【R18】VRMMO 最強を目指す鍛錬記

市村 いっち

文字の大きさ
上 下
94 / 128
諦観の騎士 リリィ・フランネル

諦観の騎士 リリィ・フランネル(1)

しおりを挟む
 一晩かけてアカネを徹底的に絶頂き狂わせてその身体に存分に精液を吐き出して満足したアジムは、アカネが完全に気を失っていることを確認して風呂場に足を向けた。温かな湯で絞ったタオルを手にして戻ると、意識を取り戻す気配などまるでないアカネを見下ろす。アジムが一方的に突きまくって出しまくった秘所だけでなく、出した後のものに奉仕させた口や顔、手や胸にもべっとりと体液がまとわりついている。その汚れ尽くしたアカネの身体をタオルで順にぬぐっていく。
 大量の体液のせいで何度か風呂場を往復してタオルを絞り直してアカネの身体をある程度まで綺麗にしてから、身体を抱き上げてベッドの比較的汚れのすくない場所に移してやった。最後にベッドの下に放り出されていた毛布をかけておいてから、アジムは風呂場にタオルを戻してベッドに戻る。

 どうやら気絶から睡眠に移行したらしいアカネの穏やかな寝顔をみて一つ笑みを浮かべ、アジムもアカネの横に身を横たえた。そのまま精を出し切った満足に身を任せて目を閉じ、ゆるやかに襲ってきた眠気に抗うことなく眠りに入った。

 そうしてゆっくりと眠り、十分な睡眠が取れた充足感とともにアジムは目を覚ました。部屋は相変わらず照明もないのにうっすらと明るい。窓がないのでどのくらい眠ったのかわからないが、すっきりとした目覚めで体調はとてもいい。

 隣で眠っていたはずのアカネはおらず、すでに体温のぬくもりもなくなっていた。風呂場から水音が聞こえている。先に目覚めて身支度を始めていたのだろう。
 素っ裸のまま眠っていたアジムも雑に脱ぎ捨てて放り出したままになっていた衣類を集めて身につけていく。昨夜もアカネを気絶するほど抱いたというのに元気に朝の目覚めを主張する自分のものを、ため息をつきながら強引にズボンの中に収めて立ち上がると、ちょうどアカネが身支度を終えて風呂場から出てくるところだった。

「おはようございます」
「ああ、おはようさん」

 アカネはバスタオルだけを身につけていた。幼い小柄さのある少女だが、胸や腰つきは大人以上に熟れたアンバランスな色気がある。その彼女が湯上がりでしっとりと濡れた髪や汗が流れ落ちる胸の谷間、むっちりとした太腿を晒していると、ただでさえ生理現象で硬くなっていたものがさらに硬くなってしまう。
 風呂上がりのいい匂いが漂ってくるのが、とても良くない。バスタオル一枚でそのはち切れそうな身体を隠しているだけというのも、とても良くない。薄布一枚だけ剥がすだけで現れる身体が極上のものであることをよく知っているだけに、本当に良くない。

 アジムはさり気なくベッドに腰をおろして足を組み、股間のものを自分の太腿で抑え込んで隠しながら、

「あの、服は着ないんですか?」
「全裸に首輪だけで連れてこられたから服がないんよ。
 まあ、部屋出たら戦う前の状態に戻るから、
 今はこのままでエエかな」

 服を着るのを勧めてみるが、そう返されて「そういえばそうだった」と納得する。
 ただ、眼福な地獄が継続するのは確定した。

 女性から望まれて抱くのは言い訳もできるが、リリィに想いを寄せる自分が、自分の欲望で女性を抱くのはやっぱり駄目だろうと思うのだ。

「いや、それにしても、アジムをヤれると思ったら、
 返り討ちにあってここまでがっつり陵辱プレイされるとは思わんかったわ。
 自分でも笑ろてまう笑ってしまうくらい
 お股がぬるぬるになってたんを元性奴隷、みたいな設定で
 上手いこと拾ってくれたんはよかったけど」

 そんなことをつらつら考えていたアジムは、けらけらと明るく笑いながら言ったアカネの言葉に聞き捨てならないものを感じた。

「……陵辱プレイをされたかったわけではなかったんですか?」
「んー? まあ、負けたら好きにさせたる、とは言ったから、
 激しめに抱かれるんだろうな、とは思ってたけどなー。
 まさか闘技場でそのまま公開レイプされて、
 部屋に連れ込まれて奴隷扱いで気絶するまで抱き潰されるとは思ってなかったなぁ」
「すみませんでしたっ!!」

 アジムは、と音がするほど床に額を打ち付けて土下座した。アカネの身体に反応して硬くなっていたものも、早くもしゅんと萎んでしまっている。
 ベッドの前に立ったまま話していたアカネは突然のアジムの土下座に目を丸くした。

「なになになに?
 ウチはなんで謝られてんの?」
「陵辱プレイを望んでいなかった方に無体な振る舞いをしてしまって、
 本当に申し訳ありません!」
「あー」

 アジムの謝罪になんと言っていいかわからず、間延びした唸りをあげたアカネは豊かな胸を持ち上げるようにして「どうしたものか」と腕を組んだ。
 その様子にどんな罵りを受けるのかとアジムがびくっと身を震わせる。

「気にせんでもエエよ。ウチから吹っかけた勝負やし、
 勝ったらアジムを鎖で縛り上げて延々と焦らしプレイで泣かしたろと思ってたし。
 何より、負けたウチが悪い」

 だが、ひらひらと手を振りながらアカネが口にしたのはとても寛大な言葉だった。
 アジムよりもむしろ自分を責めるようなもので、ある種の矜持さえ感じさせる。

「いや、でも……」
「エエよエエよ。まあ、それでも気になるんやったら、
 ウチのギルドの戦争に協力してや。
 アジムみたいな重戦士パワーファイターは戦争の要になるけど、
 ウチのギルドにはおれへんのいないのよ」
 
 アジムはさらに反論しようとして口をつぐんだ。陵辱されたアカネ本人が負けた自分が悪いと言っているのだ。それを勝者である自分が覆そうとするのは、ひどく傲慢な気がしたのだ。

「ちゃんと傭兵報酬も払うで?
 アジムがどこかのギルドに所属してないんやったら、
 ウチのギルドに参加してくれてもいいし、
 所属してるんやったら移籍してきてくれても歓迎やで」
「ああ、いえ、別のギルドに所属しているので、
 ギルド参加はちょっと……」
「そっか。まあ、傭兵に来てくれるだけでもありがたいわ。
 重戦士はどこででも取り合いになるからなぁ」

 床で正座していると、立っているアカネと視線がほぼ同じ高さだ。アカネはまだ気後れしたままのアジムの顔を覗き込んで、真っ白な歯を見せてにっと笑った。

「なんかクソ真面目でカワイイなぁ、自分」

 首を傾げながら「はぁ」と気のない返事を返したアジムにまた笑い、アカネは身を翻した。

「とりあえずここから出よか。
 お腹も空いたし、ご飯を食べながらゆっくり話をしようや、
 

 そう言い残したアカネが性の牢獄のような部屋から出ていくと、その身を隠していたバスタオルだけがはらりと舞って落ちた。床に正座したままちゃん付けで呼びかけられて驚いてたアジムが気を取り直すと、そこにアカネの姿はもうなかった。
 アジムは頭を掻きながら立ち上がると残されたバスタオルを風呂場に戻し、鎧や剣を身に着けていく。ちゃん付けして呼ばれたことに驚きはしたが、不快感はない。ゲーム内では明らかに年下だが、現実リアルのほうでは年上なのではないかと感じる。

 アジムが鎧と県を身につけて廊下に出ると、強い光で視界を奪う転移が行われて気づけば地下闘技場の受付に戻っていた。

「遅かったなぁ、アッちゃん」

 先に部屋を出ていたアカネが、戦う前の武具を身につけた姿で声をかけてきた。

「ええと。おまたせしました。
 装備を身につけてすぐに出てきたんですが」
「別に装備をしなおさんでもエエんやで。
 勝手に元通りに武器も鎧も戻してくれるから」
「ああ」

 そういえば三人組と戦ったときも、一戦ごとに元の状態に戻るようになっていた。あれと同じように戻してくれるのだろう。

「じゃあ、とりあえずご飯にしよか。
 アッちゃんは闘技場コロッセオ、初めてやねんな?
 ローマの食べるとこは知らんよね?」
「はい。どこかオススメがあったら教えてもらえると嬉しいです」
「アッちゃんはよーよく食べそうやからなぁ。
 ボリュームあるとこが良さそうやな」

 言いながらアカネは闘技場の外に足を向けた。アジムもそれを追って薄暗い地下闘技場から地上に出る。明るい場所に出た眩しさに目を細めながらアカネの背を追っていると、イタリアの町並みではあるがどこか違和感のある路地に入り込んだ。
 違和感の正体はすぐにわかる。どの商店も、看板に掲げた商品の価格表示に「円」を使っているからだ。そういう目で路地に所狭しと商品を並べる店先の品々を見回してみると、どれもここに着くまでに歩いてきた商店のものと比べると、明らかに多彩で、細かいところまで気の行き届いた品々だ。

「ここはプレイヤータウンなんですか?」
「そうそう。闘技場で戦う連中が補充し忘れてた薬とか、
 そういうメイン武器以外の道具を買いに来るとこやねん。
 闘技場で戦った後の打ち上げとかに使われる居酒屋とかもあって、
 美味しいお店も多いんやで」

 チューリッヒほどの規模はなくとも、普段遣いできる店などがたくさんある界隈なのだろう。アジムはそう受け取って、店先を除きながらアカネの後を歩く。確かに、剣や槍、鎧のような持っていて当たり前の装備はあまりおいておらず、薬や矢、包帯等といった消耗品が中心だ。それ以外には食べ歩きができるような串焼きの食べ物や果物、飲み物などが多い。

 そんな通りを歩いていると、馴染みのある匂いに鼻をくすぐられた。ゲーム内で馴染みのある匂いではない。現実リアルのほうで馴染みにある匂いだ。アカネはその匂いに向かって真っすぐ歩いていき、躊躇うことなく暖簾をくぐって奥に向かって声をかけた。

「おっちゃーん。豚モダンとビール二つずつー」

 起き抜けに食べる食事としては、重すぎではなかろうか。
 そんな風に思うが、現実リアルのほうでもあまり食べる機会のないが発するソースとマヨネーズの匂いに、アジムは笑みを浮かべながらアカネの後に続いて暖簾をくぐった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

とある高校の淫らで背徳的な日常

神谷 愛
恋愛
とある高校に在籍する少女の話。 クラスメイトに手を出し、教師に手を出し、あちこちで好き放題している彼女の日常。 後輩も先輩も、教師も彼女の前では一匹の雌に過ぎなかった。 ノクターンとかにもある お気に入りをしてくれると喜ぶ。 感想を貰ったら踊り狂って喜ぶ。 してくれたら次の投稿が早くなるかも、しれない。

服を脱いで妹に食べられにいく兄

スローン
恋愛
貞操観念ってのが逆転してる世界らしいです。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった

ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます! 僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか? 『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』

貞操観念逆転世界におけるニートの日常

猫丸
恋愛
男女比1:100。 女性の価値が著しく低下した世界へやってきた【大鳥奏】という一人の少年。 夢のような世界で彼が望んだのは、ラブコメでも、ハーレムでもなく、男の希少性を利用した引き籠り生活だった。 ネトゲは楽しいし、一人は気楽だし、学校行かなくてもいいとか最高だし。 しかし、男女の比率が大きく偏った逆転世界は、そんな彼を放っておくはずもなく…… 『カナデさんってもしかして男なんじゃ……?』 『ないでしょw』 『ないと思うけど……え、マジ?』 これは貞操観念逆転世界にやってきた大鳥奏という少年が世界との関わりを断ち自宅からほとんど出ない物語。 貞操観念逆転世界のハーレム主人公を拒んだ一人のネットゲーマーの引き籠り譚である。

勇者のハーレムパーティー抜けさせてもらいます!〜やけになってワンナイトしたら溺愛されました〜

犬の下僕
恋愛
勇者に裏切られた主人公がワンナイトしたら溺愛される話です。

1001部隊 ~幻の最強部隊、異世界にて~

鮪鱚鰈
ファンタジー
昭和22年 ロサンゼルス沖合 戦艦大和の艦上にて日本とアメリカの講和がなる 事実上勝利した日本はハワイ自治権・グアム・ミッドウエー統治権・ラバウル直轄権利を得て事実上太平洋の覇者となる その戦争を日本の勝利に導いた男と男が率いる小隊は1001部隊 中国戦線で無類の活躍を見せ、1001小隊の参戦が噂されるだけで敵が逃げ出すほどであった。 終戦時1001小隊に参加して最後まで生き残った兵は11人 小隊長である男『瀬能勝則』含めると12人の男達である 劣戦の戦場でその男達が現れると瞬く間に戦局が逆転し気が付けば日本軍が勝っていた。 しかし日本陸軍上層部はその男達を快くは思っていなかった。 上官の命令には従わず自由気ままに戦場を行き来する男達。 ゆえに彼らは最前線に配備された しかし、彼等は死なず、最前線においても無類の戦火を上げていった。 しかし、彼らがもたらした日本の勝利は彼らが望んだ日本を作り上げたわけではなかった。 瀬能が死を迎えるとき とある世界の神が彼と彼の部下を新天地へと導くのであった

処理中です...