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男の嫉妬は女の比ではない
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「は……? な、なんのことですか」
「私はたしかに、真実を誇張して話した。けれどね、サイラスを目障りに思っていた者からしたら、そんなこと、誰が気にする? たとえ嘘がまざっていても、彼を陥れる情報に嬉々として飛びつくだろうさ。彼はよくて、危険な害獣として、本部監視のもと一生監禁、だろうね」
イリスは青ざめた。しかし、負けてはいられなかった。
「……スノウ先生には、今までの研究がある……! 人の役に立っている魔術師に、そんな扱いをするわけないわ……!」
するとレミングスは冷たい目でイリスを見た。
レミングスは冷たく言った。
「ふん。何度も説明しているのに、やはり君はおろかだな。最初は少しは見れる女かと思ったが――あのスノウを選ぶくらいだ。物事を表面でしか見れない可哀そうなおつむをしているんだね」
相変らずの見下し切った発言にイリスはイライラしたが、レミングスは悦に入って続けた。
「院長を除く、治療院の男はほとんどね――あのスノウを、忌々しく思っていたよ。ポッと出のくせに、次々と薬を開発して、そのうえ愛想もないくせに、女は皆彼を見て浮かれ騒いで。僕も正直――」
ぎりりっ、とレミングスが唇をかむ。
「あのスカした顔を、メスで切り裂いて、二目と見れない顔にしてやりたいと常々思っていたよ」
その過激な発言に、イリスはぞっとした。
――男の嫉妬のほうが、女のそれよりも苛烈だ。誰かが言った格言が、イリスの頭に浮かぶ。
(この人……やばい、普通じゃないわ……!)
けれど、だからといってひるんでいては、自分もサイラスも院長も、この男の好きにされてしまう。イリスは反論した。
「私は休職なんてしません。強制する権限は、あなたにはないはず。治療院に戻って、皆にこのことを話します! 院長だって黙っていませんよ!」
するとレミングスは、ますますいやらしい笑みを浮かべた。
「あぁ、院長だっけ?彼は今、本部で尋問を受けているよ。淫魔を秘密裡にかくまった廉でね」
彼は歌うように言った。
「彼が戻ってくるころには、もう院長は彼じゃなくて、この僕さ」
「はぁ? そ、そんなわけ……」
「わからないのかい? 院長がいなくなって今の治療院で、実質のナンバーツーは僕さ。僕はまだ若手だけれど、ゼス財団の後ろ盾がある。サザフィールドさえいなくなれば、お父様が手をまわして僕を院長に就任させるなんてわけないこと」
レミングスは、むっちりとした手でイリスのあごをつかんだ。
「そしたら君の処遇も僕しだいさ。可哀そうな君を、クビにするも休職させるのもね」
そして彼は、あぶらぎった顔をイリスに近づけていった。
「もし君が――僕に泣きついてくるのなら、休職中の生活の面倒は見てあげるし、ゼス財団の力で、スノウへの――処分の軽減を願ってあげてもいいよ?」
――こいつは何を言っているんだ。イリスは息をのんだ。
(どこまで――汚いの!)
しかしレミングスはイリスの沈黙を迷っていると取ったのか、悦に入って言った。
「さぁどうする? スノウを助けたければ……わかるね?」
その手がイリスの肩から胸元へと動いた。
「スノウにも股を開いたんだろう? だったら僕にだって、わけないことだろ?」
その瞬間、イリスはたまらず彼を振り払っていた。
「触るな、豚野郎ッッ!!」
するとレミングスは、がたんと立ち上がってイリスを見下ろした。
「――この低能が。アバズレのくせに、男を選り好みしやがって……」
ここは個室だ。このままだと危ない。
イリスは瞬時の判断で、すばやく病室を出て、走った。
待て! と大声がした気がしたが、イリスは無視してかけて行った。
(とにかく逃げないと……! ここを出て、ホテルに戻って荷物を引き取って……)
それから、それからどうしよう。
――どうやって、サイラスを助けよう。
◆
『おっしゃる通り、私は淫魔です。ですが院長はそのことを知りませんでした。助手の女性の件についても、身に覚えがありません。なのでどうか私だけ拘束してください』
サイラスがあの日、壇上でそう言ったら、この暗い部屋につれてこられた。
(……イリスは大丈夫だろうか、院長は……)
光のささない、魔術符で埋め尽くされた部屋に、サイラスはずっと閉じ込められていた。
(魔物を封じる符……身体が動かない)
入った者の、身体の自由を奪う部屋。サイラスは鎖でしばりつけられているかのように、ただ床にはいつくばっていた。
(完全に、害獣扱い、ですね)
無理もない。淫魔が滅びたのははるかに昔で、ヴァンパイアや獣人たちが安全な存在となってからも、長い時が経った。
平和と化したこの国で、新しい『魔物』が見つかれば、それはさぞ脅威に映るだろう。
(何しろ『淫魔』だからな……)
人間の女を襲って孕ませる、淫獣。
それはかつての昔、人の血を吸っていたヴァンパイアや、肉体を屠っていた獣人くらいに、おぞましい怪物として認識されるに違いない。
(いや、相手を選ばないヴァンパイアや獣人とちがって、相手を『女性』に限定する私のほうが、より嫌悪感は高いかもしれない――)
そう、淫魔は他の魔物と違って、獲物を『選ぶ』。誰でもいいわけではない。
サイラスの身体も心も、イリスにだけ、反応したのだ。
彼女のことを思い出すと、切り付けられたかのようにずきっと胸が痛んだ。
(結局……彼女を騒動に巻き込んで、迷惑をかけた……)
彼女は無関係だとサイラスは主張したが、レミングスにあんな風に晒し上げられて、精神的にも、そして経歴も、無傷ではすまないだろう。
(ああ……やっぱり、やっぱり私は)
イリスと、かかわるべきではなかったのだ。
触れるべきではなかった。
(また……また、好きなひとを、傷つけてしまった)
今の痛みの下にある、もう一つの古傷が、じくりと疼く。
その古い痛みが、サイラスを責める。
(ほら、やっぱりこうなった。だから森から出ないほうがよかったんだ)
そうだ。何かを求めて森を出たのがまちがいだった。
ずっとあそこに一人で暮らし――そして、ひっそり朽ちていけばよかったのだ。
(……私の母のように)
――森にいた子供時代のことを、サイラスはよく覚えていなかった。
わずかに覚えているのは――頭をなでる母の手つき。
サイラスは太古から現存しているレンヨルドの森に、母とともに、たったふたりでひっそり暮らしていた。
おそらく母とサイラスこそが、ほそぼそ生きつないできた淫魔の、最後の生き残りだったのだろう。
けれど森しか知らなかった子供のサイラスは、この世界に、自分と母、そして植物以外のものが存在するなど、疑いもしていなかった。
森になる果実や川で採れる魚を食べ、森に抱かれて眠る。しかしそんな日々は、母の死と共に終わった。
木を見上げても、川を覗いても、いつも一人。
この世界に、たった一人になってしまった。そう気が付いたサイラスは、子供ながらに悲しんだ。
まともにものを食べられなくなった。人恋しくて、眠れなくなった。
――淫魔は、一人で生きていけるようにはできていなかった。
母に代わる誰かを求めて、サイラスは森をさまようようになった。母が決めていた境界線を越え、そして――いつの間にか、人里におりていた。
「あれっ……あなた……誰?」
最初にサイラスが出会ったのは、泉に水を汲みにきていた、同じ年ごろの女の子だった。
「あ……あ」
この世に、自分と母以外に生き物がいたとは。それも自分と同じ「子供」の!
サイラスは衝撃で、まともに口がきけなかった。
「どうしたの? 森で迷った? 口がきけないの?」
女の子は心配して、サイラスにそう問いかけ、様子を見た。
「たいへん。はだしだし、服もきてない……あなた、きっと迷子ね。」
女の子はにっこり笑った。
「こっちよ。いきましょう。大丈夫、きっと家族がみつかるわ」
その声の優しさに、ふいにサイラスの目から涙がこぼれた。
もう、自分に家族はいないのに。
「あらあら、かわいそうに……」
女の子は、たちどまって、サイラスの頭をなでてくれた。
まるで母が、そうしてくれたように。
「大丈夫よ。私についてきて」
女の子が、微笑みながら手を差し出した。
そのほほえみに、サイラスは見とれた。ずっと暗闇で心細かった中で、夜明けの光を見たような気持ちだった。
サイラスはとつぜん現れた命綱をつかむように、その手をぎゅっとつかんだ。
――これでもう、大丈夫。サイラスはそんな気がした。
自分の置かれた状況が理解できたわけではなかったが、ただただその女の子の優しさにどうしようもなく惹かれて、安心し、言われるがままについていったのだ。
女の子の家は、森のほど近くにある、農業を生業とする家だった。
「まぁ、なんだいその子は?」
「私はたしかに、真実を誇張して話した。けれどね、サイラスを目障りに思っていた者からしたら、そんなこと、誰が気にする? たとえ嘘がまざっていても、彼を陥れる情報に嬉々として飛びつくだろうさ。彼はよくて、危険な害獣として、本部監視のもと一生監禁、だろうね」
イリスは青ざめた。しかし、負けてはいられなかった。
「……スノウ先生には、今までの研究がある……! 人の役に立っている魔術師に、そんな扱いをするわけないわ……!」
するとレミングスは冷たい目でイリスを見た。
レミングスは冷たく言った。
「ふん。何度も説明しているのに、やはり君はおろかだな。最初は少しは見れる女かと思ったが――あのスノウを選ぶくらいだ。物事を表面でしか見れない可哀そうなおつむをしているんだね」
相変らずの見下し切った発言にイリスはイライラしたが、レミングスは悦に入って続けた。
「院長を除く、治療院の男はほとんどね――あのスノウを、忌々しく思っていたよ。ポッと出のくせに、次々と薬を開発して、そのうえ愛想もないくせに、女は皆彼を見て浮かれ騒いで。僕も正直――」
ぎりりっ、とレミングスが唇をかむ。
「あのスカした顔を、メスで切り裂いて、二目と見れない顔にしてやりたいと常々思っていたよ」
その過激な発言に、イリスはぞっとした。
――男の嫉妬のほうが、女のそれよりも苛烈だ。誰かが言った格言が、イリスの頭に浮かぶ。
(この人……やばい、普通じゃないわ……!)
けれど、だからといってひるんでいては、自分もサイラスも院長も、この男の好きにされてしまう。イリスは反論した。
「私は休職なんてしません。強制する権限は、あなたにはないはず。治療院に戻って、皆にこのことを話します! 院長だって黙っていませんよ!」
するとレミングスは、ますますいやらしい笑みを浮かべた。
「あぁ、院長だっけ?彼は今、本部で尋問を受けているよ。淫魔を秘密裡にかくまった廉でね」
彼は歌うように言った。
「彼が戻ってくるころには、もう院長は彼じゃなくて、この僕さ」
「はぁ? そ、そんなわけ……」
「わからないのかい? 院長がいなくなって今の治療院で、実質のナンバーツーは僕さ。僕はまだ若手だけれど、ゼス財団の後ろ盾がある。サザフィールドさえいなくなれば、お父様が手をまわして僕を院長に就任させるなんてわけないこと」
レミングスは、むっちりとした手でイリスのあごをつかんだ。
「そしたら君の処遇も僕しだいさ。可哀そうな君を、クビにするも休職させるのもね」
そして彼は、あぶらぎった顔をイリスに近づけていった。
「もし君が――僕に泣きついてくるのなら、休職中の生活の面倒は見てあげるし、ゼス財団の力で、スノウへの――処分の軽減を願ってあげてもいいよ?」
――こいつは何を言っているんだ。イリスは息をのんだ。
(どこまで――汚いの!)
しかしレミングスはイリスの沈黙を迷っていると取ったのか、悦に入って言った。
「さぁどうする? スノウを助けたければ……わかるね?」
その手がイリスの肩から胸元へと動いた。
「スノウにも股を開いたんだろう? だったら僕にだって、わけないことだろ?」
その瞬間、イリスはたまらず彼を振り払っていた。
「触るな、豚野郎ッッ!!」
するとレミングスは、がたんと立ち上がってイリスを見下ろした。
「――この低能が。アバズレのくせに、男を選り好みしやがって……」
ここは個室だ。このままだと危ない。
イリスは瞬時の判断で、すばやく病室を出て、走った。
待て! と大声がした気がしたが、イリスは無視してかけて行った。
(とにかく逃げないと……! ここを出て、ホテルに戻って荷物を引き取って……)
それから、それからどうしよう。
――どうやって、サイラスを助けよう。
◆
『おっしゃる通り、私は淫魔です。ですが院長はそのことを知りませんでした。助手の女性の件についても、身に覚えがありません。なのでどうか私だけ拘束してください』
サイラスがあの日、壇上でそう言ったら、この暗い部屋につれてこられた。
(……イリスは大丈夫だろうか、院長は……)
光のささない、魔術符で埋め尽くされた部屋に、サイラスはずっと閉じ込められていた。
(魔物を封じる符……身体が動かない)
入った者の、身体の自由を奪う部屋。サイラスは鎖でしばりつけられているかのように、ただ床にはいつくばっていた。
(完全に、害獣扱い、ですね)
無理もない。淫魔が滅びたのははるかに昔で、ヴァンパイアや獣人たちが安全な存在となってからも、長い時が経った。
平和と化したこの国で、新しい『魔物』が見つかれば、それはさぞ脅威に映るだろう。
(何しろ『淫魔』だからな……)
人間の女を襲って孕ませる、淫獣。
それはかつての昔、人の血を吸っていたヴァンパイアや、肉体を屠っていた獣人くらいに、おぞましい怪物として認識されるに違いない。
(いや、相手を選ばないヴァンパイアや獣人とちがって、相手を『女性』に限定する私のほうが、より嫌悪感は高いかもしれない――)
そう、淫魔は他の魔物と違って、獲物を『選ぶ』。誰でもいいわけではない。
サイラスの身体も心も、イリスにだけ、反応したのだ。
彼女のことを思い出すと、切り付けられたかのようにずきっと胸が痛んだ。
(結局……彼女を騒動に巻き込んで、迷惑をかけた……)
彼女は無関係だとサイラスは主張したが、レミングスにあんな風に晒し上げられて、精神的にも、そして経歴も、無傷ではすまないだろう。
(ああ……やっぱり、やっぱり私は)
イリスと、かかわるべきではなかったのだ。
触れるべきではなかった。
(また……また、好きなひとを、傷つけてしまった)
今の痛みの下にある、もう一つの古傷が、じくりと疼く。
その古い痛みが、サイラスを責める。
(ほら、やっぱりこうなった。だから森から出ないほうがよかったんだ)
そうだ。何かを求めて森を出たのがまちがいだった。
ずっとあそこに一人で暮らし――そして、ひっそり朽ちていけばよかったのだ。
(……私の母のように)
――森にいた子供時代のことを、サイラスはよく覚えていなかった。
わずかに覚えているのは――頭をなでる母の手つき。
サイラスは太古から現存しているレンヨルドの森に、母とともに、たったふたりでひっそり暮らしていた。
おそらく母とサイラスこそが、ほそぼそ生きつないできた淫魔の、最後の生き残りだったのだろう。
けれど森しか知らなかった子供のサイラスは、この世界に、自分と母、そして植物以外のものが存在するなど、疑いもしていなかった。
森になる果実や川で採れる魚を食べ、森に抱かれて眠る。しかしそんな日々は、母の死と共に終わった。
木を見上げても、川を覗いても、いつも一人。
この世界に、たった一人になってしまった。そう気が付いたサイラスは、子供ながらに悲しんだ。
まともにものを食べられなくなった。人恋しくて、眠れなくなった。
――淫魔は、一人で生きていけるようにはできていなかった。
母に代わる誰かを求めて、サイラスは森をさまようようになった。母が決めていた境界線を越え、そして――いつの間にか、人里におりていた。
「あれっ……あなた……誰?」
最初にサイラスが出会ったのは、泉に水を汲みにきていた、同じ年ごろの女の子だった。
「あ……あ」
この世に、自分と母以外に生き物がいたとは。それも自分と同じ「子供」の!
サイラスは衝撃で、まともに口がきけなかった。
「どうしたの? 森で迷った? 口がきけないの?」
女の子は心配して、サイラスにそう問いかけ、様子を見た。
「たいへん。はだしだし、服もきてない……あなた、きっと迷子ね。」
女の子はにっこり笑った。
「こっちよ。いきましょう。大丈夫、きっと家族がみつかるわ」
その声の優しさに、ふいにサイラスの目から涙がこぼれた。
もう、自分に家族はいないのに。
「あらあら、かわいそうに……」
女の子は、たちどまって、サイラスの頭をなでてくれた。
まるで母が、そうしてくれたように。
「大丈夫よ。私についてきて」
女の子が、微笑みながら手を差し出した。
そのほほえみに、サイラスは見とれた。ずっと暗闇で心細かった中で、夜明けの光を見たような気持ちだった。
サイラスはとつぜん現れた命綱をつかむように、その手をぎゅっとつかんだ。
――これでもう、大丈夫。サイラスはそんな気がした。
自分の置かれた状況が理解できたわけではなかったが、ただただその女の子の優しさにどうしようもなく惹かれて、安心し、言われるがままについていったのだ。
女の子の家は、森のほど近くにある、農業を生業とする家だった。
「まぁ、なんだいその子は?」
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