上 下
22 / 61

アレクの変化

しおりを挟む
その後、シリカとユンが毎日かいがいしく世話をしてくれた。

私に意識があることを知っている二人は、仕入れた情報をひたすら話してくれた。

姉のミリアーヌが王宮の地下牢にいること。
『え?捕まったの?罪状は・・やはり不貞行為?』

実家の公爵家にも王宮の調査が入っていること。
『まあ、仕方ないよね……』

そして、一番驚くことはアルクが恐ろしいほどに別人になり、頻繁にこの部屋を訪れること。

私が大好きなシャクヤクの花と、それと何故かナナカマドの花を毎回持参してシリカに渡しているようだった。

「リリアナ様、ナナカマドの花言葉を調べてみたのですよ。私はあなたを見守る、でした」

ーーあなたを見守る??

『アレクらしい、なんだか中途半端な花言葉なこと・・・・』

それでもアレクは公爵家の領主の仕事の合間に日に何度か訪れて、世間話や懺悔などをしていく。

「君が命の恩人だって知らなかったんだ。今まで酷い扱いをして済まない」

の言葉は何度も聞いたし、もう飽きるくらいだった。

考えてみたら、

命の恩人じゃなければ扱いが雑なのもどうなのよ?

妻の実の姉と関係を持つのもどうなのよ?

幼馴染みなのにその扱いは酷くない?

アレクを許したい気持ちと、モヤモヤなよくわからない葛藤が続いていた。

(なんだかんだで、この意識だけの状態って、考えを整理するにはうってつけかもね……)

アレクの優しさは感じる。
でも……。

そんな葛藤が続いていたある日。
シリウス殿下がお忍びでやって来た。

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【R18】さよなら、婚約者様

mokumoku
恋愛
婚約者ディオス様は私といるのが嫌な様子。いつもしかめっ面をしています。 ある時気付いてしまったの…私ってもしかして嫌われてる!? それなのに会いに行ったりして…私ってなんてキモいのでしょう…! もう自分から会いに行くのはやめよう…! そんなこんなで悩んでいたら職場の先輩にディオス様が美しい女性兵士と恋人同士なのでは?と笑われちゃった! なんだ!私は隠れ蓑なのね! このなんだか身に覚えも、釣り合いも取れていない婚約は隠れ蓑に使われてるからだったんだ!と盛大に勘違いした主人公ハルヴァとディオスのすれ違いラブコメディです。 ハッピーエンド♡

嫌われ者の側妃はのんびり暮らしたい

風見ゆうみ
恋愛
「オレのタイプじゃないんだよ。地味過ぎて顔も見たくない。だから、お前は側妃だ」 顔だけは良い皇帝陛下は、自らが正妃にしたいと希望した私を側妃にして別宮に送り、正妃は私の妹にすると言う。 裏表のあるの妹のお世話はもううんざり! 側妃は私以外にもいるし、面倒なことは任せて、私はのんびり自由に暮らすわ! そう思っていたのに、別宮には皇帝陛下の腹違いの弟や、他の側妃とのトラブルはあるし、それだけでなく皇帝陛下は私を妹の毒見役に指定してきて―― それって側妃がやることじゃないでしょう!? ※のんびり暮らしたかった側妃がなんだかんだあって、のんびりできなかったけれど幸せにはなるお話です。

王太子さま、側室さまがご懐妊です

家紋武範
恋愛
王太子の第二夫人が子どもを宿した。 愛する彼女を妃としたい王太子。 本妻である第一夫人は政略結婚の醜女。 そして国を奪い女王として君臨するとの噂もある。 あやしき第一夫人をどうにかして廃したいのであった。

【完結】失った妻の愛

Ringo
恋愛
知られなければ…君を傷付けることも、君からの愛を失うことになるなんてこともないと思っていた。 愛を取り戻そうとする俺に君は言う。 『貴方がお捨てになられたのです』 ※元サヤ話です。 苦手な方はご退出くださいませ。 ※全八話+番外編三話 (公開予定済みです)

旦那様、離婚しましょう

榎夜
恋愛
私と旦那は、いわゆる『白い結婚』というやつだ。 手を繋いだどころか、夜を共にしたこともありません。 ですが、とある時に浮気相手が懐妊した、との報告がありました。 なので邪魔者は消えさせてもらいますね *『旦那様、離婚しましょう~私は冒険者になるのでお構いなく!~』と登場人物は同じ 本当はこんな感じにしたかったのに主が詰め込みすぎて......

結婚式の日取りに変更はありません。

ひづき
恋愛
私の婚約者、ダニエル様。 私の専属侍女、リース。 2人が深い口付けをかわす姿を目撃した。 色々思うことはあるが、結婚式の日取りに変更はない。 2023/03/13 番外編追加

殿下、側妃とお幸せに! 正妃をやめたら溺愛されました

まるねこ
恋愛
旧題:お飾り妃になってしまいました 第15回アルファポリス恋愛大賞で奨励賞を頂きました⭐︎読者の皆様お読み頂きありがとうございます! 結婚式1月前に突然告白される。相手は男爵令嬢ですか、婚約破棄ですね。分かりました。えっ?違うの?嫌です。お飾り妃なんてなりたくありません。

【完結】妖精姫と忘れられた恋~好きな人が結婚するみたいなので解放してあげようと思います~

塩羽間つづり
恋愛
お気に入り登録やエールいつもありがとうございます! 2.23完結しました! ファルメリア王国の姫、メルティア・P・ファルメリアは、幼いころから恋をしていた。 相手は幼馴染ジーク・フォン・ランスト。 ローズの称号を賜る名門一族の次男だった。 幼いころの約束を信じ、いつかジークと結ばれると思っていたメルティアだが、ジークが結婚すると知り、メルティアの生活は一変する。 好きになってもらえるように慣れないお化粧をしたり、着飾ったりしてみたけれど反応はいまいち。 そしてだんだんと、メルティアは恋の邪魔をしているのは自分なのではないかと思いあたる。 それに気づいてから、メルティアはジークの幸せのためにジーク離れをはじめるのだが、思っていたようにはいかなくて……? 妖精が見えるお姫様と近衛騎士のすれ違う恋のお話 切なめ恋愛ファンタジー

処理中です...