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22.拒絶

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「ま、ま、幻のぼ、冒険者っ!」

ザックがエルフィを見るなり指さした。

「……コイツ、失礼な奴だな、スー」

「え、エルフィーっ!」

私は満面の笑みでエルフィを見つめた。



「ザックは公爵家の護衛だよ?いい奴だから仲良くして?エルフィに会いたくてついて来たんだよっ」

私は床に転がされたザックが敵ではないことを伝えた。

私、エルフィに何年会ってなかっただろう?

スラリと伸びた身長。
幼さがなくなり、精悍さを増した顔つき。
筋肉が程よくついている均整の取れた身体つき。

女子なら思わずキュンとなってしまう素敵な姿は健在だった。

「……そうか」

「うん。エルフィのファンなんだって!すごいじゃん、エルフィ!!」

私はポカスカ肩を叩いた。

相変わらずの無表情っぶりだけど、悪い気はしていないようだ。

「……ああ」

「エルフィ、帰還そうそうなんだけど、スカちゃんがさ、また冒険者見習いしたいんだって。あんた、面倒みてやって?あんたの恩人だし」

「……スーから手紙をもらってたが、俺は反対だ」

「な、なんで?エルフィ?」

「そうよ、冷たいじゃない?」

皆んな、落ち込む私の表情をみて援護射撃をしてくれるも、エルフィは首を縦に振らない。

「………もーう!エルフィのいじわるっ!」

私がぷいっと横を向き、エルフィの様子を伺う。

「……ザックだけだ。どうせお前は残るんだろ?魔獣狩り要員が足りない」

「え?ざ、ザック?!私はっ?」

「そ、そうよ、エルフィ。スカちゃん、何とかしてあげてよ」

「俺もスカちゃんの味方だ」

ゴンちゃんに、ミラちゃんも加勢するも、エルフィは頑なに私が冒険者見習いすることについて反対した。

「私、もう行くところがないのに……」

「……ダメだ。泣き落としも諦めろ」

私は次なる手段まで奪われ、一瞬たじろいでしまう。

「……何でダメなの?その理由だけ教えて?」

エルフィから納得いく答えを貰いたくてーー。
私はそう問いかけた。
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