罪なき人の成り上がり

今崎セイ

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69話 痴話喧嘩

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ロッド・ゲルマン、リーネ、ラクレスの三人は無事に海岸に着いた。

人間達の乗ってきた船はというと、昨日の内にオルロ・リットンによって回収され、オックス王国で研究が進んでいた。

「さぁ、やりますか」

ラクレスはそう言うと、前に進んだ。

「おいおい、やるって言っても敵はいねえぞ?」

ロッド・ゲルマンが誰もいない海岸を見てそう言った。

「たしかに..........なにすんの?」

「ったく、あんた昨日から大丈夫?」

「大丈夫..........だと願いたい..........」

ラクレスはリーネを見ながらそう言った。

「はっはっは、まぁその辺にしろ二人共、ほらっ見てみろ........」

ロッド・ゲルマンはそう言うと、遠くの海を見た。

「あれはっ!?」

「あぁ、来たぞ。」

ロッド・ゲルマンは口角を上げながらそう言った。

そして、ロッド・ゲルマンが見つめる遠くの海では、何十隻もの軍艦がこちらに向かって進んでいた。

「随分と多いな..........」

ラクレスは押し寄せてくる軍艦を見て、そう呟いた。

「何っ?ラクレスあんたビビってんの?」

「リーネ.....俺がいつビビってるって言った?」

「あんたの態度を見ればそんなこと分かるわよっ!!!!!!」

「はぁ、やっぱりリーネはおかしくなったな........昨日から。」

「はぁ!?おかしいのはあんたよっ!!!!!!」

「おいおい、二人ともそろそろ来るぞ。それともなんだ?俺に譲ってくれるのか?」

「あぁ、いいぞ譲ってやる。」「私も。」

ラクレスとリーネはロッド・ゲルマンの問いにそう答えると、再び向かい合った。

「おいおい。冗談に決まってるだろ?なぁ?」

「なによっ、隊長こそビビってんの?」

「いやいや、ビビってはないけど........数がやばいだろ、あれ。」

ロッド・ゲルマンはそう言うと、迫りくる軍艦を指さした。

すると、リーネは腕を組んで言った。

「じゃあ素直に言えばいいじゃない?私の力が借りたいですって。」

「..........」

ロッド・ゲルマンはそう言われると、黙り込んだ。

「おいっリーネ、何でそこに俺は入ってない?」

「はぁ?あんたの力なんか借りなくても、あんな奴ら私一人で行けるからねっ。」

「じゃあ、任せた。」

ラクレスはそう言うと、二人よりも一歩下がった。

しかし、

「..........ねぇラクレス?」

リーネが落ち着いた声で言った。

しかし、いつもとは違う落ち着き方。

「殺気っ!?」

ラクレスはそう呟くと、すぐリーネから距離を取った。

「逃げるなっ!!!!!!」

ラクレスは迫りくるリーネから逃げようとも考えたが、すぐに降参した方が良いと考えその場で両手をあげた。

「行けっ!!!!!!」

リーネはラクレスの前に来るなりそう言った。

「なぁ、じゃあ最初からあんなこと言わなければいいじゃん?」

ラクレスはリーネにごもっともなことを言った。

「いいから行けっ!!!!!!」

リーネはさらに激昂してラクレスを戦地に送った。

すると、ロッド・ゲルマンも後ろに下がってきた。

「隊長、なんで戻ってきたの?」

「だって、ラクレスとリーネが行くんだろ?俺は強い奴が来たら行くことにするよ。」

ロッド・ゲルマンは強い奴と戦いだけなため、雑魚はラクレスとリーネに託すという事を言った。

しかし、

「ねぇ?隊長、こんな乙女に戦わせて良いと思ってんの?ねぇ?なんか言ってくださいよ?」

リーネはロッド・ゲルマンにそう言いながら詰め寄った。

すると、

「ふんっ、何が乙女だよ?ただの化け物じゃねぇか。」

ラクレスはボソッとそう呟いた。

「ねぇ、聞こえたんだけど?誰が乙女じゃないですって?」

「あ、ごめん、まさか、聞こえてるなんて..........思ってもなかったから..........」

「ねぇ?」

リーネはそう言うと、ロッド・ゲルマンとラクレスの二人を見た。

「早く行けっ!!!!!!」

目前に迫って来ている軍艦を見てそう言った。

「わ、分かったから..........」

ラクレスはリーネを見てそう言うと振り返り、軍艦を待った。

「さぁ、色々あったがチャチャっとやっちゃおうゼ?」

ロッド・ゲルマンがラクレスの隣に立ってそう言った。

「そのつもりだ..........」

そして何十隻もの軍艦が到着した。

軍艦が到着するや否や、大量の人間が下りてきた。

その数は有に1000を越えていた。

「じゃあ、俺はあっちをやるよ。」

ラクレスはそう言って、奥にいる人間達を指さした。

「あぁ、楽しもうぜっ」

ロッド・ゲルマンはラクレスに返事をするなり、近くにいた人間に突っ込んだ。

「これだよ.....これ」

その後、ロッド・ゲルマンは斬って斬って斬りまくった。

反対に、ラクレスはというと、

「火魔法迦楼羅炎カルラエン」「水魔法三叉槍トライデント」「風魔法天叢雲アマノムラクモ」「雷魔法雷轟鎚ミョルニル」「土魔法地神槍グングニル

全属性のS級魔法を使って人間を蹴散らした。

そして、軍艦が到着して1時間もたたずして、人間側は全滅した。

「よくやったわね二人共。さぁ、戻りましょう。」

そうして、三人は報告もかねて再び城に戻っていった。
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