4 / 71
3話
しおりを挟む
毎日毎日、仕事しかしない生活。
それは、想像以上に息苦しものだ。他の社会人の人達も皆同じような感情なのだろうか? それともこんな思いをしているのは俺だけなのか?
なにか、日々の楽しみが欲しいと思い、色んな趣味になる得る物を試してみたものの、それのどれも、いまいちのめり込むことが出来ずに、すぐに辞めてしまった。
そんな時だった。俺は、最近どんなゲームが話題になっているかを調べてしまった。本当に魔がさしたとしか言いようがないが、やっぱりゲームがしたいんだなと自身で理解してしまった。理解してしまったからには、その手を止めることはできなかったのだ、
まあ、もうあれから、何年も経っているんだ。今さら競技に戻るわけでもないのだから、楽しむ程度ならいいだろう。そう、自分を納得させようとしていた。
これも現実逃避なのだろう。
検索して真っ先に出てきたのが、Force Stragyというゲームだった。
つい2か月前にリリースされたばかりらしい。どうやら、フォージって訳されて呼ばれているようだ
「4vs4かぁ」
俺がやっていたのは、バトルロワイアルゲームだから、同じFPSとはいえ、今までにやったことのないジャンルだ。
相手が1パーティしかいないということは、かなり戦略が重要になるな。
物は試しということで、俺は自宅用のノートパソコンに早速インストールしてみた。
競技をやっていた時に使っていたデスクトップパソコンは、既に捨てたからない。もう二度と、ゲームなんかしないとか思いつつも、仕事用で買ったゲーミングノートパソコンだ。家で仕事をするだけなら、なんら意味のないものだったが、無意識で買ってしまっていたのだ。
よく考えれば未練たらたらだな。
そんなことを思っていると早速インストールが完了した。
開いてみる、タイトル画面に大きく、Force Stragyの文字が出る。
「ああ、懐かしいな」
前のゲームこんな感じのものだったよな。あの時は毎日ゲームを開いていたはずなのに、ほとんどタイトル画面など見ていなかったような気がする。
「あ、」
タイトル画面を過ぎると、初めて起動するゲームにお馴染みの規約の同意。
そして、すっかり忘れていた、プレイヤーネームの設定だ。
「いやー、どうすっかな・・・」
まさか、当時の名前を使うわけにもいかないし。いや、実際使ってもなんの問題もないとは思うが。
インターネットの中なんて、なりすましがいて当然だし、何より、そこまで珍しい名前でもなかったから、他に使っている人がいても不思議ではない。
だけど、だからといっても、さすがにそれは避けたい。
「まあ、なんでもいっか」
ふと俺は机の上にある、晩酌のお供のさきイカが目に入った。
「よし、これでいいや」
プレイヤーネーム-イカゲソ丸
我ながら、なかなかいいネーミングセンスだ。
誰と話しているわけでもなく乾いた笑いが出る。
プレイヤーネームを決めると、いよいよゲームのホーム画面になった。リリースしたばかりのゲームの割には、画面上がぐちゃぐちゃしていて、少し見ずらい。
マッチの所に、フリーとランク戦のバナーがある。リリース2か月なのにもう、ランクマッチがあるなんて、凄いな。ちゃんと機能しているってことは、きちんと練られて作られている証拠だ。
今はそれが主流なのだろうか?
それともう一つ、トレーニングルーム。これは、操作に慣れるためや、主にaim練習に使う場所だろう。
本来ならまず、ここから始めるのだろうが、面倒なのでいきなりゲームをプレイしてみることにする。
マッチが開始すると、選択画面に移る。
「え、ジョブとかあんの?」
防御、加速、攻撃。この3つのジョブがあるらしい。
「こうも最初からはっきり役割が分かれているゲームはやったことないな」
とりあえず、無難であろう攻撃を選ぶ。初心者なんだし、とりあえず銃ぶっぱなしておけばいいだろう。
その次に、武器の選択画面が出てくる。
「えー、こんなに武器の種類あんの?」
いや、でも選択できない物があるから、これは順次解放的なやつなのか? 俺はとりあえずSMGを選択したが、全部で20種類くらいはありそうだ。サイトとか、アタッチメントも、変更できるようだ。
そう言えば、ホームの設定画面の所に、カスタマイズの文字があったような気がするな。
「さあ、2年間のブランクはどれほどかな」
この胸の高揚感は、この2年間一度も味わったことのないものだ。
「あ、やっべ」
俺は、音が直接パソコンから出てきていることに、ここで気が付いた。
慌てて、スマホを買った時に、一緒についてきた、安物のイヤホンをパソコンに刺した。とりあえず聞こえれば問題ないだろ。
すると、俺のキャラクターを表すバナーの所にマイクマークがついたので、慌ててゲーム内設定を開く。そして、ボイスチャットをOFFにした。こういった時に、イヤホン自体に、マイクのON/OFFがついていないと不便だ。
ジョブと武器の選択時間が終わると試合が始まった。すると、だだっ広い庭のような場所にリスポーンした。俺のキャラのすぐ横に、もう3人いるのが分かる。
しかし、視界内には他に見えないので、恐らく敵はある程度離れた場所にいるのだろう。味方の3人は多少の、プレイし慣れている人のようで、開始早々に前線を上げていっている。俺もそれに着いて行くように、前に進んでいく。
所々に、敵射線を切るためのオブジェクトのような物がある。それも大小様々で、地形を覚えているかいないかで、大きく差がでそうな感じだ。
「え!?」
敵を視認することが出来ない中、俺の画面に赤いマークが出たと思ったら、急にリザルト画面に飛ばされた。
「もしかして、もう死んだ? まじかよ?」
初見殺しもいいところで、どうやら俺は、遠距離からスナイパーで殺されたらしい。
「いや、これで終わりかよ! つまんねえな!」
いくらなんでも、こんなにあっさりやられしまったら、面白いさを感じることすらできない。ゲームバランスもないトンだクソゲーだった。
久々に、少しは楽しめるかと思ったのに、残念な気持ちでいっぱいだ。
マウスから手を離し、スマホを取ろうとすると。
「ん? これもしかして?」
ふと、俺の画面にの中央上に、数字がカウントダウンしているのが、分かった。
それが終わると俺はもう一度リスポーンしなおしていた。
ルールも見ずにスタートしたため、勝利条件が分からない。エリア確保系か? それとも一定以上キルすればいいのか?
とりあえず、俺はもう一度戦うことを許されたらしい。どうやら、味方のそばにリスポーンしたようで、すぐ横で味方が射撃している。
PVPの醍醐味はキルを取ることだ。俺はもう一度前に進んでいくが、今度はさっきみたいにならないように、遮蔽物をうまく使っていく。するとちょうど敵が俺の射線が通るところに出てきたので、これはチャンスと銃を撃つ。
「うっわ、マジかよ」
想像以上に銃のリコイルが難しく、めちゃくちゃ外してしまった。しかし、それを見ていた味方が、倒してくれたようで、俺にアシストが入った、すると左上にポイントのような物が、反映されたのが分かった。
すると、俺の持っている武器が一瞬光ったのが分かった。
「なにこれ? ん? ああなるほどね!」
どうやら、俺の持っている武器がアップグレードされたようだ。相手をキルするとポイントが入りそれで武器がアップグレードするのか。
少し、要領を掴んだ俺は、そのまま2人を自分の力だけで倒した。
すると、ゲーム画面に大きくVICTORYの文字が出てきた。なんだか、昔よく聞いたことのある、響きだ。
「これで勝ったのか? 勝利条件が何だったのか全く分からん」
ゲームのルールを調べるくらいなら、サイトにも載っているだろう。そう思い、スマホで調べてみることに。
・どちらか、一方のプレイヤーが全滅したら、残っているプレイヤーチームの勝利
・キルされる度、試合の経過時間により、リスポーンまでの時間が延長される
・チームには生存時間と、キル数によってポイントが振り分けられる
・ポイントはマッチ中に、装備やスキルなどの強化や習得に使える
・ポイントは個人に振り分けられる、仕組みになっているが、チーム全体としても使える。
「リリースしたばっかりのゲームの割には、結構しっかりしているな。これは見た目以上に、一人の責任が大きそうだな」
それに、今までにない、ゲーム性のようで、サービス開始2か月ではあるものの、凄い盛り上がりを魅せているようだ。
凄いいいタイミングで、面白いゲームを見つけてしまった。
「よし! もう1回やるか。今度はもう少しうまく出来るだろう」
それは、想像以上に息苦しものだ。他の社会人の人達も皆同じような感情なのだろうか? それともこんな思いをしているのは俺だけなのか?
なにか、日々の楽しみが欲しいと思い、色んな趣味になる得る物を試してみたものの、それのどれも、いまいちのめり込むことが出来ずに、すぐに辞めてしまった。
そんな時だった。俺は、最近どんなゲームが話題になっているかを調べてしまった。本当に魔がさしたとしか言いようがないが、やっぱりゲームがしたいんだなと自身で理解してしまった。理解してしまったからには、その手を止めることはできなかったのだ、
まあ、もうあれから、何年も経っているんだ。今さら競技に戻るわけでもないのだから、楽しむ程度ならいいだろう。そう、自分を納得させようとしていた。
これも現実逃避なのだろう。
検索して真っ先に出てきたのが、Force Stragyというゲームだった。
つい2か月前にリリースされたばかりらしい。どうやら、フォージって訳されて呼ばれているようだ
「4vs4かぁ」
俺がやっていたのは、バトルロワイアルゲームだから、同じFPSとはいえ、今までにやったことのないジャンルだ。
相手が1パーティしかいないということは、かなり戦略が重要になるな。
物は試しということで、俺は自宅用のノートパソコンに早速インストールしてみた。
競技をやっていた時に使っていたデスクトップパソコンは、既に捨てたからない。もう二度と、ゲームなんかしないとか思いつつも、仕事用で買ったゲーミングノートパソコンだ。家で仕事をするだけなら、なんら意味のないものだったが、無意識で買ってしまっていたのだ。
よく考えれば未練たらたらだな。
そんなことを思っていると早速インストールが完了した。
開いてみる、タイトル画面に大きく、Force Stragyの文字が出る。
「ああ、懐かしいな」
前のゲームこんな感じのものだったよな。あの時は毎日ゲームを開いていたはずなのに、ほとんどタイトル画面など見ていなかったような気がする。
「あ、」
タイトル画面を過ぎると、初めて起動するゲームにお馴染みの規約の同意。
そして、すっかり忘れていた、プレイヤーネームの設定だ。
「いやー、どうすっかな・・・」
まさか、当時の名前を使うわけにもいかないし。いや、実際使ってもなんの問題もないとは思うが。
インターネットの中なんて、なりすましがいて当然だし、何より、そこまで珍しい名前でもなかったから、他に使っている人がいても不思議ではない。
だけど、だからといっても、さすがにそれは避けたい。
「まあ、なんでもいっか」
ふと俺は机の上にある、晩酌のお供のさきイカが目に入った。
「よし、これでいいや」
プレイヤーネーム-イカゲソ丸
我ながら、なかなかいいネーミングセンスだ。
誰と話しているわけでもなく乾いた笑いが出る。
プレイヤーネームを決めると、いよいよゲームのホーム画面になった。リリースしたばかりのゲームの割には、画面上がぐちゃぐちゃしていて、少し見ずらい。
マッチの所に、フリーとランク戦のバナーがある。リリース2か月なのにもう、ランクマッチがあるなんて、凄いな。ちゃんと機能しているってことは、きちんと練られて作られている証拠だ。
今はそれが主流なのだろうか?
それともう一つ、トレーニングルーム。これは、操作に慣れるためや、主にaim練習に使う場所だろう。
本来ならまず、ここから始めるのだろうが、面倒なのでいきなりゲームをプレイしてみることにする。
マッチが開始すると、選択画面に移る。
「え、ジョブとかあんの?」
防御、加速、攻撃。この3つのジョブがあるらしい。
「こうも最初からはっきり役割が分かれているゲームはやったことないな」
とりあえず、無難であろう攻撃を選ぶ。初心者なんだし、とりあえず銃ぶっぱなしておけばいいだろう。
その次に、武器の選択画面が出てくる。
「えー、こんなに武器の種類あんの?」
いや、でも選択できない物があるから、これは順次解放的なやつなのか? 俺はとりあえずSMGを選択したが、全部で20種類くらいはありそうだ。サイトとか、アタッチメントも、変更できるようだ。
そう言えば、ホームの設定画面の所に、カスタマイズの文字があったような気がするな。
「さあ、2年間のブランクはどれほどかな」
この胸の高揚感は、この2年間一度も味わったことのないものだ。
「あ、やっべ」
俺は、音が直接パソコンから出てきていることに、ここで気が付いた。
慌てて、スマホを買った時に、一緒についてきた、安物のイヤホンをパソコンに刺した。とりあえず聞こえれば問題ないだろ。
すると、俺のキャラクターを表すバナーの所にマイクマークがついたので、慌ててゲーム内設定を開く。そして、ボイスチャットをOFFにした。こういった時に、イヤホン自体に、マイクのON/OFFがついていないと不便だ。
ジョブと武器の選択時間が終わると試合が始まった。すると、だだっ広い庭のような場所にリスポーンした。俺のキャラのすぐ横に、もう3人いるのが分かる。
しかし、視界内には他に見えないので、恐らく敵はある程度離れた場所にいるのだろう。味方の3人は多少の、プレイし慣れている人のようで、開始早々に前線を上げていっている。俺もそれに着いて行くように、前に進んでいく。
所々に、敵射線を切るためのオブジェクトのような物がある。それも大小様々で、地形を覚えているかいないかで、大きく差がでそうな感じだ。
「え!?」
敵を視認することが出来ない中、俺の画面に赤いマークが出たと思ったら、急にリザルト画面に飛ばされた。
「もしかして、もう死んだ? まじかよ?」
初見殺しもいいところで、どうやら俺は、遠距離からスナイパーで殺されたらしい。
「いや、これで終わりかよ! つまんねえな!」
いくらなんでも、こんなにあっさりやられしまったら、面白いさを感じることすらできない。ゲームバランスもないトンだクソゲーだった。
久々に、少しは楽しめるかと思ったのに、残念な気持ちでいっぱいだ。
マウスから手を離し、スマホを取ろうとすると。
「ん? これもしかして?」
ふと、俺の画面にの中央上に、数字がカウントダウンしているのが、分かった。
それが終わると俺はもう一度リスポーンしなおしていた。
ルールも見ずにスタートしたため、勝利条件が分からない。エリア確保系か? それとも一定以上キルすればいいのか?
とりあえず、俺はもう一度戦うことを許されたらしい。どうやら、味方のそばにリスポーンしたようで、すぐ横で味方が射撃している。
PVPの醍醐味はキルを取ることだ。俺はもう一度前に進んでいくが、今度はさっきみたいにならないように、遮蔽物をうまく使っていく。するとちょうど敵が俺の射線が通るところに出てきたので、これはチャンスと銃を撃つ。
「うっわ、マジかよ」
想像以上に銃のリコイルが難しく、めちゃくちゃ外してしまった。しかし、それを見ていた味方が、倒してくれたようで、俺にアシストが入った、すると左上にポイントのような物が、反映されたのが分かった。
すると、俺の持っている武器が一瞬光ったのが分かった。
「なにこれ? ん? ああなるほどね!」
どうやら、俺の持っている武器がアップグレードされたようだ。相手をキルするとポイントが入りそれで武器がアップグレードするのか。
少し、要領を掴んだ俺は、そのまま2人を自分の力だけで倒した。
すると、ゲーム画面に大きくVICTORYの文字が出てきた。なんだか、昔よく聞いたことのある、響きだ。
「これで勝ったのか? 勝利条件が何だったのか全く分からん」
ゲームのルールを調べるくらいなら、サイトにも載っているだろう。そう思い、スマホで調べてみることに。
・どちらか、一方のプレイヤーが全滅したら、残っているプレイヤーチームの勝利
・キルされる度、試合の経過時間により、リスポーンまでの時間が延長される
・チームには生存時間と、キル数によってポイントが振り分けられる
・ポイントはマッチ中に、装備やスキルなどの強化や習得に使える
・ポイントは個人に振り分けられる、仕組みになっているが、チーム全体としても使える。
「リリースしたばっかりのゲームの割には、結構しっかりしているな。これは見た目以上に、一人の責任が大きそうだな」
それに、今までにない、ゲーム性のようで、サービス開始2か月ではあるものの、凄い盛り上がりを魅せているようだ。
凄いいいタイミングで、面白いゲームを見つけてしまった。
「よし! もう1回やるか。今度はもう少しうまく出来るだろう」
0
お気に入りに追加
9
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
怪異・おもらししないと出られない部屋
紫藤百零
大衆娯楽
「怪異・おもらししないと出られない部屋」に閉じ込められた3人の少女。
ギャルのマリン、部活少女湊、知的眼鏡の凪沙。
こんな条件飲めるわけがない! だけど、これ以外に脱出方法は見つからなくて……。
強固なルールに支配された領域で、我慢比べが始まる。
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子
ちひろ
恋愛
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子の話。
Fantiaでは他にもえっちなお話を書いてます。よかったら遊びに来てね。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる