【R18】VRMMO 最強を目指す鍛錬記

市村 いっち

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武闘家 ゼルヴァ・ケンプフェルト

武闘家 ゼルヴァ・ケンプフェルト(7)

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 アジムが宿の外に出ると、建物の前の広場に人だかりができていた。とは言っても、小さな村だ。片手で数えられるほどの人数しかいない。だが、アジムが足を進めると、集まった村人たちは例外なくアジムに棘のある視線を向けてきた。先に外に出ていたゼルヴァがアジムについて話したのだろう。

 ゼルヴァとの戦いが互角で展開すると、最後で介入されて面倒なことになるかもしれない。

 できれば戦いの場を変えたいところだったが、アジムが剣を振り回すのに十分な広さがあって、村人たちもゼルヴァを挟んだ反対側に退避してしまうと、場を変える理由がうまく思い浮かばない。そうこうしている間に軽く体を動かして調子を確認していたゼルヴァに目の前で構えられてしまい、なし崩しにその場で戦うことになった。

 審判などいない戦いだ。
 目の前で構えられているのにそれに備えていなければ、それは備えていないほうが悪い。

 アジムは表情を変えないまま内心で舌打ちしていたが、肩に担いでいた剣をおろして足を開き、沈めた右腰の位置で柄を握り体を守るように刀身を斜めにしてきっさきをゼルヴァに向けて構えた。

 対するゼルヴァは半身になって左手を軽く曲げて腹を守るように構え、右手は胸元と顎を守って配置していた。両手とも拳を握らず、軽く開いて構えている。足は前後に開いて軽く腰を沈め、リズムを刻むように上下に身体を揺すっている。

 アジムは気のないフリをしながら注意深くゼルヴァの視線を追っていたが、ゼルヴァがポーションバッグから装備を変えてきたアジムの右腰のあたりで目を留めることはなかった。気がついていないのだろう。右腰を後ろにして構えたので、投擲用短剣スローイングダガーなどはゼルヴァの視界から隠せている。十分に不意をつけそうだ。

 そう考えるアジムに気づかず、ゼルヴァは構えたのを見てアジムから見て左側。アジムが剣を構えた右腰とは反対側に周り始めた。左に逃げるゼルヴァに向かってアジムが剣を振るうには、右から大きく薙ぎ払うか、左側に構え直して薙ぎ払わなければならない。どちらを選択しても一瞬だが、アジムの攻撃がゼルヴァに届くまで時間がかかる。

 ゼルヴァの動きに追従してアジムもゼルヴァを正面に捕らえ続けようと身体の向きを変えていくが、ゼルヴァの足さばきは恐ろしく早い。足元を修正しながらついていくが、足元を修正するたびに少しずつゼルヴァを正面に捉えられない時間が増えていく。

 焦れたアジムが剣で薙ぎ払おうと踏み込む。その瞬間を狙って、ゼルヴァも踏み込んできた。
 アジムが剣を振るう反対側。アジムの左側から回り込むようにしてアジムが踏み出した左の膝を踏みつけるようにして蹴る。アジムはその蹴りを、咄嗟に膝を曲げて受けた。踏み込んだ足が地面と自分の体重で固定された瞬間を狙って膝関節を曲がらないほうに蹴る。アジムはうまく受けたが、何も対処せず蹴られればそれだけで膝が内側に折れて骨が皮膚を破って飛び出してしまっただろう。

 うまく受けはしたが、アジムの踏み込みはその蹴りに止められて剣は勢いをなくし、半端な弧を描いてゼルヴァを捉えられない。

 アジムの振るう剣の内側に入り込んだゼルヴァは、アジムの腹に鎧の上から拳を触れさせた。

 ただ触れただけで衝撃がこなかったことにアジムが訝しく思った瞬間に、

「ふぅっ!」
「ぐ、ふっ!?」

 ゼルヴァの呼気とともに、どずん、と腹に衝撃がとおった。思わず二、三歩ほど後ろに下がり、痛みと衝撃に丸まりそうになる背中をどうにか伸ばして剣を構え直す。息が詰まったが、具合を確かめながらゆっくり呼吸すれば、差支えがあるほどでもない。
 だが、まだ身体も出来上がっていない少女であるゼルヴァの細腕からは予想もできない、凄まじい一撃だった。腹の中を直接殴りつけられたようだ。鎧が全く意味をなしていない。食人鬼を殴り倒したとは聞いていたが、アジムはそれを連打で削り倒したと思い込んでいた。鎧を身に着けていればある程度は無視しても大丈夫だろうと高を括っていた自分を、殴りつけてやりたい。

 アジムがゼルヴァの戦力を大幅に上方修正して顔をあげると、ゼルヴァはまだ拳を振り切ったままだった。その顔はアジムを一撃で倒しきれなかった驚きが浮かんでいる。

 ゼルヴァが放った一撃はアジムに驚きを与えていたが、放ったゼルヴァもまた驚いていた。
 食人鬼を倒したときよりもさらに大きな氣を乗せた、必倒の意志を込めた一撃だった。鎧の上から氣と衝撃を浸透させ、はらわたに破壊して自分の血反吐に沈めてやるつもりで叩き込んだ。しかし、ゼルヴァの想像を遥かに超えたアジムの強靭な肉体とそこに宿る生命力が、ゼルヴァの氣と衝撃を減衰させてしまった。これではアジムの腹を破壊する前に、ゼルヴァの氣が尽きてしまう。

 ゼルヴァは構え直しながら、改めてアジムの身体を見直す。腹を殴っても倒しきれない。頭は直接狙うには身長差がありすぎる。上段蹴りで届かないわけではないが、あの馬鹿げてタフな男を一撃で倒しきれる自信はないし、足を掴まれてしまうかもしれない。
 ゼルヴァは視線をアジムの足に向ける。それなら、下段で足を削るか。

「……っふ!」 

 戦いの方針を決めきれない間に、アジムが踏み込んできた。
 大剣のなぎ払いを後ろに下がって避ける。

 そのまま流れていく大剣を見送って、アジムの懐に飛び込んでいく。牽制に軽いパンチを鎧に当てて先程の一撃を警戒させておいてから、太ももの外側を狙った下段回し蹴りを放つ。それに対してアジムは足を浮かせて蹴りを脛で受けた。
 そして、蹴りを受け止めずに、

「……っ!?」

 わずかに体制が崩れたところに剣の柄を振り下ろされて、ゼルヴァは慌てて後ろに下がって避けた。
 避けながら足を削る難しさを思い、歯噛みする。この男、格闘の下段を知っている。

 苛立ったように眉を寄せるぜルヴァにアジムは左手に持った剣を突き出すように極端な半身で右腕を隠し、腰の後ろに隠し持っていた投擲用短剣を握った。そして、大きく左足を踏み込んで身体の捻りを使い、最後まで右腕が見えないようにしながら、ゼルヴァに向かって全力で短剣を投げつけた。

「うわっ!?」

 ゼルヴァに向かって唸りを上げて投擲用短剣がまっすぐに走る。ゼルヴァはそれをどうにか避けた。
 避けたが、体制が崩れる。アジムはそこを狙って踏み込み、大剣でなぎ払う。

 ゼルヴァは横に飛び込むようにしてギリギリでそれを避け、そのまま地面を転がるようにしてアジムの間合いから逃れた。アジムは舌打ちして逃れたゼルヴァに向かって先程と同じ投げ方で立ち上がるところを狙って投擲用短剣を投げつけたが、今度は警戒していたぜルヴァにあっさりと身を翻して避けられてしまう。

 距離が離れて、お互いに構え合う。
 仕切り直しだ。

「さすがに犬っころは
 地べたを転がりまわるのが得意なようだなぁ」
「ボクは狼だって言ってるだろ!」

 アジムの嘲った言葉に怒ってみせながら、ゼルヴァは構えたまま調息ちょうそくをして氣を整える。丹田から巡る氣が四肢に巡って新たな活力を湧き上がらせ、戦闘の興奮で熱くなっていた意識が落ち着きを取り戻す。

 ゼルヴァは落ち着いた目で目の前の男を改めて確認しながら、アジムの剣を避けるように右側に回り始める。下段蹴りの受け方は知っているようだが、やはり足を削るのが妥当だろう。それに、一言で下段蹴りと言ってしまっても、色々な蹴り方や蹴る場所がある。すべてを完璧に受けきれるはずはないし、受けさせない。存分に足を削って膝をつかせ、最後に筋肉の鎧がない頭に氣を乗せた一撃を叩き込んでやろう。

 そう考えてゼルヴァが前に踏み出そうとしたところへまたアジムが短剣を投げつけてくる。それを最小限の動作で避けて、ゼルヴァはアジムの懐へ飛び込んだ。

 アジムは飛び込んできたゼルヴァの太ももの内側を狙う蹴りや、巻き付くようにふくらはぎを狙ってくる蹴りを丁寧に防御しながら、投げつけた三本目の短剣に対するゼルヴァの対応に、機が熟したのを感じていた。まだ隠し持っている短剣はもう一本あるが、アジムが右腕を隠して投げるものが短剣であることを疑いもしなくなっている。
 アジムはダメージを覚悟で一発だけゼルヴァの蹴りを太ももで受けて、それに苛立ったフリをして剣を振りかぶった。

「ああ、鬱陶しいな!」

 声とともに左から右になぎ払うと、ゼルヴァは大きく後ろに飛び退すさって剣の間合いから逃れる。そして、アジムが剣を左手で保持して右腕を後ろに構えたのを見て、投げつけられる短剣を避けて踏み込めるようゼルヴァはいつでも前に踏み込める体制で待ち構える。

 それこそがアジムの待ち望んだ状況だ。口元が緩まないように気をつけながら、短剣ではなく同時に身につけておいた腰袋の中に手を入れて中身を握りしめた。なるべく今までと同じ投げ方に見えるように振りかぶり、中身が広がるようにゼルヴァの上から投げつける。

「え? あっ!」

 アジムが短剣を投げるものだと決めてかかっていたゼルヴァは大きく広がったそれを避けることをできず、覆いかぶさってしまう。

 アジムがゼルヴァに投げつけたのは、投網だ。
 網がゼルヴァにかかったのを見て、アジムはすぐに網を強く引く。

「あ、うっ……痛っ……!」

 網の裾部分についた獲物を逃さないためのかぎが、ゼルヴァの服や肌に食い込む。その痛みで抵抗もできないままアジムが手繰り寄せる網とともに、ふらふらと無防備に引き寄せられる。

 アジムはゼルヴァを眼前まで引き込むとにやにやと笑みを浮かべて言った。

「よく頑張ったな。
 ご褒美だ」

 ゼルヴァの腹に膝蹴りを打ち込む。
 ゼルヴァは網と痛みで動きを制限されていたが、それでも自分に襲いかかる膝を見て最後の掛けに出た。ありったけの氣を乗せて、アジムの膝を打ち砕こうと肘を打ち込んだ。

「がっは……っ……!」

 だが、無理な体制で挑んだ掛けは無惨な結果に終わった。氣を乗せた肘は弾き飛ばされ、アジムの膝はゼルヴァの腹に深々とめり込んだ。

 喉を駆け上ってくる熱いものをこらえながらも、ゼルヴァはその場で崩れ落ちた。衝撃に身体がよじれ、意識が明滅する。熱い汗が冷たいものに変わって全身から吹き出してくる。

 アジムは激痛にのたうつゼルヴァを見下ろして、感心したように声を出した。

「大したもんだな。
 全力で膝を打ち込んで意識があった人間は、
 犬っころが初めてだな」

 犬と言われても反論する余裕などないゼルヴァから、肌に食い込んだ網の鈎を外してやりながら身体を見聞する。首元の広いシャツから見える胸はまだ膨らみなどない薄いものだが、鍛えられてがっちりしていると思っていた下半身のほうは触れてみると思いの外柔らかい。

「安産型だな、犬っころ。
 たっぷり種付けしてやろう」
「……っく」

 にやにやとアジムがこのあとのを想像しながら言うと、どうにか四つん這いまで身体を起こしたゼルヴァはアジムの金的を狙って拳を繰り出した。

「……本当に、大したもんだな」

 アジムはその弱々しい攻撃を難なくあしらったが、にやにや笑いを引っ込めてゼルヴァを称賛した。アジムの手加減抜きの膝を食らって反撃までできるとは思わなかったのだ。防御技術も回復力も想像以上だ。暴れられると面倒だ。きっちり意識を刈り取っておいてやろう。
 アジムは四つん這いになったゼルヴァに上から覆いかぶさり、その首に腕を絡める。

「ぁ……ぅ……ぐ……っ!!」

 ダメージから回復しきれていないゼルヴァは首に絡められたアジムの腕を阻むことができない。

「……ぁ! ……かはっ!」

 ゼルヴァは首に力をいれて抗っていたが、アジムが腕に少し力を込めれば、腕は首に食い込んで呼吸の自由を奪い去った。それでもアジムの腕を引っ掻いて抵抗していたが、いくらも経たないうちに、その虚しい抵抗もやんでゼルヴァの腕はだらりと垂れ下がった。

 アジムはゼルヴァがのを確認して、腕を解く。

 気を失ったゼルヴァの身体は無防備にうつ伏せに転がる。その軽い身体を腰から腕を入れて小脇に抱え、放り出していた剣を手にとって宿の扉に足を向ける。一応は警戒していたが、食人鬼を難なく倒したゼルヴァが打ち倒されたことに驚いている村人たちは声をかけてくることもない。

 アジムは扉を開けて宿に入ると、料理を作り終えて手持ち無沙汰に立っていた宿の親父に機嫌よく声をかけた。

「おう、メシができてたか。
 ありがとよ」

 炙った乾燥肉と野菜やチーズを挟んだボリュームのあるサンドイッチの皿が、食堂兼酒場のテーブルに乗っている。アジムはゼルヴァを小脇に抱えたまま酒場の隅においてあった他の荷物を剣と一緒に背負い、サンドイッチの皿を手にして宿の親父に声をかけた。

「部屋はどこを使えば良いんだ?」
「あんた、そのをどうする気だ?」

 そう言葉を返されたアジムは面倒くさそうに息をつく。

「どうするもこうするも、
 部屋で可愛がってやるに決まってるじゃねぇか」
「まだ幼いだろう。
 酷い真似はやめてやってくれ」
「おいおい。そもそも喧嘩を売ってきたのはコイツだろう。
 俺が負けてたらぶっ殺されてたかもしれないんだぜ。
 それを一晩、相手をするだけで勘弁してやろうってんだ。
 むしろ俺は優しいくらいだろう」
「その娘には食人鬼を倒して村を助けてもらったんだ。
 なあ、頼むよ」

 アジムは苛ついて舌打ちすると、宿の親父の目の前まで移動してその顔を見下ろして言った。

「いい加減にしろ。
 部屋でのは珍しいことじゃないだろう。
 これも同じことだ」

 恐ろしく身長が高く、身体も分厚いアジムが目の前で凄むと、威圧感が凄まじい。それでも村のために働いてくれた少女の身を案じて、宿の親父は言葉を絞り出す。

「それはお互いに合意があるからだろう。
 俺の宿で強姦は勘弁してくれ」

 威圧しても諦めない宿の親父に、アジムは本当に面倒くさくなった。

「いいぜ。なら、あんたの嫁か娘を出せ。
 俺が満足するまで奉仕させろ。
 それなら強姦じゃねぇだろう」

 一瞬だけ喜んだ宿の親父はアジムの言葉に凍りつく。

「居ないなら別に誰でもいいがな。
 コイツに助けてもらった村の女を差し出すなら、
 コイツを勘弁してやってもいいぜ。
 まあ、一人で満足できるはずもないから、
 四、五人ほど相手してもらうことになるだろうが」

 アジムは凍りついた宿の親父を見下ろして声を荒げる。

「どうするんだ!
 このよそ者の犬っころを差し出すのか!
 村の女を集めて来るのか!
 どっちなんだ!?」

 怒鳴りつけられた宿の親父は、俯いてゼルヴァと村の女たちを天秤にかけた。目の前の男と戦って天秤そのものを壊してしまうという考えは浮かばず、僅かな躊躇いの時間のあと、厨房の壁にある客室の鍵を取ってくるとアジムに向かって突き出した。

「……部屋は、二階の一番奥だ」

 アジムはにんまりと笑みを浮かべてそれを受け取ると、剣や荷物、サンドイッチと一緒にゼルヴァを抱え、階段を登って姿を消した。

 宿の親父は酒場の椅子に力なく腰を落とした。
 この村で育ち、生きてきた。一緒に育ってきた幼馴染の妻や、そろそろ年頃になる娘。仲良く喧嘩もした友人たちの姉や妹、伴侶や娘。そんな女性たちを、あの無法者に差し出すことはできない。

 できれば、村を救ってくれたゼルヴァも差し出したくはなかった。
 だが、どちらかを差し出すしかないのであれば、差し出すのは一緒に居た時間の少ないよそ者であるゼルヴァだった。

 選択をしてしまってから、村の男を集めてあの大男を襲うという考えが浮かんできたが、何を馬鹿なことをと首を振る。
 ゼルヴァが倒してみせた食人鬼でさえ、村の男だけでは殺されることを覚悟しての時間稼ぎしかできないのだ。
 食人鬼を倒したゼルヴァ。そのゼルヴァを倒した男。
 そんな男に村人が束になってかかっても、返り討ちにあるのは火を見るよりも明らかだ。

 陰鬱な気分を抱えたまま酒場の椅子に座り込んで動けない宿の親父の耳に、聞きたくもない自分が差し出した少女の悲鳴が聞こえてきた。
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