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番外編2

帰省

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「それにしてもシリカ?よく申請が通ったわね……」

てっきり却下されると思っていたため拍子抜けしてしまう。

「まあ、いいわ。10年間、帰省しなかったんだもの。楽しんできましょう?ほら、陛下は私がここにいないほうが意外と都合が良いのかも知れないわよ!さあ、荷造り頼んだわよっ!」

実家である公爵家には一応先触れを出し、帰省する旨を伝えた。

「何せ、王妃と王太子の帰省ですから……!準備が大変かと想像しております」

「……そうよね?まあ、いいじゃないの。昔は残念令嬢って馬鹿にしたりしてたんだから。まあ、最近弟が頑張っているからそんな使用人はいないとは思うけど。王妃の私に無礼な態度なんかしたらもう許さないんだからっ!」

「……恐れ多くて現王妃であるリリアナ様に何かするなんて……!でも、あの噂のせいで寵愛がなくなったから出戻ったなんて思われたら悔しすぎますっ……!」

「そうよね。それもあるかも知れないわねぇ。まあ、とりあえずは実家で作戦会議といきましょうか」

こうして、私とシリカ、ユンとアンドリューは実家にしばしお世話になることにした。



公務以外での初めての外出はその理由はともあれ開放感に満ち溢れていた。

「ねぇ、シリカ?公爵領も随分変わったのね」

馬車の窓から外を見ながら、昔と違う風景にワクワクが止まらなかった。

「あんなところにお店が出来たのねー。並んでるし美味しいのかもね、後日いきましょう、シリカ」

「えっ……リリアナ様?町に行かれるおつもりですか」

「え?当たり前じゃない。久しぶりの休暇なんだし」

「いや、えっと……休暇??」

まさか休暇とは考えていなかったのだろう。
シリカの反応がいちいち可愛いい。

「さて、そろそろ実家ね。ダニエルに会いたいわ」

「……母上、叔父上とはつい2日前に会いましたよ」

今まで沈黙していたアンドリューがついに口を開いた。

「そうだったかしらね?それにしてもアンドリュー、忙しいのに来てくれてありがとう。嬉しいわ」

「……いえ、大切な母上の一大事ですから。それに……僕はその……ユンと叔父上と噂の真相を探るために来たんです」

「え?そうだったの?なら、話は早いわね。私も一緒に行くわ。だってそのつもりの帰省なのよ。王宮にいたら身動き取れないもの」

「は、母上がですか?」

普段から落ち着いてるアンドリューの声が大きくなった。

「久しぶりに公爵領も見たいし?もし、本当に愛人なら見極めないといけないでしょう?ほら、シリウスがひどい目に遭うと悲しいじゃない?あ、それと……久しぶりにアレクサンダー様にもお会いしないとね。ほら、私とアレク様はそういう仲らしいから……」

アンドリューとシリカの顔色がみるみる悪くなるのを見ているのがとても楽しかった。

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