とある虐げられた侯爵令嬢の華麗なる後ろ楯~拾い人したら溺愛された件

紅位碧子 kurenaiaoko

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収束

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王宮騎士団に取り囲まれ、罪状を公表されたからか?
二人は項垂れ、抱きあい泣き始めた。

もう逃げられないとようやく悟ったのだろう。

二人は、騎士団に捉えらると、手錠をかけられた。

(とんだパーティになったけど…)

招待客は、どよめきざわめき、このスキャンダルを見守っていた。

「そもそも使用人の分際でっ……!」

使用人、使用人と最後までうるさい人たち。

ロビンも何て哀れなんだろう。

お父様は、始終無言で、最初からこうなることを予期していたようだった。

去り際まで騒がしい二人を、会場中が見守っていた。

王宮騎士団と彼女たちがいなくなったパーティ会場では、残った招待客がどうしたら良いのか分からず、私の様子を伺っていた。

「お集まりの皆様、大変お見苦しいものをお見せしてしまい、大変失礼致しました。現侯爵代行が逮捕されたことにより当フォンデンベルグ領は、わたくしフォンデンベルグ・リリアーヌが成人し侯爵領を継ぐまでの間、サザーランド公爵家と共同運営となります。どうぞ、ご安心下さい。サザーランド公爵家と共に更なる繁栄をお約束致します!」

私は声高高に訴えると、会場からは拍手が巻き起こった。

「また、ここに私、サザーランド公爵家次男アルフォンスとフォンデンベルグ侯爵家長女リリアーヌ嬢との婚約が成立したことも発表致します。今後は両領の繁栄の為に尽力すり所存です」

レイがそう宣言すると、会場は更に割れんばかりの拍手が起こった。

私たちはお互い視線を合わせ、手を取り合うとダンスを踊ることにした。

会場は先程の逮捕劇から一転、幸せオーラ漂う婚約発表の場となった。
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