
「で、そっちはどうだった?楽しかったか?」
報告がひと段落して、話を打ち切ると、グレイが自分に聞いてきた。
「ああ、楽しかったよ。美味いもんも食えたし、いろんな場所に行ってきたし、ディーに色々と教えてもらった」
「良かったな」
グレイはそう言って頭を撫でてくる。まるで子供にするように。
止めろと、グレイの大きな手を両手で避ける。
「一つ残念だったのは、ナンパがうるさくて」
そんな自分の言葉にロイが反応した。
「はぁ!?ナンパだぁ!?俺のショーヘーに!?」
いつからお前のモノになったんだと突っ込みたくなったが、そう言えば付き合っているんだったと思い出して黙り込む。
「それは仕方ないですよ。私が一緒でしたからね」
ディーがさらりと髪をはらう。
3人ともはいはいと受け流す。
「まあ、確かに半分は私目当てでしょうけど、もう半分はショーヘイさん目当てですけどね」
「あはは、それはないって。俺はお前のおまけ扱いだって」
笑ってそう言ったが、
「気付いてないんですか?かなり色目を使われてたじゃないですか」
「えーまっさかー」
と思ったが、言われてみれば体に触れてこようとした奴や、好みだタイプだと言われた気が…する。途中からうんざりして聞いていなかったからよく覚えていないが。
「ないない」
そう言ってアハハと笑い飛ばす。
「ショーヘーは可愛いからなー」
「38のおっさん捕まえて可愛いってなんだよ💢」
ディーが飲みかけていたお茶を吹いた。
「は?」
「え?」
「ん?」
3人が自分を見る。
ロイもポカンとしていた。
たっぷり1分近く間があいた。
「38?嘘だろ?」
グレイが声を震わせて聞いてくる。
「嘘じゃねーよ。ってかお前ら俺を何歳だと思ってたわけ?」
「25」「28」「20代」ロイ、グレイ、ディーがそれぞれ答える。
若く見えるのはいいことだと思うが、いくらなんでも10歳以上若くは見えないだろー、と思う。
元の世界で社交辞令として若いと言われることはあったが、それでも年相応の姿で、流石に20代に間違えられたことなんて一度もない。
自分としても若作りよりもイケオジを目指していたんだが…。
もしかして、日本人だからなんだろうか、と思う。アジア人は欧米諸国から見ると童顔らしく若く見られるらしいし。
「嘘だろ、この中で一番年上とか、あり得ん…」
グレイが俯いて頭を抱え込む。
いや、失礼だろ💢
「みんな俺より下か。何歳だよ」
聞いてみると、ロイとディーが29、グレイが26と一番若かった。
「38…?」
ディーがブツブツと呟く。
「俺は38でも問題ない。可愛いことには変わらないし」
ロイがそう言って抱きついてくる。
「だから可愛いって言うな」
そんなロイを引き剥がそうとしていると、
「まあ確かに可愛いな」
「可愛いですよね」
グレイもディーも可愛いを連発してきて、ムキー💢となってしまった。
「じゃあ、あの人は!」
後ろを見て食堂にいた同年代くらいの男を指差す。
「あれはどう見てもおっさんだろ」
「おっさんにしか見えん」
「おっさんですね」
3人が即答する。
「あれは!」
「おっさん」
食堂にいた客の中から数人試したが、全ておっさんだった。
「一体何が違うんだよ。見た目だってほぼ同じじゃねーか」
頭を抱え込む。
「大体可愛いっていうのは普通ああいう子のことを言うんじゃないのか?」
店員の狐耳と尻尾の女の子を指差した。
「ああ、あの子は可愛い」
3人が3人とも女の子を見て可愛いと言った。
店員の女の子が見られていることに気付いてこちらを見るとニッコリと微笑む。その笑顔がとても可愛い。
あの子と俺が同じ可愛いって…。
この世界の可愛いの基準はいったいどこにあるんだ。
「俺のどこが可愛いんだよ…」
もう泣きそうだった。
「見た目」
ロイとグレイは即答したが、ディーだけは少し考えた後、
「見た目もありますが…、そうですね、雰囲気ですかね。ホワホワしてると言うか」
「ああ、それな。なんかフワフワしてて撫でたくなるよな」
グレイもディーの言葉に納得していた。
男のプライドが少しづつ崩れていく。
「ホワホワ、フワフワって…」
今までの世界が平和すぎてそういう雰囲気なのか。平和ボケってことなのか。
「雰囲気が可愛いの意味がわからん」
口を尖らせて言う。
「じゃー、聞いてみっか?」
グレイが先ほどの女の子を手招きする。
「御用ですか?」
高くてコロコロとした可愛い声だ。
これが「可愛い」なんだと思い切り訴えたい。
「あのさ、この人どう思う?」
グレイが自分を指さす。
「どう、とは?」
「どう見えるかってこと」
「ああ、そうですね…」
女の子にじっと見つめられた。
その瞳に見つめられて、少し照れてしまう。
「とても…可愛らしい方だと思います」
ニッコリと微笑まれた。
「だろ?」
「ほらな?」
「やっぱりね」
ガーンとどこぞのコントのように大きなタライが頭の上に落とされた気がした。そのまま全身がガラガラと崩れていく。
立ち直れないかも…。
俺の目指したイケオジって一体…。
ガックリと項垂れ肩を落とす。
「あの、私何か悪いこと言っちゃいました?」
女の子が自分の様子を見てオロオロする。
「いや、なんでもねーよ。こいつ、自分が可愛いってことを認めなくてな」
さらにグレイが追い打ちをかけてくる。
「あ、そうだったんですね。大丈夫です。私はとっても可愛い方だと思いますよ。きっとみんなそうおっしゃると思います」
とハートマークを飛ばして明るい声で言われる。女の子は何か勘違いをしたらしい。キュルンとしたアイドルのようなポーズをして立ち去っていく。
彼女のさらなる追い討ちに、崩れた自分はさらに灰になった。
ディーとグレイが堪えきれずに声に出して笑い始め、ロイは自分を抱きしめて可愛い可愛いと撫でてくる。
こいつら、覚えてろよ。
絶対見返してやる。
そう決意した。
「もー拗ねるなってー」
「うっさい!」
部屋に戻った後も立ち直れず、すぐさま不貞寝に入った。
ロイがご機嫌を取ろうと話しかけてくるが、灰になってしまった男のプライドが元に戻らず涙ぐむ。
「そんなに可愛いって言われるのが嫌か」
「嫌だよ!恥ずかしーだろ!」
ガバッと起きて後ろのロイに言う。
だが、ロイにふわっと抱きしめられた。
「ちょっ」
「可愛いもんは可愛い。仕方ない」
「💢」
ロイの背中の服を引っ張って引き剥がそうとするがびくともしない。
「でもそんな嫌なら、もう他の奴らには言わせないから」
「…お前は?」
「俺は言うよ。だって可愛いもん」
チュッと唐突にキスされた。
「俺だけの特権ってことで」
間近で綺麗な顔の笑顔に思わず赤面する。
ロイの顔は綺麗でイケメンで、顔を近づけられるとどうしても照れてしまう。
「…ロイは綺麗だよな」
「は?」
間近でロイが驚く。
「綺麗、は言われたことないな」
「綺麗だよ、すごく」
ロイが赤面した。
あ、と思い、意趣返しの意味も込めて綺麗だと繰り返す。
「もー言うな」
本気で照れているようで、やり返せたことに嬉しくなる。さらに連呼すると、キスで口を塞がれて、そのまま押し倒された。
「ん…」
軽いキスを繰り返し、パチっと目が合うとアハハと笑った。
再び唇が重なり、今度は舌を絡ませる濃厚なものに変わる。
「ん…ぁ…」
舌を絡めて吸われる度に、頭の芯が痺れるような快感が襲ってくる。
やがてロイが唇を離し、首筋から耳元へ唇を滑らせると、
「ショーヘー…シたい…」
そう囁かれた。
「え…?」
一瞬意味がわからず聞き返したが、その意味をすぐに理解する。
「あ…え…」
返事に戸惑うと、ロイはすぐに自分の上から避けた。
「いや、いいよ。ごめん」
顔を背けて背中を丸めている姿を見て、不意に切なくなった。
そうだよな、ロイは俺のことを好きで、俺たちは付き合ってて、今は2人きりで…。
もし自分がロイの立場だったら、好きな人の側にいて、ヤリたい思うのは当たり前だ。実際に今までの自分はそうだった。
ただ…男女間のSEXとはわけが違う。しかも自分は受け身側。やり方は知識として知っているが、まだ抵抗がある。
それでも、同じ男としてロイの気持ちは痛いほどによくわかる。
たっぷりと間を開けて、赤くなったり青くなったりと百面相を繰り返し、そして決意した。
手を伸ばすと、クイクイっとロイの服を引っ張った。
「あ…あの…と、と、とと」
「…とと?」
振り向いたロイが首を傾げる。
「と、と、途中まで、なら…シても、いい」
顔から火が吹きそうだ。
途中までなんて、かなり生殺しだと思う。それでも、これが今の自分に出来る精一杯だった。
その途端、ガバリとロイに組み伏せられた。そのまま少し乱暴にキスをされた。
「途中でやっぱり無理って言われても、もう止められないから…」
耳元で囁かれて、ゾクゾクと快感が背筋を走る。
覚悟を決めた。
「ん…あ…あぁ…」
ロイの舌が耳を嬲り、首筋を這う。
時折り首元を吸われ、小さな赤い跡を残していく。
着ていたシャツの裾から手を入れられて、さっきから乳首をずっと弄られて、ジクジクと痛みに近い快感に襲われていた。
シャツをたくしあげられて、そのまま脱がされると上半身をロイに曝け出し、いじられてプクリと小さく立ち上がった乳首を見られて体を赤く染める。
首筋から体のラインを辿るように舌が滑り降りていく。さっきから指で弄られていた乳首へ到達すると、形を確かめるように舐めあげられて、ビクビクと体が跳ねた。
「あん、ん、あぁ」
舐められ、吸われ、舌先で弾かれて、声が上がる。
こんな声が出るなんて、自分でも思わなかった。
最初は恥ずかしくて我慢していたが、一度強烈な快感を味わうと、もう声は抑えられなくなっていた。
「ん、ん」
それでも、どうしても我慢しようとして自分の手で口元を抑えてしまう。そのくらい声が我慢できない。
「ショーヘー…」
胸から腹へ舌が下がっていく。
そして、ゆっくりと下着ごとズボンを脱がされて、ロイの眼前にいきり勃ったペニスを曝け出した。
ロイもシャツを脱ぎ捨て、口を塞いでいた手を剥がされると、濃厚なキスが降ってくる。
「声…我慢しないで…」
熱いキスとロイのため息に近い声にゾクゾクと快感が走る。それに合わせて触れてもいないのに自分のペニスがビクビクと反応して揺れた。
ペニスからはとっくにその鈴口から蜜が溢れて、塞ぐものがなくなったために、トロトロと竿を伝いおりていた。
ロイが体を起こし、じっくりとその様子を見下ろし、眺めてくる。
そのロイの裸を見て、自分と同じ構造をした体なのに、目のやり場に困る。思わず、目線を逸らして横を向いた。
ギシッとベッドが軋み、ロイが自分の足を掴むと、足を左右に開かせて体を滑り込ませる。そしてジュルッと音を立ててペニスの先端を吸いあげた。
「!!ああぁ!」
目の前がチカチカする。
ゆっくりと竿全体を口に含まれ、舌先を鈴口に押し付けてくる。
「あ、あ…」
足を折り曲げ、太ももから抱え上げられて、無意識に逃れようとする体を押さえ込まれた。
今までもフェラチオをされた経験はあるが、こんなに強い快感は初めてだった。
ロイの頭が上下に揺れ、唇と舌でペニスを扱かれて、ガクガクと痙攣に近い震えが体を襲う。
「あ、あぁ、あ…、ロ、イ…も、ダメ…離し、て」
ペニスを咥えられてまだ間もないのに限界を迎えていた。
自分の言葉の後、何度か強くジュルッジュルッと音を立てて舐め上げられると、口を離してすぐに手で握り込み、上下に扱かれて性急に追い上げられた。
「ーー!!!」
言葉にならない喘ぎと共に、体をのけぞらせる。その瞬間鈴口から勢い良く精液が放出され、自分の胸へ散った。
「あ…はぁ…」
イカされて、絶頂の余韻に体をピクピクと痙攣させる。
ロイは、ペロリと舌なめずりすると、素早くズボンの前をくつろげると己のペニスを取り出した。そのまま、膝立ちの状態で自分の快楽の余韻に浸っている体を見下ろして、ペニスを前後に扱き出す。
時折り、射精後の力をなくした自分のものにロイのペニスの先端を擦りつけられて、その刺激に小さく喘いでしまう。
「ハァ、ハァ」
ロイの呼吸が次第に荒くなり、手の動きも早くなって、
「ショーヘー」
名前を呼ばれた次の瞬間、同じく自分の胸に射精した。
お互いの精液に濡れた胸もとを気にすることなく、ロイが体を重ねてくる。
そして軽いキスから舌を絡ませあうキスを何度も繰り返して、初めての情事が終わった。
「好きだ、ショーヘー」
「うん…」
ロイの重みを感じる。
そのロイの頭を抱きしめると、頭の中でごめんと謝罪した。
自分はまだロイに好きだと言っていない。ただロイの気持ちを受け止めただけだ。キスも、途中までだが体も許したが、まだ感情の答えは出せていない。
本当にごめん
そう心から思った。
朝、早々に宿を出る。
ディーが野兎亭の女将と話している間、宿屋の玄関付近で立って待っていたのだが、
「ほら、あれ…」
「ああ、きっとそうだ…」
何やら先ほどから通りすぎる宿泊者からコソコソと囁かれる。
「?」
自分をチラチラと見て、ニヤニヤしている人たちの姿に、嫌な感じだな、と思った。
自分の服装がおかしいのかと思って確認してみたが、どこにも異常はない。
「よぉ、兄ちゃん。出発かい?昨日はいいもん聞かせてくれてありがとな」
初日に声をかけてきた酔っ払いだった。
聞かせる?
と訝しんでいたが、
「じゃあな、良い旅を」
と手を振って行ってしまう。
思わず手を振り返してしまったが、突然グレイが上から自分とロイの肩に両腕を乗せ、スクラムを組むようにのしかかってきた。
「あのよー…」
グレイが押し殺した声で言う。
「部屋に遮音魔法かけ忘れただろ」
そう言われて、やっと気がついた。
「な、な」
カーッと顔がこれでもかと赤くなり、口がワナワナと震える。
ロイも片手で顔を覆って、あー…と項垂れる。
つまり、あの時の声が不特定多数に聞かれていたのだ。
昨日に引き続きショックで気を失いそうになった。
遮音魔法、最優先で教えてもらおう。
そう決めた。
ロイとグレイが戻った後食堂で合流した。2人ともすっかり別の旅の装いになっていた。村人の服よりもずっと似合う。
「ショーヘー…」
ロイがすかさず自分を見つけて隣に座ると横から抱きついてきた。そしてグリグリと頭を押し付け顔を押し付け、鼻を押し付けて匂いをクンクンと嗅いでくる。
「酒臭!」
そう言って、腕でグイッと押し返すが、それでもグリグリと擦り寄ってくる。
「ショーヘーが足りないー、補充させてー」
「俺は栄養剤か!」
思わず突っ込む。
「あー、うっとーしー」
グイグイとロイを引き剥がすべく悪戦苦闘する。
自分とロイがジタバタとしている中、ディーは完全に無視して話を進める。
「どうでした?」
「色々わかったぜ~」
グレイも少々ほろ酔いで、少しだけ赤い顔をしていた。
情報収集のために酒場を何軒かはしごしてきたらしい。
店員に人数分のお茶を頼み、飲み物が到着した後、報告が始まる。
もちろん遮音した状態でだ。
「ジュノーの噂に関してだが、あらかた予想してた通りだな。すでにその存在が現れたことは広まってる」
「まとめると、現れた場所や性別、容姿は全くバレてねーな。こっちから情報流さなくても、勝手に憶測で広まってる感じだわ」
ロイも自分に抱きつきながら話に参加する。
「なるほど」
「ただ、王都に向かってるという話はかなりの数の噂があった」
「転移魔法陣が破壊されたことは公表されてねーみてーだし、もう王都で保護されたって話もあったな」
ようやっとロイが自分を離す。
「注意すべきは、すでに他国の間者が多数入り込んでるってことだな。酒場にいた門兵に聞いたんだが、ここ数日で他国からの商人や旅人がやたら増えたそうだ」
「予想通りですか」
「んだんだ。ということで、このまま王都に真っ直ぐ向かうのはかなり危険っつーことで、やっぱり海な」
ロイはどうしても海に行きたいようだ。海、海とウキウキしている。
「伝達魔鳥も、一羽も戻ってこないので、ロイが予測した通りになりましたね」
「そのうち1羽だけ戻ってきて、どこそこの魔法陣が無事って情報が入って来るぜ」
「でしょうね」
しばし間があいて、
「ロイの希望通り海に向かいますか」
とため息混じりに言う。
ロイとグレイが、やった!とハイタッチを交わす。そんな2人に盛大なため息を吐いていた。
「最後にもう一つ、スペンサーらしき情報が」
グレイが神妙な面持ちになる。
酒場で情報収集する前に、治療院で話を聞くと、数日前に右肘から先を無くした黒づくめの男が現れたそうだ。
怪我の原因については何も言わず、右腕の再生を依頼してきたそうだが、その腕は完全に消滅しており、再生出来なかったと。
「あー、それ、スペンサーだわ。ショーヘーの魔力で腕が蒸発したの見た」
ロイが答える。
自分でやった記憶がないので、いまいちピンと来ない。
「で、こっからが重要」
グレイが声を落とす。
「奴の雇い主、王都にいる貴族の誰かってこと。治療中にずっとぶつぶつと言っていたらしんだが、聞こえてきた単語を繋げると、そういうことらしい。スペンサー自身、王都からロイの家に向かっているから、間違いなく誰かのお抱えだろうな」
「まあ、あいつが単独でジュノーを狙うわきゃねーし、裏で誰かが糸を引いてんだろうけどよ、この国の貴族とはね」
ロイが呆れたように言い、最後に、
「これだからお貴族様は嫌なんだよ…」
舌打ちをして独り言のように小さい声で呟くのを聞いて、過去に何かあったんだと思った。
「首謀者の件は私が。伝達魔鳥も使えないので今すぐどうこう出来るわけではありませんが」
首謀者よりも王家の一員であるディーの方が確実に立場が上だ。なんか色々としがらみや何かがあるんだろうな、と黙って聞いていた。
「で、そっちはどうだった?楽しかったか?」
報告がひと段落して、話を打ち切ると、グレイが自分に聞いてきた。
「ああ、楽しかったよ。美味いもんも食えたし、いろんな場所に行ってきたし、ディーに色々と教えてもらった」
「良かったな」
グレイはそう言って頭を撫でてくる。まるで子供にするように。
止めろと、グレイの大きな手を両手で避ける。
「一つ残念だったのは、ナンパがうるさくて」
そんな自分の言葉にロイが反応した。
「はぁ!?ナンパだぁ!?俺のショーヘーに!?」
いつからお前のモノになったんだと突っ込みたくなったが、そう言えば付き合っているんだったと思い出して黙り込む。
「それは仕方ないですよ。私が一緒でしたからね」
ディーがさらりと髪をはらう。
3人ともはいはいと受け流す。
「まあ、確かに半分は私目当てでしょうけど、もう半分はショーヘイさん目当てですけどね」
「あはは、それはないって。俺はお前のおまけ扱いだって」
笑ってそう言ったが、
「気付いてないんですか?かなり色目を使われてたじゃないですか」
「えーまっさかー」
と思ったが、言われてみれば体に触れてこようとした奴や、好みだタイプだと言われた気が…する。途中からうんざりして聞いていなかったからよく覚えていないが。
「ないない」
そう言ってアハハと笑い飛ばす。
「ショーヘーは可愛いからなー」
「38のおっさん捕まえて可愛いってなんだよ💢」
ディーが飲みかけていたお茶を吹いた。
「は?」
「え?」
「ん?」
3人が自分を見る。
ロイもポカンとしていた。
たっぷり1分近く間があいた。
「38?嘘だろ?」
グレイが声を震わせて聞いてくる。
「嘘じゃねーよ。ってかお前ら俺を何歳だと思ってたわけ?」
「25」「28」「20代」ロイ、グレイ、ディーがそれぞれ答える。
若く見えるのはいいことだと思うが、いくらなんでも10歳以上若くは見えないだろー、と思う。
元の世界で社交辞令として若いと言われることはあったが、それでも年相応の姿で、流石に20代に間違えられたことなんて一度もない。
自分としても若作りよりもイケオジを目指していたんだが…。
もしかして、日本人だからなんだろうか、と思う。アジア人は欧米諸国から見ると童顔らしく若く見られるらしいし。
「嘘だろ、この中で一番年上とか、あり得ん…」
グレイが俯いて頭を抱え込む。
いや、失礼だろ💢
「みんな俺より下か。何歳だよ」
聞いてみると、ロイとディーが29、グレイが26と一番若かった。
「38…?」
ディーがブツブツと呟く。
「俺は38でも問題ない。可愛いことには変わらないし」
ロイがそう言って抱きついてくる。
「だから可愛いって言うな」
そんなロイを引き剥がそうとしていると、
「まあ確かに可愛いな」
「可愛いですよね」
グレイもディーも可愛いを連発してきて、ムキー💢となってしまった。
「じゃあ、あの人は!」
後ろを見て食堂にいた同年代くらいの男を指差す。
「あれはどう見てもおっさんだろ」
「おっさんにしか見えん」
「おっさんですね」
3人が即答する。
「あれは!」
「おっさん」
食堂にいた客の中から数人試したが、全ておっさんだった。
「一体何が違うんだよ。見た目だってほぼ同じじゃねーか」
頭を抱え込む。
「大体可愛いっていうのは普通ああいう子のことを言うんじゃないのか?」
店員の狐耳と尻尾の女の子を指差した。
「ああ、あの子は可愛い」
3人が3人とも女の子を見て可愛いと言った。
店員の女の子が見られていることに気付いてこちらを見るとニッコリと微笑む。その笑顔がとても可愛い。
あの子と俺が同じ可愛いって…。
この世界の可愛いの基準はいったいどこにあるんだ。
「俺のどこが可愛いんだよ…」
もう泣きそうだった。
「見た目」
ロイとグレイは即答したが、ディーだけは少し考えた後、
「見た目もありますが…、そうですね、雰囲気ですかね。ホワホワしてると言うか」
「ああ、それな。なんかフワフワしてて撫でたくなるよな」
グレイもディーの言葉に納得していた。
男のプライドが少しづつ崩れていく。
「ホワホワ、フワフワって…」
今までの世界が平和すぎてそういう雰囲気なのか。平和ボケってことなのか。
「雰囲気が可愛いの意味がわからん」
口を尖らせて言う。
「じゃー、聞いてみっか?」
グレイが先ほどの女の子を手招きする。
「御用ですか?」
高くてコロコロとした可愛い声だ。
これが「可愛い」なんだと思い切り訴えたい。
「あのさ、この人どう思う?」
グレイが自分を指さす。
「どう、とは?」
「どう見えるかってこと」
「ああ、そうですね…」
女の子にじっと見つめられた。
その瞳に見つめられて、少し照れてしまう。
「とても…可愛らしい方だと思います」
ニッコリと微笑まれた。
「だろ?」
「ほらな?」
「やっぱりね」
ガーンとどこぞのコントのように大きなタライが頭の上に落とされた気がした。そのまま全身がガラガラと崩れていく。
立ち直れないかも…。
俺の目指したイケオジって一体…。
ガックリと項垂れ肩を落とす。
「あの、私何か悪いこと言っちゃいました?」
女の子が自分の様子を見てオロオロする。
「いや、なんでもねーよ。こいつ、自分が可愛いってことを認めなくてな」
さらにグレイが追い打ちをかけてくる。
「あ、そうだったんですね。大丈夫です。私はとっても可愛い方だと思いますよ。きっとみんなそうおっしゃると思います」
とハートマークを飛ばして明るい声で言われる。女の子は何か勘違いをしたらしい。キュルンとしたアイドルのようなポーズをして立ち去っていく。
彼女のさらなる追い討ちに、崩れた自分はさらに灰になった。
ディーとグレイが堪えきれずに声に出して笑い始め、ロイは自分を抱きしめて可愛い可愛いと撫でてくる。
こいつら、覚えてろよ。
絶対見返してやる。
そう決意した。
「もー拗ねるなってー」
「うっさい!」
部屋に戻った後も立ち直れず、すぐさま不貞寝に入った。
ロイがご機嫌を取ろうと話しかけてくるが、灰になってしまった男のプライドが元に戻らず涙ぐむ。
「そんなに可愛いって言われるのが嫌か」
「嫌だよ!恥ずかしーだろ!」
ガバッと起きて後ろのロイに言う。
だが、ロイにふわっと抱きしめられた。
「ちょっ」
「可愛いもんは可愛い。仕方ない」
「💢」
ロイの背中の服を引っ張って引き剥がそうとするがびくともしない。
「でもそんな嫌なら、もう他の奴らには言わせないから」
「…お前は?」
「俺は言うよ。だって可愛いもん」
チュッと唐突にキスされた。
「俺だけの特権ってことで」
間近で綺麗な顔の笑顔に思わず赤面する。
ロイの顔は綺麗でイケメンで、顔を近づけられるとどうしても照れてしまう。
「…ロイは綺麗だよな」
「は?」
間近でロイが驚く。
「綺麗、は言われたことないな」
「綺麗だよ、すごく」
ロイが赤面した。
あ、と思い、意趣返しの意味も込めて綺麗だと繰り返す。
「もー言うな」
本気で照れているようで、やり返せたことに嬉しくなる。さらに連呼すると、キスで口を塞がれて、そのまま押し倒された。
「ん…」
軽いキスを繰り返し、パチっと目が合うとアハハと笑った。
再び唇が重なり、今度は舌を絡ませる濃厚なものに変わる。
「ん…ぁ…」
舌を絡めて吸われる度に、頭の芯が痺れるような快感が襲ってくる。
やがてロイが唇を離し、首筋から耳元へ唇を滑らせると、
「ショーヘー…シたい…」
そう囁かれた。
「え…?」
一瞬意味がわからず聞き返したが、その意味をすぐに理解する。
「あ…え…」
返事に戸惑うと、ロイはすぐに自分の上から避けた。
「いや、いいよ。ごめん」
顔を背けて背中を丸めている姿を見て、不意に切なくなった。
そうだよな、ロイは俺のことを好きで、俺たちは付き合ってて、今は2人きりで…。
もし自分がロイの立場だったら、好きな人の側にいて、ヤリたい思うのは当たり前だ。実際に今までの自分はそうだった。
ただ…男女間のSEXとはわけが違う。しかも自分は受け身側。やり方は知識として知っているが、まだ抵抗がある。
それでも、同じ男としてロイの気持ちは痛いほどによくわかる。
たっぷりと間を開けて、赤くなったり青くなったりと百面相を繰り返し、そして決意した。
手を伸ばすと、クイクイっとロイの服を引っ張った。
「あ…あの…と、と、とと」
「…とと?」
振り向いたロイが首を傾げる。
「と、と、途中まで、なら…シても、いい」
顔から火が吹きそうだ。
途中までなんて、かなり生殺しだと思う。それでも、これが今の自分に出来る精一杯だった。
その途端、ガバリとロイに組み伏せられた。そのまま少し乱暴にキスをされた。
「途中でやっぱり無理って言われても、もう止められないから…」
耳元で囁かれて、ゾクゾクと快感が背筋を走る。
覚悟を決めた。
「ん…あ…あぁ…」
ロイの舌が耳を嬲り、首筋を這う。
時折り首元を吸われ、小さな赤い跡を残していく。
着ていたシャツの裾から手を入れられて、さっきから乳首をずっと弄られて、ジクジクと痛みに近い快感に襲われていた。
シャツをたくしあげられて、そのまま脱がされると上半身をロイに曝け出し、いじられてプクリと小さく立ち上がった乳首を見られて体を赤く染める。
首筋から体のラインを辿るように舌が滑り降りていく。さっきから指で弄られていた乳首へ到達すると、形を確かめるように舐めあげられて、ビクビクと体が跳ねた。
「あん、ん、あぁ」
舐められ、吸われ、舌先で弾かれて、声が上がる。
こんな声が出るなんて、自分でも思わなかった。
最初は恥ずかしくて我慢していたが、一度強烈な快感を味わうと、もう声は抑えられなくなっていた。
「ん、ん」
それでも、どうしても我慢しようとして自分の手で口元を抑えてしまう。そのくらい声が我慢できない。
「ショーヘー…」
胸から腹へ舌が下がっていく。
そして、ゆっくりと下着ごとズボンを脱がされて、ロイの眼前にいきり勃ったペニスを曝け出した。
ロイもシャツを脱ぎ捨て、口を塞いでいた手を剥がされると、濃厚なキスが降ってくる。
「声…我慢しないで…」
熱いキスとロイのため息に近い声にゾクゾクと快感が走る。それに合わせて触れてもいないのに自分のペニスがビクビクと反応して揺れた。
ペニスからはとっくにその鈴口から蜜が溢れて、塞ぐものがなくなったために、トロトロと竿を伝いおりていた。
ロイが体を起こし、じっくりとその様子を見下ろし、眺めてくる。
そのロイの裸を見て、自分と同じ構造をした体なのに、目のやり場に困る。思わず、目線を逸らして横を向いた。
ギシッとベッドが軋み、ロイが自分の足を掴むと、足を左右に開かせて体を滑り込ませる。そしてジュルッと音を立ててペニスの先端を吸いあげた。
「!!ああぁ!」
目の前がチカチカする。
ゆっくりと竿全体を口に含まれ、舌先を鈴口に押し付けてくる。
「あ、あ…」
足を折り曲げ、太ももから抱え上げられて、無意識に逃れようとする体を押さえ込まれた。
今までもフェラチオをされた経験はあるが、こんなに強い快感は初めてだった。
ロイの頭が上下に揺れ、唇と舌でペニスを扱かれて、ガクガクと痙攣に近い震えが体を襲う。
「あ、あぁ、あ…、ロ、イ…も、ダメ…離し、て」
ペニスを咥えられてまだ間もないのに限界を迎えていた。
自分の言葉の後、何度か強くジュルッジュルッと音を立てて舐め上げられると、口を離してすぐに手で握り込み、上下に扱かれて性急に追い上げられた。
「ーー!!!」
言葉にならない喘ぎと共に、体をのけぞらせる。その瞬間鈴口から勢い良く精液が放出され、自分の胸へ散った。
「あ…はぁ…」
イカされて、絶頂の余韻に体をピクピクと痙攣させる。
ロイは、ペロリと舌なめずりすると、素早くズボンの前をくつろげると己のペニスを取り出した。そのまま、膝立ちの状態で自分の快楽の余韻に浸っている体を見下ろして、ペニスを前後に扱き出す。
時折り、射精後の力をなくした自分のものにロイのペニスの先端を擦りつけられて、その刺激に小さく喘いでしまう。
「ハァ、ハァ」
ロイの呼吸が次第に荒くなり、手の動きも早くなって、
「ショーヘー」
名前を呼ばれた次の瞬間、同じく自分の胸に射精した。
お互いの精液に濡れた胸もとを気にすることなく、ロイが体を重ねてくる。
そして軽いキスから舌を絡ませあうキスを何度も繰り返して、初めての情事が終わった。
「好きだ、ショーヘー」
「うん…」
ロイの重みを感じる。
そのロイの頭を抱きしめると、頭の中でごめんと謝罪した。
自分はまだロイに好きだと言っていない。ただロイの気持ちを受け止めただけだ。キスも、途中までだが体も許したが、まだ感情の答えは出せていない。
本当にごめん
そう心から思った。
朝、早々に宿を出る。
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「ほら、あれ…」
「ああ、きっとそうだ…」
何やら先ほどから通りすぎる宿泊者からコソコソと囁かれる。
「?」
自分をチラチラと見て、ニヤニヤしている人たちの姿に、嫌な感じだな、と思った。
自分の服装がおかしいのかと思って確認してみたが、どこにも異常はない。
「よぉ、兄ちゃん。出発かい?昨日はいいもん聞かせてくれてありがとな」
初日に声をかけてきた酔っ払いだった。
聞かせる?
と訝しんでいたが、
「じゃあな、良い旅を」
と手を振って行ってしまう。
思わず手を振り返してしまったが、突然グレイが上から自分とロイの肩に両腕を乗せ、スクラムを組むようにのしかかってきた。
「あのよー…」
グレイが押し殺した声で言う。
「部屋に遮音魔法かけ忘れただろ」
そう言われて、やっと気がついた。
「な、な」
カーッと顔がこれでもかと赤くなり、口がワナワナと震える。
ロイも片手で顔を覆って、あー…と項垂れる。
つまり、あの時の声が不特定多数に聞かれていたのだ。
昨日に引き続きショックで気を失いそうになった。
遮音魔法、最優先で教えてもらおう。
そう決めた。
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