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侍 シズカ・トモエ
侍 シズカ・トモエ(2)
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出だしこそ置いてけぼりだったが、歓迎会なのでアジムを中心にギルドメンバーが話を振ってくれる。アジムは内心ではわたわたと、しかし表情には出ないまま、質問されることに応えていく。リリィが最初に決闘メインでプレイすると言っておいてくれていたおかげで、その関連の話が多く振ってもらえて、知らないことが多いアジムにはすごくありがたい。
「リリィとメルフィナとローズガーデンの二人とやったのか。
それぞれのアジムさんの評価はどんなもんなの?」
「初心者だっていうのを考慮すると、ものすごく強いと思うよ。
タフなのはモチロンだけど、ずっと防ぐだけの状況でも、
動揺してくれないんだもん」
「私はゴーレムをぶつけただけなので強い弱いはなんとも言えませんけど、
アジムさん、確かに動揺はしないですねぇ。
落下して閉じ込められかかっているのに、
冷静に<夜目>のポーションを飲んでましたし」
リリィとメルフィナがアジムに興味があるらしい獣人の少女に応えている間、アジムはルナロッサが作り、ソフィアが並べてくれた料理を口に運んでいた。ヴェネツィアはアドリア海に突き出た港町だ。その地元料理はアドリア海で採れる豊富な魚介を使ったものが多い。どこか日本の南蛮漬けに似たサルデインサオールや薄く切ったパンに干ダラのマンテカートを塗ったもの、新鮮な小エビを茹でて塩を振ったものなど、ワインに合うものもあれば、スカンピ海老のタリアテッレやイカ墨リゾットなど、腹にたまるものもしっかりと用意されていた。それ以外にも広場で露店で見かけたスップリやフェガト・アッラ・ベネチアーナのような魚介以外の料理も用意されている。
現実のアジムはあまり開けているとは言い難い山育ちだ。マグロやサバ、アジのような一般的な魚であれば刺身や焼き魚、煮魚として食卓に並ぶが、新鮮な魚やエビ、イカを使ったヴェネツィア料理など、そもそも存在自体知らなかった。ルナロッサの作ってくれた料理はどれも馴染みはなかったが、目新しくて旨い。
ほかのギルドメンバーたちがワインを傾けつつ、話をしつつであまり料理が減らないなかで、アジムの前に並んだ皿からは料理があっという間に消えていく。表情はあまり変わらなくとも口元を緩めて満足げな息を漏らしながら、もりもり食べる姿はルナロッサとソフィアにしっかりと見られていたらしい。気が付くと料理がなくなっていたはずの皿に新たに料理がてんこ盛りになっていた。
アジムが二人に目を向けると、食べるアジムをにこやかに見ていた。特にルナロッサはにっこにこだ。作ったものを美味しそうにたくさん食べてもらえるのは嬉しいらしい。
「で、そっちのアジムさんを餌付けしている姉妹の評価は?」
獣人の少女から問われたルナロッサとソフィアは顔を見合わせてどちらが応えるのか視線で譲り合ってから、ルナロッサがアジムに向き直った。
「気を悪くしないで聞いてもらいたいんけど……
ぶっちゃけ、ONの都市決闘は絶望的に向いてないな」
アジムは口の中のエビを飲み込みながら、ルナロッサの気遣う視線に向かって頷く。勝って二人を陵辱するまでに、8連敗していた。最後の勝ち方も、アジムが待ち構えているところを襲いに来るという、二人にとってかなり不利なシチュエーションで勝たせてもらったようなものだ。
「まず、ONの都市決闘やるにはアジムは目立ちすぎるんだよ。
でかい! いかつい! だから、一万人とかの都市でも普通に噂になる。
決闘相手に簡単に居場所がばれるから、一方的に不利な状況にされるんだ」
ギルドメンバーの視線がアジムに集中して、全員が納得して頷いた。身長だけみても大航海時代直前のヴェネツィアのような世界有数の大都市でもアジムは頭二つ分は飛び出て見えるので、遠くからでもおそろしく目立つ。「集合はアジムの下」で解散しても簡単に合流できる。そのうえ、アジムの身体は馬鹿げて分厚い筋肉に覆われているので、容易く噂になる。
「あと、アジムは結構、潔癖だよな。
ONの都市決闘やるなら人でなしじゃないと戦術が制限されるぞ。
例えば……リリィ、アタシらとONの都市決闘やるならまず何する?」
「街を焼く」
「クラウスは?」
「井戸水を毒に変える」
「ほら。途中から教えたけど、
アタシらみたいな社会スキルで戦うキャラクターと
直接戦闘スキルを使う戦士や魔法使いがONの都市決闘をやるなら、
NPCを間引いて社会をぶっ壊す戦術をとらないと」
火の魔法剣士や水の魔法使いが使う魔法属性に合わせた虐殺手段を即答するのをひきつった顔で聞いていたアジムは、ルナロッサに言われて頭を掻いた。
「や、こっちから襲っても反撃してくる人なら遠慮はしないんですが、
逃げ惑うのを後ろからばっさりというのは、抵抗があって」
「まあ、逃げてる人を躊躇いなく後ろから切れる人間よりは
仲間として信用できるけどさ。
NPCはNPCなんだと割り切れないとなー」
「極論ですが、ONの都市決闘は
赤ちゃんをみたら爆発物を仕込むのに適しているな、と、
ごく自然に考えられるくらいの外道さ、非道さがないと強くなれませんし、
アジムさんはプレイヤー的にもキャラクター的にも向いていないと思いますよ」
ルナロッサの説明をソフィアが締めくくる。アジムももう一度、二人に向かって頷いた。
「自分の都合のためだけにNPCを斬るのは心苦しいので、
ONの都市決闘は俺としてもあんまり好きになれそうにないです」
「それにしたって……アジムくん、8連敗もしたんだっけ?
一試合一晩なんていう超スピード決着だし、
現実で一週間以上負けっぱなしでしょ。
ルナもソフィアももうちょっと手加減してあげてもよかったんじゃないの?」
「いや、途中からONの都市決闘の戦い方とかレクチャーしてたんだぜ?」
「真っ向勝負になりやすいように、
決闘する都市の人口をどんどん減らしていったりもしたんですよ」
リリィの言葉にルナロッサとソフィアがすこし気まずそうに言い訳する。
今回はアジムがあまりにもへっぽこだったため、一試合が現実の一晩で済んだ。だが、平日夜の3時間そこそこでアジムが補足され、撃破されたわけではない。1時から24時までは現実の時間と同じ時間がゲーム内でも流れているが、日付変更の0時から1時までは現実の1時間がゲーム内の25時間に引き伸ばされている。
つまり、現実の0時から1時までの1時間で、ゲーム内では1日が進むのだ。
これはゲームのメインユーザーである若い勤め人の勤務時間に考慮した形だ。
通勤時間にもよるだろうが一人暮らしをしている勤め人が仕事から帰ってきて食事や家事をこなして「さあログイン!」と構えると、22時を過ぎていることも多いだろう。中世ファンタジー世界は太陽の動きに合わせて生活しているのだ。22時など真夜中である。街は寝静まっているし、外に出れば夜行性のモンスターが活発化している時間だ。人との交流や冒険など楽しめるはずもない。これに対して運営が回答したのが「0時からの1時間で1日」という時間ルールだ。
これにより平日の夜のログインでもゲーム内で昼間の活動ができるようになり、大多数のユーザーには喜びをもって受け入れられた。ただ「0時からの1時間」にログインできない深夜勤務などのプレイヤーが離れてしまう結果にもなってしまったが、そこは運営側も万人に完璧に合わせきるルールなどありえないことも理解しており、謝罪とともに残ってくれたユーザーを大事にしていく方針を打ち出している。
「まあ、
自分がONの都市決闘に向いていないことがわかったのでよかったですよ。
これで普通の決闘を中心に考えられますし」
ルナロッサとソフィアが小さくなっているのを見てアジムは話に割り込んだ。せっかく都市決闘を教えてくれたのに、二人が責められるのはアジムのほうが申し訳ない。
「そうだねぇ。普通の決闘も決闘ルールがいくつかあるけど、
とりあえずは一人の戦闘経験を増やすのがいいかな?」
アジムの意を酌んでくれたのか、リリィがアジムの話に乗ってきた。そのリリィの言葉を聞いて、前衛を担当するらしきギルドメンバーがうきうきした顔になった。獣人の少女が特に嬉しそうに表情を明るくしている。
「だったら、アタシはシズカさんと戦るのをオススメするな」
「あー。なるほど。シズカさんだったら直接戦闘の搦め手を覚えるのに適任だね」
ルナロッサの言葉にリリィが納得したように声を出す。聞いていた獣人の少女も自分よりも適任だと思ったのか、立っていた耳が、ぺにょん、と悲し気に倒れている。
「ええと、俺は別に誰とでも構いませんよ」
「いや、ボクもシズカさんと先に戦っておくほうがいいと思う。
ボクはシズカさんと戦った後の、強くなったアジムさんとやらせてもらうよ!」
アジムが獣人の少女に声をかけたが、どうもバトルジャンキーのきらいがあるらしい少女は気を取り直したらしく、笑みを浮かべてそう答えた。倒れていた耳もぴんと立ち直っている。
「そうですか? それじゃあ、その、シズカさんにご挨拶を……」
「あー。シズカさん、今日はログインできてないんだよ。
だから、私から連絡を入れておくね」
そこまで言ってから、リリィが笑顔をにやりと悪ぶったものに変える。
「シズカさんは剣……っていうか、刀の専門家だからね。
対処方法に気づくまで何度も死ぬと思うけど、がんばってね、アジムくん!」
アジムはリリィに頷きながら会話の間も食べ続けていて空になった皿を、そろりとルナロッサとソフィアに差し出す。差し出された姉妹はてんこ盛りにしたはずの料理がいつの間にやらすべてアジムの腹に収まっていたことに目を丸くしたが、笑みを浮かべて差し出されたそれを受け取った。
「リリィとメルフィナとローズガーデンの二人とやったのか。
それぞれのアジムさんの評価はどんなもんなの?」
「初心者だっていうのを考慮すると、ものすごく強いと思うよ。
タフなのはモチロンだけど、ずっと防ぐだけの状況でも、
動揺してくれないんだもん」
「私はゴーレムをぶつけただけなので強い弱いはなんとも言えませんけど、
アジムさん、確かに動揺はしないですねぇ。
落下して閉じ込められかかっているのに、
冷静に<夜目>のポーションを飲んでましたし」
リリィとメルフィナがアジムに興味があるらしい獣人の少女に応えている間、アジムはルナロッサが作り、ソフィアが並べてくれた料理を口に運んでいた。ヴェネツィアはアドリア海に突き出た港町だ。その地元料理はアドリア海で採れる豊富な魚介を使ったものが多い。どこか日本の南蛮漬けに似たサルデインサオールや薄く切ったパンに干ダラのマンテカートを塗ったもの、新鮮な小エビを茹でて塩を振ったものなど、ワインに合うものもあれば、スカンピ海老のタリアテッレやイカ墨リゾットなど、腹にたまるものもしっかりと用意されていた。それ以外にも広場で露店で見かけたスップリやフェガト・アッラ・ベネチアーナのような魚介以外の料理も用意されている。
現実のアジムはあまり開けているとは言い難い山育ちだ。マグロやサバ、アジのような一般的な魚であれば刺身や焼き魚、煮魚として食卓に並ぶが、新鮮な魚やエビ、イカを使ったヴェネツィア料理など、そもそも存在自体知らなかった。ルナロッサの作ってくれた料理はどれも馴染みはなかったが、目新しくて旨い。
ほかのギルドメンバーたちがワインを傾けつつ、話をしつつであまり料理が減らないなかで、アジムの前に並んだ皿からは料理があっという間に消えていく。表情はあまり変わらなくとも口元を緩めて満足げな息を漏らしながら、もりもり食べる姿はルナロッサとソフィアにしっかりと見られていたらしい。気が付くと料理がなくなっていたはずの皿に新たに料理がてんこ盛りになっていた。
アジムが二人に目を向けると、食べるアジムをにこやかに見ていた。特にルナロッサはにっこにこだ。作ったものを美味しそうにたくさん食べてもらえるのは嬉しいらしい。
「で、そっちのアジムさんを餌付けしている姉妹の評価は?」
獣人の少女から問われたルナロッサとソフィアは顔を見合わせてどちらが応えるのか視線で譲り合ってから、ルナロッサがアジムに向き直った。
「気を悪くしないで聞いてもらいたいんけど……
ぶっちゃけ、ONの都市決闘は絶望的に向いてないな」
アジムは口の中のエビを飲み込みながら、ルナロッサの気遣う視線に向かって頷く。勝って二人を陵辱するまでに、8連敗していた。最後の勝ち方も、アジムが待ち構えているところを襲いに来るという、二人にとってかなり不利なシチュエーションで勝たせてもらったようなものだ。
「まず、ONの都市決闘やるにはアジムは目立ちすぎるんだよ。
でかい! いかつい! だから、一万人とかの都市でも普通に噂になる。
決闘相手に簡単に居場所がばれるから、一方的に不利な状況にされるんだ」
ギルドメンバーの視線がアジムに集中して、全員が納得して頷いた。身長だけみても大航海時代直前のヴェネツィアのような世界有数の大都市でもアジムは頭二つ分は飛び出て見えるので、遠くからでもおそろしく目立つ。「集合はアジムの下」で解散しても簡単に合流できる。そのうえ、アジムの身体は馬鹿げて分厚い筋肉に覆われているので、容易く噂になる。
「あと、アジムは結構、潔癖だよな。
ONの都市決闘やるなら人でなしじゃないと戦術が制限されるぞ。
例えば……リリィ、アタシらとONの都市決闘やるならまず何する?」
「街を焼く」
「クラウスは?」
「井戸水を毒に変える」
「ほら。途中から教えたけど、
アタシらみたいな社会スキルで戦うキャラクターと
直接戦闘スキルを使う戦士や魔法使いがONの都市決闘をやるなら、
NPCを間引いて社会をぶっ壊す戦術をとらないと」
火の魔法剣士や水の魔法使いが使う魔法属性に合わせた虐殺手段を即答するのをひきつった顔で聞いていたアジムは、ルナロッサに言われて頭を掻いた。
「や、こっちから襲っても反撃してくる人なら遠慮はしないんですが、
逃げ惑うのを後ろからばっさりというのは、抵抗があって」
「まあ、逃げてる人を躊躇いなく後ろから切れる人間よりは
仲間として信用できるけどさ。
NPCはNPCなんだと割り切れないとなー」
「極論ですが、ONの都市決闘は
赤ちゃんをみたら爆発物を仕込むのに適しているな、と、
ごく自然に考えられるくらいの外道さ、非道さがないと強くなれませんし、
アジムさんはプレイヤー的にもキャラクター的にも向いていないと思いますよ」
ルナロッサの説明をソフィアが締めくくる。アジムももう一度、二人に向かって頷いた。
「自分の都合のためだけにNPCを斬るのは心苦しいので、
ONの都市決闘は俺としてもあんまり好きになれそうにないです」
「それにしたって……アジムくん、8連敗もしたんだっけ?
一試合一晩なんていう超スピード決着だし、
現実で一週間以上負けっぱなしでしょ。
ルナもソフィアももうちょっと手加減してあげてもよかったんじゃないの?」
「いや、途中からONの都市決闘の戦い方とかレクチャーしてたんだぜ?」
「真っ向勝負になりやすいように、
決闘する都市の人口をどんどん減らしていったりもしたんですよ」
リリィの言葉にルナロッサとソフィアがすこし気まずそうに言い訳する。
今回はアジムがあまりにもへっぽこだったため、一試合が現実の一晩で済んだ。だが、平日夜の3時間そこそこでアジムが補足され、撃破されたわけではない。1時から24時までは現実の時間と同じ時間がゲーム内でも流れているが、日付変更の0時から1時までは現実の1時間がゲーム内の25時間に引き伸ばされている。
つまり、現実の0時から1時までの1時間で、ゲーム内では1日が進むのだ。
これはゲームのメインユーザーである若い勤め人の勤務時間に考慮した形だ。
通勤時間にもよるだろうが一人暮らしをしている勤め人が仕事から帰ってきて食事や家事をこなして「さあログイン!」と構えると、22時を過ぎていることも多いだろう。中世ファンタジー世界は太陽の動きに合わせて生活しているのだ。22時など真夜中である。街は寝静まっているし、外に出れば夜行性のモンスターが活発化している時間だ。人との交流や冒険など楽しめるはずもない。これに対して運営が回答したのが「0時からの1時間で1日」という時間ルールだ。
これにより平日の夜のログインでもゲーム内で昼間の活動ができるようになり、大多数のユーザーには喜びをもって受け入れられた。ただ「0時からの1時間」にログインできない深夜勤務などのプレイヤーが離れてしまう結果にもなってしまったが、そこは運営側も万人に完璧に合わせきるルールなどありえないことも理解しており、謝罪とともに残ってくれたユーザーを大事にしていく方針を打ち出している。
「まあ、
自分がONの都市決闘に向いていないことがわかったのでよかったですよ。
これで普通の決闘を中心に考えられますし」
ルナロッサとソフィアが小さくなっているのを見てアジムは話に割り込んだ。せっかく都市決闘を教えてくれたのに、二人が責められるのはアジムのほうが申し訳ない。
「そうだねぇ。普通の決闘も決闘ルールがいくつかあるけど、
とりあえずは一人の戦闘経験を増やすのがいいかな?」
アジムの意を酌んでくれたのか、リリィがアジムの話に乗ってきた。そのリリィの言葉を聞いて、前衛を担当するらしきギルドメンバーがうきうきした顔になった。獣人の少女が特に嬉しそうに表情を明るくしている。
「だったら、アタシはシズカさんと戦るのをオススメするな」
「あー。なるほど。シズカさんだったら直接戦闘の搦め手を覚えるのに適任だね」
ルナロッサの言葉にリリィが納得したように声を出す。聞いていた獣人の少女も自分よりも適任だと思ったのか、立っていた耳が、ぺにょん、と悲し気に倒れている。
「ええと、俺は別に誰とでも構いませんよ」
「いや、ボクもシズカさんと先に戦っておくほうがいいと思う。
ボクはシズカさんと戦った後の、強くなったアジムさんとやらせてもらうよ!」
アジムが獣人の少女に声をかけたが、どうもバトルジャンキーのきらいがあるらしい少女は気を取り直したらしく、笑みを浮かべてそう答えた。倒れていた耳もぴんと立ち直っている。
「そうですか? それじゃあ、その、シズカさんにご挨拶を……」
「あー。シズカさん、今日はログインできてないんだよ。
だから、私から連絡を入れておくね」
そこまで言ってから、リリィが笑顔をにやりと悪ぶったものに変える。
「シズカさんは剣……っていうか、刀の専門家だからね。
対処方法に気づくまで何度も死ぬと思うけど、がんばってね、アジムくん!」
アジムはリリィに頷きながら会話の間も食べ続けていて空になった皿を、そろりとルナロッサとソフィアに差し出す。差し出された姉妹はてんこ盛りにしたはずの料理がいつの間にやらすべてアジムの腹に収まっていたことに目を丸くしたが、笑みを浮かべて差し出されたそれを受け取った。
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