イラスト解説版 小説とあらすじを短編小説にしたもの

人間魚拓復元男

「よしっ出来たぞ！」

墨汁をつけた魚を紙の上に乗せ
水の張った
バケツへと戻した



オレの名前は清水法一(17)
今年で高校3年生

魚拓を集めるのが趣味
入部してる美術部でだって魚拓ばかり作ってるぜ
･･･まぁオレだけだが


部屋に張り巡らされた紐には乾かし途中の魚拓が
エアコンで揺らめいている

そして今日作った新入りの魚拓も吊るす


「ふふｗこれでコレクションが100種類になったな！」

オレの魚拓は魚だけでなく

引き出しを開けると
フォトファイルに保管された
植物の葉拓や花拓、虫拓もあるんだ


何でそんな集めてるか
…理由はある


1段目の
引き出しの戸を閉めると
三段目の引き出しから
折り畳んであるデカい魚拓を取り出す

広げると
出てきたのは同じ美術部で
去年卒業した薄井桜子先輩の人間魚拓だ


美術部では風習で
卒業生が後輩一人ひとりに
作ってほしい作品をプレゼントし思い出として残してくれる


オレが人間魚拓をリクエストした所
『制服ももう着ないし
　　墨汁で汚れちゃっても別にいいわよねｗ
  
じゃあリクエスト通り人間魚拓やってあげるわｗ』


流石先輩は心が広い
これぞ等身大魚拓


もちろんオレは先輩に下心があった


年の差なんてオレには関係ないんだ
制服越しの人間魚拓でも全然良いｗｗ


「さて早速、先輩の魚拓にダイブだー！」


ベッタリと体とポーズを合わせた瞬間

天の声が頭上になる

［現在所持してる魚拓を魚拓の元にした現物素材に復元

現在の所持魚拓99個に減りました］

一つコレクションが減った通知とともに
桜子先輩の魚拓のインクが潤い始め
オレを包み込んだ

「うっ･･･！」


墨汁に染まった体全身は
圧縮され
背は平均の女子ぐらい
手足も細くしなやかになる

元に近い型が成形されると
股間も圧縮され
下腹部へと沈んでいった

「ふんっぐぅう･･･♡！///」


それと入れ違いに
胸と尻が膨張し
丸みを帯びて質量のある
ずっしりとした尻肉と乳房となって
オレの体に重くのしかかった

「重ぉっ･･･ああ♡･･･！///」

バランスが取れずよろけ
床に倒れ込むと
最後に長い髪が肩と背中に流れた


復元が終わると姿見の前に立って確認する

「ふふｗこれで桜子先輩（オレと同い年ver）になったぞ！」


実はオレは魚拓を素材元に復元、復元解除できるチート能力を
夢のお告げで神様からもらった


年齢の差の壁があるなら
もらった日の桜子さんと同い年になるまで
人間魚拓は寝かせば良いのさ！