月の石

むう

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タイムカプセル1-1

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***


今から遡る事、13年前の冬。


小学生最後の冬休みの事だった。




「「タイムカプセル??」」


「そう!今自分が大事だって思ってるもの埋めて、何年後かに掘り返してさ!面白そうじゃねぇ?」



そう提案したのは、クラス1のムードメーカー櫻井恭丞(さくらいきょうすけ)


通称︰恭丞、恭


5歳下に弟が2人いるからか、とても面倒見がよく、またクラス委員長も務めるしっかり者男子。




「面白そうじゃん!やろう、やろう!」



いち早く恭の提案に乗っかったのが、見た目は派手なのに中身は案外真面目な保坂那奈(ほさかなな)



通称︰那奈


思った事はどんな相手だろうとハッキリ言う、所謂サバサバ系女子。




「だったら、お手紙とかも入れない?」


「自分宛に手紙、とか?それじゃ在り来りか…」


「皆が皆にお手紙書くのはどうかな?」


「それいいかも!」



那奈と手紙の行で盛り上がっているのが、木村悠陽(きむらはるひ)


通称︰悠(はる)


仕草や言葉遣いが正に女の子って感じで、男の子の中で人気があるほんわり系女子。




「じゃあ、自分が埋めたいものと、みんな宛の手紙をタイムカプセルに埋めるって事で決定な!どこに埋める?」


「毎年みんなで初詣する井國神社の裏山とか?覚えやすい場所の方がいいよな~」



そう言ってチュッパチャプスを口に含んでいるのが、松永樹希(まつながたつき)


通称︰樹希


親が美容師って事もあってか頻繁に髪型が変わる、おしゃれ好き、甘いもの好きな甘党おしゃれ系男子。




「夏に見つけた、花火が綺麗に見える丘の所にしようよ!あそこだったらうちら以外知らないし、誰かに見つけられちゃう事もないし!」


「うんうん、賛成!」


「異議なし~」


「よし、蓮も心結もそれでいいよな?」


「うん、私は全然平気っ」


「俺も」




みんなよりも少し言葉数が少ないのが、高山蓮(たかやまれん)


通称︰蓮


文武両道、物事を何でも卒なく熟す、物腰の柔らかいスマート系男子。


そんな蓮に、みんなとちょっと離れた場所で、冬休みの宿題で解けなかった部分を見てもらっていた私。



「心結、ここの計算間違ってる。3×2=5じゃなくて6」


「え゛…だから答え合わせしても合わなかったんだ…」


「使う公式は合ってるから大丈夫。しょげない」


「うう…他のところも見てくれる?答え合わせするの嫌になってきた…」


「そんな気にすることないのに(笑)」


「気にするよ!こんな凡ミス~」


「誰でも計算ミスはするでしょ。恭丞はもっとくだらないミスしてる。答えの書き間違いとか」


「…(笑)」


「おい蓮っ、聞こえてんぞ!心結も笑わない!つーか、タイムカプセル埋める日決めるから集合~!」

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