それは、恋でした。

むう

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夏合宿

2-14

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「な、怖いだろ!?」

「怖いって…家ではこんな事ないのにな」




あたしが起こしに行っても普通に起きてくれるし…



寝不足とか?





「駄目、全然起きない…」




渡邊先輩は深くため息をついて、戻ってきた。



「沙奈ちゃんバトンタッチ~・・・」

「あたしですか!?」

「沙奈ちゃんでも危ないって!!」




周りにいた先輩達があたしを引き戻そうとして引っ張ってくる。





ちょ・・・痛い・・・




「そんな引っ張ったら沙奈ちゃんの関節抜けんだろ!」



悼矢さんがそう言った瞬間一斉に引っ張るのをやめる。





い、いきなり離さないで…!



あたしはバランスを崩して、お兄ちゃんの上に覆いかぶさるようになる。




「ひぃぃぃ!!沙奈ちゃーん!!」


「いたたた・・・」



腰を擦りながら起き上って下を向くと、お兄ちゃんがいた。




「お、お兄ちゃん!?ご、ごめんね!?」


「う、」

「あ!というか起こさないと!起きて!!」

「「(沙奈ちゃん・・・怖くないんか・・・?)」」



お兄ちゃんの体を大きく揺さぶって起こす。

部屋の空気は重い空気へと変わっていく。

お兄ちゃんはゆっくりあたしの方を向く。




「沙・・・奈・・・?」

「早く起きて!皆困ってるから!」

「朝…?」

「そーだよ!朝だよ!」




皆は恐る恐るあたしの所に近づいてきてお兄ちゃんは見る。

お兄ちゃんはニンマリと笑ってあたしに抱きついてきた。




「沙奈ー!!おはよー!!」



「「はぁぁぁ!?」」



「俺たちの苦労は何だったんだよ!?」



「ん?お前ら何怒ってんの?朝からそんな怒ってたら駄目だぜー??」



お兄ちゃんは何も分かっていないため、笑いながらそう言う。


そんなお兄ちゃんに全員が枕を投げ始める。




は、ははは・・・




こんな事をしているうちに朝練習の時間がやってきて、皆は猛ダッシュでグラウンドに行った。






「何か、沙奈ちゃんがいると色々片付くねぇ(笑)」


「兄がいつもすいません…っ」



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