それは、恋でした。

臨時マネージャー？

1-5

「あー・・・沙奈ー・・・」





裕大は裕大で沙奈ちゃんが近くにいると変なスイッチ入る。


所謂、極度のシスコン。
(まぁ、練習は２倍くらいこなすからいいけど)





「家帰ったら沙奈にテーピングやらせてみよー！」

「はぁぁ？」

「だって見てみろよ！」




指の先の沙奈ちゃんを見ると、説明を聞いていてもあんまり分かっていない様子だった。



てか、テーピングの練習してるだけなのに…

なんだ、あの百面相っぷりは。





―・・・ん・・・？？




よく沙奈ちゃんの手を目を細めて凝視してみると、もうテーピングの仕方が分からなくなったのか、諦めてリボン結びをしていた。




「ぷ(笑)」



いやいや。


あっちは一生懸命やってんだ。


笑ったら失礼だ。



と思っても、ついつい笑いが込み上げてしまう。





「悼矢、どーした？」


「いや、なんでもねぇよ(笑)」






大人しそうに見えて、意外に面白い事するのな―





それに気づいてしまった俺は、これからの部活が楽しくなってきてしまった。