20 / 23
20.森の番人とカフェ
しおりを挟む
久しぶりに訪れるジョシュアの森は、どこまでも懐かしく、そして新しい変化を感じる。
それは、例えば門番は変わらず、名は体を表すゴンザレスなこと。いかつい容貌に、怪力っぷりは健在そうだ。
ゴンザレスに久しぶりっと声をかけたら、一瞬誰だか分からなかったみたい。
私は可笑しくて再度ゴンザレス、久しぶりっ!!と声をかけた。
一方で、森の入口には見慣れない建物が建てられていた。看板を見ると、ジョシュアカフェとなっている。
白いカントリー調のその木製の建物はカフェ……と言うよりも食堂に近いイメージだが、なかなか繁盛しているようだった。
「ねぇ、ちょっと寄ってこうよ!」
私は二人を誘うと、馬を停めてカフェに入る。
「……兄貴、今の門番も強そうっすね」
「そう言えば、ザックは初めての森だったな。あのいかつい門番はゴンザレス。スカーレット様とは顔馴染みらしいな。ま、有名人だ」
ザックはへーと言いながら、私とミルトンの後ろを着いてくる。
「いらっしゃっ……やだっ!懐かしい~ぃ」
カフェの扉を開くと、懐かしい顔が私の目の前に飛び込んで来た。
「いや~ん!!スカチャンじゃないっ!」
「きゃーっ!ミラちゃんっ!」
私はミラちゃんの両腕を取るとあまりに嬉しくて回り始めた。
「やだー、もう!嬉しい~」
ミラちゃんの正体も実は謎なんだけれど、オネエで凄う薬師であることは確かだった。
「久しぶりに、エルフィに会いに来たんだ」
私はミラちゃんに手を引かれるままに、椅子に腰掛けた。
「あら~。よく見たらイケメンが二人もっ!」
私はザックとミルトンを紹介した。
メニューを受け取ると、せっかくなのでおすすめの自家製レモネードを頂くことにする。
「あ、そうだ!ミラちゃん。ちょっと相談があるんだ……」
私はレモネードを運んできたミラちゃんに王宮であったことを伝えると、避妊薬について聞いてみた。
「……とんでもないヤローねっ!その何だっけ?その王子様。うーん。もうお家が手配した薬は飲んだのね?」
ミラちゃんは、最後に訪れた月の物の日から計算を始めた。
「……うーん。ちょっとタイミング的には微妙なところねぇ……」
ミラちゃんは小首を傾げる。
つまり、あのボンクラは、誰に言われたか知らないが排卵日を狙ってコトに及んでいたのだ。
「……つまりは運次第ってこと?」
「そうねぇ……。避妊薬はなかなか入手が難しいからね~。私はほら、ちょちょいっと作るけど~」
私はレモネードを飲みながらため息をつく。
ふーっ。
運次第かあ……。
悲観モードに陥りかけた時、カフェの扉が開いた。
それは、例えば門番は変わらず、名は体を表すゴンザレスなこと。いかつい容貌に、怪力っぷりは健在そうだ。
ゴンザレスに久しぶりっと声をかけたら、一瞬誰だか分からなかったみたい。
私は可笑しくて再度ゴンザレス、久しぶりっ!!と声をかけた。
一方で、森の入口には見慣れない建物が建てられていた。看板を見ると、ジョシュアカフェとなっている。
白いカントリー調のその木製の建物はカフェ……と言うよりも食堂に近いイメージだが、なかなか繁盛しているようだった。
「ねぇ、ちょっと寄ってこうよ!」
私は二人を誘うと、馬を停めてカフェに入る。
「……兄貴、今の門番も強そうっすね」
「そう言えば、ザックは初めての森だったな。あのいかつい門番はゴンザレス。スカーレット様とは顔馴染みらしいな。ま、有名人だ」
ザックはへーと言いながら、私とミルトンの後ろを着いてくる。
「いらっしゃっ……やだっ!懐かしい~ぃ」
カフェの扉を開くと、懐かしい顔が私の目の前に飛び込んで来た。
「いや~ん!!スカチャンじゃないっ!」
「きゃーっ!ミラちゃんっ!」
私はミラちゃんの両腕を取るとあまりに嬉しくて回り始めた。
「やだー、もう!嬉しい~」
ミラちゃんの正体も実は謎なんだけれど、オネエで凄う薬師であることは確かだった。
「久しぶりに、エルフィに会いに来たんだ」
私はミラちゃんに手を引かれるままに、椅子に腰掛けた。
「あら~。よく見たらイケメンが二人もっ!」
私はザックとミルトンを紹介した。
メニューを受け取ると、せっかくなのでおすすめの自家製レモネードを頂くことにする。
「あ、そうだ!ミラちゃん。ちょっと相談があるんだ……」
私はレモネードを運んできたミラちゃんに王宮であったことを伝えると、避妊薬について聞いてみた。
「……とんでもないヤローねっ!その何だっけ?その王子様。うーん。もうお家が手配した薬は飲んだのね?」
ミラちゃんは、最後に訪れた月の物の日から計算を始めた。
「……うーん。ちょっとタイミング的には微妙なところねぇ……」
ミラちゃんは小首を傾げる。
つまり、あのボンクラは、誰に言われたか知らないが排卵日を狙ってコトに及んでいたのだ。
「……つまりは運次第ってこと?」
「そうねぇ……。避妊薬はなかなか入手が難しいからね~。私はほら、ちょちょいっと作るけど~」
私はレモネードを飲みながらため息をつく。
ふーっ。
運次第かあ……。
悲観モードに陥りかけた時、カフェの扉が開いた。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
194
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる