それは、恋でした。

夏合宿

2-2

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「いってきまぁす」

「気をつけて行くのよー？人様に迷惑かけないように！」



お母さんと行き間際にそう言葉を交わして２人で学校に向かう。


外はもう蒸し暑くなっていて、お昼はもっと気温が高くなりそうな感じだった。


皆、熱中症とか脱水症状とかにならなきゃいいけど・・・


今日の天気じゃ、絶対帽子と、日焼け止め必需だな。




「なぁなぁ沙奈！！今日からの飯は何したの！？めっちゃ楽しみなんだけど！」


「さっき朝ごはん食べたばっかだよ？今日のお昼はお母さんが作ったお弁当あるし、夜は暑いし冷たいものがいいよね。お兄ちゃん何食べたい？」

「何でもいー！！上手いもんだったらなんでもいーや！！あ！肉食べたい！」



またでっかく出たな。


肉食べたいだけじゃ何にも決まらないよ…



でもやっぱり、スポーツやってる人は沢山食べたいよね。



お肉、お肉…




あっさりしてて…



しゃぶしゃぶサラダでも作ろうかな。



あっさりしてるし、トマトなんかも入れたらビタミンも取れるし。




「じゃぁ、夜はしゃぶしゃぶサラダ作ることにするよ。主食はお楽しみって事で」

「しゃぶしゃぶサラダ！？俺、沙奈が作ったしゃぶしゃぶサラダすんげぇ好き！！」



さっきまで寝ていた人が、ご飯の話をするとすぐこれだよ。



こんな暑い中ご飯の話ししてても、平気だなんてある意味凄いな。


あたしだったら考えたくもないのにー




学校に着いたのは部活が始まる３０分前。


お兄ちゃんはキャプテンだから、顧問の先生にメニューを聞くために早めに来ている。


それでも、ちらほら来ている人はいて、あたしは凄く感心した。
ギリギリに来る人はいないんだ…



「沙奈ちゃん、おはよー」


あたしに声をかけて来たのは悼矢さんと准くん。

その後ろには渡邊先輩もいた。



「あ、おはようございます。今日から宜しくお願いします！」

「こちらこそー！ご飯、頑張って作ろうね！」


渡邊先輩はあたしに笑顔を向けて来た。

あたしも笑顔を返す。



「楽しみにしてんね(笑)」


悼矢さんがニヤニヤしながらあたしに言ってきた。



「任せてください！一生懸命作ります！」

「ほーほー、じゃ今回は、裕大が夜脱走しないで済むな」

「きっと脱走しないと思います！でももししちゃったら、その時は准くんと悼矢さんに任せますね」

「俺は、もう裕大止めたくねぇよ。沙奈ちゃんが止めたら？笑」



准くんはあたしの頬を摘まんでくる。



「いひゃい、いひゃいよー・・・」


そんな事をしながら笑っているとまだ来ていなかった人達も来て。


全員集まったところで、顧問の先生からの話が始まった。




「今日から１週間合宿を行うが、くれぐれも風邪やケガ等しないように！」


「はい！」


「それと、裕大は理性を失わないように！脱走したと聞いた時は本当に驚いたからな」




顧問の先生が面白おかしく言うと、ドッと笑いが上がった。



「せんせー、ここで言う事じゃないっすよー！今回は抜け出さない自信はあるんで！！」

「そーか。まぁ、あんまり期待はしとかないでおくかな。笑」



たま笑いに包まれながら、皆で合宿の中に入り、荷物を置きに行く。


あたしは渡邊先輩と同じ部屋。

隣の部屋は、顧問の先生が使う。

お兄ちゃんたちは２階で夜を過ごす。



「さ！まずはドリンク作りから！選手よりも先に仕事するのがマネージャーだよ！」




「はい！！」