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20.森の番人とカフェ

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久しぶりに訪れるジョシュアの森は、どこまでも懐かしく、そして新しい変化を感じる。

それは、例えば門番は変わらず、名は体を表すゴンザレスなこと。いかつい容貌に、怪力っぷりは健在そうだ。

ゴンザレスに久しぶりっと声をかけたら、一瞬誰だか分からなかったみたい。

私は可笑しくて再度ゴンザレス、久しぶりっ!!と声をかけた。

一方で、森の入口には見慣れない建物が建てられていた。看板を見ると、ジョシュアカフェとなっている。

白いカントリー調のその木製の建物はカフェ……と言うよりも食堂に近いイメージだが、なかなか繁盛しているようだった。

「ねぇ、ちょっと寄ってこうよ!」

私は二人を誘うと、馬を停めてカフェに入る。

「……兄貴、今の門番も強そうっすね」

「そう言えば、ザックは初めての森だったな。あのいかつい門番はゴンザレス。スカーレット様とは顔馴染みらしいな。ま、有名人だ」

ザックはへーと言いながら、私とミルトンの後ろを着いてくる。

「いらっしゃっ……やだっ!懐かしい~ぃ」

カフェの扉を開くと、懐かしい顔が私の目の前に飛び込んで来た。

「いや~ん!!スカチャンじゃないっ!」

「きゃーっ!ミラちゃんっ!」

私はミラちゃんの両腕を取るとあまりに嬉しくて回り始めた。

「やだー、もう!嬉しい~」

ミラちゃんの正体も実は謎なんだけれど、オネエで凄う薬師であることは確かだった。

「久しぶりに、エルフィに会いに来たんだ」

私はミラちゃんに手を引かれるままに、椅子に腰掛けた。

「あら~。よく見たらイケメンが二人もっ!」

私はザックとミルトンを紹介した。

メニューを受け取ると、せっかくなのでおすすめの自家製レモネードを頂くことにする。

「あ、そうだ!ミラちゃん。ちょっと相談があるんだ……」

私はレモネードを運んできたミラちゃんに王宮であったことを伝えると、避妊薬について聞いてみた。

「……とんでもないヤローねっ!その何だっけ?その王子様。うーん。もうお家が手配した薬は飲んだのね?」

ミラちゃんは、最後に訪れた月の物の日から計算を始めた。

「……うーん。ちょっとタイミング的には微妙なところねぇ……」

ミラちゃんは小首を傾げる。

つまり、あのボンクラは、誰に言われたか知らないが排卵日を狙ってコトに及んでいたのだ。

「……つまりは運次第ってこと?」

「そうねぇ……。避妊薬はなかなか入手が難しいからね~。私はほら、ちょちょいっと作るけど~」

私はレモネードを飲みながらため息をつく。

ふーっ。  

運次第かあ……。

悲観モードに陥りかけた時、カフェの扉が開いた。
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