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武闘家 ゼルヴァ・ケンプフェルト

武闘家 ゼルヴァ・ケンプフェルト(10)

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 すすり泣くゼルヴァを楽しみながら、乾いた喉を潤そうとベッドに投げ出してあった酒瓶を手にするが、中身はすっかり空になっていた。舌打ちしつつゼルヴァをベッドに残し撒き散らされた小便を避けて床に降りると、アジムは自分の荷物に足を向けた。

 荷物から酒瓶を取り出して、全裸のまま一口あおる。
 乾いた喉と腹が強い酒精に焼けるのを楽しみながらベッドに目を向けると、失禁を見られた恥辱から立ち直ったゼルヴァが力の入らない下半身をそのままに、身体を起こしてこちらを睨みつけていた。

「なんだ犬っころ」

 アジムがじろりと高い位置から視線を返してやると、ゼルヴァの視線がわずかに怯んで、それでも最後に残った希望にすがる言葉を口にした。

発勁はっけいが綺麗に決まれば、お前だって……!」

 初めて男に貫かれた痛みで折れていた心を、押し付けられた恥辱と屈辱に対する憤りでどうにか立て直して言葉を口にする。女として大事なものを奪われ、狼としての誇りも踏みにじられたゼルヴァは、最後に残った武闘家として身につけた技に縋った。

 奥義が決まれば打ち倒せるはず。
 だがそれも、陵辱され続けて体力を奪われたゼルヴァが、疲れた様子などまるでないアジムの隙をついて完璧な一撃を叩き込めるという、ゼルヴァにとって都合の良すぎる状況で初めて可能性のある未来だ。

 希望に縋りながら、それを果たせず陵辱され続ける未来しか見えない。

 アジムを睨みながらもシーツを握りしめて絶望を噛みしめるゼルヴァに、アジムはにんまりと笑みを浮かべた。

「いいぜ。試してみるか」

 アジムは酒瓶を片手にベッドに近づき、身体を起こしたゼルヴァの目の前に無造作に立ってみせた。
 呆れるほど分厚い腹筋を前に、ゼルヴァはアジムを呆然と見上げる。突然目の前に現れた希望を信じられずにいるゼルヴァに、アジムは首を傾げる。

「試さないのか?」

 それでも希望を信じられないゼルヴァは尻込みしてベッドの上で後ずさる。

「まあ、試しても試さなくても、
 おまえがこの後も俺の玩具おもちゃなのは同じだがな」

 だが、重ねて言われた言葉に押され、陵辱されて力の入らない体のありったけの氣を右の拳に集め、鋼のような腹筋に向かって振りかぶった。
 アジムはそれをにやにやとした笑みを浮かべたまま見ている。

「うわああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 ゼルヴァは叫びとともにうっすらと性交の汗の浮いた褐色の腹筋に向かって、全身の氣を集められるだけ集めて輝きを帯びた拳を打ち込んだ。

 どすっ、と、昼間に戦ったときに打ち込まれたものよりも軽い音がして、ゼルヴァの拳がアジムの腹筋にぶつかる。

 それだけだった。

 ゼルヴァが拳に集めた氣は防具を何もつけていない昼よりも備えのないアジムの腹をとおることもなく、打ち込んだ腹筋の表面で氣の輝きは儚く霧散した。

「あ……え……?」

 ゼルヴァはアジムの腹に拳を当てたまま、結果が理解できずに呆けた表情で揺らぐこともなかったアジムの腹筋を見ている。
 アジムは予想通りの結果に笑みを深くした。

 奥義なんてものは、心技体が揃っていて初めて放つことができる繊細なものだ。

 陵辱されて縮こまり、思わぬ好機に急かされて怯えと焦りを抱えた心。
 氣を高めるための調息もなく、不安定なベッドの上で膝立ちのまま不必要に大きく振りかぶって放った技。
 初めての男に無理やりこじ開けられ、体力を奪いつくされて力など出せるはずもない体。

 そんな状態で放つ技に、普段の威力などあろうはずもない。それでも体に残っていたありったけの氣を集めて放った拳は、普通の男なら倒しきれたかもしれない。
 だが、相手はアジムだ。人間離れした身体の強靭さとあふれる生命力が鎧になって、拳に集めたゼルヴァの氣は弾き飛ばされてしまった。

「もう、諦めはついたか?」

 アジムは酒瓶を放り出して自分の腹に当てられたままになっていたゼルヴァの右手の手首を掴み、ぎらついた欲望で彩られた獰猛な笑みを浮かべてゼルヴァの顔をのぞきこむ。そこまでされて、ゼルヴァはようやく自分の技がアジムにまったく痛痒つうようを与えることができなかったことを理解した。そして同時に、目の前にいる自分をどう貪るかを吟味ぎんみしている雄に、抗うすべをすべて失ったことを理解させられた。

「あ……や……ぁ……」

 耳はぺたりと頭について、尻尾が股の間に潜り込む。自分の何もかもが通用しない目の前の強靭な雄の、暴力的な性欲が自分に向けられている。

「や、やだっ! ごめんなさい!
 ごめんなさい……!」

 ゼルヴァは怯えた顔で何かを否定するように何度も首を横にふり、手首を掴まれていてできもしないのに後退りしようとする。
 汗で肌に張り付いた袖のないシャツだけを身に着けた、陵辱の痕が痛々しい少女のそんな憐れな姿に、欲望と嗜虐心をますますかきたてられる。アジムは掴んでいた手首を引っ張って逃げようとしていたゼルヴァを自分の手元まで引きずり込むと、空いた手に顎を掴んであらためてその顔をのぞきこんだ。

「諦めはついたのかって聞いてんだよ。
 どうなんだ!?」

 アジムに怒鳴られたゼルヴァは「ひぃっ」と悲鳴と一緒に恐怖に身を縮こまらせ、何度もがくがくと頭を縦に振りながら必死に許しを請う。

「ごめんなさい、ごめんなさい、
 もう逆らいません! お願い、許して!」

 それを聞いたアジムはにんまりと満足の笑みを浮かべて、ゼルヴァをベッドに突き飛ばした。
 アジムは仰向けにベッドに転がったゼルヴァに向けて、

「じゃあ、態度でみせてみろ、犬っころ」

 アジムに言われたゼルヴァは犬扱いされたことでその顔に微かに怒りの炎をちらつかせたが、黙って笑みを浮かべて見下ろすアジムの存在にその怒りはすぐは形になるまえに萎えてしまう。そして、ベッドに仰向けに転がされたゼルヴァは、ちらちらと何度も言葉を撤回してくれるのを期待してアジムを見上げては、それを裏切られてノロノロと初めて男を受け入れたばかりの白濁液で穢された股を広げていく。

 アジムの目の前で、ゼルヴァは仰向けに寝転がって手足を縮こまらせ、股を開いて腹をみせた。
 犬がする、服従のポーズだ。

「よーしよしよし。
 よくできたな、犬っころ」

 満足気に言われ、ゼルヴァの瞳から涙があふれる。

 服従のポーズのまま両手で顔を覆ってしゃくりあげるように泣き出したゼルヴァに、アジムの肉棒ははち切れそうなほど滾っていく。ゼルヴァが広げた股の間に身体を押し込み、顔を隠す両手を力まかせに引き剥がして、手首を掴んでベッドに縫い止める。そして、憐れな少女を蹂躙する悦びに満ち溢れた男根を、痛々しく広げられた割れ目にこすりつけた。

 ゼルヴァは押さえつけられたまま、涙で潤んだ目でアジムを見上げて首を横に振る。

「やめて……やめて……」

 アジムは快活だった少女の弱々しい懇願に、べろりと舌なめずりをして低く嗤った。

「ご主人さまのちんぽを嫌がるバカ犬には、
 躾をしてやらねぇとな?」
「んぅ……ああ、あぁぁぁぁぁああぁぁぁぁあぁっ!!」

 言葉と一緒にアジムのものが入り込んでくる感覚に、ゼルヴァは絶望の声を上げた。
 すでに何度も中に精を吐き出され、絶頂を繰り返したゼルヴァのそこは、常人離れした大きさのアジムのものをぬるりと飲み込んでしまう。それがどうしようもなく気持ちよく、その気持ちよさがゼルヴァの心をさらに責め立てる。

「ひああぁぁああぁぁぁっ!
 やっ、やああぁぁぁぁぁああぁぁぁぁ!!」
 
 押さえつけられ、どこも動かすことができない中で、唯一自由になる首を必死に首を振って否定しようとしても、自分の中を出入りするものがそれを許してくれない。

 ぬるぬるとした粘りつくような音と一緒に一突きされるだけで、ゼルヴァの身体は歓喜に震えてしまう。

 負けて、踏みにじられて、気持ちいい。

「随分と良さそうじゃねぇか、犬っころ。
 やっぱり狼なんかじゃねぇな」
「あうぅぅぅぅ……!
 いやっ、いやぁぁああぁぁぁ!
 ああぁぁぁぁぁあああぁっぁぁぁっ!?」

 嘲るアジムの言葉に諦め悪く快感を否定しようと身体をよじらせるが、自分の中を出入りする男根を角度を変えてくわえ込むことになってさらなる快感を呼び込んでしまう。

「ボクは……ボクはああぁああぁっぁぁっ!」

 ゼルヴァが最後の高みへ駆け上がり始めたのを感じて、アジムも腰の動きを早める。汗と涙でぐちゃぐちゃになった快感を隠そうとすることもできなくなった少女を見下ろしながら、もう一度心をへし折ってやるために何度も何度も一番奥を突き上げてやる。

「おらっ、イけっ、イっちまえ!
 雌犬になっちまえ!」
「ああ、あおおおおぉぉぉぉぉああぁぁぁぁぁっ!!」

 囃し立てるように声をかけられ、はらに精液をぶちまけられて、ゼルヴァは情けなさとともに絶頂した。それまでの薬で無理やり引き出された異常な性感とは違う、踏みにじられ、罵られ、それを快感と感じての絶頂だった。

 がくがくと身を震わせ、収まらない絶頂に身を震わせるゼルヴァの身体に、精を吐き出したばかりのアジムの大きな身体が覆いかぶさってくる。

 そして、そのまま激しい抽挿がまた始まる。

「ああぁぁぁぁぁっぁああぁぁぁぁっ!?」

 まだ絶頂から降りてこられていないところにさらに強烈な快感を叩きつけられて、ゼルヴァは裏返った声で悲鳴のような嬌声を上げる。

「どうせ一発出された程度じゃ納得してないんだろ。
 徹底的に躾けてやる」
「あおっ!? あおおおぉぉぉぉぉん!
 おおおぉぉぉぉぉぉん!?」

 大きな身体にのしかかられて、身体を腕ごと抱きしめられて、身動き一つできないままつがいになった男と子孫を育むためにある場所を、快感を得るために好き勝手に使われる。

「口を開けろ。
 雌の舌の使い方も教えてやる」
「あっ、あむっ……!?
 う……むぅ……んん、ん……!」

 愛を確かめ合うための行為も雄を楽しませるための奉仕にさせられて、自分が雄を悦ばせるためにあると、一突きされるたびに頭の中を真っ白にする快感と一緒に教え込まれる。

「おら、二発目だ。
 しっかり子宮に飲み込めよ」
「あ、ひあ……ああ、ああぁぁぁぁぁっっ!!」
「力が抜けて滑りがよくなったな。
 雌犬のまんこになってきたじゃねぇか」
「ああ、ああぁぁ……
 はああぁぁぁぁっぁあっぁっ……」

 また子宮に子種を注がれ、それでも膣を抉る肉棒の動きは止まらない。

 絶頂から降りてくることを許されないまま雌穴として使われ続け、絶頂イキっぱなしのまま何度も子種を注がれる。もうどこにも力など入らない。繰り返し与えられる快楽と精液を、体力を使い果たしてか細く身を震わせながら、掠れた声でかすかな絶頂の叫びをあげて受け入れ続けるしかない。

「…ぁ……は……っ!」

 何度目かわからない精を吐き出され、ようやく男の腰の動きが止まった。
 快楽で真っ白にされ続けていた頭の中にわずかに色が戻り、現実が戻ってくる。

 ゼルヴァが快楽から解放されて絶頂の余韻に身を震わせていると、自分にのしかかって身体を押さえつけている男がにやにやと笑みを浮かべて見下ろしていた。

「さて、もう理解できただろう。
 おまえは、何だ?」

 踏みにじられる悦びを徹底的に身体に刻まれたゼルヴァに、それに抗う気力はなかった。

「雌犬、です……」

 それを聞いてアジムは笑みを深めたが、ゼルヴァの言葉に応じることなくベッドに転がしてあった回復薬の瓶を手に取った。蓋を開けてそれを口に含むと、口づけに抵抗しなくなったゼルヴァに口移しで飲ませてやる。

 しばらくすると快感で緩みきっていたゼルヴァの顔に、理性が戻ってきた。回復薬の効果で体力を取り戻し、感覚も正常に戻ってきたようだ。だが、暴れ出すほどの気力は戻っていないらしく、アジムにのしかかられ、太いものを受け入れさせられたまま、荒く、浅い、甘さの残る呼吸を繰り返しながら、恨みがましい目つきでアジムを見上げている。

 アジムは口の中に残る回復薬の苦味を飲み下し、あらためてゼルヴァの両の手首を掴んでをベッドに抑え込むと、貫いたままのゼルヴァの中をゆっくりと責め始めた。

「やだやだやだやだ!
 もういやだ! やめて、やめてぇぇぇぇぇ!!」

 自分の中を出入りするものにまた何もわからなくされてしまう恐怖にゼルヴァが必死に首を横に振るが、アジムはにやにやした笑みを浮かべたままわざとらしくため息をついて見せる。

「違うだろ。雌犬なんだから、
 ちんぽを突っ込んでもらったら喜べよ。
 仕方ないからもう一度はじめから躾け直してやる」
「あっ、あっ、はっ……いや、いやあぁぁぁっぁつ!
 ああぁぁっぁぁっぁぁぁああぁぁぁっ!!」

 体力は戻っても官能の炎は燃え上がったままだ。アジムが腰の動きを早めてやるだけでゼルヴァの拒絶は嬌声に変わる。
 それでも涙をこぼしながら首を横に振り続け、逃れられるはずもないのに受け入れきれないほどの快楽から必死に逃れようとするゼルヴァは、アジムの劣情を煽る。ゼルヴァが逃れようとすればするほど、アジムの抽挿は激しさを増していく。肉棒を突き立てるたびにぐっちょぐっちょと精液と愛液の混じり合ったものが音を立てる。びくびくと絶頂寸前の痙攣をみせはじめたゼルヴァの膣は、とても具合がいい。

「そーら、ご主人さまの精液だぞ。
 しっかり飲み込めよ!」
「きゃおおおぉぉぉおおぉぉぉん!?」

 身勝手に膣を使い、ゼルヴァの身体にのしかかって身体を抱きすくめて身動きできなくしてから、堪えもせずに精液を子宮にぶちまける。そんな扱いでも言われるがままに精液を受け入れてゼルヴァが身体を震わせて絶頂した。

 どろどろとしたものをたっぷりと注いでやりながら、さらに次の射精を求めて抽挿を繰り返す。

「ああぁぁぁぁあぁぁぁぁぁっ!
 あおああぁぁっぁぁぁぁおおあぁぁぁぁぁっぁぁぁっ!!」

 絶頂しているのにまた次の絶頂に向けて高め続けられるゼルヴァは壊れたように身体を震わせながら、遠吠えのような嬌声を上げて、自分にのしかかる男にもう無理だと首を横に振って許しを請う。

 だが、アジムにはそんなことはどうでもいい。

 自分が満足するまでたっぷり使ってやると決めていた。枕元に投げ出した回復薬もまだたっぷり残っている。反応が悪くなったらまた飲ませて、朝までたっぷり犯し尽くしてやろう。

 最後まで壊れずに快感を拒絶し続けるなら無理やり絶頂かせまくってその無駄な拒絶を楽しんでやれる。途中で壊れて本当にちんぽ狂いの雌犬になるなら、犬らしく奉仕を仕込んで楽しんでもいい。

 どちらにしても楽しい未来に、アジムは笑みを浮かべてさらに激しくゼルヴァに突き入れる。

「あおおおぉぉぉぉぉん!?」

 雌犬の絶頂き声がまだ日も昇りきられない部屋に響き渡った。
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