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付与魔術師 メルフィナ・ノースウィンド

付与魔術師 メルフィナ・ノースウィンド(2)

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 アジムをゴーレム倉庫に叩き落したメルフィナは、最上階にある私室に戻っていた。

 召使いのゴーレムに指示してお気に入りの紅茶を淹れさせ、自身は大きなソファに身を投げ出して目を閉じた。しばらくして紅茶の香気が近づいてきたので、身体を起こして紅茶を受け取り、カップを口に運ぶ……だが、手が震えてうまく飲むことができない。仕方なく、メルフィナは紅茶のカップを石造りのテーブルに置く。

 怯えている自分には、最初から気がついていた。

 自分は、荒事には向いていない。暴力を見ると、それが自分に向けられていなくとも身が竦む。
 だから戦場に出なくとも仲間のためになれる、付与魔術師になったのだ。
 友人であるリリィに酷いことをしたあの男に、自分の付与魔法をつかってやるつもりはなかった。

 だが、断れば暴力を振るってくるのは間違いない。
 それならば、こちらからあの男をやっつけてしまえばいい。

 そう考えてゴーレム倉庫にあの男を叩き落したのだが、たったあれだけの時間対峙しただけで、手の震えが止まらない。自分の臆病さに嫌気が指す。

 何度も深呼吸をして手の震えを止めて、ようやく一口紅茶を啜る。
 冷めてしまっていたが、ほんのり残った暖かさが、興奮していた心を落ち着けてくれた。

 もう一度召使いゴーレムに淹れさせた紅茶を飲んで、メルフィナは気を取り直してソファから立ち上がる。そろそろ処理は終わっただろう。正直、血は見たくないが、最後は確認しておかなければ安心できない。

 そう思って私室のドアに近づくと、がしゃりがしゃりと言う足音が聞こえてくる。
 どうやらあの男の処理が終わったらしいゴーレムが指示を仰ぎに来たようだ。

 自室のドアを開ける。

「よう。お出迎えご苦労」

 地下のゴーレム倉庫で肉片になっているはずの男が、大剣を片手に、獰猛な笑みと血走った目でメルフィナを見下ろしていた。

 呆然となったメルフィナが気を取り直して逃げようとするよりも早く、アジムの手がメルフィナのほっそりした喉を掴む。

「かっ……はっ……!」

 息が詰まる。そのまま持ち上げられ、足はわずかにつま先だけが地面につくような状態にされてしまう。わずかながら身に付けていた攻撃用の魔法など、とても使えない。両手でアジムの手を掴んではずそうとしても、びくともしない。
 主人の危険を察知した召使いゴーレムが近づいてきたが、面倒そうに振るわれた大剣の一振りであっさり破壊されてしまった。

「ああ、普通に死ぬかと思ったぜ。
 剣やら槍やらだけならともかく、
 腹の中にボウガン連射装置なんて積んだゴーレムなんぞ作りやがって。
 優しくしてもらえるなんて思うんじゃねぇぞ」

 顔色が赤から青になり、視界が真っ暗になっていくところでようやく解放され、メルフィナは床に倒れこんで咳き込みながら必死に空気を求めてあえぐ。

「おい、聞いてんのか!」

 言うが早いか首を掴まれて無理やり立たされ、平手打ちが飛んでくる。
 乾いた打撃音とともにメルフィナの顔が反対側にのけぞる。

「オラ、さっさと返事くらいしろ!」
「ご、ごめんなさい!」
「あぁ?」

 もう一度アジムが平手打ちを振りかぶったところで、メルフィナが必死に声を絞り出した。

「ごめんなさい! ごめんなさい!
 な、なんでもしますから、許してください!」

 叩かれた頬をかばって手を上げて、身を竦めて懇願する。
 アジムは玄関ホールでの対応と、今の怯えきった態度の差に困惑していたが、しばらくしてにたりと嗤うと、わざと大きな音を立てて大剣を放り出した。
 その音だけで身を竦ませるメルフィナの姿を見て、

「こっちが、素かよ」

 アジムは余裕を得てようやくメルフィナの私室に目を向ける。
 最上階のメルフィナの部屋には大きなソファと石造りのテーブルが壁際にある以外は、ベッドがあるだけの簡素な部屋だ。

 アジムはがしゃがしゃと鎧の音を立てながら無造作に部屋を横切ると、ソファにどっかりと腰を下ろした。首を掴まれたままだったメルフィナも一緒に移動させられ、アジムが腰を下ろすのにあわせて跪かされる。

「なんでもするんだったよな?」

 おどおどとした視線で見上げてくるメルフィナにそう声をかけて、アジムは股間を露出させた。
 既に勃起状態のアジムのそれを目にして、メルフィナが悲鳴を上げる。

「しゃぶれ。
 しゃぶって綺麗にしろ」

 それだけを告げて、アジムは黙ってメルフィナを睨む。
 メルフィナはさんざん躊躇った挙句、アジムの無言の圧力に負けて顔を近づけかけたが、

「ご、ごめんなさい……」

 首を横に振って顔を背けた。

 メルフィナの塔まで、移動に一週間かかった。当然、その間は野宿で風呂など望むべくもない。途中で川を見つけたので軽く水浴び程度はしたが、ひとり旅の途中に野外で鎧をはずすわけにもいかず、汗や垢は多少落ちたかもしれないが、さらに蒸れて臭いはきつくなった。

「あの、お風呂があるので、そちらで湯浴みをしてからなら」

 メルフィナがそこまで言葉を出したところで、アジムは石造りのテーブルに思い切り拳を振り下ろした。
 轟音とともに、頑丈なはずの石造りのテーブルにひびが入る。

「おまえの顔も、こうなりたいのか?」

 アジムの言葉に青い顔になったメルフィナは、ぎゅっと目をつぶると、アジムの肉棒に向かって顔を近づけ始めた。
 アジムは近づいてくるメルフィナの呼吸を肉棒に感じてにたりと笑みを浮かべるが、あえてメルフィナの舌に近づけるようなことはしない。メルフィナが自分から口をつけるのを待っていた。

 本当に何度も何度も躊躇いながら、とうとうメルフィナがアジムの肉棒に舌を這わせる。

 ソファに座ったアジムの肉棒に上から顔を近づけたメルフィナは、子猫が水を飲むように、亀頭を何度も舌で舐める。

「おい、それだけか」

 アジムに言われてメルフィナは角度を変えて、カリ首までを舐め始めたが、嫌そうに目を閉じてちろちろと舌を触れさせるだけのメルフィナの奉仕は本当に舐めているだけで、アジムはまったく性感を得られない。華美なメルフィナを従わせ、口淫させているのは征服感があって視覚的には中々のものだが、射精には至りそうにない。

「もういいぞ」

 アジムはそう言うと、嬉しそうに顔を上げかけたメルフィナの頭を両手で掴み、その唇に肉棒を思い切り突きこんだ。

「最初からこうしておいたほうがよかったな」

 ソファから立ち上がり、がっちりと頭を掴んで腰を振る。
 喉の奥まで肉棒をねじりこんで、吐き出そうとするメルフィナの喉の動きで亀頭を刺激させ、舌や頬の内側に陰茎をこすり付けて快感を貪る。汚臭よりも単純な苦しさで必死に口内のものから逃れようとメルフィナが必死に足掻くが、悲しいほどの力の差に、まったく意味がない。
 アジムはメルフィナの口を使って一方的に快楽を追求し、ようやく背筋から射精感が上ってくるのを感じる。ろくに呼吸もさせてもらえないメルフィナは意識が朦朧としてきたらしく、抵抗も弱くなって、アジムのいいように口を汚され続けていた。

「おい、出すぞ。飲めよ」

 アジムは宣言すると、改めてがっちりとメルフィナの頭を掴んで肉棒を喉まで押し込み、大量の精液をぶちまけた。喉の奥に精液を送り込まれたメルフィナは、逃れることもできず、それの一部を飲み下す。アジムがメルフィナの口を解放すると、メルフィナは飲みきれなかった大量の精液を吐き出しながら、床に崩れ落ちて空気を求めてあえいだ。

 アジムはソファに腰を下ろすと、口元を黄色く濁った精液に汚され、涙目で荒い呼吸を繰り返すメルフィナの頭を片手で掴み、メルフィナが床に吐き出した精液に顔を押さえつけた。

「飲めって言っただろ?」

 メルフィナが泣きながら床の精液に舌を這わせる。
 アジムはそれを見て嗤うと、肉棒を更に硬くさせた。
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