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リリィ・フランネル

リリィ・フランネル(1)

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 VRという技術が確立された後、法整備が行われる前に待望のR18ファンタジーエロVRゲームが公開された。法整備が行われる前にサービスが開始されたこのオンラインエロVRゲームは、当然のように犯罪さえも可能な爛れたゲームとなった。
 その突き抜けた環境から当初のユーザーと目された若い男性以外にも積極的に受け入れられ、R18となっているにもかかわらず運営の目を盗んで未成年プレイヤーが続出する一方で、幼い見目でありながら「おばあちゃんの知恵袋」的生活の知恵や「昔取った杵柄」を炸裂させるプレイヤーも頻繁に見かけることとなった。
 中世ファンタジーを土台とした環境であったため、奴隷売買なども当たり前のように実装されている。
 プレイヤーはプレイヤー同士の性交渉も可能ではあったが、奴隷を購入して好きなプレイに付き合わせるのが主だった。奴隷はゲーム内ではかなり高価なものだったが、プレイヤーという英雄候補が稼ぐ金銭からみれば安価なものであったため、エロ目的のプレイヤーには非常にありがたいゲーム環境だった。

 とは言え、ゲームのメインであるエロ以外の部分に楽しみを見出すものもいる。

 「最強」
 性別年齢を問わずこの言葉に心を熱くするものがいる。

 合計パラメータや合計スキルの最大値は全プレイヤー共通だ。だからエロスキルを身に付ければその分だけ戦闘スキルを習得できなくなる。ゲームのメインのはずのエロスキルを捨て戦闘スキルに特化し、武具を整え、魔法を学び、そして研鑽した全てでもってぶつかり合って最強を目指すのである。
 現実では疲労や怪我が問題になるが、VRの中なら魔法や薬であっという間に治るのだ。そして何より、VR環境では死亡しても拠点としている場所に戻るだけ。痛みも緩和されるていることもあって、恐怖心が弱まることも後押しする。

 ゲーム内でアジムと名乗っている男も、そんな戦闘スキル特化でファンタジー世界を楽しむプレイヤーの一人だ。

 アジムはエロメインのVRゲームの中で戦闘特化でプレイする変わり者のなかでも、さらに変わり者のプレイヤーだ。このゲームの戦闘は「全部避けて一方的に殴る」が主流であるのに対し、アジムのスタイルは「全部受けて一発だけ殴る」スタイルだ。
 回避を捨て、敵の攻撃を全て受けきった上で、反撃の一発で敵を撃破するのである。

 このスタイルはすべてにおいて苦行だ。
 アジムのスキル構成は「剣」「格闘」「投擲」「防御」「抵抗力」「治療」「回復増強」となっている。
 スキルの習得はゲーム内通貨を支払ってトレーナーから習うだけで可能だが、そこからスキルを習熟してマスター(最大値)にするにはそのスキルを繰り返し使わなければならない。「剣」「格闘」は剣や拳で敵を殴っていれば上がるが、「防御」「抵抗力」は逆に殴られたり、魔法で攻撃されたり、毒に侵されたりしなければ上がらない素敵スキルだ。
 VRゲームだから痛みは緩和されるとはいえ、痛いものは痛い。
 (痛みを完全遮断した時期もあったが、被虐趣味プレイヤーからの猛クレームで廃止された。ついでに、設定で痛みを消す、という案も加虐趣味プレイヤーからのクレームで潰れた)
 「防御」よりも「回避」が主流になるのも当たり前の淘汰である。

 しかも、それだけの痛みを乗り越えて「防御」「抵抗力」をマスターして、いざ他のプレイヤーと決闘になっても、基本的にボコボコにされている時間がほとんどである。ほぼ全ての決闘で、決闘時間100に対して防御している時間が実に90。サッカーなら間違いなく、サポーターが途中で帰りだす。

 それでも、だ。

「ごぶふぅっ!?」

 延々と攻め続け、プレイヤー本人の集中力とキャラクターのスタミナが切れたその瞬間に放った、鉄の手甲で覆われた拳の一撃。それは決闘相手の女騎士の腹にめり込み、皮鎧程度しか防具を身に付けていなかった女騎士はその場に膝を着いた。

「ご、ごふっ……! う、ぐぅっ……」

 剣を手放してうずくまり、嘔吐をこらえる女騎士を見ながら、アジムは鉄兜のバイザーを上げた。
 アジムは砂漠の民を思わせる褐色の肌に黒髪の、どこを見ているのかもわからないほど細い目をしている男だった。全身を金属鎧で覆った身体は2メートル近くもある身長に加え、どこも分厚い筋肉で覆われている。味方であれば安心を、敵に回れば圧力を感じさせるものだった。
 そんなアジムと対峙していた女騎士は女性としても小柄で、160センチもなさそうだ。全体的に女というよりも少女といった気配で、胸や尻も熟れておらず、気の強そうな緑色のつり目とツインテールに結い上げたが金色の髪が印象的な顔も、まだまだ綺麗というよりも可愛いというほうが相応しい。

「勝負あり、だな?」

 盾としても使える分厚い刀身の大剣を地面に突き刺し、アジムは女騎士の得物の片手剣を遠くに蹴り飛ばす。
 女騎士の細腕で振るわれていた片手剣だったが、魔法で強化されたそれに何度も何度も斬りつけられた鎧は傷だらけだ。決闘前に新調してきたばかりの鎧だったが、処分するしかなさそうだ。だが、鎧がその役目をしっかりと果たしてくれたおかげで、大きな傷を受けることなく女騎士を地に這わせることができた。

 アジムはその珍しい戦闘スタイルから、ちょっとした有名人でもある。
 街から街への移動中に、おそらくはその噂を聞きつけたであろう女騎士から決闘を挑まれたのである。
 決闘は街道から少し外れた草原で、決着はどちらかが死ぬか、降参するまで。
 女騎士が負ければ一晩身体を差し出す。アジムが負けても何も差し出すものはなし。
 女騎士が何故そんな条件でアジムに決闘を挑んだのか。おそらくは名声を欲していたのに加え、自分をすごく甘く見ていたのだろうとアジムは理解していた。巨体の男は鈍重で、魔法と速さで容易く叩きのめせると勘違いしていたのだろう。

 アジムはうずくまる女騎士の髪をつかみ、無理やり顔を上げさせる。

 同時に女騎士の指がアジムの目を狙って突き出された。
 その攻撃を予想していたアジムは女騎士の指を額で受け、さらにそれを目くらましに短剣を引き抜こうとしていた女騎士の手首を掴む。

「いい根性だが、ありきたりだな」

 動きを完全に予測されて愕然と自分を見上げる女騎士。
 アジムはその女騎士の腹をもう一度殴りつけ、さらに白くふっくらとした頬を思い切りひっぱたいた。
 女騎士は呼吸困難で悲鳴を上げることもできずに、さえぎるもののない草原の上を3メートルほども吹っ飛ぶ。

「げぼっ! げほっ! げふっ!」

 吹っ飛んだ先で美しいデザインの皮鎧も、きらきらと光る金髪も土にまみれてのた打ち回る。
 アジムはそんな女騎士にゆっくりと近づくと、もう一度髪を掴んで顔をあげさせた。

「勝負ありだな? リリィ・フランネル」

 愛らしい顔を泥と血と痣でゆがめられた女騎士……リリィ・フランネルは、それでもアジムをにらみつけると、血の混じった唾を吐きかけた。

 アジムは頬についた唾をぬぐうと、唇をゆがめた。

「本当に、いい根性だ」

 アジムが掴んでいた髪を放すと、リリィはうつ伏せにべしゃりと受身も取れず倒れこんだ。
 起き上がろうともがく頭を踏みつけてやると、わずかな抵抗は感じるものの、アジムの足を押しのけるほどの気力も体力も残っていないようだ。

「なに……すんのよ……っ!」

 それでも気丈さを失わないリリィが搾り出す抗議の声を無視してアジムは手甲をはずすと、動かしやすくなった手で手早く鉄兜と腰部の装甲をはずして放り出す。

「本当に、なに、してるのよ!」

 兜や装甲を放り出すたびに重々しい音と震動が伝わるが、頭を踏みつけられて顔を上げることもできないリリィにはアジムが何をしているかわからないようで、弱々しいながらも困惑した声を上げている。

 アジムはやはりリリィに応えることはせず、己の一物を取り出した。
 すでに勃起状態のそれは、アジムの巨体から見ても、かなりの大きさを誇る。サイズを比較するなら人間よりも馬と比較するほうが正しそうなほどの男根が、未だ取り外していない腹部の装甲に触れるほど反り返り、女体を蹂躙する期待によだれを垂らすように先走り汁をにじませていた。

 アジムはリリィの腰にある短剣を奪い、リリィのズボンのベルトを切り捨てた。

「なっ……!?」

 そこまでされてようやく貞操の危機を理解したリリィが、頭の上の足を何とかしようと身体を必死によじり始める。金属の脚甲を身に付けているアジムの足の重量の前には儚い抵抗だが、踏みつけている頭を動かされるとぐらぐらと安定しない。

 舌打ちしたアジムが頭の上から足をのけると、あわてて身を起こしたリリィがアジムを振り返り、

「ひぃっ!?」

 その股間にある凶暴な雄の猛りに、リリィの顔に初めて恐怖が浮かんだ。

「い、いやあっ! あぐっ!」

 必死に逃げようと背を向けるがダメージの抜け切らない身体では逃げることはできず、アジムの手でもう一度地面に押さえつけられる。今度は後ろ手に両腕を押さえつけられ、本当に何の抵抗も許されない状態にされてしまう。

「いやっ! いやっ! やめて! やめてぇ!!」

 悲鳴を上げるリリィの両腕を片手で押さえつけているので、アジムは空いた手でベルトを切ったリリィのズボンを無遠慮にずり下げる。アジムは色気のない白いショーツを鼻で笑うと、それも無造作に引きちぎった。

 ひときわ甲高い悲鳴とともに、リリィの無毛の秘部があらわになった。

「なんだ。生えてないのか」

 思わずもれたアジムの感想にリリィの肩口がびくりと震える。
 アジムからはリリィの顔は見えないが、耳が真っ赤になっているのはアジムからも見えた。

「そう恥ずかしがるな。
 今からもっと痛くて恥ずかしい思いをするからな」

 アジムは手に唾を吐いて先走り汁とそれでますますいきり立つ一物をしごきながら、小さなリリィの身体に覆いかぶさり、自分の身体でリリィの身体を押さえつけて秘裂に剛直をあてがった。

「あ……あ……あ……」

 逃げられない。
 ついに絶望に染まったリリィの顔を、アジムは後ろから覗き込んだ。

「いい顔だ。リリィ・フランネル」

 悔しげにリリィが歯噛みした瞬間に、アジムは幼い秘裂に一物を突きこんだ。

「ああああぁぁぁあああぁぁぁぁぁぁっっ!!!?」

 前戯もなく突きこんだせいでアジムもそれなりに痛かったが、リリィとは比べ物にならなかっただろう。
 人間があげているとは思えないような咆哮がリリィの喉からほとばしった。
 
「あぁぁぁぁぁあああああぁぁぁぁ!! あぎゃあああああぁぁぁぁぁぁ!!!」

「痛いのが嫌ならさっさと濡らせ。
 痛みが長引くぞ」

「ぎゃあぁぁぁあああああぁぁぁぁ!!」

 アジムは自分勝手なことを言いながら、自分勝手に腰を動かす。

 しばらくそうしてリリィの声が枯れ果てるまで悲鳴をあげさせ、めちゃくちゃにリリィの内側を抉っていたアジムだったが、幼い体つきに合った酷く狭い上に濡れてもいないリリィの膣では思うように快感を得ることはできず、一物を引き抜いた。

「手間をかけさせやがるな」

 舌打ちしたアジムが身を起こし、戦闘前に放り出していた自分の荷物を取りに行く。

 アジムが離れた今こそ、リリィにとっては逃げ出す絶好の機会だったが、戦闘で消耗し、何度も殴られ、下手な拷問よりも酷い苦痛に長い時間さらされ、精も根も尽き果てたリリィはアジムの陵辱から開放されてもただ涙を流すだけで、身を起こすこともできなかった。

 荷物を手に戻ってきたアジムは逃げ出す様子のないリリィを見て、天幕を張り始めた。この場所で一晩じっくりと、「まいった」と口にしないまま心を折られたリリィとの、アジムだけが楽しい決闘を楽しむことにしたのだ。手早く天幕を張り終えたアジムはうつ伏せのまま涙を流しているリリィを担ぐと、天幕の中に運び込んだ。
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