【本編完結】残念令嬢が初恋の人と結婚したら愛人がいたので死んで復讐してみたいと思います

紅位碧子 kurenaiaoko

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番外編

殿下とのやり直し初夜

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殿下……ううん。
結婚してからは、シリウスと呼んでる私。

結婚してから……と言っても、先ほど教会で2度目の誓いをしたばかり。

……誓いなんて、永遠じゃないことは経験済み。

でも、2回目の誓いが出来たことは奇跡だった。

殿下との結婚は、国との結婚でもある。
招待客から会場の規模、全てが1度目とは違った。

(……そして初夜かぁ……)

シリカに肌が透けて見えるセクシーな夜着を着せられたが、初夜と言えば……あのアレクとの衝撃的な初夜の印象しか浮かばない。

「……リリアナ様。まだのことを?今回は大丈夫ですからっ!」

それは何となく分かってる。

分かってるつもりだけどでも怖い。怖かった。

「女は度胸ですっ!」

シリカはいつの間にかこんなキャラになったんだ……?

私を夫婦の寝室に残し、引き揚げていった。

(……この相手を待つ時間が嫌だなぁ)

天井を仰ぐ。

壁を見れば薄暗い照明の明かりに、私の影が映し出されている。

(……落ち着かない……!)

私はソファから立ち上がり窓に移動する。

窓からの景色は漆黒の闇ーー。
鏡に映る自分の姿はいつになく妖艶で、目をそらしたくなった。

(……はぁ)

再度ソファに戻り、シリカが淹れてくれた気持ちが落ち着くハーブティに手をかける。

(……また結婚、したんだなぁ)

残念令嬢が、まさかの王太子妃で、まもなく王妃になるのだ。

人生、何があるか分からない。

そんなことを考えていたら、シリウスが扉をノックした。

この寝室は、殿下の部屋と、私の部屋の真ん中にある。どちらの部屋からも入れる仕組みだった。

「……リリアナ?」

恐らく始めて見る殿下の夜着姿は、あまりに艶目かしくて直視出来なかった。

「……シリウスは、髪を洗うとまた違ったイメージになる…」

私がボソッと呟いたのをシリウスは聞き逃さなかったらしい。

「……リリアナは、どっちの私が好み?」

髪をきちんと整えたキリッとしたシリウスも素敵だし、髪を降ろしたラフな感じのシリウスも自分しか知らないシリウスで嬉しい。

素直にそう伝えると、シリウスは少し照れたように私の両手を掴んだ。

「……リリアナにそう言ってもらえると嬉しい」

「……シリウス」

「……少し話をするかい?それとも……」

シリウスがベッドに視線をやる。

私はこのままの勢いでベッドに行きたかったので、シリウスの手をとり、ベッドのほうに促した。


もう過去の憂いはなかった。

ーーー
初夜編、続きます!
その後は、ミリアーヌ修道院編予定です。

誤字脱字、名前間違い(笑)などご指摘感謝申し上げます。基本的にスマホから原稿書いてるため、ちょくちょく変換ミス、間違います。。すみません。
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