4 / 7
混ざりモノ ~第3章~
しおりを挟む
紅剡達は母屋に隠された地下に向かう…
そこには2人の薔薇の一族と1人の混ざりモノがいる。薔薇の一族は4人の女性だけだと思われていた…それは牢屋を監視する薔薇の一族は落ちこぼれとして世に出したくない者達によって薔薇の一族と認められなかった為であった…
牢屋に入っている混ざりモノ…なぜ彼女が牢屋に入るきっかけになったのかを語ろう…
それは今から400年前の事である。山奥に『あやかし』でもなく『人間』でもないどちらの血も受け継いだ村がひっそりと佇んでいた…
混ざりモノの数は少ないものの穏やかで楽しい暮らしをしていた…村には『あやかし』からも『人間』からも見えないよう、周りを霧で囲む結界を張り生活をしていた…
「おはようございます、紫姚花様」
村人一人が紫姚花に挨拶をする
「おはよう、兄様はどこにおるのじゃ?」
「少し前に出かけられましたが…」
「そうか…わらわも少し散歩をしてこよう…」
「かしこまりました。くれぐれも結界の外には出ないようお願い致します」
「わかっておる…ではな」
村人は地位の高い紫姚花にお兄さんの居場所を教えると共に心配をしていたが、紫姚花はそんな事お構いなしに前に進んで行った。
紫姚花は村の中を散歩していてある事に気づく、結界の外から混ざりモノの妖気がする…
その妖気をたどり結界の外に出る紫姚花…どのくらい歩いたのだろう、小川のある場所に出たと思ったらうずくまっている小さな子供を見つける…
「おぬし…そのような所で何をしておる」
その声にびっくりしたのか子供は紫姚花の方を向く…
「紫姚花様!ごめんなさい!!」
「謝ってすむことではない!なぜ村から出る…村に帰るのじゃ」
「でも…僕はどこにいてもいじめられるから…」
「冬中…そのような事ばかり言っていても前には進めぬぞ!弱いなら強くなればよかろう」
紫姚花は諭すように小さい男の子冬中に話しかける
「でも…」
冬中はさらに俯いてしまった…
「いいか、冬中…きさまも混ざりモノ…能力を持っている、努力をすればいじめられなくなるくらい強くなれるのだぞ…」
「本当?」
「強くなろうと思おた時、その心掛けから強さは始まる…自分自身を信じるのじゃ」
「僕…がんばってみる…」
冬中の中で何かが目覚める感覚を感じ、前向きになろうと立ち上がる
「そうか…では村っ!」
紫姚花は嫌な気配を感じる…急に周りをキョロキョロとし始めた…
「どうしたの?」
何か良くない事でも起きているのか怯えだす冬中
「いいかよく聞くのじゃ…わらわ達の周りを人間が囲んでおる…」
「えっ!」
「静かに!冬中…わらわが引き寄せている間に村に帰るのじゃ」
「そんな…」
「いいから行け!」
混ざりものは人間からもあやかしからも迫害を受けているのを知っている紫姚花は、冬中を何とかこの場所から逃がしたかった。
冬中は急いで隙を見てその場から走り去った…
「このような所に人間が何をしに来たのじゃ」
威圧的に紫姚花が問いただす
「ほぅ、これはまた綺麗な混ざりモノがいたものだな」
「歳は25~30くらいに見えるな…]
「この近くに村でもあるんですかね?」
「こやつかなりの術者だな…捉えて見せ物にしても面白そうだ」
「それはいいですな…」
薔薇の一族である衣を着た人が5人、その中でも明らかに格が違う人が一人いた。
薔薇一族の会話が紫姚花をイライラさせる…それが紫のオーラとして放たれる…
「何人連れて来たかは知らんが…全員死んでもらう…」
そういうと紫姚花は術を使い始めた…
「漆黒の翼よその刃をあやつらに向けよ!」
真っ黒い羽の尖った無数のコウモリが30人ほどの薔薇の一族を切りつける…
「クッ!!」
「これ程までとは…残り5人になってしまった…」
「撤退した方が…」
「その必要はないですよ」
紫姚花を甘く見ていたのか、あまりの強さに薔薇の一族が怯み始めた矢先のことだった
薔薇一族の1人が冬中を捕まえ長達に話す。そこにいた全員が声の主を見る…
「冬中!なぜ逃げなかったのじゃ」
「ごめんなさい…」
冬中を人質に捕られてしまった紫姚花は内面では焦っていた…
「よくやったな、さぁこれでどうでる?」
「クッ!」
動く事が出来ない紫姚花…薔薇一族の勝ち誇った顔に苛立ちを見せる。
「紫姚花様、僕の事は気にしないでっ!」
冬中は目に涙を溜めながら声を振り絞る…
「そのような訳にはゆかぬ…」
「紫姚花とやら分かるだろ?手を出したらどうなるかを…」
紫姚花は黙ったまま頷く…
「では先ほどやられた分を先に返さないと…動くなよ」
そういうと薔薇の一族は紫姚花を痛めつける…紫姚花は睨めつけながらも言葉も出さずに耐えていた。
「紫姚花様!!」
冬中は溜めていた涙を大量に流しながら叫ぶ…
紫姚花はその声に対してとても優しい笑顔を冬中に返した…
「それにしても…僕達の付けた傷がみるみるうちに治っていきますね…」
「化け物だな…」
その言葉に紫姚花も冬中も薔薇の一族を睨みつける。
「混ざりモノ、私達とくればこやつも村にも手を出さないでいよう」
薔薇の一族の言葉に一同は紫姚花を殴っていた手を止める…紫姚花は口から流れ出た血を手で拭いペロッと舐めると…
「よかろう、その条件承知した」
「お前分かっているのか?どうなるのか?」
「黙れ!早く冬中を解放するのじゃ」
睨みつけられた一族の背筋が凍る…
「よかったな…おまえ…ほら行け!」
「紫姚花様…」
「いいから行くのじゃ、わらわの事は誰にも言うでないぞ」
涙が止まらない状態で冬中は頷く…紫姚花は薔薇の一族に術封じの札を付けられ連れ去られていく…
そんな姿を後ろから見ていた冬中は紫姚花の言葉を思い出していた…
『強くなろうと思おた時、その心掛けから強さは始まる…自分自身を信じるのじゃ』
小さな手をグッと握り締め、冬中はこの出来事を紫姚花の言葉を無視し…村人に伝えた。その日からいじめられて・罵声を浴びても気にする事なく少しずつ強くなっていたという。
その姿を見て村人は彼が一番罪を背負っているのだと、自分自身を振り返るようになったという…
そこには2人の薔薇の一族と1人の混ざりモノがいる。薔薇の一族は4人の女性だけだと思われていた…それは牢屋を監視する薔薇の一族は落ちこぼれとして世に出したくない者達によって薔薇の一族と認められなかった為であった…
牢屋に入っている混ざりモノ…なぜ彼女が牢屋に入るきっかけになったのかを語ろう…
それは今から400年前の事である。山奥に『あやかし』でもなく『人間』でもないどちらの血も受け継いだ村がひっそりと佇んでいた…
混ざりモノの数は少ないものの穏やかで楽しい暮らしをしていた…村には『あやかし』からも『人間』からも見えないよう、周りを霧で囲む結界を張り生活をしていた…
「おはようございます、紫姚花様」
村人一人が紫姚花に挨拶をする
「おはよう、兄様はどこにおるのじゃ?」
「少し前に出かけられましたが…」
「そうか…わらわも少し散歩をしてこよう…」
「かしこまりました。くれぐれも結界の外には出ないようお願い致します」
「わかっておる…ではな」
村人は地位の高い紫姚花にお兄さんの居場所を教えると共に心配をしていたが、紫姚花はそんな事お構いなしに前に進んで行った。
紫姚花は村の中を散歩していてある事に気づく、結界の外から混ざりモノの妖気がする…
その妖気をたどり結界の外に出る紫姚花…どのくらい歩いたのだろう、小川のある場所に出たと思ったらうずくまっている小さな子供を見つける…
「おぬし…そのような所で何をしておる」
その声にびっくりしたのか子供は紫姚花の方を向く…
「紫姚花様!ごめんなさい!!」
「謝ってすむことではない!なぜ村から出る…村に帰るのじゃ」
「でも…僕はどこにいてもいじめられるから…」
「冬中…そのような事ばかり言っていても前には進めぬぞ!弱いなら強くなればよかろう」
紫姚花は諭すように小さい男の子冬中に話しかける
「でも…」
冬中はさらに俯いてしまった…
「いいか、冬中…きさまも混ざりモノ…能力を持っている、努力をすればいじめられなくなるくらい強くなれるのだぞ…」
「本当?」
「強くなろうと思おた時、その心掛けから強さは始まる…自分自身を信じるのじゃ」
「僕…がんばってみる…」
冬中の中で何かが目覚める感覚を感じ、前向きになろうと立ち上がる
「そうか…では村っ!」
紫姚花は嫌な気配を感じる…急に周りをキョロキョロとし始めた…
「どうしたの?」
何か良くない事でも起きているのか怯えだす冬中
「いいかよく聞くのじゃ…わらわ達の周りを人間が囲んでおる…」
「えっ!」
「静かに!冬中…わらわが引き寄せている間に村に帰るのじゃ」
「そんな…」
「いいから行け!」
混ざりものは人間からもあやかしからも迫害を受けているのを知っている紫姚花は、冬中を何とかこの場所から逃がしたかった。
冬中は急いで隙を見てその場から走り去った…
「このような所に人間が何をしに来たのじゃ」
威圧的に紫姚花が問いただす
「ほぅ、これはまた綺麗な混ざりモノがいたものだな」
「歳は25~30くらいに見えるな…]
「この近くに村でもあるんですかね?」
「こやつかなりの術者だな…捉えて見せ物にしても面白そうだ」
「それはいいですな…」
薔薇の一族である衣を着た人が5人、その中でも明らかに格が違う人が一人いた。
薔薇一族の会話が紫姚花をイライラさせる…それが紫のオーラとして放たれる…
「何人連れて来たかは知らんが…全員死んでもらう…」
そういうと紫姚花は術を使い始めた…
「漆黒の翼よその刃をあやつらに向けよ!」
真っ黒い羽の尖った無数のコウモリが30人ほどの薔薇の一族を切りつける…
「クッ!!」
「これ程までとは…残り5人になってしまった…」
「撤退した方が…」
「その必要はないですよ」
紫姚花を甘く見ていたのか、あまりの強さに薔薇の一族が怯み始めた矢先のことだった
薔薇一族の1人が冬中を捕まえ長達に話す。そこにいた全員が声の主を見る…
「冬中!なぜ逃げなかったのじゃ」
「ごめんなさい…」
冬中を人質に捕られてしまった紫姚花は内面では焦っていた…
「よくやったな、さぁこれでどうでる?」
「クッ!」
動く事が出来ない紫姚花…薔薇一族の勝ち誇った顔に苛立ちを見せる。
「紫姚花様、僕の事は気にしないでっ!」
冬中は目に涙を溜めながら声を振り絞る…
「そのような訳にはゆかぬ…」
「紫姚花とやら分かるだろ?手を出したらどうなるかを…」
紫姚花は黙ったまま頷く…
「では先ほどやられた分を先に返さないと…動くなよ」
そういうと薔薇の一族は紫姚花を痛めつける…紫姚花は睨めつけながらも言葉も出さずに耐えていた。
「紫姚花様!!」
冬中は溜めていた涙を大量に流しながら叫ぶ…
紫姚花はその声に対してとても優しい笑顔を冬中に返した…
「それにしても…僕達の付けた傷がみるみるうちに治っていきますね…」
「化け物だな…」
その言葉に紫姚花も冬中も薔薇の一族を睨みつける。
「混ざりモノ、私達とくればこやつも村にも手を出さないでいよう」
薔薇の一族の言葉に一同は紫姚花を殴っていた手を止める…紫姚花は口から流れ出た血を手で拭いペロッと舐めると…
「よかろう、その条件承知した」
「お前分かっているのか?どうなるのか?」
「黙れ!早く冬中を解放するのじゃ」
睨みつけられた一族の背筋が凍る…
「よかったな…おまえ…ほら行け!」
「紫姚花様…」
「いいから行くのじゃ、わらわの事は誰にも言うでないぞ」
涙が止まらない状態で冬中は頷く…紫姚花は薔薇の一族に術封じの札を付けられ連れ去られていく…
そんな姿を後ろから見ていた冬中は紫姚花の言葉を思い出していた…
『強くなろうと思おた時、その心掛けから強さは始まる…自分自身を信じるのじゃ』
小さな手をグッと握り締め、冬中はこの出来事を紫姚花の言葉を無視し…村人に伝えた。その日からいじめられて・罵声を浴びても気にする事なく少しずつ強くなっていたという。
その姿を見て村人は彼が一番罪を背負っているのだと、自分自身を振り返るようになったという…
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
[恥辱]りみの強制おむつ生活
rei
大衆娯楽
中学三年生になる主人公倉持りみが集会中にお漏らしをしてしまい、おむつを当てられる。
保健室の先生におむつを当ててもらうようにお願い、クラスメイトの前でおむつ着用宣言、お漏らしで小学一年生へ落第など恥辱にあふれた作品です。
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子
ちひろ
恋愛
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子の話。
Fantiaでは他にもえっちなお話を書いてます。よかったら遊びに来てね。
性癖の館
正妻キドリ
ファンタジー
高校生の姉『美桜』と、小学生の妹『沙羅』は性癖の館へと迷い込んだ。そこは、ありとあらゆる性癖を持った者達が集う、変態達の集会所であった。露出狂、SMの女王様と奴隷、ケモナー、ネクロフィリア、ヴォラレフィリア…。色々な変態達が襲ってくるこの館から、姉妹は無事脱出できるのか!?
【R18】僕の筆おろし日記(高校生の僕は親友の家で彼の母親と倫ならぬ禁断の行為を…初体験の相手は美しい人妻だった)
幻田恋人
恋愛
夏休みも終盤に入って、僕は親友の家で一緒に宿題をする事になった。
でも、その家には僕が以前から大人の女性として憧れていた親友の母親で、とても魅力的な人妻の小百合がいた。
親友のいない家の中で僕と小百合の二人だけの時間が始まる。
童貞の僕は小百合の美しさに圧倒され、次第に彼女との濃厚な大人の関係に陥っていく。
許されるはずのない、男子高校生の僕と親友の母親との倫を外れた禁断の愛欲の行為が親友の家で展開されていく…
僕はもう我慢の限界を超えてしまった… 早く小百合さんの中に…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる