【R18】VRMMO 最強を目指す鍛錬記

市村 いっち

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復讐の騎士 リリィ・フランネル

復讐の騎士 リリィ・フランネル(11)

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 アジムは船の上から、久しぶりに定宿のあるシラクーザの街を臨んでいた。シラクーザはシチリア島にある街の一つで、古代の建造物とその地下のダンジョンや大きな教会などが多数あるために、冒険家たちも多く行き交う街だ。だが、それ以上に、シチリア島という島が、ほかの土地とは大きくかけ離れた特徴を持っている。
 シチリア島には治安維持を行う警察のようなものがない。犯罪を犯したところで、誰に処罰されるわけでもない土地になっている。
 このために、シチリア島では当たり前のように麻薬窟まやくくつや暗殺請負業までが、看板を出して店を開いている。奴隷の存在は合法だが、政争に負けた貴族や社会的に立場のあるものの恨みを買ってしまった商人たちなど、違法な手段で奴隷に堕とされた奴隷たちの売買もこの島で行われていたりするので、犯罪に絡んだ莫大な金の行き来があって狂的な活気がある土地にもなっている。
 世界にいくつも同じような土地はあるが、シチリア島ほどの規模を持つものはほかにはない。ヨーロッパ方面の後ろ暗い部分のほとんどが、この島を経由して行われていると言っても過言ではないほど、闇の色が濃い島だ。
 アジムはシラクーザの港に滑り込んだ船から、島に降り立った。宿までとはいえ鎧を着こみ、普段通り大剣や薬を身に着けて港を歩く。地中海に浮かぶ島で、強い陽光に白い建物が目に鮮やかな街並みだが、この街で何かが起こったからと言って助けてくれるものはいない。それを知っているからか、アジムの目には街の白さがどこかくすんで見えてしまう。
 そんな街を荷物を背負って歩いていると、強く目を引くきらきらとしたものが目をかすめた。くすんだ白さの中で、偽りのない輝き。アジムに踏みにじられ、穢し尽くされてなお立ち上がり、もう一度挑もうとできる強さをもったもの。港を行き交う人々も、街に似つかわしくないそれに目を引かれる。
 一度は泥にまみれた金色の髪や鎧も手入れされて光沢を取り戻し、ただ気が強いだけだった緑の瞳は敗北を知り立ち直ったことで強さを身に着けた。アジムの目が自分を見つけたことを認めて、ゆっくりと腰の剣を抜いていく。
 輝きの主であるリリィが、剣の切っ先をアジムに向かって突き付けた。

「戦ってもらうわ。
 戦士アジム」

 アジムはそんなリリィを鼻で嗤った。

「なんだ。俺のちんぽが忘れられなかったのか」

 リリィは応えずに歯を食いしばり、突き付けた剣を引いて足を前後に開き、顔の横に構えた剣をいつでも突き込める体制になった。

「おいおい、こんな人通りの多いところでおっぱじめようとするなよ。
 ……ついて来な」

 アジムはきびすを返し、顎をしゃくってリリィを誘うと、無造作に背を向けて歩き出した。一応は警戒しているが、わざわざ再戦を望んで来たリリィが後ろから斬りかかってくるとは思わない。そういう意味では自分以上にリリィのプライドを信用している。
 リリィはアジムの背に剣を突き込むか迷った後、大きく息をついて構えを解くと、剣を鞘に納めてアジムを追って走り出した。
 アジムは肩越しに振り返り、リリィが追ってきたのを確認して路地に踏み込んだ。港近くの倉庫街の中でも街と逆方向にあるためにほとんど使われない打ち捨てられたような地区で、浮浪者たちがたまり場にしている。
 アジムは薄汚れて砂埃が舞う路地に荷物を放り出し、大剣を手に取った。アジムが大剣を振り回す余裕のある路地ではあるが、アジムの振り回す大剣を迂回して回りこめるほどのスペースはない。リリィがアジムに踏み込むにはどうしても振り回される大剣をかいくぐる必要がある。
 戦場を自分に選択させたリリィのを嗤いながら、アジムはリリィを振り返った。
 リリィもすでに剣を抜きはらい、強い視線をアジムに向けていた。

「戦士アジム。
 あんたに勝って、私は私を取り戻す!」

 そう宣言して、リリィは剣を正眼に構えた。
 リリィの装備は前回戦ったときと変わらない。片手用の長剣ロングソードの柄を伸ばし軽めの片手半剣バスタードソードにした剣と、浮彫レリーフの細工がなされた質の良さそうな革鎧レザーアーマー。剣は鉄を容易く切り裂く強力な魔法剣。鎧も見た目の優雅さを裏切る防御性能を誇るものだ。それ以外の装備も変わったようには見えず、腰のベルトに短剣ダガーを下げているのも同じだ。

「それにしても、良いときに来てくれた」

 アジムはニタニタと嗤いながら、リリィを見下ろして言葉を続ける。

「仕事の関係でな。
 ここ半月ばかり女日照りだったんだよ」

 アジムは視線でリリィの肢体を舐めまわす。尻も胸も薄く、まだまだ女としては未成熟だが、少女から女になっていく過程にある。その身体を欲望のままに貪りつくし、自分という雄を刻み込んで自分好みの女に躾け、熟れさせてやる楽しみは、何物にも代えがたい。

「ずいぶんため込んじまって
 娼婦おんなを買っても一人に相手をさせるとぶっ壊しちまいそうだから、
 場末ばすえの娼婦を4、5人買うことになりそうだと思ってたところだ」

 アジムが粘つく視線を顔に戻すと、強い光を帯びるようになった緑の瞳が真正面から欲望に満ちた視線をぶつけられてわずかにひるむ。ふっくらとした頬も恐怖をねじ伏せようと歯を食いしばったのかこわばっている。
 リリィは美しい少女だ。手入れの行き届いた金色の髪は輝きを蓄えた絹のようであるし、怯えが見え隠れする顔も少女らしい丸みを帯びた愛らしさに満ちている。場末の娼婦の草臥くたびれた髪や肌とは比べるのもばかばかしいほどに、瑞々しさにあふれていた。

「全部リリィちゃんで発散させてもらおう。
 簡単に壊れてくれるなよ?」

 そんなリリィをぐちゃぐちゃに犯しぬけると思うと、もうたまらない。
 歯を見せて、にぃっと嗤ってやると、リリィは気力を振り絞って叫んだ。

「今度は、負けない!」

 リリィが流れるように間合いを詰める。
 戦いが、始まった。


   〇


 機先を制したリリィが踏み込んで斬撃を送り込むと、アジムはそれを大剣で迎え撃った。リリィはお互いの剣をぶつけ合った後、速さに勝る自分が次の一撃を先に送り込めるつもりだったが、リリィの剣とぶつかり合ったアジムの大剣が絡みつくようにリリィの剣を巻き込み、そのまま鍔迫り合いに持ち込まれてしまった。

「……っ、<火の矢ファイア・ダート>!」

 鍔迫り合いで押し切られてしまえばそれだけで決着されてしまう。リリィは剣を押される前にと咄嗟に左手を剣から離して、アジムの顔に向かって無集中の魔法を放った。アジムは右手を開けてリリィの魔法を手甲ガントレットで受ける。リリィはアジムが<火の矢ファイア・ダート>に対処している間に大きく後ろに下がってアジムの剣の重みから逃れると、

「<爆発エクスプロージョン>!」

 逃げたリリィを追って踏み込んでくるアジムに牽制の魔法を放った。だが胸のあたりで爆発が起こっても気にすることなくアジムは踏み込んできて、大きく斬り降ろしてくる。リリィはさらに後ろに飛び退ってその一撃を避け、振り下ろした勢いと重量で即座に大剣は引き戻せないだろうと判断して、一気に間合いを詰めようと踏み込む。だが、振り下ろしたはずの大剣の切っ先が目の前に差し出され、リリィは慌てて足を止めた。アジムは大剣を無理に振り上げることはせず、手元を少し動かして切っ先の向きだけを変えてリリィを牽制したのだ。
 足を止められて、リリィは剣を正眼に構えなおす。アジムも足を広げて腰を落とし、大剣を縦に、目の前で捧げるようにして構える。
 仕切り直しだ。
 短い時間の攻防だったが、激しい動きをした上に魔法を使うために声も上げたので、呼吸が急激に乱れている。汗も噴き出してきた。それでも、間合いに勝るアジムを相手にじっとしていれば届かない距離で一方的に攻撃を受け続けることになる。リリィは先んじて踏み込んでいく。
 魔法で牽制し、剣で隙を探る。
 だが、以前にはなかった懐の深さが、リリィの魔法を、剣を、あっさりと飲み込んでしまう。魔法は鎧に阻まれ、剣は間合いを制されて届かない。それどころか、甘い攻撃はいなされて、アジムの攻撃の切っ掛けにされてしまう。魔法を、剣を振るうたびに消耗し、望まぬ未来がひたひたと近づいてきていることを感じる。
 それを感じたリリィは、何度目かの仕切り直しで荒い息をつきながら覚悟を決めた。

「<爆発エクスプロージョン>」

 アジムの足元に魔法を放つ。砂が積もった地面は、爆発魔法を叩きつけられてすさまじい砂埃を舞い上げた。同じ魔法を立て続けに打ち込むと、お互いの姿が見えないほどの砂埃になった。そこまでしてから、リリィは地面に伏せた、<集中>のために目を閉じた。
 アジムは砂埃にただでさえ細い目をさらに細め、リリィの姿を見失わないようにしていたが、さすがにそこまで砂埃を巻き上げられると地に伏せたリリィを見失ってしまった。牽制に腰に刺してあった投擲用短剣スローイングダガーを投げつけてみたが、伏せたリリィにあたるはずもない。
 しばらくして海風が砂埃を散らしていく。そのときにはリリィの<集中>は終わっていた。

「<暴走バースト>!」

 能力を引き上げる支援魔法には3つの種類がある。「増強ブースト」「上昇アップ」「暴走バースト」だ。「増強ブースト」は割合で向上する。本人が得意としている能力……例えばアジムならSTR(筋力)にかけると上昇幅が高い。「上昇アップ」は固定値での上昇だ。「増強ブースト」と比較すると得意としている能力にかけると上昇幅は少ないが、苦手としている能力……アジムでならDEX(器用さ)やSPD(速さ)にかけると「増強ブースト」よりも上昇幅が高くなる。
 そしてリリィが使った「暴走バースト」。これは上昇させる能力を指定することはできず、必ずすべての能力が「増強ブースト」を最大効率でかけたときと同じか、それ以上に向上する。だが、それ相応の反動があり、魔法がきれると同時に大きな疲労と、一時的な能力の減少を伴う。そうなってしまえば、リリィはアジムの圧力になすすべもないだろう。しかし、このまま戦い続けたとしても負けないかもしれないが、勝てもしない。
 リリィは、アジムに勝ちに来たのだ。

「うわああぁぁぁ!!」

 伏せた体制から、地を蹴り、這うような低さで踏み込む。
 アジムは明らかにそれまでよりも速いリリィの動きに目を見開いたが、それでも大剣が迎撃に動く。だがリリィはそれを低い体勢のままかいくぐり、後ろに下がるアジムを追って斬りつけた。

「いってぇ!」

 アジムの鎧の継ぎ目を狙った一撃で、血がしぶく。浅い傷ではない。リリィの筋力にも増強効果が乗って、踏み込む速さだけでなく攻撃力も上がっている。アジムは牽制に横薙ぎに大剣を振るったが、速度が増強されたリリィはそれを後ろに下がって避けきった。
 容易く自分の攻撃範囲を出入りするリリィにアジムが舌打ちする。
 だが、魔法の効果時間という制限のあるリリィも余裕があるわけではない。呼吸を整えるいとまもなく、改めて踏み込む。アジムはそんなリリィに一歩ながら斬撃を放つ。今まではそれだけで距離を離して対応できたのだが、今のリリィはアジムが一歩下がる間に二歩、三歩と間合いを詰めてくる。リリィの剣から逃げきれない。また一つ傷を増やされて、アジムは歯噛みする。

「クソが!」

 悪態をついても状況は改善しない。それどころか、リリィが半端に狭い路地の壁を蹴って、アジムの振るう大剣を飛び越える動きまで見せるようになった。前後の動きだけでなく、上下の動きまで交えられて、さらに傷が増える。
 大剣ではリリィの速度にまったく対応できない。アジムは大剣を片手で持ち、左手に短剣ダガーを抜いた。甲高い金属がこすれる音とともに、リリィの剣をどうにか受ける。軽く、扱いやすい短剣なら受けることはできるが、魔法もかかっていない、質もあまり良くない短剣では凄まじい切れ味を誇るリリィの剣を受けるだけでひどい刃こぼれが出来ていく。リリィの攻撃を受けるためだと割り切りはしたものの、2、3回受けに使うだけで刃を切り捨てられるのにはぞっとする。それでも完全に防御に徹することで、どうにかリリィの攻撃の一部を受けることがでできるようになってくると、少し余裕も出てきた。
 短剣を使い捨てながらその余裕で観察してみると、リリィの攻撃は単調になっていた。魔法を絡めた崩しはなりをひそめ、剣だけですべて必殺を狙ってくる。顔や大きな血管を通る場所ばかりを狙ってくるので防御がやりやすい。動きも速いことは速いのだが、常時最速で動き続けているせいで目が慣れてきた。シズカのような緩急がないので、タイミングの予測もしやすい。
 どうも自分の速さに振り回されているらしい。
 そう結論付けたアジムがどっしりと構えると、攻撃を受けられるようになって焦ったリリィがさらに激しく攻めかかってくる。だがそれも今までの動きの延長線上にあるもので、アジムにとって目新しさのあるものではない。
 アジムが激しいが退屈な攻撃をさばき続けていると、それは起こった。
 リリィの手で振るわれる剣が、突然失速する。タイミングを外されたアジムが短剣で受け損ね、胸に剣を突き立てられて焦る。だが、力を失った剣は鎧を貫くことどころか、大した衝撃を与えることもできずに鎧に弾かれて主の手の中に戻った。
 アジムは怪訝に思ったが、力なく一歩、二歩と後ずさったリリィを見て顔に笑みを浮かべた。

 魔法の効果時間が切れたのだ。

 増強されたVIT(体力)で過度にできてしまった運動による疲労と、魔法の反動による疲労を合わせて抱え込み、呼吸すら危うくなったリリィがふらつきながら、それでも剣を構えようと腕を振るわせる。
 どの程度、戦う力が残っているのか。
 アジムは腰のポーションバックから回復薬を抜き取り、口に運びながら見せつけるようにゆっくりと大剣を振りかぶると力など入れず、大剣の重さだけでリリィに向かって振り下ろした。荒い呼吸の中で自分に向かって落ちてくるものを悟り、鉛のように重くなった腕でどうにか剣を振り上げてそれを受ける。だが、大剣の重さだけで振るわれたそれを受け止めきれず、大きく体勢を崩して二、三歩ほどよろめいてから、どうにか踏みとどまった。たったそれだけの動作で、リリィの呼吸はさらに苦しさを増している。
 アジムはリリィを見下ろして、舌なめずりをした。
 もう戦う力など残っていない。そして、噴き出す汗を手でぬぐいながら空気を求めて喘ぐリリィはひどく
 アジムが傷の癒えた手や腕の鎧を外しながら無造作に近づくと、リリィはのろのろとした動きで、それでもアジムの首を狙って剣を突き出して来た。アジムは攻撃を避けようともせず剣を持つリリィの手首を掴むと、そのまま路地の壁にリリィの両方の手首を片手で縫い留めた。
 荒い呼吸の中で、手の自由を奪われたリリィがアジムを睨む。

「負けだな、リリィちゃん」

 下卑た笑みを浮かべてそう声をかけてやると、苦しそうだったリリィの顔が悔し気に歪む。
 リリィの表情に気を良くしながら、手首を掴んでいた手に力を入れると、リリィの手から剣が滑り落ちた。

「どうなるか、もうわかってるよなぁ?」

 戦うすべを奪われたリリィの頬を、べろりと舐める。珠のような肌に伝う汗は甘く、男を昂らせる麻薬だ。命をやり取りする興奮が、そのまま性欲にすり替わって股間のものを熱くする。アジムは嫌がって顔を背けるリリィの顎を掴み、唇をふさいで口内も舐めまわす。口での呼吸ができなくなったリリィが鼻でする吐息を顔に感じながら、過度な動きで上がった体温に熱くなった口内を存分に楽しむ。
 疲労が限界に達しているリリィは、ねちゃねちゃと一方的に唇をねぶられている間に抵抗する気力を失ったようだった。口内で傍若無人に振る舞うアジムの舌に噛みつくこともなく、アジムが顎を掴む手を離しても顔を背けることもなく。アジムにされるがままで、ようやく負けた事実を認識したのか涙をにじませた。
 リリィの唇を楽しみながら、顎を離れたアジムの手はリリィのズボンのベルトに手をかけた。
 ベルトを外し、綿のズボンを引き下ろしてやると、飾り気のない真っ白なショーツが晒される。服に隠れて日の当たらない場所の肌の白さは、アジムをさらに興奮させた。我慢が利かなくなったアジムは慌ただしく自分のズボンのベルトを外し、前をはだけると自分のものを引きずり出す。すでに痛いほど硬くなったそれはしばらく女を抱く機会がなかったせいでたまりにたまった興奮が先走り、透明なものを垂らしている。
 アジムは吸い付いていたリリィの唇から口を離すと、お互いの唾液でとろとろになったリリィの口に指を突き入れて、糸を引くほどたっぷりとその唾液を指にまとわせた。そして自分のものにそれを塗り付けて湿らせると、リリィのショーツをちぎり捨て、無毛の幼ささえ感じさせる秘所に自分のものをあてがった。リリィの少女らしい小さなそこに、馬鹿でかいアジムのものがあてがわれていると、グロテスクささえ感じさせる。

「ぁ……や……」

 疲れ切って気力の萎えたリリィだったが、それでも挿入されるのを嫌がって身体をよじる。リリィの秘裂から亀頭が逸れて舌打ちしたアジムはリリィの片足を膝で引っかかっていたズボンから引き抜き、股を開くように抱え込んで身体の動きを封じ、改めてリリィの大事なところに突き入れるために自分のものをあてがった。

「ぅ……! ぁあ……! あ……」

 そして、前戯など何一つされてない、受け入れる準備などなにもないリリィの秘所に押し入った。
 リリィが目を見開き、かすれた悲鳴と涙を零す。

「おっ、おおぅ……」

 亀頭を何とかリリィの中にねじ込んだところで、そのぬくもりに思わず射精する。

「ははは。
 しばらく女を抱いてなかったから、暴発しちまったぜ。
 やっぱりリリィちゃんのまんこは最高だな、オイ」

 自分勝手な感想を口にしたアジムはリリィの両手を拘束していた手を離し、抱え込んでいなかったもう片方のズボンが引っかかったままの足を抱え上げると、全身でリリィの身体を壁に押し付けるようにしてさらに深く挿入する。

「あうぅ……っ!」

 膣に吐き出された精液が潤滑油になっているとは言え、痛みと圧迫感にリリィが悲鳴をあげる。アジムに抱えられて足が地面を離れ自分の体重のほとんどが挿入された場所にかかってしまっている。内側を抉られる痛みに、リリィは少しでも体重のかかる場所を分散しようと自由になったばかりの両手でアジムの身体に抱き着いた。

「おお、そんなに俺のものがいいのか?
 情熱的だな、リリィちゃん」
「あっ、うっ、は、ぁっ……!」

 アジムはリリィの両手の意図を理解したうえでそんな風にリリィを言葉でなぶりながら、自分勝手に突き上げる。リリィは首を横に振って必死に否定しながら、めちゃくちゃに突き上げられて乱される呼吸のなかで空気を求めて喘ぐ。
 アジムは登ってきた射精感をため込むことなく、そのままリリィの中に二度目の精液をぶちまけた。

「んぅうぅ……!?」

 熱いものが膣を焼く感覚に、リリィが身を震わせる。だが、射精をしながらもアジムの抽挿は緩む気配がない。一度や二度、射精した程度でため込んだ欲望が萎えるはずもない。抱いているのは場末の娼婦ではなくリリィなのだ。出せば出すほど欲望が募る。空気を求めて喘ぐ唇に吸い付き、口の中を蹂躙しながらさらに激しく壁に押し付けるようにして突き上げまくる。
 リリィは身体を奥まで貫かれ、唇をふさがれて呼吸もままならない。疲れ切った身体に叩きつけられる陵辱に加え、自由な呼吸も許されず、リリィはもう限界だ。
 アジムが痛みを緩和しようと自分にしがみついていたリリィの手から力が失われ、ただ突き上げられるだけになったことに気づいて唇を解放して顔を覗き込んでやると、意思の光を失った目が虚ろに自分を見上げ、貪られるままに開きっぱなしになった口からは唾液が溢れている。

「仕方ねぇ。続きは部屋に連れ込んでからだな」
「は、あっ、あっ、あ……」

 反応のなくなってしまったリリィに宣言して、アジムは腰の動きを速めた。突き上げられるたびにリリィの口から力ない喘ぎが零れる。膣はすでに吐き出された精液で溢れ、抽挿されるたびに粘ついた水音を響かせている。アジムは抱えていたリリィの足を手放し、肉は薄くとも張りのある尻を掴むようにしてリリィを抱き寄せると、さらに激しく腰を打ち付けていく。

「おおっ……出すぞ!」
「う、ああっ……ああ……」

 そしてひときわ強く突き入れて、三度目の精液をリリィの中に吐き出した。一番奥にしみこませるように突き入れたものを射精しながら何度もこすりつけ、存分にリリィの中に注ぎ込む。絶望の呻きをもらしたリリィが、がくりと頭を落とす。射精を終えたアジムが挿入した一物もそのままにリリィの顎を掴んで顔を上げさせて覗き込むと、すでに限界を超えていたリリィは気を失っていた。
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