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本当に優しいのは
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頼りない感じの、薄いグレーの空。その低いところへ輪郭のぼやけた雲が広がり、なんだか空が灰色のフタで覆われかかっているようだ。雲が全然動かないから、余計に空模様が重たく見える。
校門を出て家までの道のり、私は寒さにチクチクする頬をさすった。心の中は、空と同じ灰色だった。
あの後――リッキーが教室を出て行った後、女子たちは口を揃えてリッキーを悪く言った。榎本ってサイテー。ブスとかさ、女子に平気で言う男子って、どうなの? 一番傷ついてんのは真美なのに、よくあんなひどいこと言えるよね。あんなんだから、みんなから嫌われてんだよ。
みんな自分たちが清水さんへ言っていたことは全部棚に上げて、リッキー一人を悪者にしていた。黙って聞いている内に胸へは怒りが突き上げてきた。でも、真美ちゃんのことを思うと、その感情は押さえつけられて、心の中でグルグルグルグル回るしかなかった。
みんなから、リッキーの悪口のついでのようになぐさめられていた真美ちゃんは、彼女たちの言葉をどう受け止めればいいか分からなかったらしく、戸惑った様子で眉をひそめていた。
宮崎くんは、彼らしくない悲しげに当惑しきった顔をしていた。何か言いたそうだったけれど、開きかけた口からは何も出なかった。
曇り空の下、棒みたいに足を動かしていると、背後から声をかけられた。
「メスゴリラ」
振り返れば、そこには宮崎くんがいた。彼は私と目が合うと、ちょっとだけ口の端を持ち上げ、力なく笑った。
「さっき、なんかごめんね。オレ、全然上手く言えなくて」
言われて、少し恥ずかしくなった。宮崎くんが私に謝ることなんか、全然ないんだ。
「私こそ、ごめん。全部、私が悪かったんだよ。私がややこしくした。リッキーの言う通り」
本当に、そう思った。私が感情任せに言ったりやったりしたことで、全部、悪い方に進んでしまった。
宮崎くんが首を振る。
「最初に、オレがあんなこと言ったのが悪かったんだよ、たぶん。全部そこから始まったんだから」
彼は、リッキーの言う通り、とつけ加えた。
「みんなリッキーのこと、悪く言ってたけどさ、あれだって、リッキーは分かってやってる。リッキーはすごいんだよ、本当に」
「分かってやってる?」
私が聞き返すと宮崎くんは、そうだよ、と言った。
「リッキーは、全部分かってる。自分にムカつけば、みんな清水さんのことなんか忘れて、自分の悪口ばっか言うに決まってるって。だから、ああやってわざとひどいこと言ったんだよ」
わざと。
それを聞いて、ゴリラの言葉が脳裏をよぎった。
『あいつは無理にでも、そういうことしちゃうんだ』
「オレには、そういうことできない。自分が悪者になってまで他人を助けてあげるってさ、やっぱり怖くてできないよ。みんなオレのこと、優しいから、優しいからって言うけどさ、優しいなんて言われて悪者にもなれないオレは、そんな褒められるようなもんじゃないんだ。本当に優しいのは、リッキーだよ」
宮崎くんはうつむき、それから私の様子を伺うように、そっと斜めに視線を上げた。目が合うと、彼は少し笑う。
「前にさ、オレとリッキーとかみっちょが仲良くなった時の話、しただろ。あの時も同じだったんだよ。オレがリッキーに、かみっちょのこと『顔面障害者』って呼ぶの、やめてあげなよって話したら、リッキーは嫌だって言ってさ。なんでだよ? ってしつこく聞いたら、リッキー、『だって、みんなが陰で言ってんのは、そういうことだろ』って。『みんなバカだから、はっきり言わないと自分が何言ってるか、分かんないんだよ』って」
宮崎くんは、今度はしっかり顔を上げて私を見た。
「リッキーはさ、かみっちょへの悪口がどういうものなのか、言ってるみんなに見せてたんだよ。それ見て引いてるのは、自分たちが言ってたことに引いてんのとおんなじなんだ。だからみんな、リッキーが騒ぎ始めてからは、かみっちょの見た目がどうこうって悪口、言いにくくなったんだよ。リッキーのやってるのとおんなじだって思っちゃうからね。で、代わりにリッキーのこと、ヤバい奴だって言い始めてさ。リッキーは『他に悪く言う相手がいれば、みんな上島のことなんか、すぐ構わなくなる』って。『そうなったらこういうのやめるけど、まだ言ってる奴もいるから、あとちょっとは騒いでやる』って。オレは、その時、リッキーのこと、めちゃくちゃいい奴だなって思ったんだ。『キモいなんて言うな』って注意する奴はいたけど、リッキーみたいに言う奴も、ああやって盾になってやる奴も、初めて会った。だから、オレ、リッキーに言ったんだ。『リッキーって、めちゃくちゃいい奴だね』って。そしたらさ……」
宮崎くんは私から視線を外し、言葉を止めた。そうして浅く息をついて、
「リッキー、泣いちゃったんだよ」
びっくりした。自分が目をギョロリと見開いているのが分かった。そのくらい、びっくりしてしまった。
「嘘でしょ?」
嘘なわけないと思っていたけど、つい言葉が出た。宮崎くんは首を振る。
「嘘じゃない。リッキー、泣いちゃったんだ。そん時、オレもびっくりして、なんでリッキーが泣いてんのかも、どうしたらいいのかも分かんなくてさ。でも、とにかくオレ、リッキーのことすごいなって、こいつと仲良くなりたいなって思ったから、『今日、家帰ってから一緒に遊ぼう』って言ったんだ。リッキーもポロポロ泣きながら、『うん』って言って。ついでだからかみっちょも誘って、その日は三人で遊んでさ。それからずっと、オレら三人でつるんでるんだよ」
宮崎くんが、じっと私を見た。
「リッキーは外から見えるほど、強くないよ。たぶん、いつもいっぱいいっぱいなんだ。平気そうにしてるけどね。だから、オレ、明日はリッキーと一緒に女子の悪口いっぱい言うんだ。リッキーだけ悪者にするんじゃなくて、オレもちゃんと悪者になる。リッキーと一緒に、みんなに恨まれるようにする」
宮崎くんはちょっと視線を下げて、自信あんまないけどね、と言った。
私は何か言わなくちゃと頭を働かせた。でも、リッキーの知らなかった一面をいきなり知って、いろんな気持ちが心の底から湧いてきて、それが頭の回転をひどく鈍らせていた。そうして仕方なく、最も無難な言葉を選んだ。
「頑張ってね」
家に着き、ただいま、と張りのない声を出す。私の様子がいつもと違うことを察知したのか、テレビを見ていただろうお母さんが玄関まで早足でやって来た。
「おかえり。何かあった? 元気ないじゃない」
「別に」
お母さんは、しょうがないなと聞こえてきそうなほど、深いため息をついた。
「今日も榎本くんの家に行くんでしょ?」
「うん」
正直、迷っていたけれど、これで行かないのは弱い気がして見栄がすぐに口から出た。お母さんは今度は安心したかのように、ふぅっと軽く息を漏らした。
「遅くなるようだったら、電話しなさい。迎えに行ってあげるから」
「うん」
と答えると、私はすぐにランドセルを置きに自分の部屋へ向かった。
頑張ってね、なんて、ひどい言葉だったな。私はリッキーの家への道のりを進みながら考えていた。まるで他人事みたいな言いっぷりだ。頑張ろうね、くらい言えば良かった。一緒にリッキーと同じ悪者になろうねって。
でも、私がそうしたら、真美ちゃんはどうなるんだろう。あの、みんなでよってたかって他人を悪者に仕立て上げるような女の子たちの中で、ずっと誰かを悪く言うダシにされ続けるんじゃないかな。そりゃ、真美ちゃんにも悪いところはあったけど、もともと真美ちゃんは優しいいい子だ。自分に味方する体《てい》で、周りの子たちが誰かを攻撃していたら、それがずっと続いたら、息苦しいに違いない。私が側にいて、あの子たちからそっと遠ざけてあげた方がいい。
本当に側にいたいのは、力になってあげたいのは、リッキーだけれど、でも、リッキーにとっては、私なんかより宮崎くんが側にいた方がいいんだ。宮崎くんは、リッキーのために悪者になるって言えるくらいいい友だちで、リッキーは外から見えるほど強くないって分かってるくらいの理解者なんだから。
考えているうちに、リッキーの家のすぐそこまで来ていた。悲しみで心がキリキリするのを抑えて、前を見る。すると、入口のところでみんなを待つリッキーの姿が目にとまった。
「メスゴリラ! 早く来いよ!」
いつも通りの活気ある声に、胸でわだかまっていたものが、パッと消えた。太陽に照らされたかのように、心が明るくなってくる。
「うん!」
私はリッキーのところまで、駆けていった。
校門を出て家までの道のり、私は寒さにチクチクする頬をさすった。心の中は、空と同じ灰色だった。
あの後――リッキーが教室を出て行った後、女子たちは口を揃えてリッキーを悪く言った。榎本ってサイテー。ブスとかさ、女子に平気で言う男子って、どうなの? 一番傷ついてんのは真美なのに、よくあんなひどいこと言えるよね。あんなんだから、みんなから嫌われてんだよ。
みんな自分たちが清水さんへ言っていたことは全部棚に上げて、リッキー一人を悪者にしていた。黙って聞いている内に胸へは怒りが突き上げてきた。でも、真美ちゃんのことを思うと、その感情は押さえつけられて、心の中でグルグルグルグル回るしかなかった。
みんなから、リッキーの悪口のついでのようになぐさめられていた真美ちゃんは、彼女たちの言葉をどう受け止めればいいか分からなかったらしく、戸惑った様子で眉をひそめていた。
宮崎くんは、彼らしくない悲しげに当惑しきった顔をしていた。何か言いたそうだったけれど、開きかけた口からは何も出なかった。
曇り空の下、棒みたいに足を動かしていると、背後から声をかけられた。
「メスゴリラ」
振り返れば、そこには宮崎くんがいた。彼は私と目が合うと、ちょっとだけ口の端を持ち上げ、力なく笑った。
「さっき、なんかごめんね。オレ、全然上手く言えなくて」
言われて、少し恥ずかしくなった。宮崎くんが私に謝ることなんか、全然ないんだ。
「私こそ、ごめん。全部、私が悪かったんだよ。私がややこしくした。リッキーの言う通り」
本当に、そう思った。私が感情任せに言ったりやったりしたことで、全部、悪い方に進んでしまった。
宮崎くんが首を振る。
「最初に、オレがあんなこと言ったのが悪かったんだよ、たぶん。全部そこから始まったんだから」
彼は、リッキーの言う通り、とつけ加えた。
「みんなリッキーのこと、悪く言ってたけどさ、あれだって、リッキーは分かってやってる。リッキーはすごいんだよ、本当に」
「分かってやってる?」
私が聞き返すと宮崎くんは、そうだよ、と言った。
「リッキーは、全部分かってる。自分にムカつけば、みんな清水さんのことなんか忘れて、自分の悪口ばっか言うに決まってるって。だから、ああやってわざとひどいこと言ったんだよ」
わざと。
それを聞いて、ゴリラの言葉が脳裏をよぎった。
『あいつは無理にでも、そういうことしちゃうんだ』
「オレには、そういうことできない。自分が悪者になってまで他人を助けてあげるってさ、やっぱり怖くてできないよ。みんなオレのこと、優しいから、優しいからって言うけどさ、優しいなんて言われて悪者にもなれないオレは、そんな褒められるようなもんじゃないんだ。本当に優しいのは、リッキーだよ」
宮崎くんはうつむき、それから私の様子を伺うように、そっと斜めに視線を上げた。目が合うと、彼は少し笑う。
「前にさ、オレとリッキーとかみっちょが仲良くなった時の話、しただろ。あの時も同じだったんだよ。オレがリッキーに、かみっちょのこと『顔面障害者』って呼ぶの、やめてあげなよって話したら、リッキーは嫌だって言ってさ。なんでだよ? ってしつこく聞いたら、リッキー、『だって、みんなが陰で言ってんのは、そういうことだろ』って。『みんなバカだから、はっきり言わないと自分が何言ってるか、分かんないんだよ』って」
宮崎くんは、今度はしっかり顔を上げて私を見た。
「リッキーはさ、かみっちょへの悪口がどういうものなのか、言ってるみんなに見せてたんだよ。それ見て引いてるのは、自分たちが言ってたことに引いてんのとおんなじなんだ。だからみんな、リッキーが騒ぎ始めてからは、かみっちょの見た目がどうこうって悪口、言いにくくなったんだよ。リッキーのやってるのとおんなじだって思っちゃうからね。で、代わりにリッキーのこと、ヤバい奴だって言い始めてさ。リッキーは『他に悪く言う相手がいれば、みんな上島のことなんか、すぐ構わなくなる』って。『そうなったらこういうのやめるけど、まだ言ってる奴もいるから、あとちょっとは騒いでやる』って。オレは、その時、リッキーのこと、めちゃくちゃいい奴だなって思ったんだ。『キモいなんて言うな』って注意する奴はいたけど、リッキーみたいに言う奴も、ああやって盾になってやる奴も、初めて会った。だから、オレ、リッキーに言ったんだ。『リッキーって、めちゃくちゃいい奴だね』って。そしたらさ……」
宮崎くんは私から視線を外し、言葉を止めた。そうして浅く息をついて、
「リッキー、泣いちゃったんだよ」
びっくりした。自分が目をギョロリと見開いているのが分かった。そのくらい、びっくりしてしまった。
「嘘でしょ?」
嘘なわけないと思っていたけど、つい言葉が出た。宮崎くんは首を振る。
「嘘じゃない。リッキー、泣いちゃったんだ。そん時、オレもびっくりして、なんでリッキーが泣いてんのかも、どうしたらいいのかも分かんなくてさ。でも、とにかくオレ、リッキーのことすごいなって、こいつと仲良くなりたいなって思ったから、『今日、家帰ってから一緒に遊ぼう』って言ったんだ。リッキーもポロポロ泣きながら、『うん』って言って。ついでだからかみっちょも誘って、その日は三人で遊んでさ。それからずっと、オレら三人でつるんでるんだよ」
宮崎くんが、じっと私を見た。
「リッキーは外から見えるほど、強くないよ。たぶん、いつもいっぱいいっぱいなんだ。平気そうにしてるけどね。だから、オレ、明日はリッキーと一緒に女子の悪口いっぱい言うんだ。リッキーだけ悪者にするんじゃなくて、オレもちゃんと悪者になる。リッキーと一緒に、みんなに恨まれるようにする」
宮崎くんはちょっと視線を下げて、自信あんまないけどね、と言った。
私は何か言わなくちゃと頭を働かせた。でも、リッキーの知らなかった一面をいきなり知って、いろんな気持ちが心の底から湧いてきて、それが頭の回転をひどく鈍らせていた。そうして仕方なく、最も無難な言葉を選んだ。
「頑張ってね」
家に着き、ただいま、と張りのない声を出す。私の様子がいつもと違うことを察知したのか、テレビを見ていただろうお母さんが玄関まで早足でやって来た。
「おかえり。何かあった? 元気ないじゃない」
「別に」
お母さんは、しょうがないなと聞こえてきそうなほど、深いため息をついた。
「今日も榎本くんの家に行くんでしょ?」
「うん」
正直、迷っていたけれど、これで行かないのは弱い気がして見栄がすぐに口から出た。お母さんは今度は安心したかのように、ふぅっと軽く息を漏らした。
「遅くなるようだったら、電話しなさい。迎えに行ってあげるから」
「うん」
と答えると、私はすぐにランドセルを置きに自分の部屋へ向かった。
頑張ってね、なんて、ひどい言葉だったな。私はリッキーの家への道のりを進みながら考えていた。まるで他人事みたいな言いっぷりだ。頑張ろうね、くらい言えば良かった。一緒にリッキーと同じ悪者になろうねって。
でも、私がそうしたら、真美ちゃんはどうなるんだろう。あの、みんなでよってたかって他人を悪者に仕立て上げるような女の子たちの中で、ずっと誰かを悪く言うダシにされ続けるんじゃないかな。そりゃ、真美ちゃんにも悪いところはあったけど、もともと真美ちゃんは優しいいい子だ。自分に味方する体《てい》で、周りの子たちが誰かを攻撃していたら、それがずっと続いたら、息苦しいに違いない。私が側にいて、あの子たちからそっと遠ざけてあげた方がいい。
本当に側にいたいのは、力になってあげたいのは、リッキーだけれど、でも、リッキーにとっては、私なんかより宮崎くんが側にいた方がいいんだ。宮崎くんは、リッキーのために悪者になるって言えるくらいいい友だちで、リッキーは外から見えるほど強くないって分かってるくらいの理解者なんだから。
考えているうちに、リッキーの家のすぐそこまで来ていた。悲しみで心がキリキリするのを抑えて、前を見る。すると、入口のところでみんなを待つリッキーの姿が目にとまった。
「メスゴリラ! 早く来いよ!」
いつも通りの活気ある声に、胸でわだかまっていたものが、パッと消えた。太陽に照らされたかのように、心が明るくなってくる。
「うん!」
私はリッキーのところまで、駆けていった。
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『オレはこいつの「半分ヒーロー」』で「BL小説大賞」に参加しています。よろしければこちらもご覧ください。
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