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蜂蜜レモン水
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あの後レイは初めてなはずなのに、全身を蕩けるくらいに愛撫してくれて、私の身体は今までに感じたことがないくらい気持ち良くって……。
何度も絶頂に押し上げられ、ずっとあられもない声を上げ続けだ私は、朝起きたら声がガラガラだった。
レイは私を何度も抱いてくれ、その度に私の子宮の最奥で放たれる精液が、とても愛おしくて……。
少しでも体内にいて欲しくて。
愛を交歓することがこんなにも愛おしいなんて初めて知った。
目覚めたら、横にレイがいて……。
眠るレイの髪を撫でてみる。
(何て艶のある黒髪なんだろう……)
睫も長いし、鼻筋も高いし。
何度見ても飽きない。
レイの顔を拝んでると、レイの瞳がカチッと開かれた。
「あっ……?」
レイの顔を覗きこんでいる私は、レイと視線が重なる。
「お……はよう?」
「リリー?何してた?」
「あ、えっと……。レイの顔を見てたの……。キレイだから……」
「イタズラ好きな奥様だ」
奥様、という響きに、改めて結婚したんだ、という幸福感を噛みしめる。
「身体は大丈夫か?」
身体自体は浄められ寝間着を着せられていた。
「声が出ないのと、後は関節が痛いような……」
「起き上がる時は注意しろよ?ふらついて倒れるかも知れないから」
「まさか!大丈夫だよ?体力には自信あるし……」
私はそれを証明しようとベッドから片足を床に着けてみた。
「…ん?」
力が入らない?
もう片足を床に着けて立ち上がる。
「わっ!嘘っ?!」
次の瞬間、ヘナヘナと床に尻もちをついてしまった。
「だろ?」
レイが素早くベッドから降りてきてお姫様抱っこをしてくれた。
「昨日は少し無理させたからな……」
レイは何だか恥ずかしそうに私をベッドに降ろす。
「マリアに、リリーが好きな朝食を頼んでおいたから。後、喉に良い蜂蜜レモン水も」
「蜂蜜レモン水?わーっ!」
一人でテンションが上がる。
「とりあえずは、午前中は休んで。俺が侯爵家の仕事はしておくから。ローナンも今日から来るから徐々に戦力になると思うし」
「いろいろ私のためにありがとう!」
「俺たちのためにだからな」
「そうだね!ありがとう」
私は改めてレイと結婚して本当に良かったと思う。
ドアがノックされ、マリアがワゴンを押しながら入ってきた。
ピッチャーの蜂蜜レモン水に目が行く。
「おはようございます。レイ様、リリアーヌ様。朝食、こちらに置いておきます。簡単なフルーツ盛合せ、フレンチトースト、サラダと蜂蜜レモン水です」
甘酸っぱい蜂蜜レモン水のように、すーっと馴染む夫婦になりたいなあと思った。
何度も絶頂に押し上げられ、ずっとあられもない声を上げ続けだ私は、朝起きたら声がガラガラだった。
レイは私を何度も抱いてくれ、その度に私の子宮の最奥で放たれる精液が、とても愛おしくて……。
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目覚めたら、横にレイがいて……。
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「あっ……?」
レイの顔を覗きこんでいる私は、レイと視線が重なる。
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「まさか!大丈夫だよ?体力には自信あるし……」
私はそれを証明しようとベッドから片足を床に着けてみた。
「…ん?」
力が入らない?
もう片足を床に着けて立ち上がる。
「わっ!嘘っ?!」
次の瞬間、ヘナヘナと床に尻もちをついてしまった。
「だろ?」
レイが素早くベッドから降りてきてお姫様抱っこをしてくれた。
「昨日は少し無理させたからな……」
レイは何だか恥ずかしそうに私をベッドに降ろす。
「マリアに、リリーが好きな朝食を頼んでおいたから。後、喉に良い蜂蜜レモン水も」
「蜂蜜レモン水?わーっ!」
一人でテンションが上がる。
「とりあえずは、午前中は休んで。俺が侯爵家の仕事はしておくから。ローナンも今日から来るから徐々に戦力になると思うし」
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「そうだね!ありがとう」
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ピッチャーの蜂蜜レモン水に目が行く。
「おはようございます。レイ様、リリアーヌ様。朝食、こちらに置いておきます。簡単なフルーツ盛合せ、フレンチトースト、サラダと蜂蜜レモン水です」
甘酸っぱい蜂蜜レモン水のように、すーっと馴染む夫婦になりたいなあと思った。
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