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真相(アレク視点)

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私としたことが……!

一言で言えば、嵌められた。
ああ、何でこのタイミングなんだ?

自分で自分に腹が立つ。

いや、このタイミングだから嵌められのだ。

(くそっ!)

思わず手元にあった書類をぶちまけてしまった。

リリーがいたから、だ。
このタイミングを狙われた……。

きっとリリーが来て気持ちが浮ついていたのだろう。
異変に気が付かなかった。

メイドが淹れた紅茶を飲み、気がつたら朝だった。

驚いたことに、隣にのシスティーナ嬢がいた。

驚きのあまり声が出ない私に向かって『これでアレク殿下は私のもの』と言われて唖然とした。

紅茶を飲んだ後の記憶がないことから、紅茶に睡眠薬か何かを仕込まれていたのだろう。

私が眠った後にシスティーナ嬢がこの部屋に入り、お互いの衣服を脱がせればこの状況が完成する。

(システィーナ嬢の執念だな……)

もしかしたら、私がリリーを抱くとでも思ったのだろうか?

筆頭公爵令嬢らしからぬ大胆な計画。

状況からして、既成事実はないだろう。
状況証拠だけで噂を広げ外側から固めるつもりか?

何れにせよ、対応を待ち構えると命取りになる。

リリーに詳細を話すわけにもいかないため、カイルにアテンドさせ、噂が耳に入らぬうちに早めに自国に送り届けてもらわねば……
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