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番外編2
断罪2〜ローゼリア視点
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噂の内容を会で公にするのも憚られたが、既に噂を知っいる会員もいるため、今回は顛末を細かく説明することにした。
「……と言うわけで、これが今巷でよく耳にする噂です。皆様は王妃の会のメンバーでいらっしゃいますから、この噂がいかに不正確か良くお分かりでいらっしゃるかと思います。陛下はこちらの王妃の間をご覧に何度かお忍びでいらっしゃっいましたし、我が伯爵家の王妃グッズ部屋もご覧頂きましたっ!決してやましいことはございませんっ!更に言うならば、陛下から王妃グッズのオーダーを頂いたため、何度かお話もさせて頂きました。あの王妃の夫であり、国王陛下でいらっしゃっいます。素晴らしいの一言に尽きますっ!王妃の話で盛り上がることはあれど、不貞なんてーーっ!」
どんどんヒートアップする私に全員の視線が釘付けだ。
「更にっ!噂を広めた人物はこともあろうか、何とっ!あのアンドリュー殿下が、リリアナ王妃とフライト公爵の不貞の子である、とまた虚偽の話を捏造し、広めたのですっ……!何と愚かな人物なのでしょう。その人物はもしかしたら、知らなかったのかも知れません。教会がお二人の白い結婚を証明していることを……」
私がそこまで独演していると、一人の会員が立ち上がった。
「……ローゼリア様?先程からのお話、あまりにも低俗で会に相応しくないのではございませんか?」
ミラレ侯爵家ステファニー様が突然口を開いた。
(渦中の栗が何とやらね)
「申し訳ございません。が、私はこれらの噂がこの会から故意に流されたのではないか?と考えております。本当は、同じ王妃様をお慕いするお仲間を疑いたくはないのですが。噂の内容と状況からして会員の中にいるとしか考えられないのです」
「お調べになられたのですか?」
「もちろんですわ。証拠もなく、このような話を致しません」
「そうでしたの。なら仕方ありませんわね。その不届き者は本日参加していらして?」
「ええ、参加されていらっしゃいます」
「……そう」
「……自ら名乗り出てくれるのとても嬉しいのですが」
ステファニー様は表情一つ変えずに、紅茶のカップに手をかけた。
「名乗り出る方がいらっしゃらないようですので、では、私のほうから証拠の写真を皆様にお見せしたいと思いますっ!よろしいでしょうか?」
私はアレク様から写真の写しを受け取り、会場に見えるように写真を両手で掲げた。
「こちらは、情報操作専門に仕事をされているジョー氏ととある貴族令嬢の密会写真です。ジョー氏によりますと、約2ヶ月程前に依頼があり、金銭を受け取ったそうです。その時の映像が録画されておりますので、再生させて頂いても宜しいでしょうか?」
ジョー氏は金銭をチラつかせたらあっけなく寝返った。
アレク様が映像を買い取った。
「ジョー氏はトラブル回避のために、現場写真の撮影と、依頼内容の録画をされているそうです。では、少し会場を暗く致しますのでお待ち下さい」
店主がカーテンを閉めると、灯りを消した。
「……と言うわけで、これが今巷でよく耳にする噂です。皆様は王妃の会のメンバーでいらっしゃいますから、この噂がいかに不正確か良くお分かりでいらっしゃるかと思います。陛下はこちらの王妃の間をご覧に何度かお忍びでいらっしゃっいましたし、我が伯爵家の王妃グッズ部屋もご覧頂きましたっ!決してやましいことはございませんっ!更に言うならば、陛下から王妃グッズのオーダーを頂いたため、何度かお話もさせて頂きました。あの王妃の夫であり、国王陛下でいらっしゃっいます。素晴らしいの一言に尽きますっ!王妃の話で盛り上がることはあれど、不貞なんてーーっ!」
どんどんヒートアップする私に全員の視線が釘付けだ。
「更にっ!噂を広めた人物はこともあろうか、何とっ!あのアンドリュー殿下が、リリアナ王妃とフライト公爵の不貞の子である、とまた虚偽の話を捏造し、広めたのですっ……!何と愚かな人物なのでしょう。その人物はもしかしたら、知らなかったのかも知れません。教会がお二人の白い結婚を証明していることを……」
私がそこまで独演していると、一人の会員が立ち上がった。
「……ローゼリア様?先程からのお話、あまりにも低俗で会に相応しくないのではございませんか?」
ミラレ侯爵家ステファニー様が突然口を開いた。
(渦中の栗が何とやらね)
「申し訳ございません。が、私はこれらの噂がこの会から故意に流されたのではないか?と考えております。本当は、同じ王妃様をお慕いするお仲間を疑いたくはないのですが。噂の内容と状況からして会員の中にいるとしか考えられないのです」
「お調べになられたのですか?」
「もちろんですわ。証拠もなく、このような話を致しません」
「そうでしたの。なら仕方ありませんわね。その不届き者は本日参加していらして?」
「ええ、参加されていらっしゃいます」
「……そう」
「……自ら名乗り出てくれるのとても嬉しいのですが」
ステファニー様は表情一つ変えずに、紅茶のカップに手をかけた。
「名乗り出る方がいらっしゃらないようですので、では、私のほうから証拠の写真を皆様にお見せしたいと思いますっ!よろしいでしょうか?」
私はアレク様から写真の写しを受け取り、会場に見えるように写真を両手で掲げた。
「こちらは、情報操作専門に仕事をされているジョー氏ととある貴族令嬢の密会写真です。ジョー氏によりますと、約2ヶ月程前に依頼があり、金銭を受け取ったそうです。その時の映像が録画されておりますので、再生させて頂いても宜しいでしょうか?」
ジョー氏は金銭をチラつかせたらあっけなく寝返った。
アレク様が映像を買い取った。
「ジョー氏はトラブル回避のために、現場写真の撮影と、依頼内容の録画をされているそうです。では、少し会場を暗く致しますのでお待ち下さい」
店主がカーテンを閉めると、灯りを消した。
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