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諦観の騎士 リリィ・フランネル
諦観の騎士 リリィ・フランネル(10)
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ガチガチに欲望をたぎらせた自分のものにたっぷりと媚薬を塗りつけて、リリィの白い小さな身体をベッドに押さえつけ、何度も何度も執拗に犯した。薬で性感を狂わされ、助けを、許しを請いながら絶頂させられ続けるリリィが疲労で声が弱ってくると口移しで回復薬を飲ませ、わずかばかり体力を取り戻すとまた犯す。10本も用意してあった回復薬は日をまたぐ前に使い切ってしまった。
「あー……あー……は、ぁ……」
うつ伏せにベッドに突っ伏し、疲れ切って虚ろに開かれた瞳は涙も枯れ、肉棒で突き上げられる度に呼気と感情の抜け落ちた声を漏らすだけになったリリィ。その腰を掴み、後ろから更に犯して腹が膨れ上がるほど注がれてもうそれ以上精液を受け入れられるはずもない子宮に無理やり精液を吐き出し、それがそのまま逆流してボトボトとベッドにこぼれ落ちたのを見て、アジムはようやく頭が冷えた。
「あー……」
アジムはなんとも言えない声を上げて頭を掻く。リリィは後ろから犯されて精液を出されると放り出され、ベッドの上で股を広げて土下座をさせられているような体勢で倒れ込んでいた。太いものでずっとこじ開けられ続けて閉じなくなった割れ目から、白い塊のような精液を垂れ流しになっている。はっきりした色合いの艷やかな金髪が汗で張り付いた背中にも、アジムがぶちまけたものがこびりついて髪と細い背中を汚していて、執拗に舐め回されたうなじや首筋には赤い吸い痕や青黒い噛み痕が、いくつも色濃く刻まれている。
一番酷いことになっているのはずっとアジムのものを受け入れさせられていた性器だ。年相応に幼い形だったそこはアジムの人並み外れて馬鹿でかいものを突っ込まれ続けていたためにぽっかりと口を開け、男を誘うと同時に性器を守る蜜は枯れ果て、吐き捨てられた子種だけが中から溢れ出てどろどろと絡みつきながら滴っている。意識のないまま望まぬ子種を排泄し続けていても、膨れ上がったリリィの腹は元のなだらかな形を取り戻さない。
集団で輪姦されたような有様で、リリィに望まれてやったこととは言え、流石に申し訳なくなった。
せめて身体を清めてから綺麗な場所で眠ってもらおうと思ったが、凄まじい量の精液で汚れた身体はタオルで拭っても拭いきれないほど精液でどろどろだ。ベッドもリリィが押し付けられる快楽から逃れようとするのを半端に逃してやってから追いかけ、押さえつけて犯していたために、どこもかしこも汗やら潮やら精液やらで汚れていない場所が残っていない。
とりあえず無理な体勢で気を失ったままのリリィを比較的汚れの少ない場所に横たえて、アジムは考えを巡らせながら頭をかいていたが、自分だけではどうしようもないと見切りをつけて、部屋の片隅にあったハンドベルを軽く振った。それは高級娼館である<騙され一角獣亭>のルームサービスを頼むためのベルで、鳴らすと1階の酒場にあるベルが連動して音が鳴るようになっている。
ハンドベルを鳴らしてから脱ぎ散らかしてあったパンツを履いていると、ほどなく部屋のドアがノックされる。深夜だというのに恐ろしく早い到着に、アジムは慌ててズボンを履いてからドアに向かうと、眠っているリリィを気遣ってそっとドアを開けた。
「おまたせ致しました」
いつも酒場でグラスを磨きながら帰ってくるアジムを受け入れてくれる、白髪の多い灰色の髪をオールバックに撫でつけた男がそこにいた。こんな時間でもその身を包むバーテン服には一分の隙もない。まったく眠気も感じさせない口調で、呼び出したアジムの言葉を待っている。
「……深夜に申し訳ないのですが、
お風呂に入ることはできますか?」
アジムが声をひそめて言いながらベッドが見えるように身体をずらすと、男は納得したように頷いて同じように声をひそめると、
「今からこのお部屋のお風呂にお湯をはるのはお時間を頂戴することになります。
1階のお風呂でよろしければ、お湯がはられておりますので、
すぐにご入浴いただくことが可能です」
「ありがとうございます!」
「すぐにご入浴なさいますか?」
「そうですね、すぐに行こうと思います」
「承知しました。ご案内いたします」
アジムは部屋に部屋に戻り、リリィの身体を毛布で包んでそっと抱き上げた。落とさないようにしっかりと、だが眠りを妨げないように優しく。風呂場に案内するためにアジムをドアの前で待っていた男は、その手の柔らさかにわずかに目を細めた。
案内のために少し前を歩く男の背を追って階段を下り、最上階の専用室に泊まるアジムは入ったことのなかった娼館の個室が並ぶ廊下に足を踏み入れると、そこここから男女の嬌声が聞こえてくる。なんとなく気恥ずかしいものを感じつつ足を進め、男が足を止めた一番奥のドアまでたどり着いた。
「差し支えなければお部屋のベッドメイクをさせていただいても?」
「……お願いできますか」
「承知いたしました」
汚れたベッドに風呂で綺麗にした後のリリィを寝かせたくない。
開けてもらったドアを通ろうとしたところでかけられた声に、アジムは手間をかけて申し訳ない気持ちを飲み込んで依頼した。
「ごゆっくりどうぞ」
男に案内されたのは脱衣場だった。大浴場の脱衣場らしく、大きな棚に衣類を入れておくカゴがタオルと一緒にいくつも用意されている。アジムはそこにリリィを包んでいた毛布と足で脱いだズボンとパンツを放り込んで、裸身のリリィとタオルを手に浴室に足を進めた。
アジムの部屋に備え付けられているものよりも大きいが、設備に差はない浴室だ。大きな浴槽が二つあって、片方が汲み出して使う用になっているのも同じ。リンスやシャンプー、ボディソープらしい瓶も置いてある。リリィが起きていればアジムの部屋においてある瓶のほうが上等であることは教えてくれただろうが、アジムには見分けがつかなかった。
まずはひどく汚してしまったリリィを綺麗にしようとかけ湯をして、はたと気づく。
自分でもドン引きするほど出しまくった精液でボテ腹にしてしまった腹をどうしよう。
このまま湯に入ると、相変わらずゆっくり溢れ出ている精液が湯に浮かぶことになってしまう。
どうしようかと思案して思い浮かんだのは、精液で少し膨らんだブリュンヒルドの腹を蹴りまくったシグルドリーヴァの姿だ。仰向けのブリュンヒルドの子宮を踏みつけるようにして蹴りまくり、そこに収まっていた精液を無理やり吐き出させたのを思い出した。
あれをアジムの力と体重で意識のないリリィにやれば一発で内臓破裂だろうが、優しく圧をかければゆっくり吐き出させることはできるだろう。
アジムは胡座をかいて排水口の前の床に座り込み、上半身を自分にもたれかからせてリリィを膝の上に股を広げて座らせた。ぽっかりと口を開けてしまった秘所を排水口に向けさせて、そのままゆっくりとリリィの膨れ上がった腹を手のひらで押し込んでいく。
「っあ、ふ、うぅん……っ!?」
ごぽっ、と粘ついた水音がして、白い塊がどろりと吐き出される。
それと同時にリリィが背を反り返らせて身を震わせた。
まだ官能の炎がその身を焦がしているらしく、腹の上から子宮を押され、精液をひり出す感覚で淡い絶頂に上り詰めたようだ。だが、それだけの刺激があっても疲れ切り、深い眠りに落ちたリリィは目を覚まさない。
「あ、ぉ……おぉ……んっ……んんんっ!」
アジムが精液を押し出し続けると理性が働かないせいか甘いのに太い喘ぎ声をあげて、腕の中で身体をよじらせてリリィがまた絶頂く。上半身を抱きかかえているためにアジムの耳元でリリィが喘ぐので、股間に血が集まってきてしまった。
リリィを喘がせながら何度も腹を押して胎内の精液を押し出し、その腹が元の形を取り戻すと、アジムはほっと息をついた。好きな女の痴態は、男の本能を刺激する。あれだけリリィを抱いたというのに、アジムのものは完全に起き上がってしまった。
だが、リリィを洗うのはこれからが本番だ。
今度は泡を手にして身体を洗わないといけない。
疲れ切り気を失ったリリィにこれ以上無理をさせたくないアジムは自分の欲望を律するつもりで大きく深呼吸をする。腹から押し出した精液とまた絶頂してうっすら滲んだリリィの汗の匂いを吸い込んでしまって、股間のものの硬さが増した。
深呼吸が逆効果になってしまったことに閉口しながら脱衣場から持ち込んだタオルを湯につけて石鹸をこすり付け、タオルの生地で肌を痛めないように気をつけてリリィの身体を洗っていく。
唾液まみれ、キスマークだらけにしてしまったうなじや首筋を優しく擦っていると、
「ぁ……あ…はぁん……」
リリィの唇から、甘い声がこぼれ落ちる。ごりごりと理性が削られていくのを感じつつ、洗う場所を手や足先の性感の鈍そうな場所に変更すると、リリィの呼吸が少し落ち着いたものに変わり、ほっとしながら洗い進めていく。
だが、いつまでも身体の末端だけを洗っているわけにもいかず、胸周りや内腿を洗い始めると、
「ふぁっ……あ、ふ…んん……」
声の甘さが更に増す。アジムのものはもうバキバキだ。タオルでは刺激が強いかと最後に残った自分の出したものが滴る割れ目に、泡をたっぷり付けた指をそっと埋めると、リリィは快感に耐えるために無意識のままアジムの首に腕を回してすがりついた。
「あ、あぁ……あぁん……っ!」
そのままアジムの指が閉じきれない割れ目の中に残る精液をできるだけ優しくかき出すと、全身を柔らかく洗われて十分に性感の高ぶっていたリリィは、意識のないままアジムの指で甘い絶頂に導かれた。
「あぁ……んん……っ!!」
もう出すものを出し切ったために潮こそ吹かなかったが体力を使い果たした弱々しい力でアジムの首にすがりついて、腟内を清めるために膣壁をこするアジムの手を股で挟み込んで身を震わせて絶頂する。
アジムは全身にリリィの柔らかさを感じながら、それでもリリィの中を洗い上げて、淡く絶頂の痙攣で締め付けてくる割れ目から指を引き抜いて息をついた。
「ふぅ……」
リリィの匂いと感触を全身で感じ続けていたせいで、勃起したものはとんでもないことになっている。邪妖精くらいなら殴り倒せそうだなぁ、などと他人事のように思いつつ、首にすがりついていたリリィの腕を解いて胡座のをかいた膝の上に寝かせ、湯をかけて泡を洗い流すと今度はリリィの髪にとりかかる。
顔にぶっかけたりはしなかったので顔や前髪のあたりは汚れていないが、背中にぶちまけたときに精液が髪についてしまっている。リリィの髪に湯を含ませ、手に取ったシャンプーを十分に泡立てて髪に絡みついた精液を流し、頭皮もしっかり揉み込むようにして洗っていく。
短髪で手入れもろくにしないアジムには、大事にされている女性の髪は扱いに困るもので触れるのはすごく気を遣う。長く艶のあるリリィの髪はとても綺麗で、柔らかな宝石のように感じる。初めてリリィを陵辱したときに、髪を掴んで顔をあげさせたりしたせいでボサボサになってしまった。それがアジムの目にとても痛々しく見えた。
メルフィナに対しても同じように髪を掴んでしまって、髪が傷んだ原因が自分だと理解できてからは、求められない限りはなるべく髪を掴まないようにしないようにしている。
「……よし」
リリィの髪をリンスまで済ませると、そこに意識が集中していたのでムラムラと湧き上がっていた性欲も少し収まっていた。アジムはリリィを片手に抱えたままざっと自分の身体も洗って、もう一度二人まとめて湯をかぶって泡をしっかり洗い流して湯船にはいった。
「……ふぅ」
湯船の床に座り、満足の息をついて湯を楽しむ。
気を失ったままのリリィは最後にもう一度絶頂させられた後は気絶から睡眠に移行したのか、穏やかな寝顔だ。アジムの腕の中で安心した寝息を立てている。
欲望のままリリィを襲ってしまうことなく、耐えきった。
アジムにとってリリィは一番性欲をかき立てられる女性で、同時に一番優しくしたい女性だ。すでに自分が陵辱して気絶するほど疲れ切ったリリィに、さらに性欲をぶつけるのは駄目だと思うし、労って綺麗にしてゆっくり眠らせてあげたい。
舐め回して発情した汗と蜜を滴らせ、絶頂させて潮を吹かせまくり、身体の水を流しきったリリィにあまり汗をかかせるのは良くないと、軽く身体を温める程度でアジムは湯から上がる。
風呂に持ち込んだタオルでさっと身体を拭いてから脱衣場にでると、風呂に入るときにはなかったはずのバスタオルが用意されていたのでありがたく手に取り、リリィの身体を拭いていく。ほんのり桃色に染まったリリィをバスタオルで拭き上げて、同じように入浴前には用意されていなかったはずのバスローブをリリィに羽織らせ、背もたれのある椅子にそっと座らせる。
バスタオルは何枚か用意してくれてあったが、リリィを拭いたバスタオルで体を拭き、用意されていた特大のバスローブを羽織って一息ついた。そうして改めて脱衣場に目を向けると、冷たい水で満たされた水さしとグラスが置いてある。
行き届いた心配りに感謝しつつ水を飲み、リリィにも飲ませてやろうとしたところで動きが止まる。リリィはとても喉が乾いているだろうから口元に水を持っていってやれば自然にそれを飲み下すだろうが、冷たい水を火照った肌にこぼすと目を覚ましてしまうかもしれない。
そんなことを言い訳にして、アジムは冷たい水を口に含む。
そうして口の中で水が温まってしまう前に、リリィの唇に自分のそれを重ねて流し込んでやる。ゆっくりと流し込んだ水をリリィがこぼさずに飲み下したことを確認して、もう一度水を口に含んで口移しで飲ませてやろうと顔を近づけると、リリィはアジムの首に腕を絡め、送り込まれる水を求めて自分から唇を開いてアジムの口内を舐めるように水をねだってきた。
「ん…ふ、ん……」
ちゅぱちゅぱと音を立ててアジムの口の中のものを、嬉しそうに飲み下していく。
喉が乾いていたんだな。
そう理解はできているものの、好意を抱いている女性に情熱的に口づけされるのは、嬉しい。
アジムはまたぞろ股間のものが疼くのを抑え込みつつ、性欲を我慢して風呂に入れた結果の約得を、リリィの身体を抱き寄せながら堪能した。
「あー……あー……は、ぁ……」
うつ伏せにベッドに突っ伏し、疲れ切って虚ろに開かれた瞳は涙も枯れ、肉棒で突き上げられる度に呼気と感情の抜け落ちた声を漏らすだけになったリリィ。その腰を掴み、後ろから更に犯して腹が膨れ上がるほど注がれてもうそれ以上精液を受け入れられるはずもない子宮に無理やり精液を吐き出し、それがそのまま逆流してボトボトとベッドにこぼれ落ちたのを見て、アジムはようやく頭が冷えた。
「あー……」
アジムはなんとも言えない声を上げて頭を掻く。リリィは後ろから犯されて精液を出されると放り出され、ベッドの上で股を広げて土下座をさせられているような体勢で倒れ込んでいた。太いものでずっとこじ開けられ続けて閉じなくなった割れ目から、白い塊のような精液を垂れ流しになっている。はっきりした色合いの艷やかな金髪が汗で張り付いた背中にも、アジムがぶちまけたものがこびりついて髪と細い背中を汚していて、執拗に舐め回されたうなじや首筋には赤い吸い痕や青黒い噛み痕が、いくつも色濃く刻まれている。
一番酷いことになっているのはずっとアジムのものを受け入れさせられていた性器だ。年相応に幼い形だったそこはアジムの人並み外れて馬鹿でかいものを突っ込まれ続けていたためにぽっかりと口を開け、男を誘うと同時に性器を守る蜜は枯れ果て、吐き捨てられた子種だけが中から溢れ出てどろどろと絡みつきながら滴っている。意識のないまま望まぬ子種を排泄し続けていても、膨れ上がったリリィの腹は元のなだらかな形を取り戻さない。
集団で輪姦されたような有様で、リリィに望まれてやったこととは言え、流石に申し訳なくなった。
せめて身体を清めてから綺麗な場所で眠ってもらおうと思ったが、凄まじい量の精液で汚れた身体はタオルで拭っても拭いきれないほど精液でどろどろだ。ベッドもリリィが押し付けられる快楽から逃れようとするのを半端に逃してやってから追いかけ、押さえつけて犯していたために、どこもかしこも汗やら潮やら精液やらで汚れていない場所が残っていない。
とりあえず無理な体勢で気を失ったままのリリィを比較的汚れの少ない場所に横たえて、アジムは考えを巡らせながら頭をかいていたが、自分だけではどうしようもないと見切りをつけて、部屋の片隅にあったハンドベルを軽く振った。それは高級娼館である<騙され一角獣亭>のルームサービスを頼むためのベルで、鳴らすと1階の酒場にあるベルが連動して音が鳴るようになっている。
ハンドベルを鳴らしてから脱ぎ散らかしてあったパンツを履いていると、ほどなく部屋のドアがノックされる。深夜だというのに恐ろしく早い到着に、アジムは慌ててズボンを履いてからドアに向かうと、眠っているリリィを気遣ってそっとドアを開けた。
「おまたせ致しました」
いつも酒場でグラスを磨きながら帰ってくるアジムを受け入れてくれる、白髪の多い灰色の髪をオールバックに撫でつけた男がそこにいた。こんな時間でもその身を包むバーテン服には一分の隙もない。まったく眠気も感じさせない口調で、呼び出したアジムの言葉を待っている。
「……深夜に申し訳ないのですが、
お風呂に入ることはできますか?」
アジムが声をひそめて言いながらベッドが見えるように身体をずらすと、男は納得したように頷いて同じように声をひそめると、
「今からこのお部屋のお風呂にお湯をはるのはお時間を頂戴することになります。
1階のお風呂でよろしければ、お湯がはられておりますので、
すぐにご入浴いただくことが可能です」
「ありがとうございます!」
「すぐにご入浴なさいますか?」
「そうですね、すぐに行こうと思います」
「承知しました。ご案内いたします」
アジムは部屋に部屋に戻り、リリィの身体を毛布で包んでそっと抱き上げた。落とさないようにしっかりと、だが眠りを妨げないように優しく。風呂場に案内するためにアジムをドアの前で待っていた男は、その手の柔らさかにわずかに目を細めた。
案内のために少し前を歩く男の背を追って階段を下り、最上階の専用室に泊まるアジムは入ったことのなかった娼館の個室が並ぶ廊下に足を踏み入れると、そこここから男女の嬌声が聞こえてくる。なんとなく気恥ずかしいものを感じつつ足を進め、男が足を止めた一番奥のドアまでたどり着いた。
「差し支えなければお部屋のベッドメイクをさせていただいても?」
「……お願いできますか」
「承知いたしました」
汚れたベッドに風呂で綺麗にした後のリリィを寝かせたくない。
開けてもらったドアを通ろうとしたところでかけられた声に、アジムは手間をかけて申し訳ない気持ちを飲み込んで依頼した。
「ごゆっくりどうぞ」
男に案内されたのは脱衣場だった。大浴場の脱衣場らしく、大きな棚に衣類を入れておくカゴがタオルと一緒にいくつも用意されている。アジムはそこにリリィを包んでいた毛布と足で脱いだズボンとパンツを放り込んで、裸身のリリィとタオルを手に浴室に足を進めた。
アジムの部屋に備え付けられているものよりも大きいが、設備に差はない浴室だ。大きな浴槽が二つあって、片方が汲み出して使う用になっているのも同じ。リンスやシャンプー、ボディソープらしい瓶も置いてある。リリィが起きていればアジムの部屋においてある瓶のほうが上等であることは教えてくれただろうが、アジムには見分けがつかなかった。
まずはひどく汚してしまったリリィを綺麗にしようとかけ湯をして、はたと気づく。
自分でもドン引きするほど出しまくった精液でボテ腹にしてしまった腹をどうしよう。
このまま湯に入ると、相変わらずゆっくり溢れ出ている精液が湯に浮かぶことになってしまう。
どうしようかと思案して思い浮かんだのは、精液で少し膨らんだブリュンヒルドの腹を蹴りまくったシグルドリーヴァの姿だ。仰向けのブリュンヒルドの子宮を踏みつけるようにして蹴りまくり、そこに収まっていた精液を無理やり吐き出させたのを思い出した。
あれをアジムの力と体重で意識のないリリィにやれば一発で内臓破裂だろうが、優しく圧をかければゆっくり吐き出させることはできるだろう。
アジムは胡座をかいて排水口の前の床に座り込み、上半身を自分にもたれかからせてリリィを膝の上に股を広げて座らせた。ぽっかりと口を開けてしまった秘所を排水口に向けさせて、そのままゆっくりとリリィの膨れ上がった腹を手のひらで押し込んでいく。
「っあ、ふ、うぅん……っ!?」
ごぽっ、と粘ついた水音がして、白い塊がどろりと吐き出される。
それと同時にリリィが背を反り返らせて身を震わせた。
まだ官能の炎がその身を焦がしているらしく、腹の上から子宮を押され、精液をひり出す感覚で淡い絶頂に上り詰めたようだ。だが、それだけの刺激があっても疲れ切り、深い眠りに落ちたリリィは目を覚まさない。
「あ、ぉ……おぉ……んっ……んんんっ!」
アジムが精液を押し出し続けると理性が働かないせいか甘いのに太い喘ぎ声をあげて、腕の中で身体をよじらせてリリィがまた絶頂く。上半身を抱きかかえているためにアジムの耳元でリリィが喘ぐので、股間に血が集まってきてしまった。
リリィを喘がせながら何度も腹を押して胎内の精液を押し出し、その腹が元の形を取り戻すと、アジムはほっと息をついた。好きな女の痴態は、男の本能を刺激する。あれだけリリィを抱いたというのに、アジムのものは完全に起き上がってしまった。
だが、リリィを洗うのはこれからが本番だ。
今度は泡を手にして身体を洗わないといけない。
疲れ切り気を失ったリリィにこれ以上無理をさせたくないアジムは自分の欲望を律するつもりで大きく深呼吸をする。腹から押し出した精液とまた絶頂してうっすら滲んだリリィの汗の匂いを吸い込んでしまって、股間のものの硬さが増した。
深呼吸が逆効果になってしまったことに閉口しながら脱衣場から持ち込んだタオルを湯につけて石鹸をこすり付け、タオルの生地で肌を痛めないように気をつけてリリィの身体を洗っていく。
唾液まみれ、キスマークだらけにしてしまったうなじや首筋を優しく擦っていると、
「ぁ……あ…はぁん……」
リリィの唇から、甘い声がこぼれ落ちる。ごりごりと理性が削られていくのを感じつつ、洗う場所を手や足先の性感の鈍そうな場所に変更すると、リリィの呼吸が少し落ち着いたものに変わり、ほっとしながら洗い進めていく。
だが、いつまでも身体の末端だけを洗っているわけにもいかず、胸周りや内腿を洗い始めると、
「ふぁっ……あ、ふ…んん……」
声の甘さが更に増す。アジムのものはもうバキバキだ。タオルでは刺激が強いかと最後に残った自分の出したものが滴る割れ目に、泡をたっぷり付けた指をそっと埋めると、リリィは快感に耐えるために無意識のままアジムの首に腕を回してすがりついた。
「あ、あぁ……あぁん……っ!」
そのままアジムの指が閉じきれない割れ目の中に残る精液をできるだけ優しくかき出すと、全身を柔らかく洗われて十分に性感の高ぶっていたリリィは、意識のないままアジムの指で甘い絶頂に導かれた。
「あぁ……んん……っ!!」
もう出すものを出し切ったために潮こそ吹かなかったが体力を使い果たした弱々しい力でアジムの首にすがりついて、腟内を清めるために膣壁をこするアジムの手を股で挟み込んで身を震わせて絶頂する。
アジムは全身にリリィの柔らかさを感じながら、それでもリリィの中を洗い上げて、淡く絶頂の痙攣で締め付けてくる割れ目から指を引き抜いて息をついた。
「ふぅ……」
リリィの匂いと感触を全身で感じ続けていたせいで、勃起したものはとんでもないことになっている。邪妖精くらいなら殴り倒せそうだなぁ、などと他人事のように思いつつ、首にすがりついていたリリィの腕を解いて胡座のをかいた膝の上に寝かせ、湯をかけて泡を洗い流すと今度はリリィの髪にとりかかる。
顔にぶっかけたりはしなかったので顔や前髪のあたりは汚れていないが、背中にぶちまけたときに精液が髪についてしまっている。リリィの髪に湯を含ませ、手に取ったシャンプーを十分に泡立てて髪に絡みついた精液を流し、頭皮もしっかり揉み込むようにして洗っていく。
短髪で手入れもろくにしないアジムには、大事にされている女性の髪は扱いに困るもので触れるのはすごく気を遣う。長く艶のあるリリィの髪はとても綺麗で、柔らかな宝石のように感じる。初めてリリィを陵辱したときに、髪を掴んで顔をあげさせたりしたせいでボサボサになってしまった。それがアジムの目にとても痛々しく見えた。
メルフィナに対しても同じように髪を掴んでしまって、髪が傷んだ原因が自分だと理解できてからは、求められない限りはなるべく髪を掴まないようにしないようにしている。
「……よし」
リリィの髪をリンスまで済ませると、そこに意識が集中していたのでムラムラと湧き上がっていた性欲も少し収まっていた。アジムはリリィを片手に抱えたままざっと自分の身体も洗って、もう一度二人まとめて湯をかぶって泡をしっかり洗い流して湯船にはいった。
「……ふぅ」
湯船の床に座り、満足の息をついて湯を楽しむ。
気を失ったままのリリィは最後にもう一度絶頂させられた後は気絶から睡眠に移行したのか、穏やかな寝顔だ。アジムの腕の中で安心した寝息を立てている。
欲望のままリリィを襲ってしまうことなく、耐えきった。
アジムにとってリリィは一番性欲をかき立てられる女性で、同時に一番優しくしたい女性だ。すでに自分が陵辱して気絶するほど疲れ切ったリリィに、さらに性欲をぶつけるのは駄目だと思うし、労って綺麗にしてゆっくり眠らせてあげたい。
舐め回して発情した汗と蜜を滴らせ、絶頂させて潮を吹かせまくり、身体の水を流しきったリリィにあまり汗をかかせるのは良くないと、軽く身体を温める程度でアジムは湯から上がる。
風呂に持ち込んだタオルでさっと身体を拭いてから脱衣場にでると、風呂に入るときにはなかったはずのバスタオルが用意されていたのでありがたく手に取り、リリィの身体を拭いていく。ほんのり桃色に染まったリリィをバスタオルで拭き上げて、同じように入浴前には用意されていなかったはずのバスローブをリリィに羽織らせ、背もたれのある椅子にそっと座らせる。
バスタオルは何枚か用意してくれてあったが、リリィを拭いたバスタオルで体を拭き、用意されていた特大のバスローブを羽織って一息ついた。そうして改めて脱衣場に目を向けると、冷たい水で満たされた水さしとグラスが置いてある。
行き届いた心配りに感謝しつつ水を飲み、リリィにも飲ませてやろうとしたところで動きが止まる。リリィはとても喉が乾いているだろうから口元に水を持っていってやれば自然にそれを飲み下すだろうが、冷たい水を火照った肌にこぼすと目を覚ましてしまうかもしれない。
そんなことを言い訳にして、アジムは冷たい水を口に含む。
そうして口の中で水が温まってしまう前に、リリィの唇に自分のそれを重ねて流し込んでやる。ゆっくりと流し込んだ水をリリィがこぼさずに飲み下したことを確認して、もう一度水を口に含んで口移しで飲ませてやろうと顔を近づけると、リリィはアジムの首に腕を絡め、送り込まれる水を求めて自分から唇を開いてアジムの口内を舐めるように水をねだってきた。
「ん…ふ、ん……」
ちゅぱちゅぱと音を立ててアジムの口の中のものを、嬉しそうに飲み下していく。
喉が乾いていたんだな。
そう理解はできているものの、好意を抱いている女性に情熱的に口づけされるのは、嬉しい。
アジムはまたぞろ股間のものが疼くのを抑え込みつつ、性欲を我慢して風呂に入れた結果の約得を、リリィの身体を抱き寄せながら堪能した。
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