上 下
33 / 70

デブになれないなら雌豚になるしかないね第0話読み切り「失恋した日に決意した将来の夢」

しおりを挟む
アレはまだオレが小学高学年の時だった

「えっ…引っ越し?」


突然父親の転勤で
父方の実家のある街へと引っ越すことになった

オレの名前は
比谷アツシ(11)

まぁ祖父母のいる実家には何度も
遊びに行ったことはあるし
新しい学校への行き方や
大体の地図は把握している


引っ越しが月末に差し掛かった
2週間前のこと

オレはいつものように
祖父母の元へと
母親と一緒に訪問していた


「近所に越してくるんでしょ?

その時は困ったことがあったら
相談しなさいね♪」


おばあちゃんと母さんが
会話をしている中

退屈になったオレは
二人をおいて
近くの公園に行くことにした

日差しを受けた熱いアスファルトで
蜃気楼のできる道をひたすら歩き
公園へと着いた


「ふぅ…あっつい」

こんな暑いなら図書館にでも
行ったほうが良かったかもな~…

だが辺りを見渡すと
一人ぽつんとオレと同い年くらいの子が
壁に向かって野球ボールを投げて遊んでいた


一人でつまんなくないのかな…?
一緒に遊ぼうって誘ってみよ!

オレはその子に声をかけた

「なぁっ!オレと一緒にキャッチボールしない?
一人で壁に投げてるより
そのほうが楽しいってw!」


「えっ…遊んでくれるの?
僕と…?」

ふと、その子は
落ちた軟式の野球ボールを拾い
かがんだままオレの顔を見上げる

見てみると
格好はボーイッシュだが
女の子だったらしい

嬉しそうに笑顔を見せる女の子

オレはその時
一目惚れをした



かっ…可愛い///


そして出会ったオレたちは
あっという間に短時間で仲良くなった


「へぇ…森ハルキっていうんだ~
オレと同い年なんだなw♪

オレは比谷アツシってぇんだ
夏休み明け
父ちゃんの仕事の関係で
この街に引っ越してくる予定なんだ」

「じゃっじゃあもしかして
土筆丘小学校に転校してくるとか?」

「ああ、そうだぜ!」

「へぇ♪僕も土筆丘小に通ってるから
一緒のクラスになれると良いなぁ…♪」


夕暮れの中、二人で会話をしていると
母ちゃんとばあちゃんが公園への入り口に
立っていた

「おーいもう、帰るわよぉ~?
戻ってきなさーいアツシ~!」

「うーん今行く~!

じゃあ、またな!」


「うっうん…」

寂しそうにうつむくハルキ

「もしも同じクラスになれなくたってさw

会った時はまた、
オレと遊ぼうぜw♪せっかく友達になったんだし♪」


「友達…か♪そうだよね!

必ずまた遊ぼうね!」



こうしてオレはハルキと別れた


帰りの車の中
オレは上の空で助手席に座る

「…また遊ぼうか…///」

可愛かったな…何だろう
いつもは他の女子を見ても
何にも思わないのに

あの子のことを思い出すと
ドキドキするな…


初めての恋心に戸惑いつつも

日は過ぎ
夏休み中に引っ越しも片付き
等々
転校初日の始業式になった



担任の先生のあとに着いていき
クラスに入り皆の前へと立って自己紹介をした

「今日から同じクラスの仲間になる
比谷アツシくんです」


「はじめまして
比谷アツシと言います
よろしくおねがいします!」

「みんな比谷くんと仲良くするように」


休み時間に入ると
皆がオレの席を囲んだ


「何処から越してきたの?

へぇ~w県境跨いだのか」


「ああ、でもうちの父ちゃんの実家
この街にあるから
昔から何度か遊びに来たことはあるぜ」

質問されては
受け答え話題が広がっていくと
人集りの中からオレの目の前へと
一人の男子が現れた

「久しぶり、アツシくん」


「え?…久しぶりって…」

オレが深く考え込んでいると
その褐色の男子はこう言った


「オレのこと、覚えてねぇの?
オレだよw森ハルキ!」

その言葉にオレは
目を丸くした

森ハルキって
オレが公園で会った
同い年の女の子だよな

でも…コイツが?


ハルキは続けて言った

「公園でキャッチボールして遊んだろ?」


「ほっ本当に…オマエ
あの日公園であったハルキなのか⁉」

「ああ!そうだぞw」

ウソだろ…⁉

追い打ちをかけるような決め手となる発言をされ
オレの初恋は
ボロボロに打ち砕かれた

「オレさw!アツシともっと遊べるように
夏休み中に体力つけたんだw
おかげで日にも焼けたし
痩せることもできたよ!」

でもそんな気持ちを知らずに
ハルキは嬉しそうに言いたいことを言う

ああ…何なんだ一体
あの日見たコイツは
単なるオレの見間違いだったのか?

そんな事を考えていると
休み時間が終わり
皆自分の席へと散っていった

オレは隣の席の奴に耳打ちした

「なっなぁ…あの森ハルキって
元から本当に男だったのか?」


「えっ…?ああ、そうだけど」



「だっだよな…はぁ…」


ため息を付くオレ

しかし隣の席のコウジは
こう話を続けた




「でもな…アイツさ
実は人と少し体質が違うんだ

どう違うのかって言うと
太ると肥満体になるんじゃなくて
女の体になっちゃうんだよ…


オマエが公園で見たときと
今のハルキの姿が同一人物に思えないのって
まだアイツが太ってたからなんじゃないのか?」


…太ると女体化する体質?

知らなかった…
そんな体質があるなんて

それじゃ

太らせれば…ハルキは
女の子に戻るのか


その時オレは
決意した

料理の勉強をして
大人になったらハルキを太らしてやる…!
それで女の子の体に戻ってもらうんだ


それから10年が経ち
何も知らないでオレと友人として親しくしていた
ハルキは

まさか自分が友達二人に
生放送成人向けサイトで太らされ
大食い女体化系男性アイドルにされるとは
まだ思いもしなかった…
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

ビキニに恋した男

廣瀬純一
SF
ビキニを着たい男がビキニが似合う女性の体になる話

由紀と真一

廣瀬純一
大衆娯楽
夫婦の体が入れ替わる話

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

淫らに、咲き乱れる

あるまん
恋愛
軽蔑してた、筈なのに。

兄になった姉

廣瀬純一
大衆娯楽
催眠術で自分の事を男だと思っている姉の話

兄の悪戯

廣瀬純一
大衆娯楽
悪戯好きな兄が弟と妹に催眠術をかける話

処理中です...