それは、恋でした。

むう

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恋?

3-6

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***



准くんが家に来てからあれから3日を経とうとしていた。





「沙奈!じゃぁ、俺行くな!!」

「いってらっしゃい!熱中症にならないようにしてね」

「おー!」



これでもかってくらい思いっきり玄関のドアを開けて、部活に行くお兄ちゃん。

数分もしないうちに、お母さんも廊下をパタパタと走ってくる。




「あれ、お母さん午前の仕事はなかったんじゃなかたっけ?」

「そうなんだけど、急に頼まれちゃって…お母さん、今日までに帰れないと思うから、後は宜しく頼んだわよ?」

「はぁい・・・体に気をつけてね」



お母さんはあたしに手を振って急いで仕事場に行ってしまった。




さてと…今日は何しようかな?


夏休みの課題ちゃちゃっと進めようかな…




そんな事を考えていた時、携帯が鳴る。







ん、誰からだろ?





「もしもし?」

『あ!沙奈!?あたしっ、亜衣だけど!』

「亜衣…どうしたの?」

『今日、本当は彼と遊ぶ予定だったんだけどね!?バイト入って遊べなくなったっていうからさぁ…何なら図書室で勉強しようかなって思って!沙奈、今日暇!?』


「暇、って言えば、暇だけど…」


『じゃ、10時にそっち向うから!!』


「早すぎる…って、切れてるよ…」




亜衣は、あたしの中学からの友達。





一言で言えば、無駄に明るくて、悩みなんかなさそうな子。




でもいざとなったら本当に頼りになる子で、あたしの大事な友達。




深いため息を付きながら、洗濯機を回してお茶碗を洗う。




亜衣が来るまでに後1時間くらい。


急いで掃除して着替えないとー



ちらちらと時計を見つつ、出来るだけの事をして支度を始めていると、チャイムが鳴った。




急いでドアを開けると、亜衣が汗を掻きながら立っていた。



「電話してからそんなに時間たってないよ?」

「電話しながら支度してた!しかも外出たら暑くて急いで来た!中入れてーー!!」



あたしを押しのけて家の中に入っていく亜衣。


いつもこうなんだから・・・




「そーいえばさ、沙奈マネジの仕事終わったの?」

「まぁ、うん」

「へ~、結構楽しそうにやってたのに辞めたの?今からでも裕大先輩に言って続けさせて貰えば?それよりも大変だったとか?」

「大変って言うか、」



亜衣ってたまに変な所つっついてくる。



でも、亜衣には言っても平気、かな?



ウジウジしていると、亜衣があたしの足を叩いてきた。




「痛っ!何すんの!?」

「まぁ、早く着替えて図書室行くよ!話はクーラーが付いてる涼しい所で聞くからさ!どうせあんたの事だ、訳ありなんでしょ?」




ごもっともです・・・




あたしは苦笑いをしながら着替えに部屋に戻る。





その時、机の上に置いてあったノートが目に付いた。







ーあ。
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